馬インフルエンザの影響で、どの競馬場でも交流レースができずにいる。この兼六園ジュニアカップも過去8回で地元金沢勢は2勝のみと分が悪いが、今回は地元勢同士での争いとなった。
今年の金沢2歳戦線は、頭数不足で不成立になるレースがあったり、インフルエンザの影響で8月後半の開催が中止になったりで、駒不足な感じは否めない。
それゆえメンバーの層が薄く、10頭立てでそのうち3頭が未勝利馬。いずれも経験が浅く、もっとも経験を積んでいる馬でも、ここまで4戦している馬と3戦している馬が1頭ずつで、それ以外はいずれも2戦以下のキャリアとなっている。
そんな中でも目立つのがスカイヒーロー。デビュー戦となった900メートルのJRA認定新馬戦を7馬身差で圧勝すると、2戦目の1300メートル戦も2番手追走から直線持ったままで後続を7馬身突き放して楽勝。このレースが通常通り東海・近畿・中国地区との交流だったとしても、期待できる存在だったのではないだろうか。
相手はカネスレジェンド。デビュー戦を勝ったのみだが、900メートルの勝ちタイムはスカイヒーローよりも上。
3番手はエムザックライアンだが、前走では4コーナーまでスカイヒーローとほぼ併走するように先頭を走っていたが、直線では楽に突き放されているので逆転まではどうか。
未勝利馬だが、2着3回のフジヤマオードリーも馬券的にはおもしろいかもしれない。
それにしても興味を惹かれるのがスカイヒーローの血統だ。父はブレイヴェストローマン産駒のカリスタグローリ、そして母の父がオグリキャップ。生産牧場はオグリキャップ一族を生産した三石・稲葉牧場だ。とても今どきの血統ではないが、ダートならアッと驚くような馬が出てもおかしくない血統ではある。
◎スカイヒーロー
○カネスレジェンド
▲エムザックライアン
△フジヤマオードリー
岩手はほとんどの重賞が全国交流だが、残念ながら現在は馬インフルエンザの影響で岩手のみの重賞となっている。
この青藍賞の過去の勝ち馬を見ていたら、なぜか他地区の馬が一度も勝っていない。ただ出走馬を見ると、昨年は岩手のみ、一昨年は南関東から4頭の遠征があったが勝ったのはエアウィード、3年前は遠征が高崎から1頭のみと、もともと遠征馬自体が少ないレースではあった。
さて、今年の青藍賞だが、普通に見ればテンショウボスだろう。マーキュリーカップ、クラスターカップと地方勢最先着。いずれも勝ち馬からは離されたが、地方勢としては唯一可能性を感じさせるものだった。
といって素直に本命にするのもおもしろくない。
では、何?
ニューベリーが水沢1600メートルはシアンモア記念を勝っている。今回の出走馬でいえば、ヤマニンエグザルトやサイレントエクセルを相手にしなかった。よし。ニューベリー……。
と思ったら、今年の青藍賞は盛岡なのか。
どうにもテンショウボスは、ダートグレードで2戦連続で好走しているだけに、その反動が心配なのだ。なので別に本命を見つけたかったのだが、消去法でいくとどうにもテンショウボスしか残らない。
ただニューベリーにしても盛岡では芝コースしか経験がなく、盛岡のダートは単に未知数というだけ。一応テンショウボスを本命にしておくが、ニューベリーからも流してみたい。配当的には当然ニューベリーからのほうが楽しめるだろう。菅原勲騎手が3連勝中のコスモスパーブではなくこちらを選んできたのも気になるところだ。
たしかにビューチフル・ドリーマーカップは強かったサイレントエクセルだが、牡馬相手の重賞は勝ったことがないだけに、疑ってかかる必要があるかもしれない。
あとは3連勝中のコスモスパーブと、盛岡で岩鷲賞を勝っているヤマニンエグザルトも。
◎テンショウボス
○ニューベリー
▲サイレントエクセル
△コスモスパーブ
△ヤマニンエグザルト
ばんえいのナイトレースも、早いもので今週を含め残すところあと3週となった。
大井や川崎のナイターが3月下旬から11月上旬まで、7カ月以上も続くロングランなのと比べると、やはり3カ月というのは短い。が、帯広の気候を考えればやっぱりこのくらいがちょうどいいような気はする。
帯広でも今年の夏は暑かったようだが、さすがにこの時期は夜になるとかなり涼しくなっているのだろう。
実はこの銀河賞は現地で感染、いや違う、観戦する。時節柄、どうやらパソコンが「観戦」より「感染」のほうを覚えてしまっているみたいだ。
で、帯広行きなのだが、今までは帯広というとばんえい競馬しか用事がなかったので、ほとんど真冬の時期しか行ったことがなかったのが、今シーズンからは通年開催になったため、さまざまな時期に行けるようになった。
そういうわけで今年、春から夏の時期の帯広を初めて見ることになったのだが、あまりの景色の変わりように驚き、そして感動したのだった。ま、普段いる東京とは比べようもないほどの大自然なのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。
というわけで、秋の帯広がどんな景色になっているのか、とても楽しみなのだ。
さて、4歳限定の銀河賞。
新設の柏林賞とほぼ再戦というメンバー構成で、勝ち馬のマルミシュンキが抜けた。もっとも違うのは、柏林賞が定量だったのに対し、今回はクラス別定。どの馬にもチャンスがありそうだ。
ここは2連勝と好調のニシキユウを狙う。
前走は先頭で障害を越え、差されるんではないかと思って見ていたのだが、差を詰めてきたメジロショウリキを振り切っての勝利。今回も早めの競馬で押し切る。
相手はそのメジロショウリキ。ニシキユウとは前回の25キロ差から20キロ差に重量差が縮まっているので、逆転の可能性も十分ある。
前走ニシキユウの6着だったテンカも、やはり重量差が30キロから20キロになっているので巻き返す可能性も。
軽量で一発のあるエメラルド、前走360万を勝ったヒロノドラゴンまで。
実績なら断然ホクショウダイヤだが、メジロショウリキ、テンカなどより20キロ課されるのではいかにも厳しい。
◎ニシキユウ
○メジロショウリキ
▲テンカ
△エメラルド
△ヒロノドラゴン
牝馬による重賞のビューチフル・ドリーマーカップだが、毎年のことながらこのレース名を見るたびに不思議に思うことがある。
レース名のビューチフルドリーマーは、岩手が誇る小岩井農場が戦前に輸入し、日本の名牝系の祖となっている名繁殖牝馬のこと。五冠馬シンザンや、あのハルウララもビューチフルドリーマーの血を引いているらしい。
なのに。なんでレース名になると「ビューチフル」と「ドリーマー」の間に「・(ナカグロ)」が入るんでしょうか。
しかも。「ビューチフル」と「ドリーマー」の間にはナカグロが入るのに、「ドリーマー」と「カップ」の間にはナカグロが入らずに続いている。これでは「ビューチフル」な「ドリーマーカップ」という意味(どういう意味だ?)にとれなくもない。
なぜ「ビューチフル」と「ドリーマー」の間にナカグロを入れたんでしょうか。この理由をご存知の方がいたら教えてください。
そういうわけでビューチフル・ドリーマーカップなわけだが、ここは前哨戦のフェアリーカップを制したサイレントエクセルの連覇で間違いなさそう。これまで牝馬限定の重賞しか勝っていないのが不思議なくらいで、みちのく大賞典は1番人気で3着、マーキュリーカップJpnIIIにも挑戦(8着)した。牡馬の一線級と勝ち負けができる実力馬は、この馬しかいない。
相手は一長一短で難しいが、一応ジュリアが筆頭。フェアリーカップは6着だったが、その前には2戦連続でA1戦を制している。今回、鞍上が菅原勲騎手なのも心強い。
ほかでは、B2からA2まで4連勝中のウエスタンフォルス、フェアリーカップ3着のマルカンジョオー、前走水沢A2の1800メートル戦を勝ったプリンセスワールドなどだが、馬券はサイレントエクセルからだと絞る必要がありそうだ。
◎サイレントエクセル
○ジュリア
▲ウエスタンフォルス
△マルカンジョオー
△プリンセスワールド
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ビューチフル・ドリーマーカップもそうだが、インフルエンザの影響で九州3歳三冠目のロータスクラウン賞は交流としては行えず、地元佐賀勢だけでの争いとなった。
ここは、やはり九州ダービー栄城賞を勝ったナンブラッキーワンが抜けている。前走B1-1組特別勝ちは、メンバー中もっとも上位の格付け。
相手はトライアルの荒炎賞を制したスーパーサプライズ。川崎から移籍後のB2-1組は惨敗だったが、ゴール前一気に差し切った荒炎賞のレースぶりから、かなり力をつけていると見るべきだろう。
栄城賞2着のギオンパワーも逆転は無理だろうが、ここでも2着なら。
ほかでは、休養明け後B2級で1、2着のキバイヤンセ、栄城賞は10着もその後のB2-1組で2着のスターオブアモーレだが、馬券的には上位3頭に絞るべきかもしれない。
◎ナンブラッキーワン
○スーパーサプライズ
▲ギオンパワー
△キバイヤンセ
△スターオブアモーレ
ちなみに「不来方」は「こずかた」と読みます。ご存知でしたか。
さらにちなむと、不来方とは岩手県盛岡のことなのだそうで。なるほど、高知の建依別賞みたいなものなわけね。
ここで不来方についてくどくど説明してもしょうがないので、詳しく知りたい方はWikipediaなどをご覧ください。
いきなり文章を「ちなみに」ではじめるのもどうかと思うが、不来方賞というと、ときたま思い出すことがある。
遡ること10年か、もっと前。大井競馬の何かの重賞を見たあとに地方競馬好きの数名と寄った、新橋の某チェーン居酒屋でのこと。ぼくらのテーブルに何度か料理などを運んで来てくれた学生アルバイトとおぼしきお嬢さんの名札に「不来方」と書いてあり、それがとっても気になっていた。
けっこう飲んで酔いもまわったころ、
「こずかたさんて、もしかして岩手のほうの出身ですか?」
と聞いてみた。すると、
「えっ?この字、よく読めましたね!」
と、ちょっと驚いた様子だった。
むふふ。我々にこの字が読めないわけないでしょう、ってなもんである。
さて、その不来方賞であるが、レース名の由来とは裏腹に、初めて盛岡を離れ、今年は水沢での開催となった。
中央の芝で揉まれたボスアミーゴか、古馬に揉まれたセイントセーリングかという争いだが、ここはセイントセーリングを中心にとりたい。岩手ダービーダイヤモンドカップを勝ったあとは、古馬A1に入って2、4着。3歳馬同士なら、その経験が生きるはずだ。
ボスアミーゴは、中央の芝が中心のローテーション。岩手では2歳時のジュニアグランプリから負けなし。水沢のダートも、5月に七時雨賞を勝っているだけにマイナス材料とはならない。ただしダートはその七時雨賞以来約3カ月ぶりの上に、距離経験は1800メートルまで。
どちらも菅原勲騎手が主戦で、今回はセイントセーリングのほうを選んだことも気になるところだ。
そのほかでは、2歳チャンピオンのパラダイスフラワーを水沢で2度破っているマツリダワルツに、七時雨賞でボスアミーゴから差のない3着のあるネバーオブライトだが、上位2頭とはちょっと差があるような気はする。
◎セイントセーリング
○ボスアミーゴ
▲マツリダワルツ
△ネバーオブライト