JRA認定レースが行われるようになってからホッカイドウ競馬の2歳戦線は格段にレベルが上がった。が、その反面、そのレベルの高い馬の多くは、2歳シーズンを終えると中央や南関東に移籍してしまう。したがって、ホッカイドウ競馬の3歳戦線は、2歳時とはガラリと変わった顔ぶれで争われることになる。
今年の3歳1冠目、北斗盃もそうしたメンバーによる争いで、さらにほとんどの馬が休み明けということもあり、波乱の結果となった。
さて、2冠目の北海優駿。昨年は1冠目の北斗盃が1000メートルで行われたことから、勝ったラブストレングスは3歳戦線ではなく、古馬との短距離路線へ向かって活躍した。
今年は北斗盃が1700メートルで行われたことから、多くが北海優駿へ……と思っていたのだが、北斗盃からここへ向かってきたのは、出走を取り消したフーガを合わせても6頭。全部で9頭立てと、やや寂しい頭数となった。
期待したいのはフーガ。北斗盃取消後に出走した3歳オープン戦を勝ってここに臨む。その前走は、北斗盃と同じ札幌1700メートル戦で、勝ちタイムこそ北斗盃より3秒近く遅いものの、2番手追走から直線はほとんど追われることなく2着馬を振り切ってのものだけに、それなりの相手とやればまだまだタイム出せるはず。ホッカイドウ競馬デビュー馬としてはまだ3戦2勝とキャリアが浅いが、それだけに未知の魅力はある。
相手には、北斗盃1番人気で2着だったアラベスクシーズ。北斗盃は11月の南部駒賞(水沢・3着)以来の実戦で、一度叩いたここは上積みが見込めそう。
7番人気で北斗盃を制したサンサンヒカリも休み明けだったが、2歳時は認定(アタックチャレンジ)勝ちに加えオープンでも2着という実績があった。
前走、逃げてフーガの2着だったムサシまで。
◎フーガ
○アラベスクシーズ
▲サンサンヒカリ
△ムサシ
とあるところで枠順はおろか一部登録馬も決まっていない状況でダービーウイークの予想を出した。岩手ダービーダイヤモンドカップは、舞台が盛岡に変わった七時雨賞で逆転勝利のダンストンジールを堂々の本命にしたのだが、出ていない。と思ったら、前日のはまなす賞のほうに出走。なるほど2歳時には盛岡の芝コースで好成績だったのか。それにしても1着賞金450万円のダイヤモンドカップではなく、150万円のほうを選ぶとは、よほど自信があるのだろう。
七時雨賞では2着と不覚をとったものの、阿久利黒賞まで4連勝のマヨノエンゼルに期待してみたい。連勝は途切れたものの、その七時雨賞は他の牡馬より2キロ重い57キロだった。今回は定量で、鞍上が小林俊彦騎手に替るのも期待の表れだろう。
4連勝中のマイネルサーブルがまだ底を見せていない。昨年末に中央未勝利から転入。2戦は勝てなかったものの、この4月以降は負けていない。重賞初挑戦の相手強化でどこまで迫れるか。
お手馬が重なった菅原勲騎手は、なかなか勝ちきれないトキワノマツカゼではなく、留守杯日高賞を制した牝馬のシルバーカテリーナのほうを選んだ。自厩舎ということもあるのかもしれないが、菅原騎手ほどになればそれはあまり関係ないだろう。北海道から南関東を経由して、今シーズンから岩手の所属。岩手では同世代の牝馬としか対戦がないが、2戦してまだ負けていない。
トキワノマツカゼも、スプリングカップ、阿久利黒賞と、マヨノエンゼルと接戦を演じているだけにここでも当然上位争い。
2歳時は勝ち星を挙げられなかったリュウノアレスは、年明け後、冬季休催をはさんで3連勝と力をつけている。
◎マヨノエンゼル
○マイネルサーブル
▲シルバーカテリーナ
△トキワノマツカゼ
△リュウノアレス
さて、いよいよダービーウイーク。今年もその初戦は九州ダービー栄城賞。
“栄城”が佐賀城の通称だということは知っていたが、トライアルとして行われている鯱の門特別の“鯱の門”は、その佐賀城跡に今でも残っている国の重要文化財だとはWikipediaで初めて知った。
トライアルである鯱の門を通って、本丸の栄城へ、というのはなんとも考えられたレース名ではないか。全国の地方競馬には名所旧跡にちなんだ重賞のレース名が少なくないが、これにはとても感心させられた。
中心はやはりギオンゴールドだろう。ここまで10戦9勝、2着1回で、重賞はすでに4勝。前走荒尾ダービーでは前に空馬がいる難しい展開ながら、直線楽々と後続を突き放した。ギオンゴールドに唯一土をつけているパスカルも出てきたが、その後のレースぶりからはギオンゴールドのほうが明らかに力をつけている。九州勢同士では勝負付けが済んでいる感じだ。
ギオンゴールドというと、印象的なのが扇の流星だ。5連勝で重賞初制覇となった荒尾・九州ジュニアグランプリを現場で取材していたのだが、レース後の九日俊光調教師は、勝ったことよりもその額の扇をしきりにアピールしていたことを思い出す。「北海道にはハートの馬(マサノウイズキッド、現在は中央に移籍)がいるけど、うちのは扇なんだよ」と。
ちなみにギオンゴールドとマサノウイズキッドは、父が同じゴールドヘイローなら、生産も同じ日高町・道見牧場というから驚く。
花吹雪賞を勝ったとき、実況の中島アナが「栄の国の扇の舞姫」と語った名調子にも、なるほどうまいことを言うなあと感心させられた。
地元勢と勝負付けが済んでいるなら、やはり相手は遠征組で、高知のグランシング。デビューした北海道ではJRA認定レース勝ちがあり、黒潮皐月賞を楽勝してここに臨んできた。昨年来、高知所属馬が他地区に遠征しての活躍が目立っているが、その勢いに乗れるかどうか。ここを勝てば、高知の3歳馬による九州との地区交流重賞制覇は、97年に花吹雪賞を制したイージースマイル以来となるのではないだろうか。
トライアルの鯱の門特別をハナ、ハナの接戦で制したプロセスは、北海道から佐賀に転入してしばらくは勝てず、飛燕賞でも11着と惨敗だったが、ここにきて急激に力をつけてきた印象。ギオンゴールドと勝ち負けまでは難しいだろうが、連下の可能性は十分。
九州ジュニアチャンピオンでギオンゴールドを破ったパスカルは、3歳になってから勝ち星のないのが不安材料。ただし古馬B2の格付けはメンバー中でも上位。
中央から転入してきたスウッシュは、佐賀ではまだ勝ち星がないものの、いきなり古馬B1格付けではしかたない。前走、そのB1特別で2着なら一角崩しの可能性はおおいにある。
◎ギオンゴールド
○グランシング
▲プロセス
△パスカル
△スウッシュ
4歳3冠の初戦、柏林賞。4歳のこの時期にしてオープン格付のライデンロックが710キロで、格付けが1つ下がるごとに10キロ減の別定戦。上下のハンデ差40キロでの争いとなる。
それにしても昨秋以降のライデンロックの充実ぶりには驚かされる。
前々走、トップハンデの690キロで臨んだ4歳馬同士のオープン・すずらん賞では、先頭で障害を越え、そのまま楽勝かと思われたが、ゴール線上で止まってわずかにマルモスペシャルに差された。ただ、そのときはマルモスペシャルと30キロ差だったものが、今回は20キロ差。ライデンロックには断然有利だ。
そして前走シルバーカップは、あのナリタボブサップとわずか10キロ差ながら堂々のレースぶり。先頭で障害を越えたナリタボブサップに食らいつき、コンマ3秒差の2着には驚いた。
柏林賞の当日は雨の予報だが、シルバーカップのときもやや湿った馬場だっただけに、ライデンロックにとっては、むしろプラス材料となりそうだ。
相手筆頭はキンセイモン。すずらん賞では単勝最低人気ながら、ライデンロックにコンマ5秒差の3着まで追い詰めた。逆転は難しいだろうが、当時と同じ40キロ差なら再び迫る場面はありそうだ。
牝馬のニシキエースは、すずらん賞では第2障害で何度もヒザを折って勝負にならず最下位だったが、前走カーネーションカップでは牝馬の一線級と堂々渡り合っての3着。同世代同士なら牡馬が相手でも好勝負可能だろう。
すずらん賞では1番人気に推されながら6着に敗れたウメノタイショウだが、続く前走の自己条件を勝って、ここで巻き返したいところ。
3歳3冠ではばんえい菊花賞の4着が最高だったオレワスゴイだが、常に堅実な結果を残しているだけに見限れない。
◎ライデンロック
○キンセイモン
▲ニシキエース
△ウメノタイショウ
△オレワスゴイ
兵庫チャンピオンシップで園田競馬場を訪れた際、そういえばしばらく園田でヤキソバを食べてないなと思い立った。
ちょっと時間が経ってしまったのだが、写真を撮っただけではどんなもんだったか忘れてしまうので、ここに書き残しておく次第。
で、園田競馬場で久々のヤキソバは「園田屋」で400円也。
全国の競馬場でヤキソバを食べているのは、土地ごとにソースに特徴があり、それが大いなる楽しみのひとつでもあるのだが、園田屋で使っているソースは、まさに関西定番、こてこてのどろソースであった。
具は、キャベツ、玉ねぎ、ニンジン、豚肉と、基本的なものがたっぷりと。これを食べただけで大阪に来たという気が……あ、いや、園田競馬場は兵庫県でした。
園田競馬場といえば、もっとも有名なのがタコ天。なのだが、よくよく考えてみると、もう10年くらいタコ天を食べてなかったような……。と思い、いってみましたよ「明石屋」のタコ天。
ちなみに以前からあったのかどうか、まったく記憶が定かではないのだけど、メニューはイカ天も。
上がイカ天で、下がタコ天ね。各150円也。
しかしこのタコ天、以前は足1本まるごとだったような気がするのだけど、推定10年ぶりに食べたタコ天は、ブツ切りのタコが焼き鳥のような状態で串に刺さって揚げたものだった。いつの日からか、変わったのでしょうか?
明石屋のタコ天の歴史に詳しい方、教えていただけると幸いです。