7頭立ての少頭数で、地元勢同士ならナムラタイタン断然で興味半減といったところだったが、北海道から昨年の道営記念を制したグランプリブラッドが遠征してきた。
そのグランプリブラッドは、シーズン終了後には船橋の総の国オープンに遠征。直線完全に抜け出していた高知のサクラシャイニーをゴール前で追い詰めたものの、わずかハナ差届かず惜しくも2着だった。今回はそれ以来5カ月ぶりの実戦ということが気になるところだが、サクラシャイニーにはダートグレードでも好走歴があって、南関東のオープン勝ちということからも、グランプリブラッドにはナムラタイタンを負かす力は十分あるのではないかと見る。
もちろん相手はナムラタイタン。昨年のシアンモア記念は脚部不安のため自重したが、ここを勝てば地方同士の重賞7連勝となる。
3番手には、このレース連覇がかかるライズライン。桐花賞、赤松杯ではナムラタイタンに差をつけられたが、今シーズン2戦目でどこまで差を詰められるか。
そのほかでは、昨年秋にはオープン・A級一組で3連勝があって今季初戦を快勝したエアカーネリアン、川崎から遠征のドレミファドンが3着争い。
◎6グランプリブラッド
◯1ナムラタイタン
▲7ライズライン
△4エアカーネリアン
△2ドレミファドン
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B級馬による1800mのS2重賞。
高知のA級で勝ち負けしていた馬が、佐賀の下級条件に入ればさすがに強い。転入後、9戦連続連対中のシンゲツだ。いよいよB級のS2重賞に出走するようになって、ここ2戦は1着、2着。今回はかなり相手にも恵まれただけに負けられないところ。
シンゲツ以外にB級の上位で安定した成績を残している馬がいないだけに、相手は迷うところだが、コモドーはここ3戦で掲示板内を確保し、しかも勝ち馬からは1秒以内の差。この距離の経験は少ないが、前走1750メートル戦で中団から2着まで押し上げたように、距離も問題なさそうだ。
3歳のドンゲイボルグは、南関東から転入初戦となった前走錦江湾賞が5着。2着のシンゲツからは1秒7差とやや差をつけられたものの、今回2戦目での慣れと上積みがあれば差を詰められそう。
アユメライトアップは、前走を度外視すれば、それまではB級の重賞や特別で常に掲示板内に好走していた。勝つまでは難しそうだが、連下なら十分狙える。
コスモポッポも、前走がやや負けすぎたが、その前の3走がB級のS2重賞で1、3、4着と善戦。ここでも好走までは期待できそう。
◎8シンゲツ
◯10コモドー
▲1ドンゲイボルグ
△6アユメライトアップ
△5コスモポッポ
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JpnIIIの名古屋大賞典はともかく、その前まで4連勝で新春賞、梅見月杯と連勝したアクロマティックには勢いがある。両重賞ともに向正面、ラチ沿いからまくって直線で差し切るという大胆な競馬。騎手、調教師ともに2位以下に差をつけての目下兵庫リーディングという勢いが馬を走らせているようでもある。
バズーカは昨年秋以降の地元戦では、12月のA1特別ではアクロマティックにクビ差とらえられたが、その後はA1特別を2勝。前走は4コーナーで前をとらえると直線鮮やかに抜け出した。今回は佐賀記念JpnIIIに続いて高知から赤岡騎手が鞍上に呼ばれ、アクロマティックの末脚を封じる流れになれば、古馬重賞初制覇のチャンスもありそうだ。
ダブルファンタジーは船橋に遠征したマリーンカップJpnIIIでは、1、2着馬からは大差がついたが、勝ち馬以外のJRA勢凡走に乗じて3着に粘って見せた。園田では転入初戦のA2特別を勝って以降勝ち星はないが、A1特別でも善戦はしており、マリーンカップJpnIIIの好走で一皮むけたという可能性は期待できる。
地元では久しく重賞勝ちがなかったエーシンクリアーだが、昨年秋には姫山菊花賞で地元古馬重賞初勝利。今回も展開ひとつでチャンスはある。
六甲盃でベルラインにクビ差2着と惜敗だったバレーナボスだが、今回はメンバーが揃って連下まで。
◎10アクロマティック
◯4バズーカ
▲12ダブルファンタジー
△6エーシンクリアー
△11バレーナボス
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5連勝で重賞3連勝中のカツゲキキトキトにとっては、ほとんど勝負付けが済んだか格下という相手で、ここは単なる通過点というレースになりそう。新春ペガサスカップ、新緑賞と木之前葵騎手が危なげなく勝利に導いたが、今回から鞍上が大畑雅章騎手に戻った。東海ダービーを見据えてということなのだろう。マイルを超える距離の経験があるのは、中央時代のマイネル2頭のほかにはキミノマリア(梅桜賞・7着)だけで、距離延長ではさらに強いレースを見せるのではないか。
相手筆頭は、カツゲキキトキト以外では唯一、まだ底を見せていないといえそうなセンターフォワード。5カ月半ぶりの復帰戦となった前走は、一旦はマイネルブルローネに先頭を奪われたが、4コーナーでとらえるとそのまま突き放しての完勝だった。復帰2戦目でさらなる上積みが期待できそうだが、2番手の存在としてカツゲキキトキトに真っ向勝負を挑んだときに2着を確保できるかどうかということになると、馬券の狙いとしては難しいかもしれない。
大畑騎手と入れ替わる形で木之前騎手にまわってきたのがキタノアドラーブル。新春ペガサスカップは大敗だったが、続く新緑賞ではカツゲキキトキトとの差を1秒6差に縮め、そして東海クイーンカップでは勝ったクラトイトイトイにコンマ4秒差の3着と好走。ここ2戦、確実に力をつけていることがうかがえる。
メガホワイティも、スプリングカップ、新春ペガサスカップではカツゲキキトキトに2秒以上の差をつけられていたものが、新緑賞では直後をマークするように追走してコンマ9秒差の2着と差を縮めた。今回はそれ以上があるかどうか。
中央未勝利から転入して着実に勝ち星を重ねたマイネルアクティヴ、マイネルブルローネはさらにひと押しがあれば馬券圏内も。
◎8カツゲキキトキト
◯1センターフォワード
▲2キタノアドラーブル
△10メガホワイティ
△11マイネルアクティヴ
△7マイネルブルローネ
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ゴールドドリームはデビューからダートで3連勝。オープンのヒヤシンスステークスもまずは完勝というレース内容だった。中央馬にとって地方の小回りコースをこなせるかどうかはやってみなければほとんどわからない(レガーロだけは川崎コースを経験しているが)ことで、とにかく実績面では抜けている。
イーストオブザサンは、新馬戦こそ芝で惨敗だったが、その後はダートの1800メートル戦のみを使って7戦2勝2着3回。500万下で2着に負けた2戦はいずれも僅差で勝ち切れない面はあるものの、前走は直線で前がカベになりながら外に持ち出すロスがあっての勝利。着差以上に能力は高いと見る。中団からレースを進めるタイプだが、園田コースは庭ともいえる岩田騎手がうまく捌けばあっと言わせる場面もあるかもしれない。
ケイティブレイブも芝の新馬戦で負けたあとはダートに路線変更。ヒヤシンスステークスがゴールドドリームの4着で、伏竜ステークスが、ヒヤシンスステークス2着だったストロングバローズが勝ってその3着。勝ち馬からの差はともにコンマ4秒で、そのあたりが実力的にカベなのかも。
レガーロは全日本2歳優駿JpnIで2着のあと、3歳になっての2戦がいまひとつの結果。ここで巻き返しというところまでは考えにくい。
グランセブルスの前走は、ほとんど最後方を追走しながら、前がハイペースで飛ばしたことで直線一気が決まった。展開に恵まれた面もあり、同じようなレースがもう一度できるかどうかは疑問で、狙いを下げた。
中央勢はダート2勝以上という馬ばかりが揃って、そのクラスになると地方勢は圧倒的なレースぶりで連戦連勝という馬でもいないと馬券圏内は難しい。地元の菊水賞2着タケマルビクター、同3着エイシンニシパあたりが掲示板に入れるかどうか。
◎6ゴールドドリーム
◯5イーストオブザサン
▲8ケイティブレイブ
△1レガーロ
△4グランセブルス
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