何度もいろんなところで書いてきたが、ほとんどの重賞を地方全国交流として開放した岩手はエライと思う。
今はなき上山や新潟と東北3県交流の重賞を古くからやっていたり、何より地方競馬の3歳馬の頂点を決めるダービーグランプリを始めたという岩手の先見性が、今現在にも通じているのだと思う。
他地区から来るかどうかは別として、まず開けておくことが大切だと思う。
ひまわり賞には、船橋からリュウノフレンズが遠征してきた。といっても、昨年10月に盛岡のJRA認定レースでデビューするはずが、出走取消。岩手では不出走のまま船橋に転厩していた。ただ、船橋では3歳の未受賞戦(入着賞金がゼロの馬のレース)を勝ったのみ。その後2戦してともに惨敗しているだけに、ここではちょっと厳しそうだ。
中心は、やはり留守杯日高賞を6馬身差で圧勝したカネショウプルート。その日高賞では、ハナ立ったマサノパンダのぴったり2番手を追走。直線を向いて追い出されると、あっという間に後続を突き放した。カネショウプルートは、この日高賞での勝利がデビュー以来11戦目での初勝利。何かふっきれたものがあったのだろう。船橋のリュウノフレンズとは当然のことながら対戦していないが、5月10日のあやめ賞まで見れば、それ以外のメンバーとの力関係ははっきりしている。
日高賞2、3着で、カネショウプルート不在のあやめ賞でそのまま1、2着となったピンクゴールド、マツノマオが相手。
日高賞は1番人気に推されながらカネショウプルートに終始突っつかれる苦しい展開で4着だったマサノパンダもまだ見限るには早い。あやめ賞ではさらに着順を落として7着だったが、向正面で後続に早めに来られて苦しい展開だった。人気を落とすようなら馬券的に妙味がある。
◎カネショウプルート
○ピンクゴールド
▲マツノマオ
△マサノパンダ
上は58キロから、下は3歳牝馬の50キロまで斤量差があり、力の比較も難解な一戦。
ここは船橋から転入緒戦のドラゴンシャンハイから。1000メートルは4戦4勝とパーフェクトで、南関東ではB級勝ちまでしかないが、まだ底を見せていない。休養が何度もあり、順調には使えていないようだが、掲示板を外したのは3歳時の黒潮盃(11着)のみ。4月1日、船橋での5カ月ぶりのレースも快勝しているだけに、6月の北海道スプリントカップJpnIIIに向け負けられない一戦。
05年に兵庫ジュニアグランプリGIIIを制したモエレソーブラッズが、中央、大井を経由して今シーズンから北海道に戻ってきた。昨年6月に大井で1200メートルのオープン特別を勝っているだけに、ここでも能力上位。
サクラグッドラックは、転入緒戦となった赤レンガ記念こそしんがりに敗れたが、もともと短距離を中心に使われていた馬。叩き2戦目でどんなレースを見せてくれるか。
生え抜きのアドミラルサンダーは、一昨年のこのレース2着で、昨年は3着。さらに上の着順を目指したいところ。
昨年秋の道営スプリントを制したセイウンドーバーは、これが今シーズン緒戦となるだけに、どこまで馬体ができているか。
北斗盃を制したラブストレングスは、この時期の3歳馬が古馬との対戦ではいかにも厳しそうだが、50キロの軽量を生かしてどこまで。
ドラゴンシャンハイ、モエレソーズラッズの力が抜けていそうだが、休み明けや、休み明け2戦目の馬たちが激走して波乱の目もありそう。
◎ドラゴンシャンハイ
○モエレソーブラッズ
▲サクラグッドラック
△アドミラルサンダー
△セイウンドーバー
△ラブストレングス
最近予想をしていて思うことがある。
予想と馬券は別でもいいのか、ということだ。
あるレースで断然人気の馬がいたとする。自分の本命もその馬で間違いない。ただしその馬の単勝は元返しか、せいぜいついても1.1倍。いくらこの馬で堅いと思っても、応援馬券などなら別かもしれないが、単勝勝負というわけにはいかないのが普通だろう。100万円賭けて、10万円の儲けを期待するという人もいるかもしれないが、少なくともぼくはそんな大金を競馬場に持っていったこともないし、投票用のネット銀行の口座にも入っていない。仮に持っていたとしても賭ける勇気はない。
こういうとき、馬券は色気を出して別なところから買ってみるということはないだろうか。
なぜこんなことを書いたかというと、この福山ダービーは、予想ではどうやってもウルトラエナジーの本命で動かしがたいのだが、さて、いざ馬券を買うとなるとどうするだろうと思ったからだ。
新興勢力といえるような存在もなく、メンバー中唯一、古馬B1クラスで競馬をして、そこでも楽勝。1月の3歳戦でサンディナナの2着に敗れているとはいうものの、クイーンカップではきっちり借りを返していて、近走の成績を見ればやはりウルトラエナジーのほうが力は上。
相手もサンディナナで堅そうだ。
こういうときに、この2頭の馬連複、もしくは馬連単1点で勝負するのか、それとも別のところを狙うのか。悩むところだ。
サンディナナは過去の実績もあり、ウルトラエナジーを負かしにいこうという意気込みがあるかもしれない。そうして真っ向勝負にいったときに、やはりウルトラエナジーのほうが格段に強かったりすると、サンディナナは惨敗し、着狙いの格下馬が2着に入ったりして荒れるというパターンはよくあること。
そうしたことを想定すると、ウルトラエナジー1着固定で、3連単の2、3着に人気薄を何頭か、という馬券もひとつの買い方。
ウルトラエナジーとサンディナナの馬連複か馬連単1点か、それとも手広く3連単か。さらに穴を狙うならウルトラエナジー1頭軸の3連単マルチもある。
ただ少なくとも下のような印でウルトラエナジーから馬連複4点流しという馬券はないだろう。
競馬って難しい。だからおもしろいのだけど。
◎ウルトラエナジー
○サンディナナ
△キッスパフェ
△テンテンマルス
△スターハンセン
新設のカーネーションカップ。
母の日にカーネーションカップとは、洒落たレース名をつけたものだ。クリスマスとかバレンタインとかだと、必ずしもその日が開催日になるとは限らないけれど、母の日とか父の日なら、必ずばんえい競馬の開催がある日曜日になる。
それにしてもナイター初日の金曜日は雨で馬場が軽かった。砂ぼこりが上がらなくていいといえばいいのだが、第2障害を越えた順番でゴールというレースが多かった。土曜、日曜は天気がよさそうで、カーネーションカップのころは馬場もかなり乾いてくれるのではないだろうか。
現役2強牝馬フクイズミとトカチプリティーが揃い踏み。ただしフクイズミのほうは、メンバー中唯一の今シーズン初出走。
今シーズンから格付けの基準が大幅に変わり、昨シーズンの格付けであれば条件馬だったであろうニシキユウ、エメラルドあたりは、オープン格付けとなって2強と同じトップハンデの710キロはいかにも厳しい。準オープンのニシキシャープ、イナノプリンセスも10キロしか差がない700キロでは厳しいだろう。ゆえに昨シーズンからのオープン馬が馬券の中心となる。
で、本命は牝馬同士でこの重量差ならトカチプリティー。早めに行けるギャンブラークインもこの重量なら好勝負。
フクイズミは、本来ならこのメンバーに入れば迷わず本命か対抗だが、今シーズンの緒戦ということで狙いを下げた。昨年、一昨年と、始動は6月と遅かったが、今年はこの時期から復帰してきたのも気になるところ。もし馬体重を大幅に減らして出てくるようならさらに狙いを下げたい。
4歳馬の2頭は、オープン馬と30〜40キロ程度の差では勝ち負けまでは難しそうだが、早めに行ける最軽量のプリンセスモモが連下に食い込めるかどうか。
◎トカチプリティー
○ギャンブラークイン
▲フクイズミ
△スターエンジェル
△プリンセスモモ
岩手ではシーズン最初の古馬重賞、シアンモア記念。テンショウボス、サイレントエクセルが出走態勢が整わず不在で、伝統の重賞としてはやや寂しいメンバー。南関東から遠征の2頭が、その代わりとしてレースを盛り上げるかどうか。
前走今シーズン2戦目を勝ったサンシャインヘイロから狙ってみたい。1800メートル以上を中心に使われているが、調子を上げてきているだけに、中団から早めに先頭に取りついて押し切る。
トライアルの栗駒賞を勝ったタイキリオンは、水沢1600メートルはこれが初勝利だった。芝中心のローテーションだが、ダートのここで重賞初制覇を狙う。
ノムラリュウオーは、前走房の国オープンで02年8月以来の勝ち星となったが、そのレースぶりをそのまま評価していいものかどうか。ただ、鞍上が小林俊彦騎手なのはプラス材料。
水沢の重いダートが得意のダンディキング、栗駒賞2着のマンジュデンコウベらも差はない。
◎サンシャシンヘイロ
○タイキリオン
▲ノムラリューオー
△ダンディキング
△マンジュデンコウベ
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5月9日現在、高知に登録されている現役3歳馬は18頭。黒潮皐月賞に出走してきた10頭のうち9頭が他地区からの移籍組で、古馬の条件級に編入され、これまで直接対決がほとんどなく力の比較が難しい。
ここは未知の魅力ということもあり、高知転入後2戦2勝のリワードファントムに期待してみたい。赤岡修次騎手は先月、二十四万石賞、笠松・オグリキャップ記念と勝っているだけに、その勢いも買う。
10頭中9頭がE級格付けだが、前走C5クラスを1番人気で勝っているパッショネートキスのほうが、地力は上かもしれない。
前走E級選抜を5馬身差で勝ったグランドオーク。どうやらここまでの3頭の力が抜けている感じだ。
転入後3戦目の前走で初勝利を挙げたモグも上積みがあれば一角崩しも。
◎リワードファントム
○パッショネートキス
▲グランドオーク
△モグ