11歳だが中央オープン実績のあるスマートブレードが重賞初制覇のチャンス。名古屋に移籍して5戦2着4回と勝ち星はまだないが、対戦している相手のレベルは高い。前々走のオッズパークグランプリではラブミーチャンの2着。ウルトラカイザー、マンオブパーサーら、佐賀のチャンピオン級に先着した。前走の名古屋記念も2着だったが、勝ったのは中央から転入して連戦連勝の牝馬で斤量的に4キロ差があった。今回のメンバーでは実績的にも最上位だ。
相手にはエーシンエヴァン。昨年のこのレースは3着で、その後も東海地区を中心に地方の重賞では常に上位争い。福山コースを経験しているのもプラス材料。
エーシンブランは、昨年JRA所属馬として兵庫チャンピオンシップJpnIIを勝利。しかしその後は今ひとつの成績。秋には兵庫に移籍し、初戦のA1特別で差のない3着と好走したが、前走新春賞は出入りの激しい競馬で早め先頭に立ったものの離れた6着に沈んだ。調子を戻していれば上位争いも。
グラスヴィクターは、中央1勝から福山に転入して8連勝でA級1・2組まで制した。勢いはあるが、このメンバーに入って勝ち負けまではどうか。
注目はキングスゾーンの5連覇なるか。このレースは名古屋で行われていた時代に2連勝し、舞台を福山に替えてからも一昨年、昨年と勝って4連覇。とはいえ昨年後半からは東海地区の重賞などでも上位には食い込めずという成績。明けて10歳、上積みは考えにくいだけにどこまで。
地元で長距離ならめっぽう強いクラマテングはどうだろう。昨年のこのレースはやや離された6着。東海・兵庫のトップクラスが相手だと分が悪い。
◎スマートブレード
○エーシンエヴァン
▲エーシンブラン
△グラスヴィクター
△キングスゾーン
△クラマテング
フクイズミはこのレース6年連続の出走で、これまで1、2、4、4、1着という成績。2着だった4年前は3番人気だったが、それ以外は1番人気。この馬の実力を考えれば当然のことだろう。4着、4着の年は最大40キロのハンデ差があって負けたが、昨年勝ったときも最大40キロ差。勝因は、早めに障害をクリアできるようになったこと。昨年も障害の下でじっくり溜めたが、先頭のエンジュオウカンからほとんど差なく2番手で障害を降りた。そういうタイミングで越えれば、この馬にかなう馬はいない。今回ハンデ差は最大30キロで、その30キロ差はダイリンビューティ1頭だけ。連覇の可能性はかなり高い。
相手には一昨年の覇者エンジュオウカン。そのときはフクイズミより30キロ軽く、昨年は10キロ軽いだけで4着だった。今年も同じく10キロ差だが、フクイズミ以外の馬との比較では、やはり重賞やオープンでの実績には光るものがある。
昨年3着だったユーファンタジーが、やや格下ではあるもののここに来て好調だ。フクイズミとは、昨年と同じ20キロ差。チャンスは十分。
穴を狙うなら、前走オープン1組で7着も、ニシキダイジンなど一線級相手にそれほど離されていないアグリミズキ。3カ月ぶりの実戦となるホクショウマドンナ。
◎フクイズミ
◯エンジュオウカン
▲ユーファンタジー
△アグリミズキ
△ホクショウマドンナ
勝ったり負けたりの馬か、戦歴が浅い馬がほとんどで比較が難しいが、牝馬同士のレースでもあり、12月23日、荒尾の開催最終日に行われたプリンセス賞の結果が参考になりそう。そこを勝ったのはガイヤクインで、4コーナー先頭から押し切った。ガイヤクインは、ただ一度の大敗が1750メートルの九州ジュニアチャンピオンだっただけに、この距離は長い可能性もある。それゆえ距離適性に関しては今回が試金石となりそう。
相手には九州ジュニアチャンピオンで僅差の2着だったカノヤアカツキ。これが3戦目だけに上積みがあれば逆転も。
ガルシーズンは、前々走で大きく離された7着と崩れたが、前走では完勝と巻き返した。タイム的にはこのメンバーの中では優秀だ。
オーノクロスは、プリンセス賞3着に、前走はガルシーズンの2着。道営から転入後、佐賀・荒尾で5戦してすべて4着以内と安定している。
同世代同士の上級クラスとの対戦がないが、ハコイリムスメもデビューから7戦していずれも4着以内。ただ、その中には勝ち馬からやや離されての決着があるのは少し気になるところ。
◎ガイヤクイン
◯カノヤアカツキ
▲ガルシーズン
△オーノクロス
△ハコイリムスメ
兵庫と東海それぞれの重賞戦線で活躍している、メイレディ、タッチデュールによる争いと見る。
12月の笠松・プリンセス特別での直接対決ではタッチデュールが勝っているが、今回は地元の利もありメイレディを本命に。2歳時はどうしてもアスカリーブルだけには力及ばず、そのアスカリーブルが転出すると、牡馬相手の兵庫若駒賞を圧勝して重賞初制覇。しかし大晦日の園田ジュニアカップでは、今度はポアゾンブラックという強い牡馬が出てきて1馬身差の2着。牝馬同士のここであらためて期待したいところ。
ホッカイドウ競馬から転厩したタチデュールは、地元笠松で重賞2勝。年末は地元のライデンリーダー記念ではなく、グランダム・ジャパンのタイトルを狙って東京2歳優駿牝馬に遠征。結果9着で、元兵庫のアスカリーブル(7着)とはコンマ2秒差だった。プリンセス特別ではメイレディに差をつけて勝ったが、実力差はそれほどない。
同じく笠松のキミニコイシテは、ジュニアクラウンではタッチデュールの2着、プリンセス特別でもタッチデュールの3着だが、メイレディには先着した。この馬も東京2歳優駿牝馬に遠征して、アスカリーブルとタッチデュールの間に割って入って8着だった。重賞初制覇を狙える位置にいる。
マーメイドジャンプは、ゴールドウィング賞でタッチデュールに先着する3着で、プリンセス特別ではキミニコイシテ、メイレディに先着する2着だった。ここまでの4頭は実力的にほとんど差がない。
スズカウインダーは、道営ではルーキーチャレンジを勝ったのみだが、転入した名古屋では前走新春ペガサスカップで3着。ハートランドスノーは園田ジュニアカップで4着。この2頭は上積みがあれば馬券圏内に食い込みもというところ。
福山期待のクーヨシンだが、東海や兵庫が相手では、ちょっと厳しいように思う。
◎メイレディ
◯タッチデュール
▲キミニコイシテ
△マーメイドジャンプ
△スズカウインダー
△ハートランドスノー
このレース3連覇を狙うビービーバイラの実績が断然だ。昨年のこのレース以降、13戦して馬券圏内を外したのは3回のみ。その3回も4着か5着で、勝ち馬からコンマ6秒以内と成績はきわめて安定している。ここ2戦はA3特別で3、1着という成績だが、対戦相手を見れば、牝馬だけが相手なら負けるような要素はない。
唯一、ビービーバイラを負かす可能性があるとすれば、ストロングジョイス。中央500万から転入して、福山ではA級で8戦3勝、2着3着各2回。1800メートル以下に限れば6戦して5連対という成績だ。福山で先着された牝馬は2頭いるが、今回はともに不在。ビービーバイラさえ負かせば重賞初制覇のチャンス。
以下は、近走の成績が冴えないメンバーが多く、連下争い。あるいは展開が向いて、2頭の間に入る余地があるかどうか。
タイショウロマンは、南関東から転入後、6戦して勝ち星なし。とはいえA級で僅差の2着が2度ある。
モナクランベルはA2特別なら上位争いだが、A1特別になると1秒以上の差をつけられての敗戦が目立つという実力。
ハードフォーレルは昨年のこのレース3着だが、近走はA3特別あたりが壁という成績では、上位2頭とは力の差がある。
◎ビービーバイラ
◯ストロングジョイス
▲タイショウロマン
△モナクランベル
△ハードフォーレル