ナムラベンケイに1年ぶり重賞制覇のチャンスが巡ってきた。ナムラベンケイは、昨年のこのレースを制して以降、重賞には7回出走して2着3回、3着1回と勝ち切れないレースが続いた。しかし調子落ちでないことは、その間の重賞以外のA1特別やオープン特別で11戦5勝、2着5回という成績が示している。前走ファイナルグランプリは、高知のセトノヒットに完敗の2着だったが、地元同士のここなら負けるわけにはいかない。
ナムラベンケイが足もとを救われる可能性があるとすれば、重賞初挑戦のフロントダッシュ。今年中央から転入後、3、2、1着ときて、前走のA1A2特別は6馬身差の圧勝で連勝。勢いで一気の重賞勝ちがあるかもしれない。
ジューシーは、今年新設された黒船賞トライアルでナムラベンケイを3馬身ちぎって負かした。黒船賞JpnIII最下位はともかく、それを度外視すれば今年はA2〜A1を4戦して2勝、2着2回。常に上位争いをしているだけに、ナムラベンケイのライバルとなりそうな存在だ。
明けて4歳のクラマテングは、この一線級のメンバーに入ると厳しいが、連下なら。
◎ナムラベンケイ
○フロントダッシュ
▲ジューシー
△クラマテング
【4/12金沢・スプリングカップ】吉原騎手に重賞制覇のチャンス
昨年度の金沢はノーブルシーズの5冠制覇で盛り上がりを見せた。しかし、6月の東海ダービー、今年2月の梅見月杯と、2度の名古屋遠征で結果を残せなかったのは残念だった。
ただ地元金沢では、3歳ながら北國王冠、中日杯と、伝統の古馬4大重賞のうちの2つを制したことは事実。ここもノーブルシーズで、といきたいところだが、一筋縄ではいかないシーズン開幕の重賞だけに、ちょっとひねってヒカルベガを狙ってみたい。
ヒカルベガは、中央から転入緒戦の新春特別(A1)で5馬身差圧勝。前走名古屋大賞典JpnIIIは惨敗だが、相手がスマートファルコンではしかたない。吉田晃浩騎手が落馬負傷のため、今回は吉原寛人騎手に乗り替った。吉原騎手と言えば、NARグランプリ2008でフェアプレイ賞を受賞。昨年、重賞は笠松でオータムカップを制したのみで、地元金沢では勝てなかった。今年の目標として、地元での重賞勝利というのを挙げていただけに、巡ってきたチャンスを生かしたいところ。他のほとんどの馬たちが冬季休養明け緒戦となるのに対し、名古屋大賞典JpnIIIで実戦を経験しているのも有利。
ノーブルシーズも地元なら負けなれない。
勝つのはこの2頭のどちらかだろう。
まだ底を見せていないのがツルギフェロン。昨シーズンはA2特別まで勝ち上がり、年明け1月笠松に遠征した白銀争覇は7着だが、ノーブルシーズですら名古屋に遠征して結果を残していないだけに、このメンバーで勝負になってもまったく不思議はない。
テンリットルは2000メートルを超える大レースで激走を見せるが、昨年3月に行われた同じ1900メートルのイヌワシ賞で2着があるだけに、展開次第では上位食い込みの可能性はある。
◎ヒカルベガ
○ノーブルシーズ
▲ツルギフェロン
△テンリットル
3月13日のマーチカップの出走馬が6頭。そのマーチカップは、ミツアキタービンが久々に圧勝劇を見せ、上がり馬のエーシンアクセランが6馬身離された2着というレースで、勝ち馬から差がついた2着以下の着順は、必ずしも実力どおりではなさそう。
ゆえに、ここはマーチカップで1番人気となったクインオブクインに再び期待してみる。北海道から戻って3戦、2月の東海クラウンを逃げ切って勝ち、前走マーチカップは調子が戻ったミツアキタービンに早めに並びかけられての敗戦は仕方ない。クインオブクイン以外に重賞を勝った経験のある馬は、3年も前に南関東で活躍したケイアイミリオンと、昨年1月に名古屋記念を制したレオカーディナルのみ。ここは負けられない一戦だ。
エーシンアクセランには重賞初制覇の期待がかかる。大晦日の東海ゴールドカップで2着と好走し、年明けはA3〜A2特別を4連勝。そして臨んだマーチカップでは、ミツアキタービンからは離されたものの接戦の2着争いを制した。今回もクインオブクインを徹底マークだろう。
北海道から戻ってきたレオカーディナルは、移籍前の力が戻っていれば十分勝負になる。
3走前に準重賞のウインター争覇を勝っているウイニングボール、中央から転入後3戦目となるビッグクラウンらも連下なら十分に食い込む余地はある。
◎クインオブクイン
○エーシンアクセラン
▲レオカーディナル
△ウイニングボール
△ビッグクラウン
出走メンバーの中に、重賞勝ち馬はカラテチョップ、タマモリターン、ミナミノヒリュウと3頭。しかしいずれも1勝ずつで、そのうちの2頭を前走でまとめて負かしているのがキヨミラクル。それ以外は、重賞や3歳になってからの上位クラスで実績に乏しく、今回はこの4頭の争いだろう。
前走に続いて木村健騎手が手綱をとるタマモリターンを中心にいしてみたい。前走の1700メートル戦はキヨミラクルに2馬身差の2着と敗れたが、後方追走からロングスパートで大外を回って届かずというレース。対してキヨミラクルはラチ沿いを回って直線あっという間に抜け出した。タマモリターンにとっては明らかに展開や距離損の不利があっただけに、真っ向勝負なら実力は上と見る。
ちなみに木村健騎手は、4月7日現在で今年92勝。大井の戸崎圭太騎手(同96勝)と、3位以下を大きく離して全国のリーディング争いを続けている。このペースでいけば、今年は300勝の大台も見えてきそうだ。
相手にはキヨミラクル。昨年12月以降5戦4勝という上がり馬で、前走ではタマモリターンとミナミノヒリュウをまとめて負かした。
タマモリターン、キヨミラクルは、距離が伸びてよさそうなのに対し、ミナミノヒリュウとカラテチョップは距離延長で成績を落としているため狙いを下げた。
ただ、ミナミノヒリュウが年明け後5戦していずれも3着以内と安定しているのに対し、カラテチョップは兵庫若駒賞勝ちから重賞を4戦して、着順、勝ち馬との着差、いずれも徐々に悪くなっているのが気になるところ。
とはいえ4頭は完全に勝負付けが済んだというわけではないので、この2頭にも巻き返す可能性はある。
◎タマモリターン
○キヨミラクル
▲ミナミノヒリュウ
△カラテチョップ
「栄の国の扇の舞姫」はよかったなあ。
花吹雪賞でギオンゴールドが勝ったときの中島アナの実況である。その花吹雪賞は、3番手を追走しながら3コーナー手前の勝負どころで一旦下げ、3〜4コーナーで外に持ち出してまくってくるという大胆なレースぶり。直線では楽々と抜け出した。ここまで8戦7勝、2着1回。すでに古馬B級でも勝っていて、地元の3歳牝馬同士なら負けられないところ。
大井で3戦していずれも着外だったスターオブジュディが佐賀に戻ってきた。移籍前のJRA認定レースでは、その後花吹雪賞で3着に入るダフィーフェントンをクビ差で抑えて勝利。大井で強い馬たちに揉まれたことで力をつけていれば、ギオンゴールド以外の相手なら勝負になる。
花吹雪賞では2番人気で3着だったダフィーフェントン。道中後方からで、直線ようやく2着争いにからんだという、展開的には厳しいレースだっただけに、ここはもう一度見直してみたい。
逆に花吹雪賞では早めの仕掛けで展開がはまったのがタソガレノビギーン。対抗格として人気になるようなら、むしろここは狙いを下げてみたい。
サンワードヒミコも、花吹雪賞ではタソガレノビギーン、ダフィーフェントンとはタイム差なしの4着。連下なら可能性は十分。
馬券的にはギオンゴールドからだと手を広げられないので、○▲あたりまででまとめてみたい。
◎ギオンゴールド
○スターオブジュディ
▲ダフィーフェントン
△タソガレノビギーン
△サンワードヒミコ