高知県知事賞では2着に敗れたが、タンゴノセックの巻き返しに期待したい。その高知県知事賞は断然人気に支持されながら、キングサラディンに出し抜けをくらった形。3~4コーナーでの反応も本来のものではなかった。南関東時代は重賞でも上位争い。圧巻のレースだった久松城賞と同じだけ走れば実力は上位。
道営から転入して7連勝と、まだ底を見せていないのがチュニジアンブルー。前走、初めての上位クラスとの対戦となったガーネット特別も逃げ切り、4馬身差で他馬を寄せ付けなかった。2着のマルハチゲティは、久松城賞でタンゴノセックに5馬身差で2着だった馬。それを物差しにすれば、タンゴノセックとも好勝負。
名古屋のニシノコンサフォスは、前走、笠松の東海クラウンでは直線で抜け出してから余裕があった。12歳でも衰えは見えない。好位につけて一気に押し切る場面があるかもしれない。
東海のA2~B1で常に上位争いのケイアイブレイズ、中央から転入し6戦4勝でまだまだ上が望めそうなレーザーブレイド、地元A級で勝ち星のあるケイエスケイトらも上位を狙える力はありそう。
◎タンゴノセック
◯チュニジアンブルー
▲ニシノコンサフォス
△ケイアイブレイズ
△レーザーブレイド
△ケイエスケイト
昨年このレースを制したメテオロロジスト、一昨年のラッシュストリートは、ともに前走が準オープン勝ちだった。時期的な問題なのか、この佐賀記念JpnIIIはJRA勢のメンバーが手薄になることが多く、さすがに3年前のスマートファルコンは圧勝だったが、4年前には兵庫のチャンストウライがダートグレード初制覇。5年前のサイレントディールは近走不振で、じつに3年3カ月ぶりの重賞勝ちだった。スマートファルコンだけは例外的だが、今年のJRA勢も例年と似たようなレベルのメンバーだけに、年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで勝っていてもおかしくないレースをしたオオエライジンには十分チャンスがある。
NARグランプリの表彰式で、オオエライジンの橋本忠男調教師は今年の目標として、オオエライジンが年度代表馬に選ばれること、と話していた。その目標達成のためにもここはまず最初のステップとなる一戦だ。
相手にはキングトップガン。芝だが、重賞2勝の実績は最上位。ダートの経験もあり、あとは地方、特に佐賀の深いダートをこなせるかどうか。ゆったりした流れになるのはほぼ確実で、実力的には直線突き放して圧勝とう場面があってもおかしくない。
ホクセツサンデーは、昨年春の時点ではオオエライジンとは差があったが、秋には古馬との重賞を連勝し、力をつけた。何よりデビューから18戦して、3着を外したのが2歳時の兵庫ジュニアグランプリJpnIIのみという安定感が光る。前々走園田金盃で2着にしりぞけたダイナミックグロウは、ちょっと前だが中央のオープン特別を勝った実績のある馬。ここでも勝負になる。
メダリアビートは、前走東京大賞典GIでスマートファルコンの5着。大井2000メートルを2分2秒台で走っている実力は侮れない。
マイネルアワグラスはしばらく勝ち星から遠ざかっているものの、地方のダートグレードなら常に上位争い。
タカオノボルは、前走平安ステークスGIIIこそ惨敗だったが、昨年はレパードステークスGIIIでボレアスの2着、オープン特別のブラジルカップでも4着だった。連下争いまでなら。
◎オオエライジン
◯キングトップガン
▲ホクセツサンデー
△メダリアビート
△マイネルアワグラス
△タカオノボル
黒ユリ賞は、何度か開催時期や条件などが変更されているが、09、10年のバレンタインカップ、そして昨年の黒ユリ賞は、明け3歳牝馬による定量620キロという同じ条件で行われている。その過去3年ではいずれも1番人気と3番人気での決着。定量戦だけに順当に実力通りにおさまっているということだろう。とはいえ3着馬は10、6、2番人気なので、3連単なら高配当も期待できる。
タカラハヤヒメは、2歳時に行われた重賞、ナナカマド賞、ヤングチャンピオンに出走し、ともに牝馬では最先着。年明け後の3歳A-2戦でも2、2、1着といずれも差のないレースをしているだけに、ここでは能力上位は間違いない。
マゴコロは、2歳牝馬特別のいちい賞2着のほかに、4走前の2歳A-1戦では、この世代の牡馬2強、ニシキエーカン、ブラックボスと対戦して2位に食い込んだ。その後の2歳A級戦でも善戦しているだけに、ここでも上位争い。
3番手以下はちょっと難しい。ニシキウンカイは昨年9月のいちい賞を1番人気で制して、そのあたりまではこの世代の牝馬ではトップの存在だったが、ここ4走は10秒以上の差をつけられての惨敗続き。壁に当った感じはあるが、今回は牝馬同士のレースで格下馬もいるだけに、持てる能力を発揮すれば馬券圏内にからんでくる可能性は十分。
タケノキクヒメは11月の南北海道産駒特別を制したが、その後は5着が最高という成績。とはいえニシキウンカイと同様に格付的には上位なだけに、巻き返す可能性はある。
サクセスクィーンは、ヤングチャンピオンシップでタカラハヤヒメに続く5着があり、近走もまずまず安定した成績。
ユキハナは6走前にタカラハヤヒメをしりぞけて2歳A-1・2戦を勝った経験があり、前走はクラスが下がった3歳B-1戦を1番人気にこたえての勝利。同世代の上級クラスでも勝負になることを示した。
ハイカラサンは11月以来勝ち星がないが、年末から年明けにかけてA級やB級上位で善戦しているだけに侮れない存在。
連下は手広く。
◎タカラハヤヒメ
◯マゴコロ
▲ニシキウンカイ
△タケノキクヒメ
△サクセスクィーン
△ユキハナ
△ハイカラサン
地元福山での2歳重賞を2戦とも制しているクーヨシンがやはり中心。前走、園田クイーンセレクションは5着だったが、強いメンバーに揉まれてさらに力をつけている可能性がある。3歳になって牡馬より2キロ減となるのもプラス材料。
ここまで5勝で、クーヨシンに次ぐ勝利数を挙げているのがアグリノキセキ。3走前の2歳1組戦ではクーヨシンをハナ差でしりぞけて勝利。その勝利で、続くヤングチャンピオンでは単勝1番人気となったが、後方におかれたまま6着。実力はあるものの、どうも重賞になると力が発揮できないようだ。
トールキングは、福山2歳優駿、ヤングチャンピオンで、ともにクーヨシンの2着。ここまで勝ち星は2つだが、2着は前記重賞も含めて7回もあり、3着4着5着が各1回と、典型的な善戦タイプ。重賞2戦でのクーヨシンとの着差を見ても、今回も逆転まではどうか。
カンピオーネロサも、2歳時の重賞2戦で3、5着とまずまずの好走。前走の3歳オープンではトールキングを1馬身差でしりぞけた。その勢いでここでも上位を狙う。
穴っぽいのは今回が重賞初挑戦のムツミクロフネ。2歳1組戦での勝利もあり、掲示板を一度も外していないという堅実派。1250メートルまでしか距離経験がないが、血統的には距離延長は歓迎なはず。初距離だが、むしろそこに可能性があるかもしれない。
◎クーヨシン
◯アグリノキセキ
▲トールキング
△カンピオーネロサ
△ムツミクロフネ
実績のある馬とない馬がわりとはっきりしているメンバー構成で、エーシンユリシーズに重賞初制覇のチャンス。中央1戦1勝のみで兵庫ジュニアグランプリJpnIIを狙って兵庫に移籍。結果3着は、おそらく陣営にとっては残念であっただろうが、将来に期待の持てる3着でもあった。全日本2歳優駿JpnIは7着だったが、その後の2連勝は先行していずれも完勝。兵庫3歳3冠に向けてここは負けられない一戦。
対するは笠松のマルチゴールド。道営では4戦してアタックチャレンジを勝ったのみという成績で、シーズン終了後に笠松に転厩。そして4着のあと2連勝。初めての重賞だが、期待は大きい。
ちなみにこの日は都内でNARグランプリ2011の表彰式が行われる。エーシンユリシーズの橋本忠男調教師と木村健騎手はオオエライジン(3歳最優秀牡馬)で、マルチゴールドの柳江仁調教師と濱口楠彦騎手はラブミーチャン(4歳以上最優秀牝馬)で、それぞれ表彰される。が、ジョッキーは当然表彰式のほうを欠席せざるをえず、柳江調教師も表彰式のほうを欠席するようだ。そういう意味でも両陣営にとっては負けられない一戦となる。
メンバー中唯一重賞を勝っているのが、笠松のタッチデュール。前走、園田クイーンセレクションでは2番人気に支持されたものの6着だったが、巻き返しなるかどうか。
そのほかは実績的に今ひとつのメンバーだが、園田クイーンセレクションでタッチデュールに続く7着だったサブリナラッシュ、2戦1勝でまだ底を見せていないエクサイティングらに馬券圏内に食い込む余地があるかどうか。
◎エーシンユリシーズ
◯マルチゴールド
▲タッチデュール
△サブリナラッシュ
△エクサイティング