結論から言うと、JpnIIとJpnIIIを1勝ずつのシビルウォー、JpnIIIを1勝のピイラニハイウェイ、ダートオープンで2着2回のグランドシチー、JpnIIで2着があるフリソ、オープンではまだ実績のないスエズと、ほとんど実績通りのおもしろくもなんともない予想になってしまった。
というのも、このレースの過去5年の傾向を見ると、まず3着以内馬15頭中14頭がJRAで、地方勢はほとんど馬券にかららめず。さらに1番人気【3.2.0.0】、2番人気【2.0.1.2】と、人気上位馬の決着が多く、荒れる要素がほとんどない。唯一地方馬で馬券対象になったのは一昨年2着のブルーラッド(川崎)だが、この馬には浦和記念JpnII勝ちの実績があった。となると、やはりJRA勢のダートグレード実績のある馬からという予想にならざるをえない。
シビルウォーのダートグレード勝ちは、2000メートルのブリーダーズゴールドカップJpnIIと、2100メートルの白山大賞典JpnIIIで、いずれも前が競り合った速い流れでいつものように縦長の中団に控え、直線で交わし圧勝という内容。今回は逃げ馬が地方馬しかなく、流れが速くなるかどうかは微妙だが、流れが遅ければ早めに仕掛けることもできるので、とりこぼすにしても馬券圏内は外さないだろう。
ピイラニハイウェイは今年2月の佐賀記念JpnIIIが重賞初制覇で、ダイオライト記念JpnIIでも前が飛ばした流れを控えて直線の追い込みに賭け2着に食い込んだ。7歳にして今が充実期といったところ。
他3頭のJRA勢はいずれもオープン勝ちはないが、その中では若い5歳で、ここ2戦連続2着と勢いがあるグランドシチーを▲とした。
◎シビルウォー
○ピイラニハイウェイ
▲グランドシチー
△フリソ
△スエズ
かつてないほどの不振に陥ってたカネサブラックだが、本来の安定した強さが戻ってきた。旭川記念は、3番手に障害を越えて先頭のナリタボブサップを交わすという盤石の強さ。その賞金で今回は別定プラス10キロとなるが、このメンバーなら、というかどんなメンバーが相手でも10キロ程度の増量なら問題ないだろう。
一方でそろそろ穴気配が漂うのがギンガリュウセイ。旭川記念では先頭のナリタボブサップに続いて障害を降りて5着。前走ミントスポット杯は、障害5番手でそのまま5着だった。今季はまだ一度も馬券にからんでいないが、この重量になれば第2障害のタイミングひとつで、そろそろあっと言わせる場面もあるのではないか。昨年は北見記念を勝っているように、本来の力が戻ってからでは馬券的な妙味はない。こうして今シーズンの馬券もギンガリュウセイに縛られるような気がする。
今回と同じ800キロのチャンピオンカップで2着の実績があるキタノタイショウは、旭川記念4着のあと、前走ミントスポット杯を勝って調子を上げている。
ナリタボブサップは、旭川記念では障害先頭から差のない2着に粘ったが、今回は基礎重量が増えることで、たとえ障害を先頭で越えても、ゴール前の末の甘いところが出てしまうと見て狙いを下げた。
ホッカイヒカルは別定プラス10キロでは連下まで。
そのほか、ギンガリュウセイから流すときに相手も荒れることを想定して、まずいらないだろうと思われる2頭を除いて一応印をつけた。
◎カネサブラック
◯ギンガリュウセイ
▲キタノタイショウ
△ナリタボブサップ
△ホッカイヒカル
△ホクショウダイヤ
△テンマデトドケ
前開催のオープンで、この前哨戦ともいえる黒髪山特別を制したのがリネンハイブリット。格下からの挑戦だったが、1番人気にこたえて堂々の逃げ切りだった。メンバー中唯一の4歳馬で、今後の佐賀を背負って立つ存在という意味でも期待したいところ。
アドマイヤダンクは、中央オープンから転入し、佐賀記念JpnIIIで惨敗している以外、佐賀ではすべて4着以内という安定した成績。しかもここ3戦は1、2、1着と調子を上げてきているよう。佐賀では1750メートル以上しか経験していないのが気になるところだが、地元同士なら1400メートルでもそれほどペースが速くなることもないだろうから、距離短縮も対応可能と見る。
メイホウホップは、今年4月以降6戦していずれも2着か3着で、勝ち馬との差もコンマ4秒以内。常に好走するもなかなか勝ち切れない。前走はリネンハイブリットの2着、前々走はアドマイヤダンクの2着で、今回は当然逆転を狙う。
シゲルアサマヤマは、黒髪山特別ではリネンハイブリット、メイホウホップに続く3着。3月のはがくれ大賞典では、ヘイアンレジェンドやタニノウィンザーなど実績馬に先着しての3着という成績もあるだけに、重賞でも上位争いの力はある。
◎リネンハイブリット
◯アドマイヤダンク
▲メイホウホップ
△シゲルアサマヤマ
このメンバーなら、やはり南関東で重賞を戦ってきた馬の能力が上だろう。なかでもコスモワイルドは道営所属時の2歳時にJRA札幌芝のコスモス賞3着という成績がある。前走東京ダービーはさすがに相手が強かったが、前々走で地元の3歳特別を勝っているだけに、ここでも好勝負。
南関東での重賞実績なら、クラウンカップ、東京湾カップで掲示板を確保しているハテンコウのほうが上。あとは初めての芝をこなせるかどうか。
地元勢では、岩手ダービーダイヤモンドカップでアスペクトに食い下がったロッソコルサが断然。JRAの芝で新馬戦勝ちがあるだけに、南関東をはじめとする他地区勢をあっさり一蹴という可能性も十分。
アウヤンテプイは、人気となった前走東海ダービーはまさかの4着。しかし東海・北陸の重賞3勝はこのメンバーに入れば能力上位。遠征経験も豊富なことから、あらためて期待してみたい。
そのほか地元勢では、芝のはまなす賞を勝ち、古馬相手のかきつばた賞でも3着のワタリドラゴン、前走ウイナーカップを9番人気で制したライトマッスルらも馬券圏内を狙えそう。
◎コスモワイルド
○ハテンコウ
▲ロッソコルサ
△アウヤンテプイ
△ワタリドラゴン
△ライトマッスル
東海クイーンカップで1、2着だったマーメイドジャンプ、スズカウインダーの重賞実績が抜けていて、今回もこの2頭による勝負となりそう。
その東海クイーンカップは、逃げたマーメイドジャンプに、スズカウインダーがピタリと追走。3コーナーから3番手以下を離して2頭の一騎打ちとなったが、最後までハナを譲らなかったマーメイドジャンプがスズカウインダーに2馬身差をつけて勝利。3着には大差がついていた。
その後マーメイドジャンプは、園田に遠征したのじぎく賞も勝利。このときは、最終的にグランダム・ジャパン3歳シーズンの女王となるメイレディを負かしての勝利だった。そして前走東海ダービーは8着。
一方のスズカウインダーは、のじぎく賞で2番人気に支持されるも残念ながら最下位。しかし前走では古馬A級4組戦を勝利。
対戦成績からマーメイドジャンプを本命とするが、スズカウインダーのほうは古馬A級を相手に勝っているだけに、逆転の目もある。
そのほかでは、デビューから大崩れがなく、ここに来て3歳戦を2連勝中のオリオンローザが好調。東海クイーンカップは3着だったが、2頭から離されているだけに逆転までは難しいか。
セントウイナーは、水沢に遠征した留守杯日高賞で2着と好走。しかしのじぎく賞ではマーメイドジャンプに1秒6差をつけられての完敗だっただけに、こちらも逆転は難しそう。
ヒトメボレはまだまだ格下だが、3連勝の勢いで上位食い込みがあるかどうか。
◎マーメイドジャンプ
◯スズカウインダー
▲オリオンローザ
△セントウイナー
△ヒトメボレ