キングスゾーンとムーンバレイ、笠松からもミツアキタービンとオグリホットが、2日前の川崎・スパーキングサマーカップに遠征してしまったため、名港盃はやや手薄なメンバーになった。
このレースの1着賞金が240万円なのに対し、スパーキングサマーカップがその5倍の1200万円では、それも仕方ないだろう。
ここで狙ってみたいのは、川崎から転入初戦となるアスターバジル。5カ月ぶりの実戦だが、南関東時代の力を発揮できれば、ダートグレード入着級の馬たちが抜けたここでは能力は一枚上。
アスターバジルは、昨年5連勝後に重賞初挑戦となった黒潮盃で1番人気にこたえて5馬身差圧勝。JBCクラシックはさすがに相手が強く9着に敗れたものの、大晦日のオープン戦は、その後東京シティ盃とマイルグランプリを連勝するフジノウェーブにクビ差2着まで詰め寄った。
角田輝也厩舎といえば、中央からの転入で下級条件から連戦連勝する馬が目立つが、南関東からの移籍というのはめずらしいのではないだろうか。それだけ期待しての転厩なのかもしれない。
相手筆頭には、応援の意味も込めて金沢から遠征のマヤノオスカー。昨年のこのレースでは、タカラアジュディとの一騎打ちでアタマ差の2着と惜敗。今シーズンは、勝ちに等しいレース内容で2着の百万石賞から余裕をもったローテーションでここに臨むだけに、昨年以上の結果を期待したいところ。
既成勢力での筆頭格はウイニングウインドだろう。昨年は1番人気で3着に敗れたが、それ以降、東海地区では3着以内を一度も外していないという堅実さが光る。
あとはやや離れて、中央から転入2戦目となるケイアイフウジン、昨年4月の転入初戦でいきなり重賞(東海桜花賞)制覇を果たしたマヤノモーリスあたり。
ただ、やはり上位とは差がありそうで、3連単の3着ならともかく、馬連複、馬連単は3頭の争いになると思う。
◎アスターバジル
○マヤノオスカー
▲ウイニングウインド
△ケイアイフウジン
△マヤノモーリス
3歳牝馬によるのじぎく賞。
地区交流ではなく、兵庫限定で牝馬のみとなると、やはり層が薄くなるのは否めないが、それにしてもここはエンタノメガミの実績が抜けている。
昨年9月の姫路プリンセスカップこそ8着に敗れたものの、12月の園田ジュニアカップでは5番人気の低評価ながら2着に好走。以来、兵庫のトップクラスにすっかり定着している。
重賞タイトルこそ1月のクイーンセレクションのみだが、その後はいずれも牡馬との対戦。園田ユースカップは笠松・マルヨフェニックスの2着で、地元馬最先着。3冠戦線に入り、菊水賞は4着だったが、兵庫チャンピオンシップJpnIIでは地方勢最先着の3着と大健闘。3冠目の園田ダービーではユキノアラシから3馬身離されたものの、3着以下は7馬身も突き放す堂々の2着。なにしろ昨年の11月以降は牝馬に一度も先着されたことがないのだ。
競馬に絶対はないというが、落馬だとか、他馬に進路をふさがれるだとか、そういうアクシデントでもない限り実績から見てエンタノメガミで間違いないだろう。
相手には、トーホウエンペラー産駒のワイケイリズム。昨年10月のT1・2歳特別でエンタノメガミに3/4馬身先着して勝利した経験がある。しかしその後はエンタノメガミが急激に力をつけ、園田クイーンセレクションでは7馬身もの差をつけられての2着と、完全に力関係は逆転されてしまった。
問題は、この2頭の組合せで馬連複がいくらつくのかということ。おそらく100円台なのではないだろうか。馬券はちょっと買いにくい。
そのほか連下では、これが重賞初挑戦も近走力をつけているハナカンムリ、ここ3戦はJRAとの条件交流戦で常に上位を確保しているサンペールウルトラなど。
いずれにしてもエンタノメガミがどんな勝ち方をするか見るレースとなりそうだ。
◎エンタノメガミ
○ワイケイリズム
△ハナカンムリ
△サンペールウルトラ
赤見さんもブログに書いているが、高知のヒカルサザンクロスが、益田のウズシオタロー(牝馬ですよ)が1987年に引退するまでに走った最多出走記録、250戦を越えるまであと3戦と迫っている。
ちなみにこの地方競馬の記録というのは、地方競馬全国協会が設立された1962年(昭和37年)以降のもの。それ以前についてはきちんとした成績が残されてはいないのだが、今は無き春木競馬(大阪)に所属し、昭和28年〜38年にかけて平地と障害で476戦したコガネマルというアラブがいたそうだ。
ただ、当時と今では馬の扱いや競馬の質そのものが違っているだろうから、近代の地方競馬(平地)での記録としては、やはりウズシオタローの250戦が最多出走といっていいだろう。
高知には、ヒカルサザンクロスのほかにも記録を更新し続けている馬がいる。
7月15日のE3戦(1400メートル)を勝ったオースミレパードは、最高年齢出走と、最高年齢勝利となる自身の記録を更新し続けている。
1991年生まれで、現在16歳。
91年生まれと言えば、3冠馬ナリタブライアンと同期になる。デビューは中央で、クラシックには乗れなかったが、平安ステークスGIIIで2着になるなどダートのオープン戦線で活躍した。その後98年の7歳(旧8歳)時に高知に移籍し、通算では214戦32勝となっている。
そしてもう1頭、地方競馬での平地勝利数記録を更新し続けているのがアラブのエスケープハッチで、現在49勝。
これに続くのが、現役ではおそらく荒尾・ハイメーカーの39勝(違ってたらごめんなさい)。エスケープハッチはまだ7歳と若いだけに、トップの座が安泰なのはもちろん、まだまだ記録も伸ばせそうだ。
エスケープハッチで驚くのが、そのレースぶりだ。最強馬というのは、だいたいにおいて好位につけて直線で差しきるというレースぶりが多いが、このエスケープハッチは、道中は縦長の後方を進み、直線だけで追い込むという大胆なレースをする。
ただし、必ず差しきれるというわけではなく、ときどきゴール前で届かずということもあるから、見ていていつもハラハラさせられる。それゆえに2着とか3着もけっこう多い。
そのエスケープハッチが、22日(日)の高知第11レース「ひまわり特別」で区切りの50勝目に挑む。
ぜひとも馬券を勝って、ハラハラ度倍増でレースをご覧になってはいかがだろうか。
もちろんライブ映像はオッズパークで見ることができる。
ばんえい十勝では、北斗賞が行われる。1トンで争われるばんえい記念以外では、唯一の古馬定量重賞となる。
ここは、シーズン最初のばんえい十勝オッズパーク杯以来勝ち星から遠ざかっているカネサブラックが巻き返す。ばんえい十勝オッズパーク杯でいきなり賞金を稼いだため、その後はつねにトップハンデで苦戦。それでも旭川記念以外では3着を外していないことろは力上位の証拠。
前走、旭川記念を逃げ切ったミサイルテンリュウも可能性は十分。土曜日から日曜日にかけては雨の予報で、馬場が軽くなるのはこの馬にとっては有利な条件。
牝馬のフクイズミも差はない。旭川記念ではミサイルテンリュウを追い詰められなかっただけに、第2障害で仕掛けるタイミングが勝負の分かれ目となりそうだ。
この3頭ならどれが勝っても不思議はない。
昨年のばんえい記念を制し新王者となったトモエパワーだが、ばんえい十勝オッズパーク杯2着のあとはいいところがないものの、定量戦のここは押さえておく必要がありそう。
◎カネサブラック
○ミサイルテンリュウ
▲フクイズミ
△トモエパワー
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オパールカップは、南関東から3頭、笠松から2頭の遠征があり、しかも芝のレースでもあり難解な一戦。
まず地元馬では、2歳時にジュニアグランプリを制して以降、中央も含めて芝のレースを中心に使われているボスアミーゴが中心的存在。これに、2歳時に芝で認定勝ちがあり、岩手ダービーダイヤモンドカップ2着のマツリダワルツ、ガーベラ賞でボスアミーゴの2着のあと、芝のはまなす賞を勝ったサイレントステージが続く。
南関東勢では、唯一重賞戦線を経験し、東京湾カップ3着のイチモンジが実績上位。父はトーホウエンペラー。鞍上が小林俊彦騎手なのは心強い。
笠松勢では、3月のスプリングカップを制した後、中央の芝500万下で差のないレースをしているキャプテンハートに可能性がありそうだ。
さて、これらの力関係が難しいが、地元のボスアミーゴを中心にしたい。中央のニュージーランドトロフィーは13着だが、勝ち馬から0.8秒差と、着順ほどは負けていない。前走も古馬1000万条件で0.5秒差の5着なら他地区も含めて実績は断然。
◎ボスアミーゴ
○キャプテンハート
▲イチモンジ
△マツリダワルツ
△サイレントステージ
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吉野ヶ里記念は、サマーチャンピオンJpnIIIに向けての一戦。荒尾からは、九州王冠を制したサンライズビート、名古屋から転入後これが4戦目となるガッツホーラーが挑戦してきた。
地元勢の筆頭は、前哨戦の黒髪山特別を制したザオリンポスマン。重賞は、これまで2着1回、3着3回と勝ち切れないものの、ここで初タイトルといきたいところ。
荒尾のサンライズビートは、中央から転入して以降、地元では7戦6勝。前走九州王冠では、佐賀から遠征の3頭をまとめて負かした。このとき4着だった佐賀のアサクササイレンは、ザオリンポスマンを負かしたことがあるだけにチャンスは十分。
ただ、ここは地元の利と、持ち時計からザオリンポスマンが上位と見る。
黒髪山特別2着のスターオブジェンヌは、今回が南関東からの転入2戦目で、まだ底は割れていない。昨年の浦和桜花賞2着、古馬に入ってB級で上位争いなら、ここでも勝ち負けになるだろう。
黒髪山特別3着のタイキヘリオスは、その前走、多良岳特別でザオリンポスマンのレコード勝ちにクビ差2着。ただ1400メートルは少し短いかもしれない。
◎ザオリンポスマン
○サンライズビート
▲スターオブジェンヌ
△タイキヘリオス
今年の東海地区の3歳戦戦は抜けた馬がなくて混戦、というのは、このブログで重賞のたびに何度か書いたような気がする。
がしかし。ここにきて、ようやく期待できそうな馬が現れた。
7月6日のオッズパーク・ファンセレクション・イン笠松を圧勝したマルヨスーパーラブだ。スタート後は5〜6番手を追走したが、3コーナー手前では、ほとんど持ったまま楽な手ごたえで一気に先頭。4コーナーでは勢い余ったか、逸走ぎみに外に飛んで行ってヒヤッとさせられたが、直線を向いて態勢を立て直すと、後続を楽々と7馬身もちぎった。
このときの予想では、そこまで3連勝とはいえ3歳3組という格付けで、しかも重賞初挑戦だったために対抗に落としてしまったが、あまりの圧勝ぶりに驚かされた。
今回も、ほかに重賞を勝っているのが若草賞のシンメイジョアーだけなら、マルヨスーパーラブが不動の本命となる。
笠松に移籍してからの5戦はいずれも1400メートル戦で、今回は200メートル延長となる。父はスプリンターズSを制したマイネルラヴだが、母の父がナリタブライアンなら距離的な心配はないだろう。実際に中央での最後のレースとなった中山ダート1800メートル戦では、勝ち馬から0.4秒差の5着と好走している。
相手筆頭は、先にも挙げたシンメイジョアー。地元東海地区に限れば、5月4日の駿蹄賞まで連対パーフェクト。東海ダービーでは3着に敗れたが、それでも勝ったマルヨフェニックスから1馬身半+1馬身半しか離されていない。
3番手評価が、オッズパーク・ファンセレクション2着とはいえ7馬身ちぎられたオーナーズレオンなので、マルヨスーパーラブを逆転できる可能性があるとすれば、シンメイジョアーしかいないだろう。
それ以外では、前走東海ダービーは11着も、新緑賞2着のほか3歳1組戦では常に勝ち負けのレースをしているリックフィオーレ、前走古馬のB級を勝っているケイウンフレンドあたり。ただ、馬連複や馬連単で狙う場合は、オッズ的には上位3頭に絞らざるをえないだろう。
◎マルヨスーパーラブ
○シンメイジョアー
▲オーナーズレオン
△リックフィオーレ
△ケイウンフレンド