ばんえいグランプリは、ちょっと無謀かもしれないが、連覇がかかるアンローズを本命にしてみた。帯広コースでは、デビュー以来46戦して0勝、2着3回と、もっとも不得意なコース。なのだが、これまで帯広開催は冬しかなく、夏のこの時期の乾いた馬場ならやってみなければわからない。今シーズン初戦の前々走北斗賞でも、あと一瞬、障害を早く越えていれば勝ち負けだった。
夏は牝馬ということで、相手筆頭にはサダエリコ。1年近く不調が続いていたが、前々走の北斗賞でいきなりの2着には驚かされた。
基礎重量800キロの高重量戦のここならトモエパワー、シンエイキンカイにもチャンス。フクイズミは障害さえ越えられればいつでもチャンスあり。
アンローズはそれほど人気にならないだろうから手広く流す。
◎アンローズ
○サダエリコ
▲トモエパワー
△フクイズミ
△スーパークリントン
△シンエイキンカイ
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真夏に行われる恒例の建依別賞。
高知はそれほど層が厚いわけでもないのに、力関係が開催ごとに変わり、ほんとうはどの馬が強いのかがわかりにくい。今シーズン、二十四万石賞後のA級選抜でも1番人気が負け続け。ようやく7月になって、最初のジュライ特別をストロングボスが、ルビー特別をスペシャリストが勝って、それぞれ1番人気での勝利となった。
そのあたりのレースを見ると、スペシャリストがいちばん強いのだろうが、佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIに遠征のため、今回は不在。となれば、ジュライ特別でスペシャリストをクビ差で退けたストロングボスが中心となりそうだ。04、05年に続いて、このレース3勝目の期待がかかる。
A級に安定勢力がいないのなら、相手には上がり馬のトサローランを推す。シーズン最初の二十四万石賞は除外となり、その後は条件クラスから9戦7勝、3着2回という成績でA級まで上がってきた。これが重賞初挑戦となるが、この馬の勢いに賭けてみたい。
今シーズン、A級選抜で一度も掲示板を外していない堅実なレースを続けているサンエムウルフにも可能性あり。近走好調のマリスブラッシュも。
◎ストロングボス
○トサローラン
▲サンエムウルフ
△マリスブラッシュ
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ロータスクラウン賞(佐賀)トライアルの荒炎賞。
ここはデビューから5戦全勝のドリームインラブが断然。正月の門松賞以来休養していたが、休み明けの7月17日の3歳オープン戦では、抑えきれない手ごたえで掛かりぎみに先頭に立つと、あとは後続を寄せつけず。4コーナーでは鞍上がうしろを確認する余裕の勝利だった。
ほかは重賞実績に乏しく比較が難しいが、佐賀のブラックマンバが相手。重賞ではないものの、九州ダービー栄城賞トライアルの鯱の門特別を勝った実績がある。ここ2戦も佐賀のC1級で好勝負なら、このメンバーでは確実に上位。
ケイウンライジンは、ここまで10戦して一度も掲示板を外さない堅実な成績。
花吹雪賞、ル・プランタン賞で、いずれも3着というピンクサイレンスも連下なら。
佐賀のスーパーサプライズは南関東から移籍しこれが2戦目。その初戦は8着に敗れたものの、古馬B2級でのもので、3歳馬同士のここなら勝負になっても不思議はない。
◎ドリームインラブ
○ブラックマンバ
▲ケイウンライジン
△ピンクサイレンス
△スーパーサプライズ
地区交流の重賞で金沢や園田に遠征したときは、かなりの割合でタイトルをさらってくる東海勢だが、なぜか地元のこの東海クイーンカップでは分が悪い。99年までで一時中断されたが、03年に再開されてからの4年間では、03年に名古屋のディアブロメガミが勝ったのみ。その後は、兵庫、兵庫、金沢が勝っている。
今年は金沢、兵庫から1頭ずつが遠征してきたが、どうやら地元勢が断然優勢のようだ。
フルゲート12頭中、7頭が7月19日のサラ・クイーンカップ(笠松)で対戦。勝ったシンメイジョアー、8馬身差をつけられたものの2着のマルヨスーパーラブの力が抜けている。兵庫のプレシャスタイム、金沢のホワイトイナバウアもここに出走していたが、それぞれ3、7着だった。どうやら上位2頭に逆転するのは難しそうだ。
連下候補は別路線組から探すことになる。が、サラ・クイーンカップ上位2頭と勝負付けが済んでいないのは、北海道→大井→中央から転入初戦となるシュガータイムのみ。しかしこれとて昨年9月に大井の2歳戦で3着して以降は、11戦して1度だけ9着があるもののあとはすべて2桁着順。さすがにこれでは期待できない。
となると、ここはやはりシンメイジョアーとマルヨスーパーラブの勝負で間違いないだろう。ただし、サラ・クイーンカップでシンメイジョアーが8馬身の差をつけているとはいえ、今回も同じ1、2着かというと、そこは疑ってかかりたい。マルヨスーパーラブは、オッズパークファンセレクションを勝っての参戦だったが、一線級との対戦はサラ・クイーンカップが初めて。重賞級のペースを1度経験した今回は、巻き返す可能性もある。シンメイジョアーが中心であることに変わりはないが、オッズを見て馬単の裏も買ってみたい。
3着候補にケイウンフレンドとプレシャスタイム。
3連単なら、シンメイジョアーとマルヨスーパーラブを1着と2着に、そして3着にケイウンフレンドとプレシャスタイムで、4点買いでどうだろう。
◎シンメイジョアー
○マルヨスーパーラブ
△ケイウンフレンド
△プレシャスタイム
東海・北陸・近畿・中国地区交流の、JRA菊花賞ステップ競走代表馬選定競走となっているMRO金賞。今回は、兵庫から2頭、笠松、名古屋から各1頭が遠征してきた。
このレースは、先週の読売レディス杯と違い、地元勢もそこそこの活躍を見せている。過去5年で3勝。とはいえ、2着は1頭しかない上に、1、2着を独占したこともないので、やはり地元勢としてはもうちょっと……、という感じだろうか。
実績上位は名古屋のワイティタッチ。2〜3歳時に名古屋・笠松で重賞3勝。1番人気で臨んだ東海ダービーは、先に抜けたマルヨフェニックスに1馬身半及ばずの2着。そのマルヨフェニックスとともに臨んだジャパンダートダービーJpnIは、マルヨフェニックス(12着)に先着する9着だった。勝ち馬からは3.1秒離されたとはいえ、勝ちタイムがこの時期の3歳戦としては驚異ともいえる2分2秒9という破格のものだっただけに、これは仕方ない。今回のメンバーで、これだけのパフォーマンスを発揮できそうな馬はいそうもない。ワイティタッチが負けることがあるとすれば、東海ダービー、ジャパンダートダービーJpnIで激走した反動くらいだろうか。
相手には地元のマツノショウマ。こちらは金沢・笠松で重賞2勝。1月の笠松・ゴールドジュニアでは、マルヨフェニックス、ワイティタッチをまとめて負かした実績がある。しかしその後の成長度を見ると、明らかにワイティタッチのほうが上だろう。
そのほかでは、北日本新聞杯2着で、近2走3歳A2を連勝しているブルーアロハに、同3着で関東オークスJpnIIに遠征(13着)したダブルアーチャー。
ブルーアロハの永森大智騎手は、高知からの期間限定所属。先週まで金沢では46戦9勝、2着6回という成績。勝率19.6%、連対率32.6%は、金沢ではトップ5の騎手と同じくらいの好成績といってもよい。この開催が期間限定所属の最後となるらしく、ブルーアロハの主戦、桑野等騎手がマツノショウマに乗ることからチャンスが巡ってきた。
◎ワイティタッチ
○マツノショウマ
▲ブルーアロハ
△ダブルアーチャー
牝馬による東海・北陸・近畿・中国地区交流の重賞、読売レディス杯。JRAエリザベス女王杯のステップレース代表馬選定競走ともなっている。
ここ5年は東海勢に優勝をさらわれていて、地元金沢勢は苦戦。連対馬を見ても、地元勢は昨年2着のカゴヤコスモス、02年2着のトゥインチアズしかいない。勝利となると、01年のシズノサンデーまで遡らなければならない。
ただ今年は、他地区からの遠征が名古屋からの2頭のみ。地元金沢勢にもチャンスがありそうだ。
その筆頭格は、今回が中央から転入3戦目となるリュウヨウ。中央時代は1000万クラス勝ちの実績。転入初戦のA2特別を楽勝すると、続くA1特別では好スタートから好位に控え、4コーナーで先頭に立つと危なげのない勝利。サムソンリンリンやケンゴウザンなど、牡馬も含めた金沢のトップクラスを問題にしていないだけに、牝馬だけの今回はかなり相手が楽になった。
地元金沢勢で連下候補は、ここ5戦A2特別で2勝2着1回のケイティクラシー。それから目下8連勝中のマリンペガサスは格上挑戦となるが、まだ底を見せていないだけに楽しみはある。昨年の3着馬ルスナイパラダイスは、近走A1特別で入着級だが、昨年10月以来勝ち星に見放されていて、今シーズンはいずれも勝ち馬から1秒以上離されているだけに、ここでは狙いにくい。
あとは名古屋勢との比較となる。
マイネフォクシーは昨年1番人気で6着だったが、その昨年は名古屋・笠松で重賞3勝と活躍した。しかし今年は3月にA1特別を1勝したのみ。ただ、常に東海地区の牡馬一線級との争いで、近走不振でもここは自力でカバーできると見る。
マグマエンジェルは今年2月の兵庫牝馬特別で3着。先着されたのがチヨノドラゴンとニッシングリンで、そのときと同じくらいの力を出せれば、このメンバーなら連下は十分いある。
いずれにしてもリュウヨウからの流し。
◎リュウヨウ
○マイネフォクシー
▲ケイティクラシー
△マリンペガサス
△マグマエンジェル
ばんえい競馬は難しい。
馬券も難しいのだが、重賞クラスのオープン馬を持っている馬主や調教師にとっては、使い方が難しいのだ。
勝てるからといってどんどん使っていると、その賞金ゆえに上のクラスに格付けされたり、負担重量を課されたりで勝てなくなってしまう。
97年に3冠馬となったウンカイは、その後はその賞金ゆえに勝てない時期が長く続き、ばんえい菊花賞以来の重賞勝ちは、6歳(旧7歳)のばんえいグランプリまで待たなければならなかった。
それゆえ、トップクラスの馬の中には、狙ったレースだけに照準を合わせて使う馬もいる。今でいえば、6月の柏林賞を制したマルミシュンキだ。これが今シーズンの初出走だったが、ここに向けて調教は十分に積まれていたようだ。
サカノタイソンも、ばん馬としては出走回数はそれほど多くない馬だった。普通の条件馬なら、開催ごとに(2週に1回)使うのが常だが、サカノタイソンの場合はだいたい月1回のペース。サラブレッドと同じようなローテーションだった。
さて、3歳3冠の第1弾、ばんえい大賞典。
残りの2冠、ばんえい菊花賞とばんえいダービーが定量なのに対し、ここだけは別定戦。ゆえに賞金を稼いでいる馬は重量を課されることになる。
トップハンデは、ホクレン賞とイレネー記念を制しているカネサリュウ。今シーズン初出走となった特別・ばんえいダービーはトップハンデに苦しみ9着。そしてこの時期の3歳馬としてはきわめて高い500万クラスに格付けされているため、勝負にならないレースが続く。今シーズンは、馬齢限定の定量戦以外では苦戦が続くことだろう。
というわけで、今回のばんえい大賞典も蚊帳の外。過去5年の結果を見ても、トップパンデの馬は1頭も連対していない。
狙うのは格下で軽ハンデの上がり馬。今回は、牝馬のエリザベスライデンから。
6月17日の黒ユリ賞を勝ち、そのときはニシキガールより30キロ、プリンセスモモより20キロ軽い重量だったのが、今回はニシキガールとは5キロ差まで縮まり、プリンセスモモとは同重量となった。エリザベスライデンにとっては不利と考えるのが普通だが、その重量差を克服して余りある成長をしていると見る。前々走の200万未満を勝利、そして前走の同条件は6着に敗れたものの、着順ほどは負けていなかった。
牝馬3頭は近走確実に力をつけているようで、いずれにもチャンスがありそう。
牡馬では、定量戦のイレネー記念でカネサリュウと好勝負をしながら、重量的に楽になっているアローファイター、シベチャタイガーの2頭が勝負になりそうだ。
◎エリザベスライデン
○プリンセスモモ
▲ニシキガール
△アローファイター
△シベチャタイガー