各世代別のトライアル上位馬によって争われる、今年新設の福山記念。
福山の大将格は、やはりクラマテング。ここまで重賞10勝は圧倒的だ。前々走の福山桜花賞は3着に敗れたものの、前走7歳以上のトライアルでは後続を引きつけた逃げから、直線突き放しての完勝。福山桜花賞制したサマースピードが今回は不在であることからも、軸はやはりこの馬だろう。
相手には4歳牝馬のミライポケット。中央から大井を経由して未勝利のまま福山に転入。下級条件から勝ち上がり、前々走初めてのA1特別でも接戦を制して勝利。前走の4歳トライアルは2着に敗れたものの、ここまで福山で7戦5勝、2着2回と安定感抜群。重賞初挑戦だが、期間限定騎乗の内田利雄騎手が鞍上というのも楽しみ。
グラスヴィクターは、福山桜花賞でクラマテングに先着しての2着。前々走のA1特別では未来ポケットの5着で、前走の5歳トライアルも1番人気で2着と、ここ2戦は期待にこたえられていないが、巻き返しを期待したいところ。
ゲットワンダーは、4連勝後に1番人気で臨んだ福山桜花賞は残念ながら4着。あらためて一線級との対戦で真価が問われる一戦。
ストロングジョイスは、今年1月のクイーンカップを制したものの、牡馬との重賞ではやや苦戦。とはいえ前走は重賞経験馬が何頭かいる7歳以上のトライアルでクラマテングの2着と好走。今回は重賞経験2回以下という馬が8頭中5頭というメンバーだけに、連下争いに食い込んでくる可能せは十分。
◎クラマテング
◯ミライポケット
▲グラスヴィクター
△ゲットワンダー
△ストロングジョイス
ヒロカミヒメは、金の鞍賞を勝って、近走は古馬のC2からC1で4連勝中。金の鞍賞以降、連対を外していないという安定感も光る。今回のメンバーでは実績、実力ともにナンバー1だ。
金の鞍賞3着だったマンボフィーリングも、それ以降は9戦連続連対。前走初めての古馬との対戦となったC2戦も完勝。逆転の可能性もある。
ドンスキマーは中央未勝利から転入して堅実なレースをつづけてきたが、前走で初めて連対を外す6着。1~2コーナーで外から被せられて控えざるをえず、4コーナーでは大外を回すというロスなどがあってのもの。最後は行き脚をなくしてしまった。ここで一発巻き返す可能性も十分。
マルサンザクラは道営未勝利で転入し、高知では15戦して掲示板を外したのが1回のみという安定した成績。古馬C3での勝ち星に加え、前走では3歳1組でも勝利。上位争いにからんでくる力はある。
リワードゴードンは、中央未勝利から転入して高知では3戦2勝。同世代のトップクラスとの対戦はないが、それだけに未知の魅力はある。
◎ヒロカミヒメ
○マンボフィーリング
▲ドンスキマー
△マルサンザクラ
△リワードゴードン
3歳のロクイチスマイルに期待したい。2歳時はエーデルワイス賞JpnIIIで3着、兵庫ジュニアグランプリJpnIIで4着と、中央馬相手に好走。しかし勝ち星はフレッシュチャレンジのみ。明けて3歳初戦の北斗盃ではゴール前の接戦を制した。距離適性から3歳三冠ではなく短距離路線に行くようで、いきなり古馬相手でも51キロなら勝負になるのではないか。
プリティゴールドは、昨年中央からの転入初戦、重賞初挑戦でこのレースを制した。その後も地元馬同士の短距離なら常に上位争い。昨年同様54キロなら連覇の可能性も十分。
ギンガセブンは道営デビューで関東オークスJpnIIで3着、名古屋・秋桜賞3着など重賞で好走。前走、道営に戻っての初戦は3着だったが、これは1700メートル戦。むしろ距離が短いところで好成績を残しており、叩き2戦目の今回は前走以上の期待ができそう。
アーバンストリートは中央の芝短距離オープンで活躍。南関東の重賞クラスではやや苦戦し、今回はそれよりも楽な相手になるが、58キロがどうか。
アベニンプラナスは道営の条件クラスで連勝し、大井のC級からB級でも6戦連続連対。今回は道営再転入の初戦で、格上挑戦での重賞初挑戦となるが、軽量52キロと短距離適性で上位を狙う。
グレンチェックは昨年のこのレース6着、道営スプリント10着だが、昨シーズン最終戦となった1200メートルのオープンを勝利。連下争いなら。
◎ロクイチスマイル
○プリティゴールド
▲ギンガセブン
△アーバンストリート
△アベニンプラナス
△グレンチェック
グランダム・ジャパン3歳シーズンもいよいよ佳境。最終戦の関東オークスJpnIIの結果にもよるが、暫定トップのメイレディがここを勝てば優勝にかなり近づく。
本命はそのメイレディだが、あくまでも連軸。佐賀に遠征した前走ル・プランタン賞は逃げ切りで強い競馬をしたが、それまでに重賞で2着が4回。相手なりという部分がまだぬぐいきれない。
相手筆頭は、スズカウインダー。園田クイーンセレクションではメイレディを3/4馬身差でしりぞけた。前走東海クイーンカップではマーメイドジャンプと一騎打ちの末、2馬身突き放されたが、レースでの安定感ではこちらのほうが上。マイペースで先行できれば園田クイーンセレクションの再現も。
マーメイドジャンプは、前々走若草賞で勝ったキミニコイシテ、2着のメイレディからクビ、クビ差の3着。前走東海クイーンカップではスズカウインダーを直線で突き放すという強い勝ち方。ここにきて力をつけている。
勝つのはこの3頭のいずれかと見る。留守杯日高賞で逃げ粘って2着のセントウイナー、同4着のラブミーアゴー、ル・プランタン賞でメイレディから4馬身離されての2着だったガルシーズンらが連下候補。
◎メイレディ
○スズカウインダー
▲マーメイドジャンプ
△セントウイナー
△ラブミーアゴー
△ガルシーズン
遠征競馬では善戦こそするものの、なかなか結果を残せないクーヨシンだが、地元に戻れば力が違う。他地区で強い相手に揉まれ、むしろ地元の同世代との力差はさらに開いているのではないか。
2着争いはトールキングかアグリノキセキか。トールキングは重賞でクーヨシンの2着が3回あり、しかし福山弥生賞ではアグリノキセキの3着。前走ではギータに敗れたものの、アグリノキセキには先着。対照的にアグリノキセキは、負けるときはあっさりだが勝つときは強いレースをする。この2頭は甲乙つけがたいが、クーヨシンと対戦した時の安定感からトールキングを上にとった。
どちらかが崩れたときの3着候補に、重賞で入着経験のあるカンピオーネロサ、それに古馬C1で好走のオブリラブまで。
◎クーヨシン
◯トールキング
▲アグリノキセキ
△カンピオーネロサ
△オブリラブ