これまで早池峰賞として1200メートルで行われていたレースが、今年から早池峰スーパースプリントとして1000メートルのレースとなり、スーパースプリントシリーズ(SSS)に組み込まれた。昨年まで、岩手所属馬がSSSに参加しようと思えばトライアルは門別まで遠征してグランシャリオ門別スプリントに出走するしかなく、しかしさすがにこれまで門別に遠征した馬は1頭もなく、ほとんど現実的ではなかった。
そういうわけで、第1回として行われる早池峰スーパースプリントには、この距離でこそという馬が何頭か出走してきた。参考になりそうなのは同じ舞台で行われた5月4日のスプリント特別。エゴイストが逃げ切っての勝ちタイムは、時計が出そうな不良馬場で59秒7。ちなみにこの条件のレースは、これまで上級クラスではあまり行われたことがなく、コースレコードの59秒0は2014年8月17日にC1級の一般戦で記録されたもの。となると、先のスプリント特別は評価しにくい。
中心は別路線組と見て、南関東から転入初戦のアルベルティ。中央でもダートの短距離を中心に走り、南関東では今年1月に準重賞のウインタースプリントで大接戦の4着があった。そのあたりの成績を評価した。
デュアルスウォードは中央オープンの実績があり、1200メートルだった昨年の早池峰賞ではライズラインやランドオウジなどの重賞勝ち馬をまとめて負かした実績がある。ただそれから1年。さすがに8歳になって近走の成績はイマイチだが、1000メートルの舞台で覚醒するかどうか。
そして3番手にエゴイスト。勝ち星は芝もダートも1000メートルで4勝ということは評価できるが、中央では未勝利を勝ったのみで、地方でも戦ってきた相手のレベルにやや疑問を感じる。
連下には、いずれもそのスプリント特別組で、3着のエーシンシャラク、10番人気ながら新人の鈴木祐騎手で惜しい2着だったタイセイメテオ、1番人気で5着だったサカジロヴィグラス。
◎10アルベルティ
◯9デュアルスウォード
▲7エゴイスト
△4エーシンシャラク
△5タイセイメテオ
△6サカジロヴィグラス
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この開催ではB級のS2重賞が2戦組まれていて、この鶴見岳賞が1400メートル戦で、翌5日の開聞岳賞が1750メートル戦。
調子を上げてきたコスモガラサにチャンスが巡ってきた。2年近く勝ち星から遠ざかっている間もA級のS2重賞でたびたび入着があり、今年になってB級に降格になっても2着3着と勝ちきれなかったが、ここに来てB級の特別を2連勝。今回は前走の若葉特別で負かしているか、もしくはB級-3組から上がってきたメンバーが相手だけに負けられないところ。
相手筆頭はダノンミル。C1級を勝ってB級初戦となった3走前は6着だったものの、その後1400メートルのB級-3組戦を連勝。その勢いならここも一気に突破という可能性もある。
モリデンクーバーは、若葉特別は着順こそ6着だったが、勝ったコスモガラサとはコンマ4秒差。B級のS2重賞や特別で掲示板内を確保してきた安定性力のこの馬が3番手。
以下はやや安定感に欠けるが、若葉特別で3着だったサチノポピー、前走がダノンミルの2着だったコスモリュブリュー、若葉特別4着だったタツノオトシゴらは3着争いまで。
◎1コスモガラサ
◯11ダノンミル
▲5モリデンクーバー
△7サチノポピー
△4コスモリュブリュー
△3タツノオトシゴ
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昨年の北海優駿ではオヤコダカがスタートでまさかの落馬、その後王冠賞を制して幻の三冠馬となった。その実力が本物だったことは秋以降にあらためて示し、古馬重賞でも互角の戦いを見せた。とはいえ瑞穂賞2着、今シーズン初戦のコスモバルク記念でも2着と、惜しいところでタイトルに手が届かないでいたが、先日の赤レンガ記念を制して古馬重賞初制覇となった。
以前のホッカイドウ競馬では2歳シーズンが終了すると有力馬のほとんどが中央や南関東に移籍してしまったが、近年では有力馬のなかにも北海道にとどまる馬が出てきて、オヤコダカはまさにその1頭だった。
そして今年の3歳世代で、「この馬が北海道に残ったか」と思ったのが、スティールキング。2歳時には重賞こそ勝てなかったものの、ブリーダーズゴールドジュニアカップ、サンライズカップ、そして北海道2歳優駿JpnIIIでいずれも2着と、世代トップクラスの1頭として活躍を見せた。今季初戦となった一冠目の北斗盃を貫禄勝ち。北斗盃組以外にもこれといった上り馬がいるわけではなく、二冠制覇は堅いと見る。
相手は、北斗盃2着から北海優駿トライアルを制したジャストフォファン。北斗盃では、逃げてスティールキングにはとらえられたものの1馬身差で食い下がった。北海優駿トライアルでは2番手に控える競馬で、逃げたフジノパンサーをとらえると4馬身突き放しての圧勝。そのレースぶりなら、ひょっとしてスティールキングに対して逆転もと思わせた。◎◯ともに、昨シーズンも2歳重賞戦線で圧倒的な成績を残した角川秀樹厩舎の所属で、どちらかが勝てば2006年のギルガメッシュ以来10年ぶりの北海優駿制覇となる。
3番手には、北斗盃4着、トライアル2着のフジノパンサー。
北斗盃では大きく離されての5着だったアンビリーバボーだが、南関東での格付けではジャストフォファンや、北斗盃3着のキングニミッツより上で、再転入後2戦目の変り身に期待したい。
ヒダカソウカップで古馬と対戦した牝馬のドリームダークアイがどこまでやれるか。
◎4スティールキング
◯8ジャストフォファン
▲9フジノパンサー
△5アンビリーバボー
△1ドリームダークアイ
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北海道から移籍して2歳時のサプールはまったく目立たない存在だったが、年末のアルデバラン特別を勝ってから一変。飛燕賞では中団追走から向正面で一気に先頭に立つと、人気のドンプリムローズを寄せ付けずという圧巻の競馬だった。その後は古馬のB級に編入されて2戦勝ち星がないが、この時期の3歳馬なら悲観する内容ではない。3歳になってからの充実度でサプールを本命とした。
怖いのはスイシン。中央未勝利から転入し、佐賀では年明けから復帰して6戦3勝。特にここ2戦、佐賀桜花賞でのゴール前突き放しての逃げ切り勝ち、前走有田焼特選での3番手から早め先頭に立って後続を置き去りにしたレースぶりは、いずれも圧巻。今回、S1重賞初挑戦でもあっと言わせる場面はあるかもしれない。
ドンプリムローズは、北海道から転入後7戦6勝で、負けたのは飛燕賞でのサプールの2着だけ。ただ3歳になってからの経験が、その飛燕賞のほかには牝馬限定の花吹雪賞とル・プランタン賞だけ。見た目の成績の数字はすばらしいが、経験的なところで劣ると見て狙いを下げた。
コスモカットは中央未勝利から転入して鯱の門特選まで5戦負けなしと底を見せていないだけに侮れない存在。
古伊万里賞を勝って、ル・プランタン賞で4着だったオダツは吉原寛人騎手を鞍上に配してきた。3歳-2組戦まで5連勝中のウインヴォルケーノは距離延長がカギになりそう。
◎3サプール
◯8スイシン
▲2ドンプリムローズ
△1コスモカット
△10オダツ
△6ウインヴォルケーノ
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はまなす賞では、直線で先に先頭に立っていたリュウノファンタジをゴール前でとらえて勝利となったサンエイゴールド。3/4馬身差だが着差以上に強さを感じさせる勝利だった。今回はそのリュウノファンタジが不在となって、ほかに芝で実績を残している馬がほとんどいないというメンバーだけに、サンエイゴールドにとってははまなす賞以上に楽な競馬になるのではないか。父ステイゴールドということなら、距離延長もこの馬にはプラス材料だろう。
はまなす賞以外のメンバーはかなり格下かダートの短距離しか経験がないというメンバーだけに、やはりはまなす賞上位組が相手になりそう。
その筆頭は、はまなす賞5着だったトゥニーナ。2歳時には盛岡の芝で5戦して4連対という成績を残していた。血統的に距離延長もこなせそうで、あらためて芝での能力に期待してみる。
はまなす賞3着だったのがレイズアスマイル。道中は後方を追走して3〜4コーナーで外から一気にまくってきて見せ場をつくった。ゴール前でもうひと伸びしていただけにスタミナはありそうで、距離延長でサンエイゴールドに迫る場面もあるかもしれない。
ドリームピサははまなす賞4着。冬休み明け後に2、1、1着と調子を上げてきただけに、さらに上積みがあれば再び上位争いも。
はまなす賞では9着だったソウダイショウだが、水沢の3歳A級戦で上位争いをしていただけに、実力的には◯以下の馬たちと差はなさそう。2度目の盛岡の芝で変わり身があれば。
◎10サンエイゴールド
◯6トゥニーナ
▲5レイズアスマイル
△3ドリームピサ
△8ソウダイショウ
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