笠松勢の参戦がないのは残念だが、兵庫からベストタイザン、金沢からノーブルシーズと、それぞれの地区のトップホースが遠征してきて、この時期の地区重賞にしては豪華メンバーが集まった。
ダートグレード実績のあるキングスゾーンが中心。前走マイル争覇では、競りかけてきたマサアンビションを楽々と振り切って勝利。地方勢同士では力の違うところを見せつけた。
相手には兵庫のベストタイザン。11月の笠松グランプリ、年明けの白銀争覇と、笠松1400メートルの重賞を勝利。得意の1400メートルが舞台ならこちらを本命にしてもいいくらいだが、1800メートルのここは距離に融通のきくキングスゾーンに本命を譲った。ただ2400メートルの園田金盃を勝っているように、距離延長がダメというわけではないので、このメンバーなら上位争いは確実だろう。
マイル争覇ではまったく見せ場をつくれなかったムーンバレイだが、その前走、1900メートルの名古屋記念で2着に8馬身差をつけ圧勝しているように、距離的にはこのくらいが向くタイプ。今回こそはキングスゾーンとの差を詰めたいところ。
サンキンスピーチは、06年10月以降、ダートグレードのかきつばた記念を除けば3着を外していないという堅実なレースを続けていて、近走も4連勝と好調。ただかきつばた記念のレースを見る限り、キングスゾーンやムーンバレイなどの一線級とは差がありそう。メンバー的に楽に先行するのも厳しそうで、ここは連下まで。
金沢から5冠馬のノーブルシーズが遠征したきた。応援したい気持ち的には本命だが、名古屋の東海ダービーや、決して一線級とはいえない東海地区の古馬が遠征してきたイヌワシ賞での惨敗があるだけに、強くは推しにくい。
オッズ的には、キングスゾーンから相手を絞らなければならないだろう。
◎キングスゾーン
○ベストタイザン
▲ムーンバレイ
△サンキンスピーチ
△ノーブルシーズ
九州産の3歳馬によるJRAとの全国交流レース。過去には2006年に兵庫のトウショウヒカリが勝った例もあるが、今年も例年どおり他地区からの参戦はなく、地方勢は佐賀1頭、荒尾4頭が出走。
JRA所属馬は500万以下に限定され、すでにJRAで勝利していた馬は、トライアルのノカイドウ特別(1月28日)、ミヤマキリシマ特別(2月3日)には出走できず、このレースに直接の挑戦となる。
近5年では、04、05年こそ1番人気が勝っているが、その後の3年間では1番人気は連対できず、一筋縄ではいかないレース。
ここはメンバー中最多の3勝を挙げているテイエムヒッカテを狙ってみたい。JRA認定レースは勝てなかったが、昨年秋から徐々に力をつけ、4番人気で臨んだ門松賞を制した。ノカイドウ特別はダッシュがつかず4着に敗れたが、そのレースを勝ったテイエムビビッドには12月17日の2歳戦で6馬身差をつけ圧勝している。
相手には、好タイムでノカイドウ特別を制したテイエムビビッド。中央デビューから通算して9戦目での初勝利だったが、後方から徐々に位置どりを上げ、前で粘る中央の2頭をゴール前で差し切るというレースぶりは見どころがあった。
トライアルの2戦ともに2着のカシノレオン、同3、1着のカシノチェストらも当然上位争いだが、鮫島克也騎手のカシノレオンを上位にとりたい。
ミヤマキリシマ特別で差のない3着のテイエムアツヒメ、ここまで未勝利もJRA小倉のひまわり賞で2着があるテイエムメデテカにもチャンスはあるだろう。
堅くは収まらないだろうから馬券はオッズを見て手広く。
◎テイエムヒッカテ
○テイエムビビッド
▲カシノレオン
△カシノチェスト
△テイエムアツヒメ
△テイエムメデテカ
明け3歳牝馬の重賞として新設されたバレンタインカップ。
同世代同士の定量戦で、下のほうのクラスから急激に力をつけてきたような馬も見当たらないことから、ここは実績どおりの評価。
昨年9月のナナカマド賞以降3着を外していないタワノアヤカの成績が目を惹くが、前走若竹特別の第2障害で転倒した影響が心配。ならば、ナナカマド賞2着以降、牡馬の強いメンバーと対戦しながら4着を外していないワタシハスゴイを本命にする。前走若竹特別でも牝馬最先着の2着と好走していた。
相手筆頭はもちろんタワノアヤカ。おそらく勝つのはこの2頭のどちらかだろう。
サクラエビスもこの世代のオープンクラスで安定した成績で、3走前の若駒特別ではワタシハスゴイに先着する2着があった。
1月2日のオッズパーク賞新春特別を勝ったイレマルリュウジン、白菊賞でタワノアヤカとワタシハスゴイの間に割って入る2着だったウィナーミミにもチャンスはある。
◎ワタシハスゴイ
○タワノアヤカ
▲サクラエビス
△イレマルリュウジン
△ウィナーミミ
スマートファルコンは、ほんとうに慎重にレースを選んで使う馬で、まさに「石橋を叩いて渡る」という感じ。川崎記念JpnIも選定馬になっていて、出ようと思えば出られたわけだが回避。それでフェブラリーステークスを使うのかと思えば、JpnIIIのここ、佐賀記念を使ってきた。帝王賞あたりに確実に出られるようにと、賞金を稼ぐ作戦だろうか。ダートではオール連対で、ジャパンダートダービーJpnIからここまで6戦4勝、2着2回。その2着に敗れたのはいずれもJpnIというからこのメンバーでは断然だ。
2番手以下は迷うところだが、1000万、準オープンと連勝してきたクリーン。前走は初めて馬体重が600キロを超え、今回もさらに増えているのか注目されるところ。鞍上の武豊騎手は佐賀記念4勝目を狙う。
兵庫のチャンストウライは昨年のこのレースをレコード勝ち。それ以来勝ち星から遠ざかっているのが気になるが、スマートファルコン以外のメンバーなら負かせる力は十分にありそう。
サカラートは今年9歳。昨年はマーキュリーカップJpnIIIの1勝のみだが、ブリーダーズゴールドCJpnIIではメイショウトウコン叩き合って惜しい2着もあった。2000メートルのゆったり流れる競馬ならチャンスはある。
ロールオブザダイスは準オープンまで3連勝だが、前走の平安ステークスGIIIを見る感じでは、やや壁に当たった感じ。展開次第で連下なら。
馬券はスマートファルコンからの流しだが、オッズを見てどこを狙うかというところだろう。
◎スマートファルコン
○クリーン
▲チャンストウライ
△サカラート
△ロールオブザダイス
今年の3歳世代では、笠松のニュースターガール、名古屋のダイナマイトボディは相当強いと思っていたのだが、1月14日の園田クイーンセレクションでは、バージンサファイヤに簡単にひねられてしまった。
簡単な結論だが、ならばバージンサファイヤは相当な実力の持ち主と見る。デビューから2連勝で臨んだ兵庫ジュニアグランプリJpnIIは、勝ったスーニからは離されたものの、地方最先着の5着。そして3番人気で臨んだ園田クイーンセレクションは、プリンセスジュディとの叩き合いをクビ差で制した。1番人気に支持された笠松のニュースターガルは、直線差を詰めたものの半馬身差の3着だった。バージンサファイヤはまだまだ底を見せていない。
ほかでは園田ジュニアカップで1、2着のタマモリターンとカラテチョップだが、その園田ジュニアカップでは後方から押し上げてきたタマモリターンにうまく乗られたような展開で、真っ向勝負ならカラテチョップの実力が上と見る。兵庫のその他の馬たちは、この上位3頭とは実績的にもかなり差がある感じで、よほど急激な成長でもない限り馬券圏内に食い込むのは難しそう。
笠松のブラックポイントは、ゴールドジュニアで2馬身差をつけ快勝。しかしニュースターガールやダイナマイトボディにはかなわなかった馬。重賞勝ちがあるとはいえ、このメンバーに入ると連下までだろう。
◎バージンサファイヤ
○カラテチョップ
▲タマモリターン
△ブラックポイント