グランダム・ジャパンのシリーズに組み込まれた効果だろう。他地区から5頭の遠征があり、馬券的にも興味深い一戦となった。
3か月ぶりの実戦にはなるが、道営から転入して2連勝のレコパンに期待してみたい。転入初戦ではエスワンプリンスを相手にしての勝利。エスワンプリンスといえば飛燕賞を圧勝し、ここまで6戦5勝2着1回。唯一先着を許したのがこのレコパンだ。地元の意地も見せたいところ。
実績最上位は兵庫から遠征のメイレディだろうか。2歳時には牡馬相手に兵庫若駒賞を制し、しかし重賞では2着が4回もある。たしかに強敵相手ということもあったが、一方で1番人気も2回あった。実力があることはたしかだが、勝ちきれない面もあるのかもしれない。そういう意味では期待しながらも相手評価まで。
ガイヤクインは、花吹雪賞を圧勝し、飛燕賞は離された3着とはいえ牝馬では最先着だった。福山に遠征した若草賞は案外だったが、地元に戻って巻き返したいところ。
ガルシーズンは、花吹雪賞4着に飛燕賞5着と牝馬同士ならガイヤクインに続く存在。
福山期待のクーヨシンは、地元の同世代同士ならほぼ無敵だが、他地区が相手となるとやや苦戦。佐賀への遠征で馬券圏内に食い込みがあるかどうか。
不気味なのがトリックトート。佐賀でデビューするはずが出走を取り消し、大井に移籍して新馬戦を勝利。しかしその後は今ひとつの成績で、佐賀に戻って2戦目の前走を勝利した。その前走は古馬B2級を勝利。3歳牝馬がこの時期にB級戦を制したという実力なら一発があっても不思議はない。
◎レコパン
○メイレディ
▲ガイヤクイン
△ガルシーズン
△クーヨシン
△トリックトート
昨年、ダート交流重賞戦線を賑わしたエーシンクールディが4か月ぶりの復帰戦となる。主戦の岡部誠騎手が落馬負傷のため、今回は兵庫のリーディング木村健騎手が呼ばれた。その意気込みを買ってこの馬から。昨年秋以降は、レディスプレリュード、JBCレディスクラシック、クイーン賞JpnIIIと、牝馬同士とはいえ一線級を相手に常に先行するスピードを見せた。特にレディスプレリュードでは直線でも先頭であわやという場面があった。今回は牡馬が相手とはいえ地方同士。笠松転入後、地方同士ではまだ負けていない。
ジーエスライカーも、大井時代はさきたま杯JpnIIで2着などダートグレードで善戦していた。JBCスプリントJpnIでもハナを切って直線まで先頭と、スタートダッシュの速さなら中央馬相手でもヒケをとらない。中央に移籍しての1戦は9着だったが、勝ち馬から1秒差とそれほど離されていない。1400メートルは守備範囲で、名古屋の短い直線なら粘り込む可能性も。
エーシンエフダンズは、中央時代は芝の短距離で活躍したが、兵庫に移籍して笠松、福山で重賞勝ちとダートにも慣れてきた。ただこれまでのレース内容から、◎○の2頭が相手では苦戦するかもしれない。
そのほかで重賞を勝っているのは、新春盃のロードグリンだけというメンバーだけに上記3頭の争いとなろう。連下に食い込む可能性としては、中央オープンから転入して名古屋のオープンで2着2回のダイワマックワン。やはり中央オープンからの転入で2戦目の変わり身に期待してマヤノツルギまで。
◎エーシンクールディ
◯ジーエスライカー
▲エーシンエフダンズ
△ダイワマックワン
△マヤノツルギ
新年度の第1回開催に行われている重賞で、例年であればここが冬季休催明け初戦となる馬がほとんどだったのが、今年は3月にも開催が行われたことで、3月に1走または2走している馬たち同士の対戦となった。
やはり今回もジャングルスマイルとナムラダイキチの一騎打ちという様相だ。
11月の北國王冠では3コーナーから2頭がびっしり叩き合ってジャングルスマイルがクビ差で勝利。12月の中日杯でも2頭の一騎打ちとなり、今度はナムラダイキチが2馬身半突き放した。ちなみに両レースとも3着には大差がついていた。これまでの対戦からも2頭の間に実力差はあまりない。
それぞれ前走のレースぶりからジャングルスマイルのほうが順調と見て本命にする。3月29日の前走は、内枠からハナを奪うと、軽く追われただけで後続を楽に突き放した。
対するナムラダイキチの3月18日の前走は、中団を追走し、道悪だったとはいえ向正面から追いどおし。粘るヒカルマンテンボシにようやく3/4馬身差をつけての勝利だった。そのひと叩きで変わってくる可能性もあるが、まだ本来の調子ではなさそう。
3着争いの筆頭はヒカルマンテンボシ。中日杯は2強から離されたとはいえ3着を確保。前走もナムラダイキチ相手に最後まで食い下がり、3着馬には3馬身差をつけた。2強以外のメンバーでは能力上位で、金沢転入後、勝ち星がないとはいえ成績は安定している。無理に2強を負かしに行ったりしなければ、順当に3着という可能性が高い。
2強との対戦で何度か掲示板を確保しているコスモシェアト、マーベラスキングらが、馬券圏内の争いに加わってくるかどうか。
◎ジャングルスマイル
◯ナムラダイキチ
▲ヒカルマンテンボシ
△コスモシェアト
△マーベラスキング
ここでもタンゴノセックが南関東A級の実力を見せつけそうだ。前々走黒潮スプリンターズカップは、直線後続を突き放して圧巻のレースぶり。黒船賞JpnIIIは6着だったが、地方最先着は確保した。今回は1900メートルに距離延長だが、もともと南関東時代はマイル以上が主戦場だった。不安要素はない。
巻き返しに期待がかかるのが、黒潮スプリンターズカップで単勝1番人気に推されながら2着に敗れたチュニジアンブルー。このときはスタートで出遅れ最後方からの苦しい競馬。ゴール前でレーザーブレイドをようやくとらえての2着だった。タンゴノセックが中団からというタイプだけに、すんなりマイペースで先行できればアッと言わせる場面もあるかもしれない。
昨年、トレノ賞で重賞初制覇を果たしたマルハチゲティは、その後も掲示板を外さない堅実な成績で、近走も勝ちきれないとはいえ、重賞やA級特別で2着、3着を確保。上位2頭にどこまで迫れるか。
リワードレブロンは、昨年末3歳ながら高知県知事賞で3着に好走。自己条件ではまだ底を見せておらず、前走遠征した名古屋大賞典JpnIIIでもJRA勢からは離されたものの地方勢に唯一残された掲示板を確保。試金石となる一戦だ。
メイショウフレアーは、中央1000万条件から転入してA級で3戦1勝。前走は2着だが、高知県知事賞を制したキングサラディンに1馬身差。重賞でも上位に食い込む実力はありそう。
◎タンゴノセック
◯チュニジアンブルー
▲マルハチゲティ
△リワードレブロン
△メイショウフレアー
名古屋のスプリングカップを勝って不安視された距離を克服したエーシンユリシーズと、いまだ負けなしのポアゾンブラックの直接対決が期待されたが、エーシンユリシーズの名がないのはなんとも残念。となると、ここまでのレースぶりにほとんど文句のつけようがないポアゾンブラックの5連勝はほぼ間違いない。
相手は重賞好走組からエクサイティング。園田ジュニアカップ、園田ユースカップは、それぞれ前記2強から1秒以上離されての敗戦だが、前走3歳のA級特別2着はここにきて成長を感じさせる内容。
その3歳A級特別でエクサイティングから4馬身離されて3着だったのがケンスターハーバー。兵庫若駒賞、笠松・ゴールドジュニアはともに2着だが、いずれも勝ち馬からはやや離されていた。とはいえ3走前の3歳AB特別戦でエーシンユリシーズに2馬身差2着は評価できる。
以下はやや離れて、3歳B級で連続2着のユキノスカイナイト、前走3歳B級特別勝ちのホープダイヤは、いずれも3着候補。
◎ポアゾンブラック
◯エクサイティング
▲ケンスターハーバー
△ユキノスカイナイト
△ホープダイヤ