盛岡芝2400メートルのここにコスモバルクが遠征してきた。さすがに中央のGIでは厳しい感じになってきたが、地方競馬では唯一盛岡に芝コースがあることがこの馬にとってはラッキーだったかもしれない。最近ではあまり注目されることもなくなってきたが、1年ほど前に岡田繁幸さんにお話をうかがったところ、「種牡馬になれる血統でもないし、10歳くらいになっても現役なら、『まだがんばってるのか』と、ファンもまた注目してくれるでしょう」とのことだった。07年9月のOROカップ以来となる先頭でのゴールシーンを見せてほしいところ。今回は小林俊彦騎手で臨む。
地元筆頭は、前走芝のかきつばた賞を僅差で制したボスアミーゴ。07年のOROカップではコスモバルクに4馬身差と完敗の2着だったが、今回はどこまで差を詰められるか。6戦5勝という得意の芝2400メートルの舞台なら逆転もあるかもしれない。
メイセイオペラ産駒ながら、なぜか芝が得意なカネショウエリートもそれほど差はない。かきつばた賞は早め先頭で粘ったが、惜しくもボスアミーゴのハナ差2着だった。
南関東から3頭が遠征してきたが、馬券にからめそうなのはカクテルラウンジだけだろう。昨年3歳時には、盛岡芝のオパールカップを制した経験がある。
ソーユアフロストは、盛岡の芝は今回が初めて。中央時代は芝で準オープン勝ちがあり、昨年の北上川大賞典3着など距離にも実績があるだけに、上位に食い込んでくる可能性は十分。
◎コスモバルク
○ボスアミーゴ
▲カネショウエリート
△カクテルラウンジ
△ソーユアフロスト
これといって抜けた馬がなく、大いに悩むメンバー構成。ならば下級条件戦でも高知で連勝中のファンドリコンドルから狙ってみる。高知は下級条件でも、そのクラス以上の力を持った馬が少なくない。この馬は中央では500万で頭打ちだったが、昨年はメイショウサムソンの帯同馬としてフランスに遠征し、現地のGIIに出走した経験がある。高知に移籍してからは、格上挑戦だった1600メートルのA1特別で惨敗しているが、抜けたメンバーのいないここなら勝負になるだろう。園田に遠征した近畿・中国・四国地区交流でも勝っていて、遠征も問題ない。
迎え撃つ福山勢ではジューシーに期待したい。昨年11月29日にA3特別を制して以降、さすがにダートグレードでは勝負にならなかったが、地元福山では8戦して7連対と安定した成績。中央時代は短距離を中心に使われていただけにこの距離は歓迎だろう。
本来なら福山の大将格であるはずのナムラベンケイだが、そもそも短距離では力を発揮できない上に、他馬より3キロ以上重い58キロではいかにも厳しい。がんばって連下まで。
サムライランボーは、昨年の福山菊花賞を制し、今年の福山大賞典でも2着。福山に来てからは長いところで結果を出しているが、もともと大井では1200〜1400メートルで好走していた馬。一発があるならこの馬。
◎ファンドリコンドル
○ジューシー
▲ナムラベンケイ
△サムライランボー
名古屋競馬場がJBCに向けての改修で休みのためなのか、金沢は変則開催となっている。年末年始や連休でもないのに金曜日に重賞というのもめずらしい。
過去10年で地元金沢勢は2勝のみと苦戦の読売レディス杯。今回は笠松から4頭が遠征。とはいえ、重賞勝ちがあるのは、2年前の3歳時にオッズパークファンセレクションin笠松を勝ったマルヨスーパーラブのみ。ならば地元馬にチャンスかといえば、そうでもない。金沢勢には1頭も重賞勝ち馬がいないという、抜けた実績馬がいないメンバー構成となった。
ここは地元のケイティクラシーにがんばってもらいたい。このレースは一昨年3着、昨年4着で、今年は遠征馬にそれほどの実績馬がいないことを考えれば、順番が回ってきたと考えてもよさそう。兵庫から戻ってきた前走のA1特別は、牡馬を相手に逃げ切っている。
アウロラプラネットは、中央から転入緒戦の前走、A2特別を逃げ切り勝ち。外枠からの発走だったが、1〜2コーナーでハナに立ち、3コーナーあたりでは後続に詰められたが、直線では逆に突き放した。未知の魅力もあり、牝馬同士ならいきなり重賞を突破する可能性はある。
メンバー中唯一の重賞勝ち馬マルヨスーパーラブは、昨年後半に中央から笠松に戻って以降、16戦して11連対と好調。格下だがやはり牝馬同士ならチャンスはある。
マリンペガサスも地元金沢のA3・A4特別ではあるが、ここ5戦で4連対と調子はよさそう。
◎ケイティクラシー
○アウロラプラネット
▲マルヨスーパーラブ
△マリンペガサス
このオッズパークグランプリの予想では、<北海道スプリントカップJpnIIIで3着に逃げ粘ったスパロービートが出走してきたことで、このレースの価値が高まった>という書き出しにしようとだいぶ前から決めていたのだが、なんと、残念なことに脚部不安で直前回避となった。とはいうものの、地元川崎を走ったのはデビュー戦のみ。上級クラスでも1000メートルのレースが組まれている船橋まで毎回わざわざ使いに行っていたことを考えると、さすがに1400メートルのここで本命にするつもりもなかったのだが。
スパロービートが回避したとはいえ、ダートグレードで好走している馬が何頭かいて、地方全国交流にふさわしいメンバー構成にはなったと思う。
ちょっと残念だったのは、地元兵庫3強の1頭、ベストタイザンの登録がなかったこと。昨秋から東海地区への遠征を続け、重賞を5勝。そのうちの4つが1400メートルと、この距離にはめっぽう強い。園田には古馬の牡馬が出走できる1400メートルの重賞は、ダートグレードを除けば園田チャレンジカップひとつしかない。願ってもない1400メートルに、1着賞金1000万円は狙い目だと思ったのだが。
地元勢では残りの2強が出走してきた。チャンストウライはこの距離ではちょっと短い感じがあるので、やはり同じ舞台で行われた昨年のJBCスプリントJpnIで3着の実績があるアルドラゴンが人気になるのだろうか。
ただここは馬券的な妙味も考えてマルヨフェニックスから狙ってみたい。前走帝王賞JpnIは、かなり離された6着だったが、スタートで落馬寸前の躓きがあった。あれがなければ着はあったのではと尾島徹騎手が悔しがっていただけに、ここで無念を晴らしたいところだろう。中距離を中心に使われているが、1400メートルの笠松グランプリでは、勝ったベストタイザンから1馬身差の3着。一昨年の3歳時だが、今回と同じ舞台の園田ユースカップ勝利という実績もある。
相手筆頭は、やはりアルドラゴン。JBCスプリントのみならず、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでスマートファルコンの2着というのも価値がある。その後調子を崩していたようだが、前走園田フレンドリーカップを1番人気で制し、復調してきたと見てよさそうだ。
キングスゾーンは、前走岩手に遠征してみちのく大賞典を制した。佐賀のサマーチャンピオンJpnIIIを制すなど、ダートグレードでも互角のレースをしていたが、ここのところダートグレードでは勝ち負けにからめず、そういう意味では上記2頭よりは下の評価にならざるをえない。
チャンストウライは、前走1400メートルのA1特別を勝ったが、これはいかにも相手が楽だった。やはりこの距離で一線級が相手では不安が残る。主戦の下原理騎手が怪我のため乗れないのも不安材料。
各地に遠征しての活躍が目立つ高知勢は、JNBシリーズで3勝を挙げたセトノヒットが挑戦権を得た。今年中央から高知に移籍し、9戦6勝、2着2回、3着1回と、まだ底を見せていない。福山のファイナルグランプリも勝っているだけに遠征の不安もなく、上位に食い込む可能性も十分。
ハードインパルスは、クラス別定の尾張名古屋杯勝ちなども含め9戦連続連対中と、未知の魅力がある。
◎マルヨフェニックス
○アルドラゴン
▲キングスゾーン
△チャンストウライ
△セトノヒット
△ハードインパルス
昨シーズンから北海道に戻ってきたモエレソーブラッズだが、重賞勝ちが2歳時の兵庫ジュニアグランプリGIIIのみとはちょっと意外な感じがした。実績的にはもっと勝っていてもよさそうだが、巡り合わせが悪かったのだろう。北海道に戻ってからも、勝つか着外かという成績でムラが大きい。前走、今回と同じ舞台のディープインパクト・プレミアムIでは、高知の赤岡修次騎手が絶妙なペースの逃げに持ち込み、最後はゴッドセンドにクビ差交わされたものの、2着に粘った。今回は久々の重賞制覇に期待したいところ。
そのディープインパクト・プレミアムIで1番人気に支持され3着だったモエレエトワールに、それを勝ったゴッドセンドと、今回はこの3頭の勝負だろう。
2歳時に栄冠賞2着などがあるフジエスギャラントだが、今シーズンは大井から戻ってB1級を2連勝。力をつけていれば一角崩しの可能性はある。
◎モエレソーブラッズ
○モエレエトワール
▲ゴッドセンド
△フジエスギャラント