今シーズンの開幕日にデビューしてここまで6連勝のファイアーアップに注目が集まる。不安材料は、今回一気の距離延長となる1800メートル戦。前走1200メートルのレースぶりを見ると、スタート後はまわりの様子を見ながら一旦好位に下げ、3〜4コーナーではほとんど何もせずに先頭に迫った。直線での競り合いも、粘るプレザントシーズンをゴール前でとらえると、最後は余裕があった。距離延長も問題なしと見る。
相手筆頭はエイガゴールド。前走3歳オープンの天秤座特別では、楽勝のフーガには3馬身離されたが、4番手追走から直線馬群をこじ開けて抜け出し、2着を確保したレースには見どころがあった。前々走で2着に負けたのも、相手はデビュー2戦目から3連勝でまだ上に行けそうなモエレパーフェクトだった。重賞実績馬が北斗盃勝ちのサンサンヒカリのみという今回のメンバーなら上位争いになる。
3番手に、そのサンサンヒカリ。シーズン開幕日の北斗盃は休み明けの馬も多く、展開に恵まれた感じでの勝利だった。続く北海優駿では直線で7着に沈んでいるだけに、今回も疑ってかかる必要はある。
今年5月デビューのブラザーキングは、古馬D3、D2と連勝し、前走D1は先行した3頭をとらえきれずの4着。やや限界が見えた感じはある。
モエレアウトランは、北海優駿では前2頭からは離されたものの、中団から直線しぶとく伸びて3着。今回も連下争いには加わってきそうだ。
◎ファイアーアップ
○エイガゴールド
▲サンサンヒカリ
△ブラザーキング
△モエレアウトラン
昨年の第1回は姫路1500メートルで行われたが、今年は園田1700メートルが舞台。
重賞はこれで2度目の挑戦となるホールドマイラヴを狙ってみたい。前走牡馬相手で1230メートルの園田フレンドリーカップ(5着)はともかく、前々走のA1ひめじ広峰特別は3〜4コーナー中団も直線で豪快に差し切り、今回出走のエンタノメガミやボールドグレインなどに完勝した。兵庫では1500メートルまでしか経験がないが、脚質的にも血統的にも1700メートルならこなせるはず。園田の短い直線に替わってどうかだが、3コーナー手前から早めにまくっていけば差し切れる脚は持っていると見る。
相手筆頭はエンタノメガミ。2月の福山牝馬特別こそキーポケットに1馬身及ばずの2着だったが、その後は牡馬のトップクラスと6戦して3着を一度も外さない安定ぶり。牝馬同士のここはあらためて期待しみたい。
キーポケットも当然差はなく、ここまで牝馬同士の重賞を3勝。園田1700メートルは6戦4勝、3着2回と得意の舞台。4カ月ぶりの休み明けで少々割引。
ボールドグレインは昨年11月の兵庫クイーンカップでキーポケットのクビ差2着。ここ2戦は結果が出ていないが、いずれも牡馬一線級とのレース。牝馬同士のここなら巻き返しもある。
のじぎく賞を完勝したバージンサファイヤは初の古馬との対戦。福山に遠征した若草賞では離されての2着だけに、このメンバーに入って馬券にからめるかどうか。
◎ホールドマイラヴ
○エンタノメガミ
▲キーポケット
△ボールドグレイン
△バージンサファイヤ
過去7年連続でJRA勢に3着までを独占されているという、地方勢にとってはひじょうにきびしいレース。この盛岡2000メートルは、かつてのダービーグランプリも含めて、大きな着差がつくことが多い。ゴール前に坂があり、そこを2度通過しなければならないため、スタミナを要求されるからだろうか。あくまでも想像だが。
今年は、特に地元岩手の古馬ダート戦線に抜けた馬がない混戦で、他地区からの遠征馬もダートグレードで勝負になるような感じではなく、やはりJRA勢の上位独占は避けられそうもない。唯一、岩手転入2戦目となるクインオブクインがダートグレードでの連対実績があるが、それも牝馬限定戦。牡馬とのダートグレードは4着が最高という成績だ。
やはりここはダートグレード6連勝中のスマートファルコンに注目が集まる。1400〜2000メートルあたりまでの幅広い距離適性に加え、これまでさまざまな競馬場を経験しているだけに死角はなさそうだ。もちろん競馬だから何があるかわからないが、他馬の最近の成績や実績などから考えても、この馬が勝つ可能性はかなり高い。
相手筆頭には昨年の覇者サカラート。盛岡コースのもうひとつの特徴として、このコースが得意な馬はしつこいくらいに走るということがある。マーキュリーカップJpnIIIでは、過去にスナークレイアースが1勝を含め通算4度の3着以内。クーリンガーも3度の連対。いずれも高齢になってからは近走に好走がない状況での2着や3着だっただけに、JRA勢同士の決着でも穴馬券になった。そう意味では今回、馬券的にはサカラートに期待ということになる。
アロンダイトの回避により繰り上がったエスケーカントリーは重賞勝ちがないため56キロは有利。いずれにしても馬券はスマートファルコンを中心にJRA勢をどう絞るか。
◎スマートファルコン
○サカラート
▲エスケーカントリー
△メイショウトウコン
△マコトスパルビエロ
それにしても旭川記念のフクイズミの強さには驚かされた。いや、フクイズミの強さは重々承知だが、まさか先頭で障害を越えるとは誰も思わなかったのではないか。あのタイミングで越えられては、他の馬には手も足も出ない。ただ今回、週間予報を見ると、どうやら日曜日は雨になりそう。雨で軽い馬場になればフクイズミにとっては厳しい競馬になるかもしれない。
そこで浮上するのはナリタボブサップ。定量の800キロで、やや湿った馬場はこの馬にとって絶好の舞台。重賞勝利は昨年のこのレース以来遠ざかっているが、連覇を期待したいところ。
やはり外せないのはフクイズミ。旭川記念くらいの馬場になれば当然この馬の評価を上げるし、仮に大雨でも降って8%以上の馬場になれば△以下に評価を落とす。実力は誰もが認めるところだが馬場状態次第。
微妙なのがカネサブラック。古馬のトップクラスでもっとも安定して力を発揮しているのがこの馬なのは疑いようのないところ。ばんえい十勝オッズパーク杯を3連覇し、その後の旭川記念は重量を背負ったため負けてもしかたないところだが、一昨年はこの定量の北斗賞でも6着と惨敗だった(昨年は不出走)。どうも夏場に弱いのかもしれない。
そして800キロになれば出番がまわってきそうなのがスーパークリントン。ただしこの馬も重い馬場限定。
おそらくここまで4頭の勝負だろうが、今シーズンの充実ぶりはかなりのもので、旭川記念で2着に突っ込んできたホクショウダイヤも押さえておく必要がありそうだ。
◎ナリタボブサップ
○フクイズミ
▲カネサブラック
△スーパークリントン
△ホクショウダイヤ
9頭中7頭が前走黒髪山特別からの出走だが、そこで見事に古馬オープン勝ちとなった3歳牝馬のギオンゴールドが出てこないのはなんとも残念なところ。
ここは、その黒髪山特別をスキップしたアルカライズから。中央から転入後、はがくれ大賞典勝ちを含め、6戦4勝、2着3着各1回という安定感が光る。佐賀の1400メートルが今回初めてというのが不安材料だが、力で押し切ってくれるだろう。
相手は、前走転入初戦の黒髪山特別2着のビッグクラウン。前所属地の笠松では6戦して勝利を挙げられなかったが、黒髪山特別で人気のマイネルマキシマムやエフケーフィルらを抑えて2着に食い込んだのは、この距離に適性があったのだろう。
マイネルマキシマムはオープンで常に上位に食い込む安定勢力。重賞初挑戦となったはがくれ大賞典でも2着だったように、今回も上位争いに食い込んでくるだろう。
黒髪山特別では1番人気に推されながらも4着に沈んだエフケーフィルは、この距離にはやや難があるのかもしれない。
◎アルカライズ
○ビッグクラウン
▲マイネルマキシマム
△エフケーフィル