福山競馬場重賞3連闘の中日は、3歳牡馬セン馬によるキングカップ。
目だった新興勢力の台頭もなく、人気どおり順当に決まった若駒賞の上位馬がここでも有力。
その若駒賞は、アグリヤングがムツミイングランドをクビ差でしりぞける接戦で、ここもアグリヤングが中心。ここ2戦は古馬B1特別で完敗だが、このクラスに格付けされているのはアグリヤングだけ。重賞は2歳時から3戦全勝。3歳馬同士となれば力は抜けている。
ムツミイングランドは、前走C2の一般戦で7着に負けているとはいえ、勝ち馬からは0秒8差。古馬相手でもこのクラスなら好走できる実力はあり、アグリヤングに土をつけられる可能性があるとすればこの馬だけだろう。
これといった上がり馬はいないものの、期待してみたいのはヴァルトブルック。この世代の上位クラスとは対戦がないものの、2連勝中。若駒賞では上記2頭が接戦だったものの、3着のダンディーホークは4馬身離されていた。上がり馬が割ってはいるとすればこのあたりだろう。
若駒賞3、4着のダンディーホーク、ビクトリージャパンは連下の押さえまで。ダンディーホークはヤングチャンピオンで2着、若駒賞で3着と好走はしているが、逆転までは難しそうだ。
◎アグリヤング
○ムツミイングランド
▲ヴァルトブルック
△ダンディーホーク
△ビクトリージャパン
JpnIIIの黒船賞だが、過去の勝ち馬を見ると、ノボジャック、サウスヴィグラス、マイネルセレクト、ブルーコンコルドと、GI(JpnI)勝ち馬がずらり。残念ながら昨年は休止されたが、ダート短距離路線では重要なレースとなっていることは間違いない。
原因不明の顔面神経痛から復活したフェラーリピサが、このメンバーでは実力最上位。根岸ステークスGIIIでは好位3番手から直線絶好の手ごたえで抜け出した。続くフェブラリーステークスGIは並み居るGI馬に混じって、勝ったサクセスブロッケンの驚異のコースレコードから0秒4差の5着。ヴァーミリアン(6着)には先着した。高知競馬場は小回りでレースがしやすい競馬場ではないが、実力が出せれば負けることはないだろう。
相手はアルドラゴン。兵庫に移籍してからは惜しいところでダートグレードのタイトルに手が届いていないが、JBCスプリントJpnI3着以降は好調持続。フェラーリピサは手ごわいが一矢報いたいところ。
ヴァンクルタテヤマは東京盃JpnIIで1番人気に期待されながら3着に敗れて以来の実戦。休み明けでどうかだが、まだまだ底を見せていない楽しみはある。
前回(07年)の覇者リミットレスビッドは、10歳となってさすがに全盛時の力を期待するのは酷だろう。
トーセンブライトは、昨年のマリーンステークスでフェラーリピサをしりぞけ、エルムステークスGIIIでは同馬の1 1/4馬身差の2着。人気がないようなら一発を警戒したい。
◎フェラーリピサ
○アルドラゴン
▲ヴァンクルタテヤマ
△リミットレスビッド
△トーセンブライト
兵庫から移設された福山牝馬特別に続いて、笠松から同じレース名のまま移ってきた若草賞。JRAオークスのステップ競走代表馬選定レースという位置づけも笠松時代のままだ。
このレースの前哨戦として行われた福山プリンセスカップは、1番人気のマルサンジョイが向正面早め先頭から押し切るという強い内容。2着以下は何度かやれば順番は変わりそうだが、同じメンバーならマルサンジョイ優位はゆるぎそうもない。
ただやはり層の厚さを考えると、福山よりも東海・兵庫の実績馬を上にとるべきだろう。
で、中心は、重賞未勝利ながら前走名古屋・スプリングカップで直線目のさめるような末脚を繰り出して3着に食い込んだトウホクビジン。直線の短い福山で追込みは厳しいが、もともと岩手時代は先行して直線粘るというレースをしていた。展開は、流れ次第で自在に対応できそうだ。
相手は、園田クイーンセレクションの覇者バージンサファイヤ。兵庫ジュニアグランプリJpnIIでも地方最先着の5着で、実績ではメンバー中ナンバーワン。おそらくこの2頭の一騎打ちだと思うが、ちょっと気にかかるのは、主戦の木村健騎手がアルドラゴンで高知・黒船賞に遠征して乗替りになること。
3番手に福山プリンセスカップを勝ったマルサンジョイ。
兵庫のタラリアは、北海道時代にJRA認定未勝利を勝ったのみという実績だが、兵庫の3歳上位クラスで好走歴があり、連下なら十分に可能性はありそう。
福山プリンセスカップで2番人気に推された(5着)ゲンノアイ、同3着のモエロナツコなどはこのメンバーに入って善戦できるかどうか。
◎トウホクビジン
○バージンサファイヤ
▲マルサンジョイ
△タラリア
△モエロナツコ
△ゲンノアイ
年度末恒例の荒尾古馬の大一番。大晦日には肥後の国グランプリという重賞が行われているが、賞金的にもこちらのほうが上で、歴史的にもはるかに長い。
ちなみに昨年末の肥後の国グランプリは、スタートから向正面までほぼ1周、ダイワマックワンとケイウンヘイローが激しくやり合って共倒れとなり、波乱の結果となった。
年が明けてケイウンヘイローはA級特別を4戦して2勝、2着2回。先着を許したのはいずれもダイワマックワンで、そのダイワマックワンが今回不在となれば、やはり中心となるのはケイウンヘイローだろう。2007年1月に中央から再転入して以降、荒尾のみで38戦して3着を外したのは、その肥後の国グランプリを含めて2回だけという安定した実績は断然だ。
相手は肥後の国グランプリを制したタニノウィンザー。昨年秋に転入後、勝ち星はその肥後の国グランプリだけだが、この距離で長く使える脚は魅力。ただこの馬が台頭するには展開次第というところはある。
3番手にはカシノマルス。昨秋転入後、C級からB級まで9戦して3着を外したのは1度だけという上がり馬。重賞初挑戦だが、勢いで上位争いの可能性はある。
肥後の国グランプリで1番人気に推されながら3着に敗れたエランセは、その後いまひとつ精彩を欠いている。着順だけ見れば4、3、4着だが、いずれも勝ち馬から1秒近くかそれ以上離されている。実績的にはケイウンヘイローにもヒケをとらないのだが。
9歳のノースダンシングがここ3戦のC級からB級特別で1、1、2着と好調。2007年には1番人気で九州記念を制し、昨年もオープンで上位争いをしていた。ムラ駆けではあるものの、連下では押さえておきたい。
◎ケイウンヘイロー
○タニノウィンザー
▲カシノマルス
△エランセ
△ノースダンシング
ワンパクメロは佐賀記念JpnIIIこそ6着だったが、九州大賞典と中島記念をともに連覇した実力は、九州では圧倒的。特に今回は、その2番手を争っていたマリットチャージ、オリオンザクロノス、ザオリンポスマンらが不在とあっては、絶対的な存在だ。
しかし気になるのはアルカライズ。中央から転入初戦となった前走の鏡山特別では、3番手追走から向正面で仕掛けると3〜4コーナーで先頭。直線は軽くムチを入れただけで後続を寄せ付けず完勝となった。勝ちタイムは2分9秒4。ちなみにワンパクメロの2000メートルの持ちタイムは2分9秒2だが、これは昨年8着に敗れた佐賀記念JpnIIIのときのもので、強力なメンバーに引っ張られて出たタイム。九州同士のメンバーでは07年中島記念での2分9秒6が最高だ。アルカライズは前走の直線でまだ余裕があったとすれば、ここは一気に逆転して九州の頂点に立つ可能性はある。
この2頭にからんでいける可能性があるとすれば、中島記念3着で、昨年5月から10戦連続で3着を外していない上がり馬カミノチカラくらいだろう。
3頭ボックスでは当たっても儲からないだろうから、ここは思い切って新興勢力のアルカライズを頭で狙ってみたい。
◎アルカライズ
○ワンパクメロ
▲カミノチカラ