例年中央勢は休み明けの馬が多く、過去の傾向からは予想しにくいレース。その後に続く、JBC、ジャパンカップダート、東京大賞典という秋のダートJpnI(GI)戦線に向けて、ここから始動する馬が多いからで、1番人気もあまり信用はできない。活躍馬が多いエルムステークス出走組も今年は1頭もいない。
過去の傾向があてにならないと書いておきながら、過去10年で7歳以上が1頭も連対していないというのは気になるデータ。11歳のノボトゥルー……ではなく、ここはおそらく1番人気で連覇がかかる7歳のブルーコンコルドを疑ってみる。
気になったのは、前走帝王賞。勝ったボンネビルレコードがラチ沿いから抜けてきて、ブルーコンコルドは大外を回ってきたという距離損はあったものの、昨年のJBCマイル(川崎)や、東京大賞典でのレースぶりからすれば、もうちょっと直線で伸びてもよかったように思う。ピークは昨年の南部杯から東京大賞典あたりだったのではないだろうかと見て、ここは狙いを下げる。
で、中心はサンライズバッカス。盛岡では3歳時にダービーグランプリでカネヒキリの2着があり、続く武蔵野ステークスでは斤量差はあったものの、カネヒキリとアジュディミツオーをまとめて負かした。今年、フェブラリーステークスを勝ったあとは、かしわ記念5着、帝王賞3着で、地方の重い砂は合わないのかもしれないが、盛岡の時計が出やすいマイルなら問題ないはず。
ワイルドワンダーのような上がり馬は、地方のダートグレードで一気に突き抜ける可能性もある。
キングスゾーンはさすがにこのメンバーだと勝つまでは難しいかもしれないが、連下なら十分食い込む可能性はある。
人気がなければ狙ってみたいのが、ギリギリで繰り上がり出走のカフェオリンポス。3歳時のジャパンダートダービー制覇以来、ダートのオープンを2勝しているのみで目立った成績を残していないものの、昨年の東京大賞典と今年のフェブラリーステークスでともに4着。展開次第でJpnIでも上位に来る力は十分にある。
◎サンライズバッカス
○ワイルドワンダー
▲ブルーコンコルド
△キングスゾーン
△カフェオリンポス
交流が再開し、姫山菊花賞は予定どおりJBCクラシックおよびスプリントの指定競走(優先出走権はないものの、ダートグレード勝ち馬に次いで、選出の際に成績が参考にされる)として行われる。
南関東、東海から各3頭の遠征があり、JBCへとつながるレースらしいメンバーが揃った。
注目は地元のチャンストウライ。前走帝王賞JpnIでは、13番人気という低評価ながら勝ち馬から0秒7差、地方馬最先着の4着と健闘した。それ以外にも中央や名古屋への遠征があるが、地元に限れば7戦してデビュー以来一度も負けていない。重賞タイトルも3歳時の二冠に加え、今年5月の兵庫大賞典を獲っている。2月に名古屋に遠征した梅見月杯は惜しくも2着だったが、今回も出走しているウイニングウインド(3着)には決定的な差をつけているだけに、地元戦となればさらに有利な戦いに持ち込めそうだ。
相手にはウイニングウインド。昨年のこのレースは10着だったが、スタートで出遅れ最後方からという展開だったので参考外。今シーズンはすでに重賞4勝と好調だ。
ミツアキタービンは脚元次第という部分はあるが、前走川崎のスパーキングサマーカップでの3着はまずまずのレースをしていて、そのときより状態が上向いていれば勝ち負けになる。
昨年逃げ切り圧勝のジョイーレだが、今年はここまでまだS1特別を1勝したのみ。相変わらず2、3着の多いイマイチの競馬を続けていて、去年よりも確実にメンバーのレベルは上がっているだけに、楽な競馬はさせてもらえないだろう。
前走摂津盃を制したマグマサインは、05年に兵庫に移籍してから連対を外したのは2回だけと安定した成績。まだ底を見せていない魅力がある。
チャンストウライには、JBCクラシックで帝王賞以上の期待がかかるだけに、ここらあたりで負けてはいられない。
◎チャンストウライ
○ウイニングウインド
▲ミツアキタービン
△ジョイーレ
△マグマサイン
オッズパーク関連の競馬場での3重賞は久しぶり。8月12日以来だろうか。
ばんえいは、4市冠重賞のひとつ岩見沢記念。3連覇中のアンローズの出走がないのは残念だが、得意の岩見沢競馬場ではないので、これは仕方ない。
基礎重量840キロ(牝馬20キロ減)で、今季の獲得賞金によって、旭川記念と北斗賞を勝っているミサイルテンリュウ、ばんえい十勝オッズパーク杯を勝っているカネサブラックが10キロ増量された。
障害次第という不安があるものの、ここはフクイズミから。不安といっても過去の成績を見るとわかるとおり、障害でまったくダメというのは確率的にもかなり低い。820キロは初となるが、昨シーズン800キロ、2.7%という馬場のチャンピオンカップを勝っているので問題ないだろう。
実績的にはミサイルテンリュウだが、10キロ増では馬場が軽くならなけれは厳しいと見て狙いを落とす。
相手には復調気配のサダエリコ。負担重量的には830キロで北見記念を勝った経験があるので克服してくれるのではないか。
あとは穴っぽくなるが、昨シーズンの帯広記念で大穴をあけ、近走も堅実なスターエンジェル。それから昨年の岩見沢記念も2着で、高重量戦では堅実に走るシンエイキンカイまで。
◎フクイズミ
○サダエリコ
▲ミサイルテンリュウ
△シンエイキンカイ
△スターエンジェル
当日、場外発売の行われる大井競馬場では、赤見さんと予想トークをやります。オリジナルグッズも当たる抽選もあるので、東京近郊の方はぜひ大井競馬場へいらしてください。
-----------------------
盛岡・芝1700メートルのOROカップにはコスモバルクが出走。コスモバルクが北海道以外の地方競馬で走るのはこれが初めてのこととなる。天皇賞・秋へ向けてここは負けられない一戦だ。
前走桂樹杯を逃げ切ったナイキアヘッドだが、人気のボスアミーゴとサイレントグリーンが中団で牽制し合う展開で、漁夫の利的な面があっての勝利で、今回は狙いを下げる。ましてコスモバルクがいては、前回のように楽に逃げられるということもないだろう。
相手はボスアミーゴ。前回はナイキアヘッドやサイレントグリーンと3キロ差だったものが今回は2キロ差と厳しくなるが、3歳ゆえの成長度に期待する。ただ本気でコスモバルクを負かしに行って惨敗というケースも考えられなくもないだけに1点勝負というわけにもいかないのだが。
人気が集中するだろうからコスモバルクから素直に3点流しでは馬券的にはつまらないが、それ以外の馬では厳しいように思う。
◎コスモバルク
○ボスアミーゴ
▲サイレントグリーン
△ナイキアヘッド
-----------------------
高知では3歳三冠の最終戦、黒潮菊花賞。
春の二冠を制したスパイナルコードは兵庫に移籍。24日の古馬B1特別に出走し、1番人気で2着と今後が期待される存在となっている。
ここは春にスパイナルコードにかなわなかった馬たちより、新興勢力を狙ってみたい。兵庫から移籍し、前走C1選抜で差のない2着のカクショウから。
相手にはミルスペック。黒潮皐月賞3着、高知優駿9着だが、その後は古馬に編入されたE級からD1まで7戦5勝、3着2回と安定した成績を残している。
春の二冠で2、3着のマルタカスティーヴも近走は古馬E級で大崩れがない。それ以外では逆転は難しそうだ。
◎カクショウ
○ミルスペック
▲マルタカスティーヴ
園田プリンセスカップは、ちょっと寂しい6頭立てになった。東海・北陸・近畿・中国地区の交流だったものが兵庫限定となり、9月前半の6日間開催が取り止めとなったのでは仕方ないだろう。しかも牝馬限定では、さらに出られる馬は限られてしまう。そしてここまで2戦2勝で、出てくれば人気になったと思われるディアースパークルが10/11の旭川・エーデルワイス賞JpnIIIに遠征のため不在。
ただし、出走できた馬たちにとっては、ここはタイトルと賞金を獲れるチャンス大。6頭立ての5着にでも入れば10万円の賞金が入ってくる。
出走馬は、姫路800メートルか園田820メートルのJRA認定新馬戦を勝ったのみという馬が3頭に、このレースと同じ1400メートル戦を姫路か園田いずれかで勝った経験がある3頭、計6頭の争い。
ここは前走1400メートル戦でトンパチ以下を9馬身ちぎり、1分32秒0という好タイムで勝ったユキノビックローズから狙ってみたい。
父コロナドズクエストは、残念ながら若くして亡くなってしまったが、個人的にとても注目している種牡馬。現役時のレースをアメリカで生で見たのだが、テンからビュンビュン飛ばしていって、それでいて終いもバテないという、日本でいえばサイレンススズカのようなスピード馬だった。サイレンススズカも2戦目の弥生賞でゲートをくぐってしまうなど若いころは気性が悪かったが、コロナドズクエストも手のつけようがないくらい気性が悪かった。本馬場入場で騎手を振り落とすこと数回。それゆえ興奮してしまったときなどはレースにならないこともあったが、うまくなだめられればぶっちぎりの一方的なレースをした。気性が悪いのはともかく、そういうスピードに優れた産駒を見てみたいもの。
ただ、ユキノビックローズで心配になるのは410キロ台という馬体。小さい牝馬は3歳前半くらいまでは活躍しても、3歳後半以降はスタミナ不足でさっぱりというパターンをよく見かける。とはいえ、ここはまだ2歳戦なので、まだその心配には及ばないだろう。
相手には、800メートルをまずまずのタイムで逃げ切っているオトヒメ。それから1400メートル戦を2勝しているドニアザード。タッカールーラーは、父アジュディケーティング、母の父キンググローリアスという典型的なダート血統に魅力を感じた。
ただ6頭立てだけに、ユキノビックローズから3点では、トリガミになるかもしれない。
◎ユキノビックローズ
○オトヒメ
▲ドニアザード
△タッカールーラー
ここのところインフルエンザの影響で多くの競馬場で馬の交流が行えず、ブロック交流や全国交流の重賞も地区限定の重賞となり、メンバーが寂しいものになっているのだが、このスプリントはそこそこのメンバーが揃った。
笠松の場合は、有力馬が他地区の重賞などに遠征してしまって地元の重賞が空き巣になることがよくあるのだが、今回ばかりは隣の名古屋にすら出て行くことができず、笠松にとどまらざるをえなかった。
ようやく馬インフルエンザも収束しそうで、順次交流が再開されてきているが、どの競馬場でも数日間開催が中止になった程度で済んだことは、不幸中の幸いだったと思う。
で、開催日数の削減により予定より3日前倒しで行われるスプリントだが、実力拮抗のメンバーで馬券的には楽しめそうだ。
重賞実績ではマルヨの2頭だが、狙っておもしろそうなのがベネザプレ。今年5月に中央から移籍後、勝ったのは1600メートルのA3特別のみだが、前々走のくろゆり賞は勝ち馬から離されての5着とはいえ、地元馬ではその後オータムカップを勝ったティアマットに1馬身半先着されただけ。移籍後は1400メートルを1度しか使われていない(5着)が、中央在籍時の条件交流で笠松1400メートルを勝った経験がある。常に好位につけてレースができるのも心強い。
展開的にも相手になりそうなのは、ともに先行タイプのマルヨ2頭だろう。マルヨスポットは重賞勝ちこそないものの、今年1月の白銀争覇では地元勢で唯一健闘の2着。その後はA3〜A2特別で安定した成績を残し、前走オータムカップでは単勝1番人気に推された(4着)。マルヨサンデーは3歳時に岐阜金賞を制し、昨年1月の白銀争覇も制した実績馬だが、ここが休養明け3戦目で、前2走ともいまひとつの内容だけに割引が必要。
これらに割ってはいるとすればロケットパンチ。中央から転入後4戦して勝ち星には恵まれていないが、前走オータムカップでは7馬身差圧勝の勝ち馬を別とすれば、マルヨスポットに先着する3着と、今回のメンバーなら十分勝負になりそう。
オータムカップ5着のケイアイキャニオンまで押さえる。
判断を迷うのがシャドウフレア。中央からの転入初戦はスタートでつまづいて落馬。ここが実質的に笠松での初戦となる。ただ、中央での2勝はいずれも芝2000メートルで、ダートは未勝利戦で2戦して10、6着という成績。落馬の前走が約1年ぶりの実戦だっただけに常識的には見送りだろう。
◎ベネザプレ
○マルヨスポット
▲ロケットパンチ
△マルヨサンデー
△ケイアイキャニオン