佐賀の吉野ヶ里記念、サマーチャンピオンJpnIIIへと続く、夏の九州1400メートル重賞路線の緒戦。
佐賀から遠征してきた一線級にはちょっと足りないかという3頭を、トライアルのパールカップを9馬身差で圧勝した地元のケイウンヘイローが迎え撃つという一戦。
ここは荒尾1500メートルの霧島賞を勝った経験のあるナセを中心にしてみたい。今年3月のはがくれ大賞典では、ハナを切るも終始うしろから突かれる展開で苦しくなり11着と大敗。その後は佐賀の一線級を相手に勝ち負けとはいかないものの、徐々にレースぶりはよくなってきている。佐賀と荒尾の力関係を考えれば、十分に通用すると見る。
ケイウンヘイローの前走パールカップでの1分28秒1は、2005年4月にナムラハンニバルがC級だったときに出したレコードと同タイム。ここも一気に突き抜けて不思議はない。
ちょっと心配なのが、ナセもケイウンヘイローも前に行きたいタイプだけに、競り合ったときにうしろから来る馬に差されるというパターン。そうなれば、佐賀の2頭、アーリーオータム、フジヤマビュティーや、かつての実力馬ナムラハンニバルにも出番が回ってくる可能性も十分に考えられる。
◎ナセ
○ケイウンヘイロー
▲アーリーオータム
△フジヤマビュティー
△ナムラハンニバル
ところで、ナセの母の父はアズマイースト。ケイウンヘイローの母の父はナイスネイチャ。どちらも中央のGIで人気になりながら結局は手が届かず、ファンの多かった馬。こういう血統が活躍するのは、いかにも地方競馬らしくていい。
金曜日の馬場水分は3%台だったが、その水分量以上に重い感じの馬場だった。土曜日の今、雨がちょっと降ったが、ピンポイント予報を見るとそれほど軽くはならなさそうだ。
ゴール前で先行馬がスイスイとは逃げ切れない展開になれば、フクイズミの末脚が生きると見る。昨年11月以降勝ち星はないが、掲示板を外したのは1回だけ。2着は6回もある。
そういう馬場なら、ややズブくなったミサイルテンリュウも出番だろう。今シーズン、2、5、3着という成績も、それほど大きく負けているわけではない。
前走は出走取消だったが、シルバーカップでマルミシュンキを競り落としたナリタボブサップにもチャンス。
昨年10月から11戦連続連対中のカネサブラックだが、ばんえい十勝オッズパーク杯を勝ったことで、この馬だけがプラス10キロ。昨年の旭川記念も2番人気ながら同じ状況で7着に敗れているだけに、人気になるなら今年は軽視してみたい。ただ、昨年のこの時期よりはるかに力をつけていることは確かではある。
王者トモエパワーは、さすがにこの重量の重賞ではスピードに対応できないだろう。
フクイズミから馬単と馬連複で流す。
◎フクイズミ
○ミサイルテンリュウ
▲ナリタボブサップ
△スーパークリントン
△カネサブラック
一條記念みちのく大賞典は、やや衰えの見えるかつての活躍馬、休養明けの一線級、条件クラスの上がり馬に、船橋と名古屋から1頭ずつの遠征馬があり、これといった中心馬不在で難解な一戦。
地元勢がいずれも一長一短なら、3連勝を狙う船橋のノムラリューオーに期待してみたい。前走シアンモア記念では、2番手追走から3コーナーで先頭に立ち、マンジュデンコウベとの叩き合いを制した。2000メートルは3戦していずれも着外だが、その3戦は東京ダービー、ジャパンダートダービーGI、彩の国浦和記念GIIというレベルの高いレースなので参考外。引き続き小林俊彦騎手が鞍上なのも心強い。
エアウィードは2006年のシアンモア記念以来勝ち星から遠ざかっているが、ダートグレード以外では大崩れも少ない。このメンバーなら勝ち負けになる。
サイレントエクセルは、昨年のこのレースで1番人気に推されながら3着。青藍賞を勝って以降は今一息のレースが続き、今回は大晦日の桐花賞以来の休み明けとなるが、やはりこのメンバーなら勝負になっておかしくない。
中央から名古屋に転入して2戦目のオープンを勝ったマチカネモエギ、B級を5連勝中のマイネルイディオスも争覇圏。
◎ノムラリューオー
○エアウィード
▲サイレントエクセル
△マチカネモエギ
△マイネルイディオス
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今シーズンの福山3歳戦線は、クイーンカップで1、2着だったウルトラエナジーとサンディナナが、福山ダービーでは着順が入れ替わって連対。キングカップで1、2着だったウィナーズディアとテンテンマルスがそのまま福山ダービーで3、4着と、牝馬勢が断然優勢。
ウルトラエナジーが引退したとあっては、やはりサンディナナが中心となる。
2歳時のヤングチャンピオンの覇者で、キングカップを断然人気で除外となったマルチグランドボスが相手。というより、前走古馬B3特別でそこそこの5着なら、この馬があっさりという場面があってもおかしくない。
2連勝中のブレーヴヒーロー、福山ダービー5着のモナクキララを連下に。
◎サンディナナ
○マルチグランドボス
▲ブレーヴヒーロー
△モナクキララ
多くの競馬ファンの目に触れるところに出す予想というのは難しいもので、あまりの人気薄に本命を打つのはやっぱり勇気がいるし、また不安があるときはどうしても実績馬や人気になりそうな馬に重い印を打ってしまうことがある。性格にもよるだろうが、小心者のぼくはたまにそういうことがある。
ただ、そうして打った本命が断然人気だったりすると、印のとおりに流しても、トリガミ確実ということもよくあること。そうした場合、やはりオッズと睨めっこした末に、実際に買う馬券は○や▲を中心にしてしまったりすることも、実はある。
だいぶ以前、専門紙の方と話をしたときに、専門紙に「本紙」の印を打っている人は、どちらかというと人気どおりの印にならざるをえないので、実際のその人の本命は▲だったりすることがある、というようなことを聞いたことがある。
冒頭で書いたようなことを考えれば、なるほどね、とも思う。また、3番目の印である▲を「単穴」という表現するのも、なるほどそういうところから来ているのかなあとも思う。
なんでこんなことを突然書いたかというと、今回はちょっと弱気なら▲にするであろう馬を◎にしてみた。北海道の3歳牝馬ラブストレングスだ。
3歳馬同士の北斗盃を制したときは、重賞初勝利でもあり、そんなもんかと思って見ていたのだが、古馬との対戦となったエトワール賞は圧巻だった。直線まで併走したサクラグッドラックを競り落とすと、1番人気ドラゴンシャンハイの追撃を退けての勝利。勝ちタイムの札幌1000メートル59秒7も、中央馬相手に通用しておかしくない。51キロとはいえ3歳馬としてはやはり楽ではないだろうが、2000年のこのレースでは北斗盃を制してここに臨んだ3歳馬(当時の旧表記では4歳)マークオブハートが2着に食い込んだこともあった。勝ったのが12歳(旧表記では13歳)のオースミダイナーだったことばかりが注目を集めたが、地元北海道の3歳馬が古馬一線級を相手に2着というのにも驚かされた。ただ、ラブストレングスにとっては、旭川ナイター未経験というのが気になるところではあるのだが。
中央馬では、このレース3連覇がかかるアグネスジェダイが中心。近走今ひとつの成績だが、この馬の適距離はやはり1200メートル以下。得意の距離で巻き返す。
普段、このブログの予想では、4〜5頭にしか印をつけないのだが、今回はそれほど人気にはならないだろうから手広く。中央の全馬と、近走の調子からダイワメンフィスとドラゴンシャンハイも。
◎ラブストレングス
○アグネスジェダイ
▲タイセイアトム
△ジョイフルハート
△ステキシンスケクン
△ダイワメンフィス
△ドラゴンシャンハイ
昨年から整備されたばんえい3歳牝馬三冠路線の第1弾、黒ユリ賞。
昨年は、ニシキガール630キロ(9着)、プリンセスモモ620キロ(7着)で、その他8頭が600キロと、賞金を稼いでいた2頭にとっては厳しいレースとなったが、今年は120万条件馬が7頭(620キロ)、60万条件馬が3頭(610キロ)と、負担重量的にはほとんど差のないメンバー構成となった。
負担重量に10キロしか差がないとあれば、3歳のこの時期だけに、過去の実績よりも近走の調子と勢いを重視したい。
好調度でいえば120万条件を2連勝中のウィナーナナが断然。今回とほとんど同じメンバーで争われた3月23日の3歳牝馬オープン、福寿草特別ではトップハンデで8着に敗れたが、今回の重量差なら早めに障害を越えて、押し切るだろう。
ここ2戦は惨敗しているが、福寿草特別を勝って、今シーズン開幕後に120万条件で2着、1着のカネヅルが相手筆頭。
ニシキエースは、福寿草特別ではカネヅルと同重量ながら、大きく離されての3着。2歳の秋からこの世代のオープンでそこそこの成績を残してはいるが、近走は勢いという意味ではやや劣るため狙いを下げた。
60万クラスの3頭は10キロだけの差では厳しそうだが、可能性があるとすれば、今シーズン5戦して勝ち星こそないものの、そのうち3戦で掲示板を確保しているアカネオーカン。
◎ウィナーナナ
○カネヅル
▲ニシキエース
△アカネオーカン
馬券はウィナーナナの馬単1着づけと、2着づけで流し。
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百万石賞は、格的にも実績的にもこのレース3連覇を目指すビッグドンが断然。4月のスプリングカップでは、マヤノテンザンに競り負けたばかりか、うしろからまくってきたナムラカイソクに内を救われ、まさかの3着。しかしその後A1特別を2戦して、ともに2着に4馬身差をつける危なげのない勝利。この大一番には万全の状態で臨むと見ていいだろう。
楽しみなのは、中央から転入初戦のA1特別を勝ったケージーダンシング。3コーナーからケイティクラシー、ミスエリエールと3頭でびっしり叩き合い、ゴール前でようやく振り切るという苦しい競馬だったが、9カ月ぶりの実戦であったことを考えれば、上積みが見込める。血統的にもレース内容からも、距離延長はプラスだ。
2000メートルを超えるレースでは、必ず押さえておかなければならないのがテンリットル。このレースは今年で4年連続の出走で、過去3年は1、2、3着。着順こそひとつずつ落としているものの、昨年はビッグドンからハナ+1馬身の差しかなかった。いつもどおり最後方追走から直線の追い込みに賭け、上位進出は間違いないが、その着順は展開次第ということになるだろう。
ほとんどこの3頭の競馬だろうが、3走前にビッグドンの2着があるマツノショウマを連下で押さえる。
印では一応ビッグドンが本命だが、オッズ的にはケージーダンシングから狙ったほうが妙味がありそうだ。
◎ビッグドン
○ケージーダンシング
▲テンリットル
△マツノショウマ