グランダム・ジャパン古馬シーズンの第5戦で、ここまで10ポイントで4位タイのショウリダバンザイ、センゲンコスモに、7ポイントで6位タイのサクラサクラサクラが遠征してきた。1位は15ポイントで3頭が並んでいるという混戦だけに、この遠征馬3頭はいずれも優勝が狙える位置にいる。
ショウリダバンザイは、ノースクイーンカップを3連覇しているように夏に調子を上げてくる馬。昨年のこのレースでは同厩の伏兵マチカネオイカゼにアタマ差で敗れているだけに、今年こそきっちり勝ってグランダムのタイトルも射程圏に入れたいところだろう。
センゲンコスモは、前々走の読売レディス杯ではエーシンクールディの2番手をぴたりと追走し、直線では離されたものの粘って2着を確保。続く前走は南関東A3の準重賞を勝利という実力なら、ここでも当然有力な1頭。ただマイルを超える距離に実績がないのが気になるところ。
サクラサクラサクラは、赤レンガ記念がクビ差の2着で、前走ノースクイーンカップでは直線で先頭に立ってほとんど勝ったかという内容だったが、ショウリダバンザイにわずかハナ差とらえられての2着だった。昨秋から今春にかけて在籍した南関東ではB級で勝ち負けという実績だけに、センゲンコスモとの比較ではやや分が悪い。
遠征3頭がいかにも強そうで、地元勢では名古屋から転入して7戦5勝、2着2回のマイネヴィント、ひまわり賞を圧勝した3歳のミキノウインクらが食い込めるかどうか。
◎ショウリダバンザイ
○センゲンコスモ
▲サクラサクラサクラ
△マイネヴィント
△ミキノウインク
ジョリーフルールに素質の高さを感じる。デビュー2戦目のアタックチャレンジを好タイムで勝利し、4戦目となった前走は、好スタートから2番手に控えると、直線で先頭に立って楽に後続を突き放した。父スペシャルウィークは、先日急死したゴルトブリッツと同じ。エルムステークスで重賞初制覇となったローマンレジェンドも、父はスペシャルウィークで、ダートでの産駒の活躍が目立っている。
キャニオンピュアは、前走のウィナーズチャレンジでは好スタートから押してハナを奪うと、直線では後続を寄せ付けずという強い内容だった。今回もスピードで押し切るか。
ブリリアントロビンは、なかなか勝ち切れないレースが続きたが、ここにきて2歳一般戦からJRA認定のオープン(ケイムホーム賞)を連勝。今回はそのケイムホーム賞のメンバーが半数を占めているだけに、あらためてそのスピードを見せたいところ。
クラアミーゴは、クラキンコの姪。レースを使われて力をつけてくる血統だけに、上積みに期待。
前走ケイムホーム賞は逃げバテ惨敗だったサザランディーだが、大差圧勝だったデビュー戦のスピードをもう一度見せられるかどうか。
ハニーパイは距離が短いほうがよさそうで、アタックチャレンジを圧勝したこの距離に戻って巻き返すか。
◎ジョリーフルール
◯キャニオンピュア
▲ブリリアントロビン
△クラアミーゴ
△サザランディー
△ハニーパイ
園田FCスプリント3着以来となるが、この距離ならタガノブリガデイロの実力が抜けている。ダート1400メートルは24戦15勝、2着4回。着外5回のうちダートグレードが3戦だから、この距離ではほとんどパーフェクトな成績といえる。それでいて重賞タイトルがないのは、兵庫ではダートグレードを除くと1400メートルの重賞がほとんど行われていないため。前走園田FCスプリントはスタートから3コーナーまで置かれたが、直線は猛然と迫って3着を確保した末脚は、むしろ能力を感じさせた。姫路コースが初めてというのが不安だが、それさえ克服すれば力は抜けている。
エーシンビーセルズは、中央で準オープン勝ちの実績。その後移籍した笠松では結果が残せなかったが、兵庫に移籍して姫路で2連勝。特に前々走は、不良馬場だったとはいえ、この1400メートルでコースレコードを叩きだしての圧勝だった。タガノブリガデイロを脅かすのはこの馬。
名古屋から遠征のデジタルゴールドも実績的に差はない。今年5月の尾張名古屋杯が重賞初制覇で、前々走でオープン特別も勝利。前走名港盃は逃げて8着に沈んだが、これはキングスゾーンに突かれて息の入らない厳しい展開で共倒れだった。1400メートルでの勝ち星が下級条件のときしかないため、その距離に対応できるかどうかがカギとなる。
勝負になるのは上記3頭で、以下はやや離れる。笠松から遠征のマルヨハヤブサは格上挑戦となるが、堅実な成績でまだ底を見せていない。コスモトノは1年以上勝ち星から遠ざかっているものの、ここ2戦はA1特別の1400メートル戦で連続2着と復調気配。シーガルプリンセスは、前走初めてのA1特別で、コスモトノから1馬身半差3着だけに、さらなる上積みがあれば。
◎タガノブリガデイロ
◯エーシンビーセルズ
▲デジタルゴールド
△マルヨハヤブサ
△コスモトノ
△シーガルプリンセス
ばんえい大賞典は、ばんえい競馬の中でも特に難解な重賞のひとつで、過去5年の成績を見ても、単勝1番人気が連対したのは08年1着のライデンロックのみ。あとは07年と昨年が3着。したがって馬連複でも08年の1700円が最低配当で、5000円以上の高配当も2度ある。今年も上下で50キロのハンデ差がついたが、600キロ台で争われる重賞でそうしたハンデ差は、実力差以上に負担が大きいということだろう。過去5年でトップハンデの馬が1頭も連対していないことが、それを如実に表している。
あくまでも連軸だが、中心は最軽量牝馬のタカラハヤヒメ。結果は残せていないものの、2歳シーズンの3冠に加え、牝馬の黒ユリ賞に出走しているというのは、常に世代のトップを狙える位置にいるということ。今シーズンの特別、とかち皐月賞、とかちダービーでも掲示板には届かなかったが、当時は自己条件でも苦戦していた。それがここ3走いずれも連対しているのは、力をつけてきた証拠。軽ハンデを生かして一発を狙う。
ブラックボスは、前走5カ月ぶりの復帰戦を勝って、これが今季2戦目。イレネー記念は断然人気に支持されながらまさかの敗戦で、続く若草賞も上下20キロ差での5着だから、このあたりは調子を落としていたのだろう。じっくり立てなおしてここを狙ってきたと見る。
イレネー記念で2、3着だったテンカムソウ、アサヒリュウセイは、特別のとかち皐月賞、とかちダービーで1、2着を分け合った。ともにその後は惨敗続きだが、賞金を加算されたことによってクラスが上がったためと見る。特にとかち皐月賞までは11月から3着を外すことがなかったアサヒリュウセイを上にとる。
実績最上位のニシキエーカンは、データ的に厳しいトップハンデがどうか。
そのニシキエーカンの村上慎一厩舎は、登録のあったエビスダイチを回避させて、繰り上がりでニシキウンカイを出走させてきた。黒ユリ賞で3着だったほかは成績的にあまり見どころはないが、最軽量でもありちょっと気になる。
◎タカラハヤヒメ
◯ブラックボス
▲アサヒリュウセイ
△テンカムソウ
△ニシキエーカン
△ニシキウンカイ
高知は地方競馬の中でも賞金レベルが高くはないが、にもかかわらず古馬の層が厚い。シーアクロスが佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIに遠征して4着に入ったかと思えば、コスモワッチミーが福山・金杯を楽勝して高知勢4連覇を達成した。今回も実績馬に連勝の上がり馬がいて、勝つ可能性のある馬が半数以上いるような感じの混戦。
牝馬のパイパールヴァティを狙ってみたい。3走前にヴェガ特別牝馬を快勝、続くトレノ賞では3コーナー過ぎからコスモワッチミーと延々叩き合ってわずかクビ差及ばずという接戦。前走A-5の一般戦で3着に負けはしたものの、スタートダッシュも道中の行きっぷりもイマイチ。それでも前で競り合う2頭に迫ってクビ+ハナ差で3着。トレノ賞と同じだけ走れば、このメンバーなら十分勝負になる。
シーアクロスは、重賞初挑戦ながら1番人気に期待された福永洋一記念でコスモワッチミーに完敗の3着。しかしその実力なら、3走前の福山スプリントカップは完勝だった。さらに前走佐賀1400メートルのサマーチャンピオンを1分27秒8で走った能力なら十分にタイトルを狙える。中8日で佐賀遠征の反動がどうか。
ナムラハンターは2年前まで中央オープンの実績があり、前走のA-1特別を1番人気にこたえて完勝。高知ではまだまだ底を見せていない。
リワードアリオンは、連戦連勝でようやく前走A3B1までクラスを上げてきた。2月の黒潮スプリンターズカップは離された4着だったが、当時より確実に力をつけている。
フジヤマワカムシャは、前走は除外だったがその前のA-1特別でコスモワッチミーに3/4馬身差と迫る2着。その実力なら当然上位争いも。
A級で5戦連続連対中のマイネリスペクトは、ヴェガ特別牝馬でパイパールヴァティに3馬身差の2着。そして前走ではナムラハンターに3馬身差の2着。今回も連下争いまでか。
◎パイパールヴァティ
◯シーアクロス
▲ナムラハンター
△リワードアリオン
△フジヤマワカムシャ
△マイネリスペクト