重賞勝ち馬が限られるメンバー構成で、そんな中で兵庫のフィオーレハーバーの実績、そして近走の好調ぶりが目を引く。昨年7月から6戦連続連対中。何より笠松に遠征しての笠松グランプリでは直線差を詰めてエーシンクールディに1馬身半差と迫る2着。今回の相手には負けられない。
対抗には地元笠松のマルヨシロワイン。重賞タイトルこそないものの、兵庫に遠征した姫山菊花賞、兵庫クイーンカップではともに4着。勝ち馬との差はそれぞれ0秒4、0秒3とほとんど差がない。笠松グランプリではフィオーレハーバーに3/4馬身差の3着。逆転のチャンスも十分。
▲以下はエーシン軍団の3頭で、その筆頭は兵庫から遠征のエーシンエフダンズ。中央では芝の短距離でオープンまで出世。兵庫に転入後は2戦してともに3着だが、前走のA1特別では2着のフィオーレハーバーに3/4馬身差まで迫った。
重賞でなかなか勝ちきれなかったエーシンアクセランがようやくタイトルを獲ったのが2010年のサマーカップ。しかしその後は再びがんばっても重賞では2着3着。近5走連続連対と安定した成績だが、今回は7カ月の休み明け。しかも重賞で善戦とはいっても昨年は勝ち馬から1秒以上の差をつけられていた。強くは推せない要素のほうが多い。
エーシンエヴァンは、昨年唯一の勝ち星がA2特別。重賞で2着3着もあったが、勝ち馬からはやや離されていた。今回も連下争いまで。
◎フィオーレハーバー
◯マルヨシロワイン
▲エーシンエフダンズ
△エーシンアクセラン
△エーシンエヴァン
岩手の2011年度のシーズンが最終日を迎える。震災の影響でシーズン開始は遅れたものの、当初は絶望的と思われた水沢開催が、12月からとはいえきちんと行われ、こうしてトウケイニセイ記念まで実施されてシーズンを終えられてほんとうによかったと思う。
桐花賞を制したカミノヌヴォーが、レース直後には体調次第ではこのトウケイニセイ記念にもというプランもあったようだが、残念ながら出走はなかった。
ここは桐花賞で2番人気に支持されながら5着に沈んだゴールドマインの巻き返しに期待したい。今シーズンの重賞勝ちは青藍賞のみだが、その後も地元同士のレースでは上位を確保。桐花賞は残念だったが、今回のメンバーなら能力上位は間違いない。
重賞初挑戦だが、シャイニーハリアーの勢いが怖い。夏までは勝ち切れないレースが続いたが、その後は9月4日のB1二組戦から5連勝。初めてのA級戦は2着だったが、前走できっちり巻き返した。今回のメンバーなら重賞まで一気に突き抜けるチャンスだ。
ブライティアピアは、秋以降A級戦で安定した成績。前走では重賞勝ちの経験があるダンストンリアルやマイネベリンダをまとめて負かした。水沢コースは5戦全勝。得意の舞台で一発を狙う。
ワイルドキャットは、今シーズン1勝のみだが、掲示板を外したのは一度だけという安定した成績。重賞にも3回出走して3、3、5着という成績なら、今回も連下には十分チャンスがある。
マイネベリンダは、昨シーズンにはビューチフル・ドリーマーカップから青藍賞を連勝し、今シーズンは青藍賞で3着。前走でもブライティアピアにコンマ1秒差3着なら、ほとんど差はない。
ベルモントダイヤは、この秋に中央500万から転入してA級で8戦3勝。ただ勝つ時と負けるときの落差が大きい。前々走、今回と同じ水沢1600メートルの白嶺賞では、ゴールドマインなど人気馬を一蹴。抜けた存在がいないここなら大駆けの可能性はある。
◎ゴールドマイン
◯シャイニーハリアー
▲ブライティアピア
△ワイルドキャット
△マイネベリンダ
△ベルモントダイヤ
名古屋記念といえば1900メートルのつもりで予想をはじめて、今年はメンバー的にずいぶん短距離っぽい馬が多いなあと思ったら、昨年が1600メートルで、そして今年はさらに距離短縮で1400メートルになっていた。
ならば中央でもダートの短距離でオープンまで出世したスマートブレードを狙う。前走、佐賀で行われたオッズパークグランプリ2011は5番人気と低評価ながらラブミーチャンの2着に好走。名古屋でこの距離は初めてだが、力を発揮できる舞台だ。
エイシンパンサーは、中央準オープンの芝の短距離で2着や3着があるという実績。転入初戦の前走A2特別では3着だが、重賞実績があるシンワコウジにコンマ5秒差ならここでも勝負になる。
不気味なのはスウィングダンス。中央では未勝利でも500万下でも二桁着順ばかりだが、名古屋では目下B1特別まで8連勝中。ただ以前に名古屋に在籍していたときは、中央との条件交流や3歳1組戦で負けていただけに、ある一定のところで壁があるのかもしれない。あっさり勝たれても不思議はないし、A級上位クラスとの対戦となる今回ならコロっと負けてしまう可能性もある。そういう意味での▲。
地元重賞でキングスゾーンに△はちょっと評価が低すぎるような気もするが、10歳になった今の力だと、中央の準オープン以上が相手では苦戦するように思う。
ヒシアカデミーは、中央1000万下のダート短距離で上位争いがあり、金沢に転入初戦のA1特別で5着。馬券圏内の争いに食い込めるかどうか。
◎スマートブレード
◯エイシンパンサー
▲スウィングダンス
△キングスゾーン
△ヒシアカデミー
重賞勝ち馬がいない上に、勝ったり負けたりのメンバーが多く、難解な一戦。
ここは転入2戦目の上積みに期待して、スズカウインダーから。前走の2歳1組特別は、中団追走からゴール前だけ脚を使って接戦の2着。ホッカイドウ時代はオープンで上位争いをしていて、ラベンダー賞でもコンマ8秒差6着とまずまず好走。それも含めて中央芝へは3度の挑戦があり、スピード能力は上位だ。
相手にはライデンリーダー記念から中6日のオグリカーン。道営から笠松に転入して、中央への遠征を除けば3戦1勝、2着1回。2歳2組戦で負けた相手は重賞2勝のタッチデュール。そして1番人気に支持されたライデンリーダー記念は1馬身半差で2着。まだまだ底を見せたとはいえず、重賞実績のない馬が相手なら十分勝負になる。
ブライトシンプーは、ゴールドウィング賞5着のあと3連勝。前々走では、その後にライデンリーダー記念を勝つマイネルセグメントに1馬身半差をつけて勝利。力をつけている。
コキビジンは前走でブライトシンプーにクビ差の2着。グレンダウザーは10月21日のJRA認定戦でマザーフェアリーやコキビジンを負かして勝利。マザーフェアリーは、9月にブライトシンプーを負かしたことがあり、ゴールドウィング賞でも4着に好走。このあたりはどれが上位に食い込んでも不思議はない。
◎スズカウインダー
◯オグリカーン
▲ブライトシンプー
△コキビジン
△グレンダウザー
△マザーフェアリー
定量戦とはいえ、近走好調という馬が少なく、力比較が難しい。オープン格付けのテンマデトドケの調子がイマイチとあれば、360万円未満クラスの馬が有利で、なかでもミスタートカチを推したい。4歳シーズン1冠目の柏林賞は8着、2冠目の銀河賞も重量的に厳しかったこともあって惨敗だが、その後の4歳同士の特別、山鳩賞では2着、イルミネーションカップで3着と調子を上げてきた。このときも決して楽な重量ではなく、先着されたのは、いずれも負担重量が軽い馬。定量戦なら十分主役を張れる。
トレジャーハンターは、負担重量を課せられながらも柏林賞4着、銀河賞3着と善戦してきた馬。ミスタートカチ同様に、定量戦となるのは有利だ。
メンバー中、唯一勢いがあるのがホクショウバトル。銀河賞を8番人気で制し、それ以来3カ月ぶりとなった軽量スピード戦、地吹雪賞を快勝。ただし、そこから中4日で負担重量がいきなり270キロも増量されるのは心配。
ダイリンビューティは10月にオープン2組混合の特別を勝っていて、実績的には上位だが、ここ3戦がいずれも20秒以上の差をつけられての敗戦だけに巻き返しがあるかどうか。
リキエイは、重量にも恵まれて銀河賞で2着し、近走も勝ち切れないレースが続いているとはいえ、勝ち馬からはそれほど離されず堅実な成績を残している。
格付けでは唯一オープンなのがテンマデトドケ。今シーズンは負担重量に苦しめられているとはいえ、それ以上に調子が上がらず、定量戦でどこまで巻き返せるか。
タケノビジンは、今シーズン21戦して3着を外したのは3回だけ。格下だが上位食い込みを狙う。
◎ミスタートカチ
◯トレジャーハンター
▲ホクショウバトル
△ダイリンビューティ
△リキエイ
△テンマデトドケ
△タケノビジン