不来方賞、ダービーグランプリ、そして桐花賞と連勝し、岩手の頂点に立ったカミノヌヴォーに引き続き期待したい。3歳時に所属していた南関東では、なぜか下級条件で1勝を挙げたのみ、しかし秋に岩手に戻ると前記の重賞3つを含め4連勝。2歳時と合わせ、岩手では10戦9勝、2着1回とまだ底を見せていない。ロックハンドスター亡きあとの岩手を背負って立つ存在になれるかどうか。期待は大きい。
ヒカルジョディーは、中央から転入後3戦はいいところがなく、しかしトウケイニセイ記念では10番人気で快勝。このときは展開に恵まれたかにも思えたが、今シーズン初戦の赤松杯でも後方でじっくり溜め、直線は馬場の中央から突き抜けた。中央では準オープンまでいった素質馬だけに、どこまで強くなるのか楽しみな存在。
岩手デビューで船橋に移籍したリュウノボーイは、芝のオパールカップ、絆カップと盛岡で重賞2勝。南関東では川崎マイラーズカップ4着や、おおとりオープン3着などオープンクラスでの好走があり、ここでも十分勝負になる。
リリーレインボーは中央1000万条件から笠松を経由して転入し、地方では勝ち星こそないものの重賞や特別で常に善戦。
ノーワンエルスは中央から転入初戦の赤松杯では1番人気に支持されたものの6着。叩き2戦目で巻き返すか。
シャイニーハリアーは、トウケイニセイ記念3着など、A級に上がった昨年12月以降の水沢で3着を外さない安定感がある。
◎カミノヌヴォー
◯ヒカルジョディー
▲リュウノボーイ
△リリーレインボー
△ノーワンエルス
△シャイニーハリアー
『花の15期生』といって、若い競馬ファンはどれくらいピンとくるのだろうか。ぼくは福永洋一さんの現役時代は知らないが、柴田政人さんがどうしても勝ちたいと常に言っていた日本ダービーをようやくウイニングチケットで勝つところを見て、タイキシャトルでジャックルマロワ賞を勝ったとき子供のようにはしゃいでいた岡部幸雄さんを映像を通じてではあるが見て、そうしたときに幾度となく『花の15期生』というキーワードが語られてきた。
興味があれば、ぜひ昔の本や雑誌を漁って読んでみてほしい。その『花の15期生』が集まるという福永洋一記念当日の高知競馬場に、ぼくはワクワクしながら向かう。
チュニジアンブルーに重賞初制覇のチャンスが巡ってきた。高知に移籍後重賞初挑戦となった黒潮スプリンターズカップはタンゴノセックに4馬身ちぎられて完敗の2着。二十四万石賞は逃げの手に出て、そのまま粘り込むかと思ったところ、タンゴノセックにゴール前でとらえられ、惜しくもアタマ差2着だった。今回は、そのタンゴノセックが不在なだけに、どうしても勝っておきたいところだろう。
強敵となりそうなのが、そのタンゴノセックの主戦である赤岡修次騎手が手綱をとるシーアクロス。中央から今年転入して5連勝。マルハチゲティ、カモンネイチャ、レーザーブレイドなど、重賞タイトルや好走歴がある馬を負かしてきた。今回重賞初挑戦だが、どんなレースを見せてくれるか。
カツヨトワイニングは、昨年秋に名古屋から転入し、ダートグレードへの挑戦を除けば10戦7勝2着3回とオール連対。オープンクラスは牝馬同士の特別戦しか経験がないが、名古屋時代はオープンで上位争いをしていた実力馬。まだ底はみせていない。
イーグルビスティーは、昨年6番人気でこのレースを勝利。続くA1特別も勝利したが、それ以降は勝利がない。とはいえ前々走、福山に遠征した大高坂賞で2着。調子を上げていれば連覇も。
ブーレヴキャンターは、昨年夏に転入後ほとんど崩れることなく、目下3連勝中。トップクラスとの対戦は今回が初めてとなるだけに、実績上位勢にどこまで迫れるか。
◎チュニジアンブルー
○シーアクロス
▲カツヨトワイニング
△イーグルビスティー
△ブレーヴキャンター
昨年のショウリダバンザイの勝ち星はわずか2つだが、牝馬ながら道営古馬ナンバー1に登り詰めた1年といっていいだろう。シーズン初戦のコスモバルク記念はクラキンコの2着に敗れたが、夏以降はクラキンコの調子がイマイチだったこともあり力関係を逆転。大井に遠征したレディスプレリュードで4着と好走し、満を持して臨んだ道営記念を制した。馬主の林正夫氏は、騎手、調教師、そして馬主として道営記念を制すという快挙を達成した。
リフレックスの昨シーズンは、赤レンガ記念と瑞穂賞を制し、道営記念は2着。7歳だがまだキャリア21戦と使い込まれいないだけに、まだまだ活躍が見込めそう。
クラキンコは、昨年ブリーダーズゴールドカップJpnIIで惨敗して以降は、その反動があったのかどうか、らしくないレースが続いた。休養明けでの復調に期待したいところ。
ジョーモルデューは今回が中央からの転入初戦。中央時は準オープンではやや苦戦していたが、クラス的には通用するはず。
船橋に移籍していたダブルオーセブンが再び道営に戻ってきた。この冬の南関東では、A3特別で3着が最高の成績。休み明けが多いメンバーで、南関東で使い込まれてきたのはアドバンテージ。
カゼノコウテイは道営記念4着のあと福山に移籍し、重賞で好走して戻ってきた。使い込まれているという点ではダブルオーセブンと同じだが、昨年の道営での成績から、ここでも馬券圏内を狙えるかどうか。
◎ショウリダバンザイ
○リフレックス
▲クラキンコ
△ジョーモルデュー
△ダブルオーセブン
△カゼノコウテイ
昨年、このレースを単勝1.2倍の圧倒的人気にこたえて制したセイクリムズンは、しかしその後はしばらく勝ち星に恵まれず、負のスパイラルに入ってしまったかのようだった。それでも今年の黒船賞JpnIIIで昨年のこのレース以来久々の勝利を挙げると、東京スプリントも連勝と勢いを取り戻した。JRA勢は東京スプリントからスーニが抜けただけというメンバーだけに、負けられない一戦。
相手には約4カ月ぶりの実戦になるがラブミーチャン。昨年は直線まで逃げ粘ったものの、セイクリムズンにあっさり交わされると、ミリオンディスクにもゴール寸前でとらえられて3着だった。昨年と同じ52キロでもあり、マイペースで逃げてどこまで粘れるか。
セレスハントは好走と凡走を繰り返し、忘れたころにポツポツと勝つタイプ。それゆえ通算10勝のうち1番人気での勝利は2度しかない。そればかりか4番人気以下での勝利が6回もある。狙い続けて高配当をもたらしてくれるタイプ。
60キロを背負うスーニは登録のみで回避したが、サマーウインドは60キロでも出走してきた。基礎重量54キロに、GI(JpnI)勝ち馬のプラス5キロ、それに重賞勝利数でさらに1キロ加算されての60キロ。庄野調教師によると、ほかに使うようなレースもなく、今年はJBCの開催が川崎で、JBCスプリントが1400メートルで争われるために、そこに向けてということのようだ。それにしてもセイクリムズンと3キロ差はいかにも厳しい。
エーシンクールディは、4か月ぶりとなった前走東海桜花賞で外枠からやや強引にハナを奪って3着。ダートグレードの経験も豊富で、ひと叩きの上積みがあれば馬券圏内も。主戦の岡部誠騎手が怪我で休養中につき、前回は兵庫から木村健騎手が呼ばれたが、今回は所属する笠松の尾島徹騎手が手綱をとる。
ジーエスライカーは、ラブミーチャンと何度か対戦してハナを叩けるほどスタートダッシュは抜群。昨年のさきたま杯JpnIIでは2着に逃げ粘った経験もある。今回は4番枠で、同型のエーシンクールディやラブミーチャンがさらに外にいるだけに、楽にハナを奪えるかもしれない。
ナイキハイグレードの名を久しぶりに見た気がする。09年の羽田盃を制し、昨年のかきつばた記念JpnIII(6着)のあと高知に移籍。今年3月に復帰して下級条件を3連勝中。いきなりここで通用するかは難しいが、高知所属での出走で、船橋から川島正太郎騎手がわざわざ呼ばれての騎乗にはちょっと驚いた。
◎セイクリムズン
○ラブミーチャン
▲セレスハント
△サマーウインド
△エーシンクールディ
△ジーエスライカー
オオエライジンが、ゴールデンウィークに行われる伝統の一戦に満を持して出走してきた。中央馬相手に堂々の1番人気で臨んだ佐賀記念JpnIIIは、3コーナーから逃げたタカオノボルをとらえにいき、そのタカオノボルが直線まで粘ってくれたので、オオエライジンにとっては遊ぶこともなく勝ちパターンになったかに思えたが、意外にも直線伸びずに後退して5着。とはいえ、勝ったピイラニハイウェイから0秒3差。あらためてダートグレードのタイトルを目指すためにも、ここらあたりで負けるわけにはいかない。
パーフェクトランは9歳だが中央準オープンから転入して3連勝で六甲盃制覇。園田コース得意で連覇をめざしていたマルヨフェニックスを1馬身差でしりぞけての勝利だった。今度はオオエライジンに真っ向勝負を挑む。
連覇を狙うのはレッドゾーン。重賞タイトルは昨年のこのレースのみだが、地元園田での重賞に限れば掲示板をはずしたのは姫山菊花賞のみと常に好走。後方から直線に賭けるタイプだけに、展開次第でチャンスも。
エリモアラルマは、中央1000万から転入して5着のあとA2からA1で3連勝中。初めての重賞でどこまでやれるか力試しの一戦。
新春賞を制したクールフォーマは、2400メートルの六甲盃で8着と惨敗。前走A1特別はエリモアラルマに3馬身差をつけられての勝利だけに、連下争いに加われるかどうか。
◎オオエライジン
○パーフェクトラン
▲レッドゾーン
△エリモアラルマ
△クールフォーマ