重賞連勝を狙うクラキンコか、このレース連覇を狙うショウリダバンザイか。前走星雲賞は、クラキンコがマイペースの逃げに持ち込み、ショウリダバンザイの追い込みを完璧に封じた。とはいえ、ペースと展開次第では、今度はショウリダバンザイの追い込みが決まるかもしれない。
さてどっちか。迷ったが、クラキンコを本命とした。クラキンコの全弟クラグオーが7月11日の2歳オープン・バゴ賞を圧勝した。クラキングオー産駒として競走馬となった馬はわずか3頭しかいない。そこからクラキンコに続いて、クラグオーという活躍馬が出てこようとしている。別のサイトには書いたのだが、地方競馬とはいえ、こんなマイナーな血統のわずかな産駒から、これほどの活躍馬が出るとは、奇跡としかいいようがない。なので、応援の意味も込めてクラキンコにした。
昨年のグランダム・ジャパン3歳シーズンの女王となった、兵庫のマンボビーンが遠征してきた。翌週に地元姫路でグランダム・ジャパン古馬シーズンの第4戦兵庫サマークイーン賞があるのに、なぜわざわざ門別まで遠征? まさかこの輸送を経て連闘で使うことはないだろう。とにかくホッカイドウ競馬の牝馬2強を相手にどんなレースを見せてくれるのか楽しみだ。
サクラサクラサクラは、昨年のこのレースは5着も、前走赤レンガ記念は2着。ビューティーリヨは、星雲賞でショウリダバンザイに続く4着で、今回は斤量的にはやや不利になる。が、2頭ともに2強に割って入るチャンスはある。
◎クラキンコ
◯ショウリダバンザイ
▲マンボビーン
△サクラサクラサクラ
△ビューティーリヨ
6頭立てとやや寂しくなったトレノ賞だが、期待馬は揃った。
羽田盃を制すなど、09年の南関東三冠戦線の中心馬の1頭だったナイキハイグレードがいるというのが、今の高知のすごいところ。かねてから川島正行調教師の馬のつくり方に近づきたいと言っている雑賀正光調教師が、その川島厩舎から引き継いだのがナイキハイグレード。5月のかきつばた記念のときだったか、「川島調教師の馬のつくり方は盗めましたか?」と聞いてみたら、「まだまだこの馬の本来の姿はこんなものではない」と話されていた。しかし高知なら実績は断然。1300メートルは決して適距離ではないが、地元同士のメンバーでコーナーを4つ回るコースならそれほどハイペースにはならないだろうことからも、ここは勝たなければいけないレース。
重賞初挑戦となった福永洋一記念を制したコスモワッチミーは、続くA1特別こそ4着に敗れたものの、その後は3連勝中。ナイキハイグレードとの初対戦に注目だ。
シークロノスは、JRA1勝から転入してC3級で4連勝中。今回は、重賞レベルで通用するかどうか試される一戦。
パイパールヴァティは、4着以内を外さない堅実な成績でクラスを徐々に上げ、まだB級格付けだが、前走は牝馬限定のオープン、ヴェガ特別を勝利。タイム的にはまだまだだが、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎ナイキハイグレード
○コスモワッチミー
▲シークロノス
△パイパールヴァティ
ここ3年、他地区勢に勝利をさらわれているせきれい賞だが、今年も南関東から遠征の2頭が手強そうだ。
芝実績、距離実績、ともに十分なピサノエミレーツに期待。07年2歳時にJRAでデビューし、休養を挟みながら芝の中長距離で3勝。その後はダートに転じたがオープンまで出世。大井に移籍して5戦目となった前走は2600メートルの大井記念でトーセンルーチェの2着と好走した。相手関係的にも、ここは重賞初勝利のチャンス。
地元の期待はマイネルアトレ。この馬もJRAの芝で4勝と実績を残した。今シーズン開幕と共に転入してから4連勝中。圧巻だったのはやはり前走のかきつばた賞で、2番手追走から抑えきれないような手ごたえで向正面で先頭に立ち、直線を向いて追い出されると後続を寄せつけずという強い勝ち方だった。岩手に新たな芝の王者が誕生するかもしれない。
09年、10年にこのレースを連覇したのがコスモヴァシュラン。所属する南関東では2010年3月以来勝ち星がなく、まさに盛岡の芝で勝つために地方で現役を続けているといってもいいかもしれない。しかし昨年は、せきれい賞、OROカップともに3着。その後は南関東のB級でも惨敗続きで、衰えは否めない。とはいえ、得意の舞台だけに上位に食い込む可能性はある。
インテグラルヘッドは、JRAでは2勝のみだが、今シーズン岩手に転入してかきつばた賞でマイネルアトレの2着。この馬も芝で適性を発揮しそう。
08年にこのレースを制し、昨年も2着と好走したボスアミーゴだが、今季3戦は惨敗続き。かきつばた賞も最下位12着だった。昨年までの力が戻るかどうか。
ナリタキングパワーもJRAで芝を中心に走り、今季岩手に転入してかきつばた賞で4着しているように芝向きのタイプ。
◎ピサノエミレーツ
○マイネルアトレ
▲コスモヴァシュラン
△インテグラルヘッド
△ボスアミーゴ
△ナリタキングパワー
東海地区の古馬戦線を牽引してきた実績馬2頭がさすがに下り坂かというレースぶりが続いていて、実力比較が難しい一戦。
読売レディス杯を快勝したエーシンクールディに続き、ここも同じエーシン/エイシン軍団のエーシングレーソロに期待してみたい。中央1000万下2着での笠松移籍は、まだまだそのクラスでも活躍できたであろうところでの転厩で、期待にこたえてA2特別とA1特別を連勝。前走西日本グランプリ2着は、後方から迫ったものの、早め先頭のレイズミーアップにクビ差届かずという内容。脚質的にとりこぼすことはあるかもしれないが、実力的に上位であることは間違いない。
相手には2連勝中の牝馬デジタルゴールド。今年5月の尾張名古屋杯で重賞初制覇。続く800メートル戦は1番人気で8着に敗れたが、その後はA3特別、A1特別と連勝中。特に前走は52キロという斤量があったにせよ、4馬身差をつけての完勝。今回の55キロは、このクラスに入ると楽ではなさそうだが、尾張名古屋杯を勝った時も55キロだっただけに、それほど問題にしないのではないか。
ホウライエイブルは、一昨年のこのレース2着で、昨年は4着。そして今年2月の梅見月杯が重賞初勝利。休養明けとなった前2走は、ともにやや離れた4着だったが、状態が上向いていれば巻き返しも可能。
実績ではキングスゾーンとともに最上位のマルヨフェニックスだが、昨年3月の六甲盃以降勝ち星がない。今回も4カ月ぶりの実戦だけに、あまり強気にはなれない。
このレース連覇がかかるのがキングスゾーン。今年2勝を挙げているとはいえ取りこぼしのほうが目立ち、ここも連下まで。
キョウワシャドーは兵庫大賞典でオオエライジンの3着。その後も勝てないまでも、兵庫のA1特別で常に上位争いをしているだけに、ここでも上位を狙えそう。
◎エーシングレーソロ
◯デジタルゴールド
▲ホウライエイブル
△マルヨフェニックス
△キングスゾーン
△キョウワシャドー
スパーキングレディーカップJpnIIIで出走取消となったエーシンクールディだが、出走していたとしても、もしかしてここにも出てくるつもりだったのだろうか。とにかく昨年に続いてのグランダム・ジャパン古馬シーズン連覇を目指すのだろう。ダートグレードでも勝負になるのがこの馬だけというメンバー構成を見れば、出走取消後で本調子でないにしても負けられない一戦。鞍上にも、怪我から復帰した岡部誠騎手が戻ってきた。
地元金沢勢ではロッソトウショウに期待がかかりそうだ。JRA準オープンから金沢に転入し、下級条件から6連勝中。中央では準オープンで掲示板という実力。今シーズン金沢での初戦が1年以上のブランクを経てのものゆえ、往時の力を発揮できるか次第だが、B1級特別までとはいえ連勝している実力は侮れない。
南関東から、牝馬限定のしらさぎ賞でクラーベセクレタの2、3着というツキノテンシ、センゲンコスモと2頭が遠征。そのしらさぎ賞はクラーベセクレタが別格の強さで、そうしたときの2着以下は、必ずしも実力通りの決着とは限らないことが多い。実際に6月15日の川崎A3以下特別ではセンゲンコスモが勝って、ツキノテンシが差をつけられて7着に負けているように、ここはセンゲンコスモを上にとる。
正月の名古屋記念を勝ったスウィングダンスは、昨年夏に転入以降、いまだに3着を外さないという堅実ぶりで、ここでも勝負になる可能性は十分。
マルヨシロワインは、前走こそいいところがなかったが、重賞で入着の実績だけに、ここでもどこまで上位勢に迫れるか。
◎エーシンクールディ
○ロッソトウショウ
▲センゲンコスモ
△スウィングダンス
△ツキノテンシ
△マルヨシロワイン