今年で第8回を迎える兵庫チャンピオンシップJpnIIは、第1回、第2回こそ地方勢が制したものの、その後はJRA勢が5連覇。第3回以降、地方勢が2着に食い込んだのも04年(第5回)のタカラアジュディ(名古屋)のみで、それ以外はJRA勢に独占されている。
過去7年の勝ち馬はいずれも3番人気以内と、有力馬が順当に勝っている印象。しかし1番人気が勝ったのは2回のみ。期待ばかりが先行して断然人気となり、実際にレースをしてみたら案外だったという馬も少ない。
今回人気を集めるのは、ダートオープンのヒヤシンスSを圧勝しているフェラーリピサだろう。ほかにダートでオープンクラスを勝っている馬はなく、実績的にはこの馬を本命にしないわけにはいかない。
ダートで未勝利、500万を連勝したヤマカツブライアンもそれほど差はないと見る。母は阪神3歳牝馬S(現・ジュベナイルフィリーズ)を制し、そのほか芝の牝馬限定GIIIを2勝したヤマカツスズラン。ダートでは笠松の全日本サラブレッドカップGIIIも制したスピード馬。ヤマカツブライアン自身は、今回ダートでは1400メートルからの距離延長となるが、父ブライアンズタイム、母も芝2000メートルの重賞を勝っているだけに、心配はないだろう。
未勝利戦のダート勝ちがあるコートユーフォリアは連下。ゴールドキリシマは、ダートは1戦(5着)のみだが、鞍上が小牧太騎手だけにどんなレースを見せるか。
地方勢はなんとも心もとない。1月の園田クイーンセレクションを制したエンタノメガミは、その後は伸び悩んでいる。
上昇度に期待できるのは菊水賞を制したユキノアラシだが、一角崩しまではどうか。
サラ・プリンセス特別(笠松)、園田クイーンセレクションでいずれも2着のワイケイリズムは、中央の牝馬限定ダート500万下で13着惨敗では厳しそう。
笠松で2歳時に重賞2着2回のトミノダンディも、中央の500万下では通用していない。
◎フェラーリピサ
○ヤマカツブライアン
▲コートユーフォリア
△ゴールドキリシマ
△ユキノアラシ
◎フェラーリピサからだと配当はあまり期待できないだろうから、むしろ○ヤマカツブライアンからも流してみたい。
昨年まで1870メートルで争われていた兵庫大賞典は、今年から2400メートルになった。
昨年の3歳2冠馬チャンストウライは、地元園田では6戦負けなし。前走名古屋大賞典JpnIIIも、勝ったアルドラゴンから0秒6差の5着と好走した。古馬になって初重賞制覇のチャンス到来(笑)。
昨秋大井から転入したタガノインディーは、重賞2勝を含め地元では4戦全勝。今回と同じ2400メートルの園田金盃と六甲盃を制しているのは大きなプラス材料。
この2頭に人気が集中するなら、狙ってみたいのがグレートステージだ。2歳時の園田ジュニアカップこそ3着に敗れたものの、3歳以降、園田・姫路では、ダートグレードも含めて地元馬には一度も先着を許していない。
ジョイーレも、昨年12月の園田金盃こそ4着に敗れたものの、ダートグレード以外では堅実なレースを続けているだけに一角崩しがあってもおかしくない。ただ、その園田金盃では逃げ粘れなかっただけに2400メートルという距離は気になる。
◎タガノインディー
○チャンストウライ
▲グレートステージ
△ジョイーレ
オッズ次第だが、◎○はむしろ馬連複で元返し程度にして、タテ目の▲グレートステージからの配当に期待してみたい。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
7年連続で佐賀勢が制している九州皐月賞荒尾ダービー。佐賀での重賞上位馬の出走はないが、今回もどうやら佐賀から遠征の2頭に分がありそうだ。
飛燕賞4着のドリームインパワー、5着のタイガンジョウジュだが、すでに佐賀の古馬B級に格付けされているタイガンジョウジュを本命にしてみたい。
相手にはもちろんドリームインパワーだが、この2頭にしても目立った実績を挙げているわけではなく、荒尾勢にも一角崩しのチャンスは十分にありそうだ。
北海道から移籍し、荒尾では5戦4勝2着1回のゴールドサンダーがその筆頭。九州ジュニアグランプリ2着のスリーディーエア、飛燕賞6着のアトラスリードも連下候補。
◎タイガンジョウジュ
○ドリームインパワー
▲ゴールドサンダー
△スリーディーエア
△アトラスリード
第9回を迎えるかきつばた記念JpnIII。第1回から第5回まではJRA勢が連勝していたが、ここ3年は地方勢が勝利と、まったく傾向が変わってきた。さらに、02、03年は1番人気が勝って固い決着だったが、ここ3年は4番人気か5番人気の地方馬が勝ち、やや波乱の結果となっている。
今年もJpnIIIらしく、ある程度の実績馬ならどれが勝っても不思議はない、馬券的にも興味深いメンバー構成となった。
おそらく1番人気になるであろう、リミットレスビッドを巡る争いになりそうだ。58キロは厳しいが、前走黒船賞JpnIIIと、昨年末の兵庫ゴールドトロフィーGIIIで克服済み。小回りも苦もなくこなすため、死角はなさそうだ。
逆転の可能性があるとすれば、ダート路線では新顔のサチノスイーティー。芝のGIII(アイビスサマーダッシュ)を1勝の実績で、地方で行われるダートグレードに出てこられたのは幸運といえる。ただ、1月のガーネットステークスGIIIでは、トップハンデ59キロのリミットレスビッドが2着だったのに対し、7キロも軽い52キロのサチノスイーティーはリミットレスから0秒3差の5着だった。今回はこれが3キロ差に縮まっているため、この4カ月でよほど力をつけていない限り逆転は難しそうだ。とはいうものの、前走京葉ステークスのような先行して粘る競馬ができれば可能性もありそうで、年齢的な期待もこめてサチノスイーティーを本命にしてみたい。ただ、リミットレスビッドを相手に馬単で、というほど強気にはなれないが。
メイショウバトラーは昨年ダートGIIIを3連勝し、その後JBCマイルGIでブルーコンコルドの2着したときは、どれほど強くなるだろうと思ったが、1番人気に推された兵庫ゴールドトロフィーGIIIで掛かったままレースにならず5着に敗れてからは今ひとつのレースが続いている。昨年の勢いが戻れば、ここであっさりがあってもおかしくはないのだが。
昨年の覇者ロッキーアピールは4番枠に入ってしまった。マイペースで気分よく先行できればしぶといのだが、砂をかぶってしまうとまったくレースにならないという面があり、馬券を買う側としては狙いにくい馬ではある。
クーリンガーは1400メートルに実績がないので今回は見送る。ムーンバレイは吉田稔騎手で、前走名古屋大賞典JpnIIIのように先行して粘るレースができれば連下はあるかもしれない。
◎サチノスイーティー
○リミットレスビッド
▲メイショウバトラー
△ロッキーアピール
△ムーンバレイ
昨年の大晦日に第1回が行われ、これが2回目となる尾張名古屋杯。これまではアラブの重賞として行われていた名古屋杯を引き継いだようで、年末または年始と、この時期と、年に2回ずつ行われることになるようだ。
A級57キロ、B級55キロ、C級53キロ(牝馬2キロ減)というクラス別定戦。
地方競馬は、代わり映えのしないメンバーでのレースが多くてつまらない、というようなこともよく聞くが、この尾張名古屋杯のように普段は対戦しない同士での対戦は、組合せや斤量を工夫するなどしてもっと増やしたほうがいいと思う。そうすれば下級条件で連戦連勝してもなかなか上のクラス上がれないというような馬でも、早いうちに一線級との対戦が実現して楽しみが増える。
このクラスごとによる2キロずつの斤量差がどの程度のものなのだろうか、そのあたりが馬券を予想する上でもポイントになりそうだ。
ここは、A5〜B2混合戦とB1特別を連勝しているアシゲノキラメキに期待してみたい。第1回のこのレースでも、3番人気に推されて4着と健闘した。今回、A2クラスが2頭いるものの、メンバー的には前回よりも楽になっている感じで、さらに上の着順を狙えそう。
相手にはゴールドマジンガー。中央から転入し、今年3月5日のB3戦がなんと約3年ぶりのレース。B級戦で2、1、1着で、ここでいきなり突き抜けても不思議はない。
昨年秋、C級に格付けされてからは9戦7勝、2着3着各1回と安定した成績で勝ち上がってきているベルシャワーも魅了たっぷり。
A2に格付けされているアラブのエムエスオーカンも大崩れはなく安定した成績を残しているが、57キロをどうこなすかだろう。
C級馬からは、昨年秋に中央から転厩して以来、16戦して3着を外したのは1度だけというマジックポーを押さえたい。今年すでに76勝(4/28現在)を挙げ、全国リーディングを突っ走る角田輝也厩舎だけに怖い存在だ。
◎アシゲノキラメキ
○ゴールドマジンガー
▲ベルシャワー
△エムエスオーカン
△マジックポー
いよいよソフトバンクグループとオッズパークが支援する、新生・ばんえい競馬がスタートした。
初日の4月27日は、ぜひとも現地までかけつけたかったのだが、実は笠松にいた。残念ながらダートグレードがなくなってしまった笠松だが、この日のオグリキャップ記念は笠松競馬場での最高賞金のレース。体が2つほしいとは、まさにこのこと。
もともと年末年始やゴールデンウィークは地方競馬の重賞レースが集中するので、体がいくつあっても足りないのは例年のことなのだが、やはり崖っぷちから新たな形でスタートすることになったばんえい競馬は特別だ。
と、言ってはみたものの、ゴールデンウィーク中、ばんえい競馬を生で観戦することはほとんど諦めかけていた。それでもなんとか5月6日の日曜日に都合がつき、帯広まで足を運べることになった。競馬そのものはもちろん、綺麗になったスタンドや、スタンド前に移動したパドックなどを見るのが楽しみだ。
さて、新生・ばんえい競馬で最初に行われる重賞は、新設された「ばんえい十勝オッズパーク杯」。
シーズンがスタートしてすぐに重賞を行うというのは、近年のばんえい競馬では初の試み。とはいうものの、冬季休催期間が3〜4カ月もあったかつてとは異なり、ばんえい記念からはほぼ1カ月。サダエリコ以外はいずれも昨シーズン最後の開催に出走している馬たちで、休み明けという感じでもない。
ばんえい記念を制し、スーパーペガサスに代わる新王者となったトモエパワーをはじめ、2着の古豪シンエイキンカイが出走してきた。さらに楽しみなのは、今後数年間にわたってばんえい競馬を牽引していく存在になるであろう、5歳世代のトップホースが顔を揃えたこと。
最強はトモエパワーで異論はないが、オープンクラス740キロという、このクラスにしてみれば軽量のレースなら、ナリタボブサップのスピードに期待してみたい。
トモエパワーもここであっさり勝ってもおかしくない。昨シーズン終盤の重賞を除くオープン戦では、帯広記念で稼いだ賞金のため負担重量に苦しんだが、他馬と同じ重量のここならはずかしいレースはできないだろう。
昨シーズン後半の早い時期からトップクラスと張り合ったカネサブラックも差がない。
唯一、500万未満クラスからの挑戦で30キロ減に加え、牝馬の20キロ減で690キロで出走するニシキシャープまで押さえておきたい。
◎ナリタボブサップ
○トモエパワー
▲カネサブラック
△ニシキシャープ