ちょっと時間がたってしまったが、6月10日に行われたタマツバキ記念アラブ大賞典を観戦してきた。
アラブの全国交流レースはこれが最後になるとのことだが、そのために行くと決めたわけではない。福山には年に1度行けるか行けないかという状態で、たまたまこの日に行こうと決めていたというだけだ。それでも「最後」と言われるレースを見られたのはラッキーだった。
ちなみにこの日の第5レースでは、福山としては史上初となるJRA認定競走が行われた。残念ながらそれには間に合わず、レースを見ることはできなかったのだが。
アラブ最後の全国交流と、初のJRA認定を同日にしたのは、「アラブはこれでおしまい、これからは福山もサラブレッドです」というのを主催者がアピールしたかったのかもしれない。
で、最後のタマツバキ記念は、重賞10勝の実績馬ユノフォーティーンが先行したが、最後は若い4歳馬同士の叩き合い。ここにきて調子を上げてきたフジノコウザンが、昨年の福山ダービー馬バクシンオーをアタマ差で退けた。
高齢馬が勝って「これで終わりか」的な雰囲気になるよりも、若い馬同士の決着で「アラブもまだまだやれるんじゃないか」と惜しまれるような感じは、むしろよかったように思う。
ちなみに鞍上の池田敏樹騎手はこれが重賞初制覇とのこと。
福山では、これまでアラブのレースとして行われてきた「福山ダービー」が今年からサラブレッドのレースとなり、アラブのダービーは「福山アラブダービー」として行われた。
今シーズン、アラブ2歳馬の入厩予定が11頭しかいないことから、「福山アラブダービー」は今年限りになるだろうとのこと。
出走申込頭数では、今シーズンの第1回開催ではアラブ193頭、サラブレッド188頭だったものが、この第4回開催ではアラブ175頭に対し、サラブレッド204頭と完全に逆転した。アラブからサラブレッドへの転換はかなりのスピードで進んでいるようだ。
来シーズンの福山のアラブは、古馬の重賞がいくつか行われる程度で、それが組まれるのも来シーズンかその次のシーズンまでだろう。その後はすべてのアラブがサラブレッドに編入されることになる。
さて、遠征というからにはヤキソバを紹介しなければいけないのだが、今回はなぜかラーメン。その後にヤキソバも食べようと思っていたのだが、結局タイミングを失ってしまった。
福山のヤキソバは、地方競馬では川崎、高知と並んでベスト3……いや、高知は「串勝」さんが閉店してしまったのでベスト2か、といえるほどおいしい。次回いつ食べられるかわからないと思うと残念だったのだが、年齢的にラーメンとヤキソバでは明らかにカロリーオーバーなので、健康を考えればこれでよかったのかもしれない。
というわけで福山競馬場内にある「尾道ラーメン」の玉子入り、500円也。
ちなみに玉子が入らないノーマルのラーメンは450円。
見てのとおり、かなり濃い醤油のスープが印象的。チャーシューはかなり柔らかく煮込まれているので、盛りつけられた時点ですでにくずれかけている。
麺がちょっと粉っぽいかなと思うのを差し引いても、競馬場で食べられるラーメンとしては秀逸。お世辞ではなく、普通に街のラーメン屋さんとしてもやっていけるレベル。
ヤキソバとともに、福山競馬場遠征の際は避けて通れない一品。
吉野ヶ里記念(7/22佐賀)、サマーチャンピオンJpnIII(8/14佐賀)へと続く、九州古馬短距離3冠の第1弾。
この時期に行われるようになった過去5年のうち昨年は佐賀勢の出走がなく、それ以外の4回はすべて佐賀勢の勝利。それも、02年は佐賀勢2頭が遠征してワンツー、03、04年は唯一の遠征馬が勝利、05年は2頭が出走して1、6着と、佐賀勢が圧倒的に強い。
今年は佐賀勢は3頭が遠征する。したがって今年も佐賀勢が優勢か……というと、今年はそう簡単にいきそうもない。
サンライズビートとフジノヘイローの存在だ。
サンライズビートは昨年夏に中央から荒尾に転入し、地元では6戦5勝。前走のA級特別では、2着に9馬身差をつける圧勝。前々走は名古屋のかきつばた記念JpnIIIに挑戦し、8着に敗れたものの、勝ち馬からの差は1.5秒とそれほど離されてはいない。荒尾ではまだ底を見せておらず、例年の荒尾のレベルには収まらない可能性は十分ある。
フジノヘイローも転入後は8戦5勝2着3回と底は割れていない。
佐賀勢の筆頭は、昨秋JRAから転入し、2戦目となった前走A1特別でオリンポスマン以下を退けたアサクササイレン。
さて、サンライズビートとアサクササイレン、どちらを上にとるかだが、中央では準オープンを走っていたこと、それからかきつばた記念で差のない競馬をしていることなどから、サンライズビートを本命にする。
相手はアサクササイレンだが、中島記念4着のギオンスピードも差はない。あとはフジノヘイローと、佐賀のナリタチャンピオン。
今年は荒尾勢が一矢報いるチャンスだろう。
◎サンライズビート
○アサクササイレン
▲ギオンスピード
△フジノヘイロー
△ナリタチャンピオン
ばんえい十勝は、いよいよナイトレースがスタートする。
ナイトレースとして最初に行われる重賞は、3歳牝馬による黒ユリ賞。昨シーズンまでは、明け3歳、つまり2歳シーズン終盤の牝馬重賞として行われていた。今年からこれを3歳牝馬の重賞とすることで、その後に続くばんえいプリンセス賞、ばんえいオークスで牝馬にも3冠路線ができた。
ここは昨シーズンの黒ユリ賞を制したニシキガールがメンバー中唯一の250万クラスと格上で、630キロを負担。150万クラスのプリンセスモモが620キロで、それ以外の8頭は100万クラスで600キロを曳く。
ニシキガールは前々走、5月19日の3歳牝馬オープン戦で、今回と同じく他馬より30キロ重い重量で惨敗しているだけに、今回もこの重量差では厳しい戦いを強いられる。馬券へ絡むのはむずかしそうだ。
この時期の牝馬は、むしろ格より調子を重視したい。その3歳牝馬オープン戦での上位4頭のうち、前走勝って勢いに乗るエリザベスライデンを中心にする。
もう1頭、その3歳牝馬オープン戦の勝ち馬で、続く100万未満の勝入戦でもエリザベスライデンを破っているペガサスプリティーが相手。
この2頭の組合せを厚く、あとは620キロは厳しいが、前走牡馬とのとかちダービーで3着と好走したプリンセスモモ、3歳牝馬オープンでエリザベスライデンに先着しているミスダイヤ、アグリタカラも。
◎エリザベスライデン
○ペガサスプリティー
▲プリンセスモモ
△ミスダイヤ
△アグリタカラ
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岩手では伝統の一條記念みちのく大賞典が行われる。10歳になった大井のコアレスハンターが連覇を狙って遠征してきた。
今回は5月20日のあすなろ賞の再戦。5着のオウシュウクラウンを除き、8着のエアウィードまで7頭が同じ顔触れ。やはりそのレースの上位馬を重視すべきだろう。
中心は、そのあすなろ賞2着のテンショウボス。前走1200メートルの早池峰賞からの挑戦はちょっと不安だが、年明け地元では5戦3勝、2着1回と安定した成績を残している。
相手には、そのあすなろ賞を制したサイレントエクセル。
10歳になったコアレスハンターも見限るわけにはいかない。今年2月の大井・金盃では、ボンネビルレコードに半馬身差まで迫っての2着と結果を残しているだけに、昨年の状態と比較しても衰えというものはあまり感じない。
そのほか、あすなろ賞3着のタイキコジャック、同4着のゲイリーエクシードまで押さえる。
◎テンショウボス
○サンレントエクセル
▲コアレスハンター
△タイキコジャック
△ゲイリーエクシード
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金沢でも伝統の大一番、百万石賞。
ここはビッグドンで断然。1年前に中央から転入して以来、地元では3着を一度も外していないという安定感が光る。
中心はビッグドンで間違いないのだが、A2やA3からの挑戦が何頭もいて、力の比較が難しい。ここはやはり格を重視して、常にA1クラスで善戦しているマヤノオスカーが相手。
3走前にA1のダイヤモンド特別を勝ち、前走のダイヤモンド特別でも勝ったビッグドンからクビ+ハナの3着と好走しているコスモスサンダーも差はない。
ビッグドンからこの2頭へ厚く。あとはA2特別を2連勝中のシャインカイザー、近走やや不振だが長距離で力を発揮するテンリットルまで押さえておきたい。
◎ビッグドン
○マヤノオスカー
▲コスモスサンダー
△シャインカイザー
△テンリットル
これを書いているのは13日(水)の昼過ぎなのだが、今日の東京は今年いちばんの暑さなのではないだろうか。Yahoo!天気情報によると最高気温29度となっているが、30度は超えてるだろう。
6月にサマーカップ?とも思ったが、ちゃんと暑くなるもんなんだと妙に感心した。とはいうものの、どうやらレース当日の明日は雨の予報で、気温も下がるようだ。そろそろ梅雨入りだろうか。
で、サマーカップだが、4月の東海桜花賞ではキングスゾーンを半馬身差で退けたマサアンビションが中心。その後はかきつばた記念JpnIII7着、さきたま杯JpnIII9着だが、どちらも勝ち馬から1秒2差とそれほど負けているわけではない。遠征馬は金沢からの1頭のみで、ほとんど地元同士というメンバーが相手なら十分に勝ち負けだろう。
相手はエイシンダイオー。笠松に転入して3着を外したのが3走前のスプリング争覇のみ。このメンバーなら勝てないまでも、馬券の対象から外れる確率は少ないように思う。
クインオブクインは、主戦の濱口楠彦騎手が鞍上なら対抗としていたところだが、今回も浦和で期間限定のため乗替りで評価を下げた。現在は重賞レースなら他地区の騎手でもピンポイントで騎乗が可能になったので、乗ってほしかったところだが……。1400メートルの経験は少ないが、地方馬同士ならそれほど流れも速くならないだろうから、心配はないだろう。
10歳になったレジェンドハンター。A2特別を3連勝後、前走オープンの東海クラウンは8着。A2とA1は開催ごとにメンバーが入れ替わるような状況で、実力的にはそれほど差がないと見る。地元でのレースならこの馬にもまだまだチャンスはあるだろう。
◎マサアンビション
○エイシンダイオー
▲クインオブクイン
△レジェンドハンター
ダービーウイークの最終戦。
8日の東海ダービまで、どのレースも売上は好調で、前年比で100%を超えているらしい。この時代にめでたいことだ。
ダービーウイーク自体が定着したということもあるだろうし、広域発売のおかげかもしれない。それからオッズパークでの売上も好調なのかもしれない(と、持ち上げておく)。
さて岩手ダービーだが、ここは2戦続けてパラダイスフラワーを差し切ったマツリダワルツの勢いに賭けてみる。前走ひまわり賞では、後方追走から徐々に位置どりを上げ、ゴール前では並ぶ間もなく差し切った。前々走のあやめ賞からは格段に力をつけたレースぶりだ。
相手には、スプリングカップから阿久利黒賞を連勝しているセイントセーリング。
この2頭で断然の人気になるのだろうが、押さえには4戦連続2着のハルサンヒコに、3歳条件戦3連勝からこれが重賞初挑戦となるモエレターボまで。
勝負は◎→○の馬単で。
◎マツリダワルツ
○セイントセーリング
△ハルサンヒコ
△モエレターボ
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アラブの全国交流レースもこれが最後となるらしい。
大井の全日本アラブ大賞典が最後に行われたのが96年のことで、あれからもう11年たった。その後「アラブのメッカ」と言われた兵庫で99年からサラブレッドが走りはじめると、加速度的にアラブが衰退していった。
早かったといえば早かったような気もするし、ずいぶんかかったと思えばそういう気もする。
今シーズンから福山ダービーがサラブレッドのレースとなったことで、来年度からは重賞体系も完全にサラブレッドが中心となるのだろう。
そして最後のアラブ全国交流が行われるまさにその日、福山では初のJRA認定レースが行われるというのも、これまた象徴的な出来事ではある。
全国交流ということで、高知から2頭、名古屋、金沢、荒尾からそれぞれ1頭ずつ遠征してきたが、現在のアラブのレース体系を見れば、地元福山勢同士の決着で間違いないと思う。他地区はせいぜいあっても3着くらいまでだろう。
ユノフォーティーンかバクシンオーか。
ユノフォーティーンは前走の惨敗がなければここは圧倒的な人気になっていただろうが、それゆえに強くは推しにくい。
バクシンオーも、ユノフォーティーンの2着に2度続けて敗れて以来の休み明け。
ならばヤスキノショウキやフジノコウザンにもチャンスはありそう。勝負はこの4頭だろう。
ここは5歳にして重賞10勝という実績に敬意を表してユノフォーティーンを中心にする。
相手は、久々のバクシンオーより、ヤスキノショウキ。
◎ユノフォーティーン
○ヤスキノショウキ
▲バクシンオー
△フジノコウザン
アラブ最後の全国交流は、現地で見届ける予定だ。