この開催では吉野ケ里記念ステップ(1着馬に優先出走権)としてA級馬による1400メートルのS2重賞が2レース組まれている。水無月賞には9頭の登録があったものの出走は7頭で、A2級から挑戦のテイエムチカラ以外の6頭はA1格付け。そして翌26日の黒髪山賞はA2級馬による争いとなっている。
格付けはA2でも、やはりテイエムチカラが強そうだ。中央500万下から転入して1400メートル戦のみを使われ9戦7勝。前走は外枠からでもすんなりハナを奪って、最後は2着3着馬に差を詰められたもののまだまだ余裕があった。今回は最内枠に入って、ここもすんなりハナならあっさりという場面もありそうだ。
相手はモエレジュンキン。九千部山賞ではテイエムチカラの3着だったが、続く前走の多良岳特別は1番人気にこたえて完勝。不良馬場とはいえ勝ちタイムの1分27秒0は、テイエムチカラの持ちタイムを上回る。好調持続なら逆転もあるかもしれない。
コウユーヒーローは、昨年後半に九州大賞典2着、中島記念3着とS1重賞で好走するなど実績では最上位。佐賀転入初戦に1400メートルのS2重賞を勝っているが、今回は久々の1400メートル戦でどうか。
中央から転入2戦目のイタリアンネオは変わり身に期待。
◎1テイエムチカラ
○6モエレジュンキン
▲5コウユーヒーロー
△2イタリアンネオ
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クリーンエコロジーは、北海道スプリントカップJpnIIIで地方最先着の4着。その前走のトライアルが直線で失速して4着と案外の競馬だったが、もともと走る気を見せる時とそうでないときの落差があるタイプ。昨年のこのレースは7着で、ダート1000メートルはその時以来だが、ハナをとるか先行して前走のような競馬ができれば、このメンバーなら十分に勝負できる力は持っている。
サクラインザスカイは中央オープンから転入し、1年以上のブランクがあって今季復帰。北海道スプリントカップJpnIII・7着は中央のオープンでも壁があったように力どおり。とはいえ中央の1000万、準オープンを勝ったのがダート1200メートルで、1000メートルは今回が初めてだが距離短縮でダメということはないだろう。
シセイカイカは今季初戦こそ4着だったが、続く前走ではレッドペリグリンやクリーンエコロジーらを相手に勝利。ほとんど門別1200メートルのみを使われ、1000メートル戦は2歳時以来5年ぶり。外枠がどうかだが、すんなり好位につけられればチャンスはありそう。
レッドペリグリンは、2走前の北海道スプリントカップトライアルで、直線、シセイカイカと馬体を併せての追い比べとなって惜しくもハナ差で2着。昨シーズン終盤からオープンクラスでも戦える力をつけた。
昨シーズン終盤、アウヤンテプイやシセイカイカ相手に好走していたリバーキンタローは、ここが今季初戦で仕上がり次第。
ケイアイユニコーンは中央1000万からの転入初戦。中央では芝1200メートルを中心に走って、ダートは3年前に一度使われただけ。1000万条件とはいえ芝1200メートルで1分8秒台というタイムを何度も出しているだけに能力的には一定レベルのものがある。あとは門別のダートが合うかどうか。
◎8クリーンエコロジー
◯3サクラインザスカイ
▲9シセイカイカ
△7レッドペリグリン
△1リバーキンタロー
△10ケイアイユニコーン
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A級、B級、C級いずれのトライアルも不成立になった(らしい)ことで、800m戦は初めてか久しぶりという馬がほとんどというメンバーだけに、予想は難解。
そんななかでイワクラギンガは、3年前にB級のトライアルを勝って本番で5着、そして昨年はA級のトライアルが2着で、本番が3着。その昨年の勝ち馬はともにワールドエンドで現在は浦和の所属。名古屋でら馬スプリントは今年が6回目で、過去にはラブミーチャンとワールドエンドの2頭しか勝ち馬がいないという、そのレベルの馬がまったく不在となってしまった今回なら、イワクラギンガの出番といっていいだろう。
トゥルーカラーズはここまで7勝のうち6勝が1400メートル以下。目下名古屋のA級では6戦連続3着以内と好調で、格下馬も少なくないこのメンバーならチャンスは十分といえそう。
ハナノパレードは昨年の3歳重賞線戦で2勝。前走ではトゥルーカラーズに先着しているが、デビュー戦以来の800メートル戦でどうか。ここのところ逃げて結果を残しているだけに、先行争いが激しくなるこの距離の大外枠もどうだろう。
3年前に笠松・名古屋の3歳重賞で2勝を挙げているのがゴールドブラザー。当時は笠松所属だったが、今回は中央から名古屋に移籍しての初戦。近走、中央1000万条件で勝ち馬から1秒前後の差という実力なら、このメンバーで上位争いを期待できる。
◎1イワクラギンガ
◯9トゥルーカラーズ
▲10ハナノパレード
△6ゴールドブラザー
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グランダム・ジャパン3歳シーズンで2位となったディアマルコの凱旋出走。若草賞、東海クイーンカップこそクラトイトイトイに完敗だったものの、のじぎく賞では直線でクラトイトイトイに並びかけると見事に競り落とした。もともと高知でも古馬C2を連勝している実力があり、その後の遠征競馬で力をつけていることは確実。疲れや反動さえなければ、ここは強いレースを見せてくれるだろう。
ダービーウイークの全6戦に騎乗し、さらに高知優駿にもという吉原騎手が手綱をとるのがセイエスパーニャ。赤岡騎手で1番人気に支持された黒潮皐月賞はブラックビューティにとらえられて惜しくも2着。実力はあるが、今回一気の距離延長がどうか。中央時代にはダート1800メートルの経験があるが、いずれも惨敗なのであまり参考にはならない。血統的にはまったく問題ないはずだが。
ナガラスマイルは中央1戦未勝利から転入。3歳戦でいずれも2着に6馬身差をつけて3連勝。今回、はじめて同世代の一線級との対戦となるだけにどんなレースを見せるか。
黒潮皐月賞4着から古馬C1戦を制したハルノフェスタ、中央未勝利から転入して古馬C3戦を快勝したモヒカンなどにも未知の魅力がある。
高知の馬場では全馬が1400メートルまでしか経験がないだけに波乱の要素も。ただその中で1700メートル戦ののじぎく賞を快勝しているディアマルコの経験は大きい。
◎10ディアマルコ
◯4セイエスパーニャ
▲1ナガラスマイル
△9ハルノフェスタ
△7モヒカン
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強い6歳の2頭は今シーズンも好調。ばんえい十勝オッズパーク杯では、昨年同様にワンツー決着。勝ったオレノココロは今回別定10キロ増となるので、やはり昨年同様にコウシュハウンカイの出番と見る。
昨年の旭川記念では9着に敗れていたオレノココロだが、昨シーズンはその後に別定重量を積まれても強いレースを見せ続けた。ゆえに今シーズンは勝負になると見る。
ばんえい十勝オッズパーク杯で惜しい3着だったオイドン以下、ニュータカラコマ、キタノタイショウ、フジダイビクトリーら重賞実績馬が連下争い。ただフジダイビクトリーは昨シーズン後半から高重量専用タイプになったような印象があり、シーズン前半のあまり重量が重くならないところでは苦しむかもしれない。
◎6コウシュハウンカイ
◯8オレノココロ
▲1オイドン
△4ニュータカラコマ
△2キタノタイショウ
△9フジダイビクトリー
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