福山のこの世代は、クーヨシンかアグリノキセキかという争いだが、ここは高知から単騎遠征のクロクモに期待。中央未勝利、しかも最高の着順が8着という成績だったが、高知に移籍後、高知と福山で、いずれも一方的なレースで連勝。1番人気に期待された高知優駿は残念ながら見せ場をつくれず6着。転入後2連勝のレースぶりからは、高知優駿での惨敗はとても実力とはいえず、一度経験したコースでもあり、あらためて期待したい。
福山ダービーは先手をとったアグリノキセキがクーヨシンに5馬身差をつけて圧勝。クーヨシンの出負けもあって、アグリノキセキにとってはすべてがうまく運んだレース。積極的に他地区に遠征もしているクーヨシンをもう一度上にとる。
モリデンヴィーナスは3歳1組から古馬C1級で4連勝中、同じく3歳1組から古馬C1級で6戦連続連対中のホッカイキコチャンらが力をつけているが、格付け的にもクーヨシン、アグリノキセキとはまだまだ差がありそう。
◎クロクモ
○クーヨシン
▲アグリノキセキ
△モリデンヴィーナス
△ホッカイキコチャン
なんと!岩手ダービーダイヤモンドカップを制したばかりの3歳馬アスペクトが、この時期に古馬重賞に挑戦してきた。もし勝てば、3歳馬によるみちのく大賞典制覇は史上初のこととなる。ただし舞台は水沢。盛岡ダートでは8戦全勝だが、水沢では金杯でのまさかの惨敗があった。はじめての古馬一線級との対戦でもあり、ここは相手候補まで。
中心は、昨年の3歳チャンピオン、カミノヌヴォー。昨年のこの時期は南関東に所属していて岩手ダービーダイヤモンドカップには出走せず。しかし岩手に戻って不来方賞とダービーグランプリを制したばかりか、桐花賞で古馬をも一蹴した。その活躍からすると今季の3戦は案外の結果だが、2000メートルに距離延長のここで復活と見る。
相手にはトーホクキング。格上挑戦だった桐花賞こそ4着だったが、その後は連対を外さず、当然のようにA級まで出世してきた。あすなろ賞は惜しくもオウシュウサンクスにアタマ差2着に敗れたが、前走1番人気に支持されたA級戦でツカサゲンキと同着優勝。重賞初制覇も狙える。
オウシュウサンクスはB1級から6連勝であすなろ賞を制した。勢いならこの馬が一番。
冒頭でも触れた3歳のアスペクトだが、初の古馬との対戦もあるが、3コーナーからびっしり叩き合った岩手ダービーダイヤモンドカップから中2週で、その反動も心配なだけに△まで。
桐花賞2着だったコアレスランナーは、昨年11月から8戦連続で3着を外さない堅実な成績。
今季中央から転入したツカサゲンキは、ここにきて2連勝と調子を上げてきた。ただその連勝が盛岡コースで、その前の水沢での2戦は4、7着という成績だっただけにコース適性に疑問が。
◎カミノヌヴォー
○トーホクキング
▲オウシュウサンクス
△アスペクト
△コアレスランナー
△ツカサゲンキ
ラブミーチャンが万全の状態なら、何かアクシデントでもない限りまず負けることはないだろう。かきつばた記念JpnIIIでは、今やダート短距離では無敵とも思えるセイクリムズンと真っ向勝負で3着。出走予定だったさきたま杯JpnIIは、追い切り後に跛行が見られて回避。しかしそれほど深刻な状況ではなかったようだ。トライアルのハナ差決着がキングスゾーン、ニシノコンサフォスで、その2頭は昨年差をつけて楽々と負かしている。ともに年齢的に上がり目があるとは思えず、このメンバーならスピードが1枚も2枚も違う。
相手にはキングスゾーン。前走のトライアルは、4コーナー外を回って4番手とやや不利なところからニシノコンサフォスとの叩き合いを制した。ラブミーチャンを負かしに行くなど無理をしなければ2着は確保できる。
新興勢力では、B級で3連勝中のフィールドポップに期待。前走800メートル戦は、小雨の良馬場ではあるが、トライアルのキングスゾーンの勝ちタイムを0秒6上回っている。
昨年、ラブミーチャンに4馬身差の2着だったニシノコンサフォスが12歳になってどこまでやれるか。
ダイアエンパイアは、金沢では上級クラスになると短距離戦がほとんどないのが厳しいところ。前走はそれゆえの北海道スプリントカップJpnIII遠征だったのではないか。中央時代はダート1200メートルを中心にオープンで活躍。この距離で一発という場面もあるかもしれない。
◎ラブミーチャン
○キングスゾーン
▲フィールドポップ
△ニシノコンサフォス
△ダイワエンパイア
昨年のこのレースを見ると、実力よりもいかにスタートダッシュを決めるかどうか、そして超短距離に適性があるかどうかで決まったように思う。
ここは佐賀のガルホームが勝負になるのではないか。3歳ながら前走は北海道スプリントカップJpnIIIに遠征し、スタートでそれほど気合を入れることなく2番手につけ、3コーナーからサマーウインドがハナを奪ったハイペースながら、直線まで2番手をキープした。結果、9着に敗れたが、そのときと同じ53キロで、今度は地方馬同士の争い。2ハロン近く短くなる距離なら、最後までもたせられるのではないか。長距離輸送と連闘の影響がなければだが、中央の一線級と走った経験は生きるはず。
相手には園田1230メートルで2戦2勝のタガノブリガデイロ。一昨年、昨年と兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIに出走し、ともに勝ち馬から1秒以内の差。昨年の4月以降、連対を外したのはダートグレードの2戦のみと安定感も抜群だ。
スタートダッシュならエイシンマロニエも抜群。ここ2戦ともに4コーナーまで楽な手ごたえで直線突き放し、1230メートル戦を連勝。兵庫に移籍してからの成績を見るとムラがあるように見えるが、惨敗は1400メートル戦で、1230メートル戦に限れば馬券圏内を外していない。
高知から遠征の2頭、シーアクロス、ブレーヴキャンターは、それぞれ福永洋一記念3、4着で、このメンバーに入ってどこまでやれるか。ここ2戦でエイシンマロニエの2、3着に好走しているダイワデュークも1230メートル戦で好成績を残している。
◎ガルホーム
○タガノブリガデイロ
▲エイシンマロニエ
△シーアクロス
△ブレーヴキャンター
△ダイワデューク
昨年末以前にこのメンバーであれば、迷うことなくカネサブラックが中心だっただろうが、帯広記念を勝って以降は、かつてないほどの不振に陥っている。
そこで狙ってみたいのは、調子を取り戻してきたナリタボブサップ。長期休養から昨年11月に復帰し、当初はオープンの下のクラスでも精彩を欠くレースが多かったものの、年明けからはオープン1組でも互角の勝負をしている。前走大雪賞は、障害を先頭で越え、ホクショウダイヤに交わされたものの最後までバテることなく接戦のゴールだった。ホクショウダイヤとは前走5キロ差だったのが、今回は10キロ差。この重量なら、今の調子なら早め障害から押しきれる。2010年12月のドリームエイジカップ以来の重賞制覇に期待したい。
とはいえ目下絶好調のホクショウダイヤも怖い存在。今季は、ばんえい十勝オッズパーク杯こそ2着に敗れたものの、それ以外は3戦3勝。今年2月のチャンピオンカップが9歳にしての重賞初勝利で、今が充実期なのかもしれない。
カネサブラックは、チャンピオンカップで9着に敗れて以降、勝ち星どころか2着もない。とはいえ、ここ3戦は連続して3着。特にここ2走は勝ったホクショウダイヤとほとんど差がなく、復調気配は見える。
キタノタイショウは、前走大雪賞こそ5着に敗れたものの、それまでは上記3頭と常に差のないレースを続けているだけに力的に差はない。
710キロでばんえい十勝オッズパーク杯を制したホッカイヒカルは、この重量で、しかも別定10キロ増でどこまでやれるか。
◎ナリタボブサップ
◯ホクショウダイヤ
▲カネサブラック
△キタノタイショウ
△ホッカイヒカル