金杯は高知からの遠征馬が4連覇となったが、ここにも高知から有力な1頭が遠征してきた。ヒロカミヒメは2歳時に金の鞍賞を勝ち、黒潮皐月賞は3着、高知優駿は2着と勝ちきれなかったが、その後は古馬に編入されて3走前と前走でB-1特別を勝利。高知のB級を勝てるレベルなら、ここでも中心から外せない。
地元福山勢では、中央から転入して楽勝続きという底を見せていない馬が2頭。そのうちの1頭、ディンプルは中央時に名古屋での条件交流に勝った経験もあり、前走C1戦は8馬身差圧勝。3コーナーあたりから持ったまま後続との差を広げた。乾いた馬場で、しかもほとんど追われずに出した1250メートル1分21秒8というタイムは優秀だ。福山でのマイル戦は初めてだが、中央時代は1900メートルまで経験があり、血統的にもむしろ距離が伸びていいはず。ヒロカミヒメを負かすならこの馬。
モンゴールドは、前走B2特別を5馬身差圧勝。重賞上位常連のカンピオーネロサを3着に下しており、メンバー中福山の格付けでは最上位。
中央から転入して連勝のもう1頭がミッドコサージュ。前々走のマイル戦で大差圧勝があるだけに素質はありそう。
ともにB級で勝利を挙げているキモンエンジェル、カンピオーネロサも上位に食い込む可能性は十分。
◎ヒロカミヒメ
○ディンプル
▲モンゴールド
△ミッドコサージュ
△キモンエンジェル
△カンピオーネロサ
今年からJRA認定競走が上級条件のレースとなり、それにともない特別から重賞に格上げとなった。
マルケイボスは、前走芝の若鮎賞こそ3着だったが、デビュー戦は水沢、2戦目は盛岡のダートと連勝。特に盛岡ダート1200メートル戦は2着に6馬身差をつける圧巻のレースだった。
ヴェルシュナイダー、ロックハンドパワーは、前走JRA認定の水沢1400メートル戦でハナ差の1、2着。ヴェルシュナイダーは、向正面から前の動きが忙しくなる展開でも、じっと我慢して仕掛けを遅らせるという内田利雄騎手の得意の戦法。直線追い込んでゴール前きっちり差し切った。今回も引き続き内田利雄騎手だけに、同じようなレースを見せるか。
ロックハンドパワーは、前々走こそ芝で大敗したが、ダートではデビュー勝ちと前走の2着。向正面から早めに動き、上記ヴェルシュナイダーにはとらえられたが、ほとんど勝ったような内容だった。
ハカタドンタクは、前走1番人気に支持された若鮎賞が2着。初めてのダートがどうか。
ワタリルーブルは、デビュー3戦目の前走が初勝利だが、水沢のダートに替って7馬身差の圧勝を見せた。
◎マルケイボス
○ヴェルシュナイダー
▲ロックハンドパワー
△ハカタドンタク
△ワタリルーブル
いよいよ「そのだ金曜ナイター」がスタートする。
大井競馬が日本で初めてナイター競馬をスタートさせたのが1986年(昭和61年)のこと。これはまた別のところに詳しく書くのだが、実は園田競馬場でナイター開催が検討され始めたのは、大井競馬でナイター開催が始まってすぐのことなのだそうだ。ただ当時は、時代背景もあり、また大井競馬場とは違って園田競馬場は住宅街の中にあることなどから、地域住民の理解がまったく得られなかったのだそうだ。その後も何度かナイター開催の計画がなされ、その都度、地域住民の反対に跳ね返されてきた。それでもさまざまに妥協点を探り、金曜日のみとはいえ、いよいよ始まるナイター開催は、園田競馬の関係者にとっては悲願だったようだ。
摂津盃は、ずっとお盆前後に行われてきた重賞だが、今年は記念すべき「そのきん」(そのだ金曜ナイター)初日に合わせての開催となった。
トップハンデ58.5キロだが、安定感抜群のホクセツサンデーの中心は動かしがたい。デビュー以来、ダートグレードを除けば、地方同士の対戦ではいまだに3着以内を一度も外していない。4歳になった今年はまだ重賞のタイトルはないが、ハンデ戦の新春賞は4.5キロも軽いクールフォーマに先着されての2着。定量の六甲盃は3着だが、先着された2頭は今回不在。そして前走A1A2特別を58キロで勝っているとあれば、連軸として信頼度は高い。
相手には56キロのクニノユメオー。重賞実績は昨年末の園田金盃9着のみだが、当時はA2特別でも苦戦する程度の実力で格上挑戦だった。しかしここ7戦では6勝、3着1回。A1特別での勝利もあり、昨年末とは見違えるほどの力をつけた。
ハンデ戦ゆえ穴として狙いたいのは、最軽量52キロのリジョウクラウン。追い込み脚質ゆえ展開が向かなければどこにもないというタイプだが、向正面からのロングスパートを決めてアッと言わせたことはこれまでに何度かあった。前走と3走前にはA1A2特別で2着があることから、今回の52キロならアッと言わせる場面は十分に考えられる。
近走好調のエーシンアガペー、ニシノイーグルは、A1特別で勝ったり負けたりの力関係。
兵庫ダービーを勝って以来3カ月ぶりとなるメイレディは、53キロでも古馬との初対戦が一線級相手ではちょっと厳しいのではないか。
◎ホクセツサンデー
◯クニノユメオー
▲リジョウクラウン
△エーシンアガペー
△ニシノイーグル
△メイレディ
今年のグランダム・ジャパン古馬シーズンは大混戦。3日に行われた第5戦のビューチフル・ドリーマーカップを終えた時点で、1位サクラサクラサクラ、2位ショウリダバンザイ、3位センゲンコスモと、ビューチフル・ドリーマーカップの上位3頭が、そのままの順番で1~3位となっている。ポイントは順に、22、20、17ポイント。そして15ポイントで4位タイのエーシンクールディとロッソトウショウがこの秋桜賞に出走となるので、結果次第で順位は大きく変わる。また、昨年の3歳シーズン女王マンボビーンはまだ5ポイントだが、こことレディスプレリュードを連勝となれば優勝の可能性も残されている。
ここはやはり地元でもありエーシンクールディだろう。読売レディス杯を完勝し、断然人気に支持された兵庫サマークイーン賞はスタートでトモを滑らせてまさかの出遅れ。直線は接戦に持ち込んだが、金沢から遠征のロッソトウショウの強襲もあって3着に敗れた。しかし続く前走、笠松・くろゆり賞は、牡馬相手でも2着に大差をつける楽勝で、この馬の強さを見せつけた。あらためて地方同士なら能力が抜けていることを確認した。
ロッソトウショウは、ビューチフル・ドリーマーカップにも登録があったが、結局こちらに出走してきた。水沢に出走したほうが他地区扱いになるので同じ着順でもポイントが高いが、相手関係的なことなのか、輸送距離を考えてのことなのか、いずれにしても最終戦のレディスプレリュードは中央勢との戦いとなるだけに、女王の座を狙うならここは勝っておかなければならない一戦。もともとは中央準オープンで好走していた実力で、金沢転入後B1級まで6連勝で臨んだのが前々走の読売レディス杯だった。地方では初の一線級相手で3着に敗れたが、距離延長はプラスになるだろうと遠征した兵庫サマークイーン賞は中団待機から直線弾けて、見事に勝利を収めた。得意の距離で再び真っ向勝負。
マンボビーンは、地元の兵庫サマークイーン賞を使わずに、門別まで遠征してノースクイーンカップに出走したが残念ながら4着。相手が揃った今回は勝ち負けまでは難しそう。
読売レディス杯5着のあと特別を連勝中のスウィングダンス、名港盃を制したがその後イマイチのミヤジメーテルらが連下争い。
◎エーシンクールディ
◯ロッソトウショウ
▲マンボビーン
△スウィングダンス
△ミヤジメーテル
ジャングルスマイルかナムラダイキチか。今回も地元2強の一騎打ちとなりそうだ。
前回の対戦は6月の百万石賞で、ジャングルスマイルが逃げ、スタート後中団だったナムラダイキチが2周目の向正面で仕掛けていったが、ジャングルスマイルの平瀬騎手は1馬身より差を詰めることを許さず、直線では突き放して1馬身半差をつけるというレースだった。これまでの対戦では、向正面から3コーナーあたりでナムラダイキチがジャングルスマイルに並びかけて少しでも前に出れば、そのままの勢いで交わし去るが、並びかけられなければジャングルスマイルがそのまま押し切ってしまうというのが勝ち負けのパターン。
さて、今回はどうか。ナムラダイキチの前走は、3番手の好位追走から向正面で前の2頭を交わしにかかると、あとは突き放すばかりで大差の圧勝。単に力の違いといえばそれまでだが、向正面中間で早めに交わしにかかったのは、対ジャングルスマイルのレースを想定してのものだったかもしれない。順調に使われており、ここに向けていい試走になったに違いない。今回はナムラダイキチを中心にする。
相手はもちろんジャングルスマイルで、他の地元勢とはかなり実力に開きがあるため、2強に立ち向かうのは、やはり他地区からの遠征勢となる。
その筆頭は、浦和のトーセンゴライアス。中央準オープンから昨年秋に南関東に転厩し、勝ち星はないもののオープン特別や準重賞なら上位争い。鞍上が地元の吉原騎手でもあり、南関東オープンの実力なら、2強と好勝負の可能性も十分。
マルヨフェニックスは、全盛時なら2強を負かす力はあったと思うが、7月の名港盃では離されての3着。常に脚元との戦いでもあり、仕上がり次第の面は否めない。現状、持てる力を発揮できたとして、どこまで迫れるか。
エーシングレーソロは、前走1番人気に推された名港盃で伏兵のミヤジメーテルに3馬身離されての2着。そのミヤジメーテルが、その後の重賞でいまひとつという成績だけに、エーシングレーソロも期待されたほどの実力はないのかもしれない。トーセンゴライアス、マルヨフェニックスが凡走したときに馬券争いに食い込めるかどうか。
◎ナムラダイキチ
◯ジャングルスマイル
▲トーセンゴライアス
△マルヨフェニックス
△エーシングレーソロ