このメンバーならニホンピロアワーズの実績が抜けている。名古屋グランプリJpnII、名古屋大賞典JpnIIIは、ともに完勝というレース内容で、前走の東海ステークスGIIも負けたとはいえ、直線一旦は単独で先頭に立って見せ場をつくった。差し切られた相手のソリタリーキングは、先日の日本テレビ盃JpnIIを快勝してJBCクラシック戦線へ名乗りを上げた実力馬。昨年はシビルウォーに完敗の2着だったが、今年はその強敵がいないとなれば、今後のGI・JpnI戦線に向けてという意味でも勝っておきたいところ。
地元期待はナムラダイキチ。中央2勝から3歳の早いうちに金沢に転入し、ほぼ無敵の活躍。ときにジャングルスマイルに負けることはあるものの、ここ2戦のイヌワシ賞、オータムスプリントの内容は圧巻。ここにきてさらに力をつけている印象。金沢勢は、これまで04年エイシンクリバーン、06年ビッグドン、そして10年ジャングルスマイルと3度の2着はあるものの(馬インフルエンザで地元馬限定で行われた07年は除く)、他地区遠征も含めてダートグレードのタイトルがまだない。今のナムラダイキチなら、その悲願のタイトルも夢ではない。
エーシンモアオバーは、昨年の名古屋グランプリJpnIIでニホンピロアワーズに2馬身差の2着。ここも長丁場だけにマイペースで逃げられれば粘りこむシーンはある。
ピイラニハイウェイやクリールパッションにもダートグレードのタイトルはあるが、近走の成績からはニホンピロアワーズやエーシンモアオバーに比べるとやや劣勢。
ナムラダイキチと互角の勝負をしてきたジャングルスマイルは、一昨年のこのレースで2着と好走したが、今回のメンバーを見ると同じような好走を望むのはちょっと厳しいかもしれない。
◎ニホンピロアワーズ
◯ナムラダイキチ
▲エーシンモアオバー
△ピイラニハイウェイ
△クリールパッション
△ジャングルスマイル
カネサブラックがここ2戦で、らしくない競馬しているだけに、今年いよいよ本格化気配のキタノタイショウから。2連勝中だけに人気になりそうだが、ほかに中心として推せるような馬もいないだけに、やはりこの馬から。
相手はやはりカネサブラック。以前に比べると安定感に欠けるようだが、それでも今シーズンも重賞では3着以内を外していない。
穴目を狙うなら今回はフクドリ。ここ2戦は差のない3着と好気配で、昨シーズンの成績を見ても北斗賞2着、北見記念3着など、800キロ台のレースもこなせる力は十分にある。
そのほか馬券圏内の勝負になるのは、ナリタボブサップとホクショウダイヤ。
◎キタノタイショウ
◯カネサブラック
▲フクドリ
△ナリタボブサップ
△ホクショウダイヤ
ナターレの実績と充実ぶりが目立つ。3歳時には南関東の重賞を2勝し、今年4歳になってA2の準重賞を勝利。前走スパーキングサマーカップは8着だったが、これはクラーベセクレタが強すぎた。3歳時以来の久々の重賞制覇を狙う。芝は今回が初めてだが、血統的にはこなせるはず。
リュウノボーイは、岩手デビューだが船橋に移籍して、その後岩手に遠征して重賞3勝。その中には、3歳時だが芝のオパールカップのタイトルもある。一昨年のOROカップが3着で、芝はそれ以来だが、前走ではシアンモア記念を勝っているだけに、岩手に来れば絶対能力は高い。
地元勢ではコパノマユチャン。南関東時代はB級上位で好走という実力は、上記2頭よりやや劣る。とはいえ前走桂樹杯は11番人気でのあっと驚く勝利だっただけに、芝で実力を発揮するのかもしれない。
ダイワマックワンは、中央芝のオープンで好走という実績。岩手転入後はオープン級で4着を外さないという安定した成績。ただ桂樹杯ではコパノマユチャンの4着に敗れているだけに、あまり強気にはなれない。
南関東から遠征の3歳馬ハテンコウ、同じく地元3歳のワタリドラゴンらが古馬との対戦でどこまで食い下がれるか。
◎ナターレ
◯リュウノボーイ
▲コパノマユチャン
△ダイワマックワン
△ハテンコウ
△ワタリドラゴン
2歳牝馬3冠の2戦目フローラルカップには、1冠目のリリーカップを制したハニーパイが出走してきたが、1000mから1700mに一気の距離延長でもあり、ここは別路線組を狙ってみたい。
期待したいのは、フレッシュチャレンジからブリーダーズゴールドジュニアカップと2連勝中のカイカヨソウ。ブリーダーズゴールドジュニアカップは、ハナを奪って3~4コーナーで後続を引きつけ、直線では、1番人気に推されていた同じ馬主キャロットファーム/生産ノーザンファームのアウターバンクスを突き放した。デビュー戦からの距離延長で、さらに力を発揮した。
ザスパイスガールは8月のスーパーフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、スタートで出負けしたものの好位にとりつき、直線だけで2着を9馬身突き放すという次元の違うレースを見せた。そのデビュー戦で経験済みの距離でもあり、素質は高そう。
シルバーストリークもここまで使われてきたのは1700m以上と経験豊富。前走、札幌芝のコスモス賞で勝ち馬からコンマ6秒差の4着というスピードが発揮できればチャンスはある。
コルチナは、3走前の2歳オープン(アルデバラン賞)で前記シルバーストリークに先着の2着という結果を残しているだけに、この馬も中距離以上で力を発揮するタイプ。
リリーカップで強い勝ち方をしたハニーパイだが、1000mで2戦2勝、1200mは2戦して3着、5着では、さらに距離が伸びたここでは不安が大きい。
前走イノセントカップで牡馬を相手に2着と好走したトチノスカーレットだが、ここまで4戦して連対を外しているのが1700m戦のみなだけに、同じく距離がどうか。
◎カイカヨソウ
◯ザスパイスガール
▲シルバーストリーク
△コルチナ
△ハニーパイ
△トチノスカーレット
エスワンプリンスは全国区での活躍が期待できそうな大物。母が佐賀所属としてエーデルワイス賞JpnIIIを制したエスワンスペクターという血統も魅力だ。九州ダービー栄城賞を楽勝し、出走予定だったジャパンダートダービーJpnIは熱発のため回避したが、黒潮盃は長距離輸送や57キロという斤量など、さまざまに不利な条件を克服しての僅差3着だった。地元に戻っての一戦となるだけに、ここで負けるわけにはいかない。
相手として期待できそうなのは、勝負付けの済んだ相手よりも新興勢力。コパノモーニングは中央1勝から転入して佐賀ではいずれも一方的なレースぶりで4連勝。古馬C1までしか対戦がないが、まだまだ上のクラスで戦える実力はある。
九州ダービー栄城賞で2着だったダイリンウィーク、花吹雪賞圧勝があるガイヤクインは、ともに古馬B2クラスでの勝ち星があり、夏にどれだけ力をつけているかがカギとなりそう。
ウルトラキングはまだ同世代同士との対戦しかなく、今回が重賞初挑戦となるが、夏以降に力をつけている。
エイブルトップガンは、中央未勝利からの転入初戦となったB2特別を快勝。地方に舞台を移しての活躍が期待できそうだ。
◎エスワンプリンス
○コパノモーニング
▲ダイリンウィーク
△ガイヤクイン
△ウルトラキング
△エイブルトップガン