今年から門別のナイトレースを中心とした開催となるホッカイドウ競馬がいよいよ開幕。その初日に3歳3冠の第1弾、北斗盃が札幌競馬場で行われる。3冠としての結びつきを考慮してか1700メートルに延長された。
昨年のホッカイドウ競馬2歳戦線を盛り上げた主要メンバーは中央や他地区に転出。今回のメンバー中、ホッカイドウ競馬で2歳の重賞に出ていたのはサンサンヒカリとクラフィンライデンの2頭のみ。毎年のことだが、がらりと顔ぶれが変わっての3歳戦線となる。
実績的にはクラフィンライデンが抜けている。リリーカップはアンペアの4着。南関東に移籍して臨んだ年末の東京2歳優駿牝馬は、今年の浦和・桜花賞を圧勝したネフェルメモリーの2着だった。2月末まで南関東で使われて北海道に戻ってきただけに、冬の間休んでいた馬と比較しても大きなアドバンテージがある。ダービーウイークとして行われる北海優駿に向けて好スタートを切りたいところ。
相手筆頭はアラベスクシーズ。昨シーズン終盤に旭川1600メートルの2歳オープン戦を勝利。重賞初挑戦が遠征競馬となった水沢の南部駒賞で、昨シーズンの岩手2歳ダート戦線で圧倒的な強さを誇ったワタリシンセイキの3着と好走。それ以来、今回は5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているかがカギとなりそうだ。
ビービールミナスは、フレッシュチャレンジを勝ったのみで船橋に移籍。川崎のローレル賞では8着だった。その後2戦してともに4着。南関東での経験を生かせるかどうか。
そのほか、3月末まで大井で使われていたフジノトップガンが上位争いに加われるかどうか。父は今年中央のクラシック戦線で大活躍のネオユニヴァース。母のスギヤマワッスルは、東京プリンセス賞、ロジータ記念を制した活躍馬という血統だ。
◎クラフィンライデン
○アラベスクシーズ
▲ビービールミナス
△フジノトップガン
高知、福山、岩手、兵庫、金沢から各1頭ずつ遠征馬があり、東海地区の5頭が迎え撃つという多彩なメンバーが集結。そして、近2走で勝ち星を挙げているのはクインオブクインだけという、楽しみでありながらも馬券的には難解な一戦となった。
中心はそのクインオブクイン。昨年のこのレースのあとに移籍した北海道では結果は残せなかったが、笠松に戻って4戦2勝とまずまずの成績。特に前哨戦のスプリング争覇では、2番手追走から直線で後続を突き放すという強い勝ち方だった。オグリキャップ記念はここ2年とも2番人気で2着だけに、今年こそは勝ちたいところだろう。
相手にはウイニングウインド。一昨年の勝ち馬で、連覇を狙った昨年は1番人気に推されたものの4着。休養明け3戦目となる今回は巻き返したいところ。
とはいえ昨年から2500メートルとなり、上記2頭には距離不安がつきまとうだけに、あまり自信を持って推せないというのが正直なところ。昨年は高知勢が1、3着と大健闘しただけに、伏兵の台頭も十分に考えられる。
昨年、下級条件から勝ち上がってきたエーシンアクセランは年末の東海ゴールドカップで2着に好走。1番人気に推された前走スプリング争覇は惨敗だったが、前々走マーチカップでは圧勝だったミツアキタービンの2着があるだけに、上位争いに食い込んできても不思議はない。
昨年のオグリキャップ記念もそうだったが、近年全国に遠征して結果を残している高知からはアタゴビッグマンが遠征してきた。前走二十四万石賞では、福山で金星を挙げてきたセトノヒットに1馬身差と迫る2着だっただけに、ここでも上位争いに絡んでくる可能性は十分。
ビッグクラウンは中央1000万から転入して今回が4戦目。徐々に調子を上げてきている。
岩手から遠征してきたメイセイオペラ産駒のカネショウエリートは昨年末に桐花賞を制すなど実績は十分だが、冬休み明け後の2戦の成績が今ひとつ。残念ながら印がまわらなかった。
◎クインオブクイン
○ウイニングウインド
▲エーシンアクセラン
△アタゴビッグマン
△ビッグクラウン
ばんえい競馬が開幕する。
休みは中3週しかなかったのだが、トモエパワーが3連覇を果たしたばんえい記念は、なんだかずっと前のことのような気もする。
帯広単独開催となって3年目となる今シーズンも、興味深いさまざまなイベントが行われる。
昨年、夏の一時期、競馬場内に一面ひまわりが咲いていたのを覚えているだろうか。今年は菜の花畑になるそうだ。そして今年はさらに一歩進んで、この菜の花畑のオーナー制度を実施するとのこと。一口2000円で会員になると、応援している馬の写真や、菜種油「ばんばオーレ」がもらえる。
さて、シーズン開幕の重賞として同じく3年目をむかえた、ばんえい十勝オッズパーク杯。カネサブラックが3連覇を狙っている。過去2年と状況が違うのは、昨シーズン初めてばんえい記念を使ってここに臨むということ。初めて1トンのソリを曳いて2着と激走した反動がはないのだろうか。
ならば1年前、ばんえい記念6着から、ここでカネサブラックと0秒3差2着と接戦を演じたナリタボブサップの雪辱に期待したい。
相手にはもちろんカネサブラック。
そして重賞初挑戦となるギンガリュウセイが、この一線級のメンバーに入ってどこまでやれるかも見どころだ。昨シーズンは9月から連戦連勝で、シーズン終盤には混合500万特別も連勝してオープンまで出世。今シーズンは注目の存在となりそうだ。
7歳3強の1頭スーパークリントン、ばんえい記念3連覇のトモエパワーは、重い重量でこそという印象が定着してしまったが、障害さえ早めに越えられれば上位争いに食い込んでもおかしくはない。
◎ナリタボブサップ
○カネサブラック
▲ギンガリュウセイ
△スーパークリントン
△トモエパワー
一応印はつけてみたが、当日の馬体重とパドックには要注意。昨年は単勝1番人気に推されたマルミシュンキがプラス55キロの馬体重で3着。勝ったカネサブラックはプラス2キロ、2着のナリタボブサップは増減なしだった。4週間の休みで馬体重が大きく変動している馬は疑ってかかったほうがいいかもしれない。
なお、この3日間開催では、ばんえい十勝オッズパーク杯キャンペーンが行われている。この3日間にオッズパークで5000円以上を投票し、応募すると、ばんえいグッズ4点セットが当たるというもの。
グッズの中には、冒頭の話に出たひまわりの種が使われている、ひまわり油ばんばオーレも入っている。
もし当たれば、仮に5000円の馬券が外れても、元がとれてしまいそうだ。
4月5日のスプリングカップから6頭が出走してきた。人気どおり決着した上位4頭がここに出てきただけに、別路線からの馬がそこに食い込めるかどうかがポイントとなりそうだ。
そのスプリングカップ。1番人気で勝ったマヨノエンゼルは、中団追走から徐々に位置取りを上げ、4コーナーで前をとらえると余裕を持って抜け出すという完璧な勝ち方。2馬身離れた2着争いが、トキワノマツカゼとダンストンジールがクビ差の接戦。そのうしろは5馬身差がついていた。今回の舞台もそのときとまったく同じ水沢の1600メートルであることを考えれば、2、3着が逆になる可能性はあっても、それ以下が食い込んでくることはなさそうだ。ここはマヨノエンゼルの4連勝の可能性大と見る。
別路線組で可能性がありそうなのは、南関東から転入初戦の3歳B1を勝ったリュウノシンゲン。ただ上位3頭に食い込めるかどうかは微妙なところ。
馬券的な妙味はないが、素直にスプリングカップの上位組を狙うしかなさそうだ。
◎マヨノエンゼル
○トキワノマツカゼ
▲ダンストンジール
△リュウノシンゲン
かきつばた記念JpnIIIのトライアルで、SPIらしく楽しみな顔ぶれとなった。東海・北陸・近畿・中国地区は交流の範囲が広いためお互いに出走できる重賞が多く、さらに東海地区の所属馬は他地区のダートグレードなどに遠征する陣営も多いこともあり、重賞の出走馬が手薄になることもめずらしくない。そんな状況で、これだけのメンバーが集まった地区重賞は久々のような気がする。
予想も悩んだが、ベストタイザンを本命にした。前走名古屋大賞典JpnIIIは前3頭からは離された4着だったが、その3頭の組合せは3連複が110円と断然力が抜けていた。それを度外視すれば、笠松・名古屋に遠征した地区交流重賞で3連勝中。しかも今回はもっとも得意とする1400メートルの距離なら連対は外さないだろう。
梅見月杯の結果と同じになってしまうが、相手筆頭はタータンフィールズ。中央から名古屋に転厩後3戦して勝ち星なし。それでも転入初戦の梅見月杯でベストタイザンにアタマ差まで迫ったレースぶりは見ごたえがあった。中央ではダートの短距離で活躍。今回距離短縮で、名古屋移籍後初の1400メートル戦ゆえに期待がかかる。
これが重賞32戦連続出走となるキングスゾーンには、このレース連覇がかかっている。ただ今年7歳となり、全盛期のような力が望めるかどうか。
サンキンスピーチは、ダートグレードを除けば06年以降3着を一度も外さないという堅実なレースを続けている。
ミツアキタービンは、前走マーチカップの圧勝には驚いた。実力は確実に上位も、常に脚元の状態と相談しながらのレースだけに、今回の距離短縮はプラスにはならないだろう。
マルヨフェニックスは、昨年の帝王賞JpnIで4着など実績上位。とはいえ古馬になってからの勝ち星は昨年4月のA2特別までで、しかも昨年11月以来の実戦となればあまり強くは推せない。
◎ベストタイザン
○タータンフィールズ
▲キングスゾーン
△サンキンスピーチ
△ミツアキタービン
△マルヨフェニックス