昨年までとJRA認定競走のシステムが変わり、新馬戦や未勝利戦ではなく、2歳オープンクラスのレースがJRA認定競走として指定されることになった。
ここはやはり芝で2連勝のハカタドンタクだろう。前走は8頭立て7番手という位置取りから、直線を向いてムチを入れられると、外から前の馬たちを並ぶ間もなく交わし去った。2歳のこの時期で上がり3ハロン35秒1は速い。ここまでの2戦ともに芝1000メートルで、今回は1600メートルに距離が伸びるが、父フレンチデピュティ、母父ダンスインザダークという血統から、また直線で前をまとめて交わしたというレースぶりからも、むしろ距離が伸びて力を発揮するだろう。
ダートで2連勝がマイケイボス。前走盛岡ダート1200メートルは、後続を引きつけての逃げから、直線追い出されるとあっという間に突き放した。素質馬であることは間違いなく、あとは初めての芝がどうか。レースぶりから距離延長は心配なさそう。
マンセイグレネードは芝で1戦して2着のみという成績だが、ダッシュよく飛び出して逃げると、直線ではオールマイウェイにとらえられて6馬身離されたものの、上がり36秒台をマークしているのでそれほどばてているわけではない。タイム的にも盛岡芝1000メートルで1分を切っているのはハカタドンタクとこの馬だけ。2戦目の上積みがあれば好勝負だが、距離適性としては父サクラバクシンオー、母父リアルシャダイのどちらに出るのかが気になるところ。
ドクトルバロンは、前走でハカタドンタクに2馬身半差2着と食い下がった。ダートは3戦していずれも1秒以上の差をつけられての敗戦だが、デビュー戦以来となった芝で好走を見せただけに、ここでも上位争いに加わりそう。
芝のデビュー戦をまずまずのタイムで2着に入ったラブミーマックスにも可能性はありそう。
◎ハカタドンタク
◯マルケイボス
▲マンセイグレネード
△ドクトルバロン
△ラブミーマックス
プロキオンステークスGIIIを3番人気で6着に敗れたテイクアベットの巻き返しに期待したい。レコードで逃げ切ったトシキャンディを追いかけ、ゴール前で失速したものの、それでもコンマ3秒差。人気2頭が末脚勝負の脚質のためうしろにいて、逃げたトシキャンディもなかなか脚が鈍らないという展開で、難しい判断を強いられた。このときは2キロ差あった斤量差が、今回は1キロに縮まるというのもテイクアベットには有利だ。
昨年はクラスターカップJpnIIIに出走(3着)したラブミーチャンが、今年はこちらを狙ってきた。昨年末、同じ佐賀1400メートルで行われたオッズパークグランプリ2011を楽勝している相性のいい舞台ということもあったようだ。外枠だけに、トシキャンディ、テイクアベットの3番手あたりからどんなレースを見せるか。
トシキャンディは、前走プロキオンステークスGIIIが単勝万馬券での逃げ切り。それが実力なのかはまだちょっとうたがってかかりたい。人気が集中するようなら、馬券的には軽視したい。
スーニは好不調の周期が大きく、昨年同様ここで復活とまではどうか。とはいえ、JRA勢はほかに2頭のみで、地方勢では勝負になりそうながラブミーチャンだけというメンバーなら、馬券圏内は十分に狙える。59.5キロのトップハンデだが、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーで克服しているだけに、これは問題ない。
アドマイヤダンクは、中央ではダートのオープンで走っていたという実績。佐賀に転入後しばらくは勝ちきれないレースが続いたが、ここ4戦はオール連対と調子を上げてきている。本来の力を取り戻せていれば上位に食い込んでもおかしくはない。今回は岩永千明騎手が手綱をとる。
◎テイクアベット
◯ラブミーチャン
▲トシキャンディ
△スーニ
△アドマイヤダンク
昨年までは荒尾競馬場で行われていた九州産馬限定の交流戦だが、荒尾競馬の廃止にともない、今年からは佐賀競馬場での開催となった。
JRA勢は500万クラスでも勝負になるかどうか微妙なメンバーばかりの中で、テイエムハエンカゼは1000万クラスで勝ち馬から1秒前後の差でまずまずの好走。本来であれば3歳馬による九州産馬交流として行われていたたんぽぽ賞が、荒尾廃止直前の2歳12月に行われ、そのレースを快勝。地方のダートも問題なくこなす。
テイエムヨカドーがこのレース6度目の出走となる。ここまでの成績は、1勝、2着2回、3着3回。中央1000万以下、地方オープンという条件なので、1000万条件を卒業した直後に船橋に移籍し、2010年からは地方所属としての出走。昨年限りで引退というプランもあったが、年末の東京シンデレラマイルを勝ったことで今年も現役続行となった。昨年はメモリアルイヤーとの一騎打ちで1馬身振り切られたが、今年はテイエム同士の一騎打ちとなりそう。
カシノエルフは、テイエムハエンカゼが勝ったたんぽぽ賞で2着。近走は500万クラスでなんとか掲示板という実力で、トライアルのえびの特別を勝ってここに臨む。
もうひとつのトライアル、大隅特別を勝ったのがカシノピストン。過去2回出走した霧島賞では8着、4着という結果で、近走は500万クラスでやや苦戦。テイエム軍団2頭に対してカシノ軍団が食い込めるかという争いにもなりそう。
地元佐賀勢では、吉野ヶ里記念で2着と好走したカミノチカラ。霧島賞には過去3回出走して6着が最高という成績で、上位争いまでは厳しいか。
◎テイエムハエンカゼ
◯テイエムヨカドー
▲カシノエルフ
△カシノピストン
△カミノチカラ
昨年はJRA勢に重賞勝ち馬がなく笠松のラブミーチャンが人気を集めたが、今年はいかにも1200メートルのJpnIIIらしいメンバーが集まった。
セレスハントは、前々走北海道スプリントカップJpnIIIを勝ち、前走のプロキオンステークスGIIIは9着だったが、勝ったトシキャンディからはコンマ5秒差。単勝万馬券のトシキャンディがコースレコードで逃げ切って、人気になった追い込み脚質のファリダット、シルクフォーチュンらがとらえきれずというレースで、実力通りの結果とは言い難く、セレスハントも着順ほど悪い内容ではなかった。今年芝でもダートでも重賞戦線で絶好調の岩田騎手にも期待したい。
北海道スプリントカップJpnIIIでセレスハントの2着だったのがタイセイレジェンド。重賞勝ちはないものの、今年は根岸ステークスGIIIでも4着など善戦。北海道スプリントカップではセレスハントと1キロ差だった斤量が今回は2キロ差になるだけに、そこに勝機を見いだせるかどうか。
スターボードは中央から船橋に移籍し、東京スプリントJpnIIIでセイクリムズンの3着に逃げ粘った。中央時代は1400メートルを中心に使われていたが、南関東の1200メートルで好走しているように、この距離でこそ力を発揮するのかもしれない。
サマーウインドは、今回別定60キロでの出走。前走59キロで出走した北海道スプリントカップJpnIIIは3コーナーで先頭に立つという積極的な競馬で復活かと思わせたが、直線は失速して中央4頭のうちではいちばんうしろだった。2年前、JBCスプリントJpnI制覇までの快進撃がはじまったこの盛岡の舞台であらためて復活を期待したいところ。
アイルラヴァゲインは、ダートグレードでは5着が最高という成績で、ここでも馬券にからめるかどうか。
トーセンクロスは、中央所属として出走した昨年のこのレースで最下位14着。前々走、900メートルの川崎スパーキングスプリントでは出遅れながらゴール前で差し切っているように、距離は短いほどいい。
◎セレスハント
○タイセイレジェンド
▲スターボード
△サマーウインド
△アイルラヴァゲイン
△トーセンクロス
北斗賞のほぼ再戦というメンバーで、古馬のほぼベストメンバーがそろった。
カネサブラックの安定感がすっかり戻ってきた。今年5月まではどうしたのかと思うほどのスランプだったが、旭川記念を勝ってからは3戦連続連対。北斗賞はキタノタイショウに早めに行かれてわずかに届かずの2着だったが、そのときはキタノタイショウのほうが10キロ軽かったのが、今回は同重量。馬券圏内を外すことはまずないだろう。
相手には、まずホクショウダイヤ。今シーズン3着を外したのは4走前の旭川記念のみ。今年2月のチャンピオンカップが重賞初制覇で、まさに9歳の今が充実期という安定ぶり。前走ビッグウエイトカップのように障害を早めに切れればそのまま押し切る可能性も。
北斗賞を勝ったキタノタイショウは、今回別定10キロ増となり、カネサブラックやホクショウダイヤと同重量となるのがどうか。前走ビッグウエイトカップはやや離れた3着だったが、障害で今ひとつ闘争心を欠いていた。障害さえ早めにクリアできれば勝機はある。まだ6歳で、世代交代の最有力候補だ。
逆に別定での増量がないのが有利なのはナリタボブサップ。乗替りで一発がある印象の安倍憲二騎手に乗替ったギンガリュウセイもしつこく押さえる。
◎カネサブラック
◯ホクショウダイヤ
▲キタノタイショウ
△ナリタボブサップ
△ギンガリュウセイ