オータムスプリントカップは、当初は東海・北陸・近畿・中国地区の交流で、JBCスプリントの指定競走にもなっていたのだが、馬インフルエンザの影響で金沢限定の重賞となり、JBC指定競走からも外れてしまった。
金沢ではすでに出走前の全頭検査を終了すると発表されているのだが、10月9日の白山大賞典まで金沢限定の重賞となってしまったのはなんとも残念。
さて、金沢限定の重賞になったここは、ケンゴウザンに久々の重賞制覇のチャンス。昨年はキングスゾーンとの一騎打ちもアタマ差で敗れていたが、この距離でこのメンバーなら負けられないところ。1400〜1500メートルでは、13戦6勝、2着5回、連対率84.6%と抜群の安定感を誇っている。
中央から転入後3連勝で読売レディス杯を制したリュウヨウだが、ここ2戦はともに3着で、いずれもケンゴウザンに先着を許している。ただ、その2戦は斤量差が1キロ差だったのに対し、今回は2キロ差。この馬には有利になるのだが、この距離ではやはりケンゴウザンのほうに分がありそうだ。
馬は交流ではないが、名古屋の岡部誠騎手を鞍上に配して臨むのがマヤノサムサラ。船橋から転入後、これが3戦目。前々走は笠松に遠征し、くろゆり賞で3着と好走した。その前走、転入初戦のA1特別では1番人気のサムソンリンリン以下に4馬身差をつけて快勝しているだけに、ここで一発があってもおかしくない。
ナムラカイソクはこれが重賞初挑戦。中央から転入後、9戦して初勝利には至っていないものの、A1特別で大崩れも少ない。前々走の1700メートル戦ではケンゴウザンにハナ差2着まで迫っているだけに、連がらみの可能性は十分ありそう。
実績から勝負になるのはこの4頭だろう。
中央からの転入初戦を快勝した話題のローマンエンパイアだが、残念ながらこの開催に登録がなかった。中央時代は1800〜2000メートルあたりを中心に使われていたので、狙いは白山大賞典だろうか。
◎ケンゴウザン
○リュウヨウ
▲マヤノサムサラ
△ナムラカイソク
新設された3歳以上牝馬によるハンデ戦の秋桜賞。東海地区は、2歳、3歳の重賞では牝馬限定戦がわりと充実しているものの、なぜかこれまでは古馬の牝馬重賞が行われていなかった。それゆえの新設なのだろう。
「秋桜賞」は「こすもす」と読むのかと思っていたのだが、このレースはそのまま「あきざくら」というらしい。
ん? 「コスモス」と「あきざくら」は違うの?と思ってネットで調べてみると……「あきざくら」は日本名。外国(のどこだろう)で同じ花が「コスモス」という名前だったことから「秋桜」に「コスモス」が充てられるようになったらしい。
しかし薔薇とか桜は、ローズとかチェリーとは読まないのに、なぜ秋桜だけコスモスと読むようになったんだろう。
というわけで秋桜賞だが、当初は西日本地区交流として行われる予定だったのが、馬インフルエンザの影響で東海地区ではいまだに笠松・名古屋の間ですら馬の行き来が解禁されず、このレースも名古屋所属馬限定になってしまったのがなんとも残念。
昨年まで秋に行われていたゴールド争覇が今シーズンから休止となったので、そのゴールド争覇が牝馬の重賞としてリニューアルされたとも考えられる。
中心は、メンバー中唯一の不動のA1格付けで、重賞常連のマイネフォクシーでいいだろう。重賞勝ちは昨年9月のゴールド争覇以来遠ざかっているが、前走金沢に遠征した読売レディス杯では、中央から転入後3連勝で制したリュウヨウの2着。近走の重賞実績という点だけを見てもこの馬が抜けている。
相手はこれといって目立つ馬がなく難しい。前走A2特別で2、3着のヴィエントバイラー、ルスナイパラダイスがこのメンバーでは格上。
唯一の3歳馬ファイナルバンドは初の古馬との対戦となるが、53キロの軽量でどこまで。
6月にA2特別勝ちのあるルナアーケード、5カ月半ぶりの復帰戦となるテーマミュージックなども連下ならチャンスがありそう。
馬券は、マイネフォクシーから流す。マイネフォクシー1着固定の3連単でも。
◎マイネフォクシー
○ヴィエントバイラー
▲ルスナイパラダイス
△ファイナルバンド
△ルナアーケード
△テーマミュージック
ダービーグランプリが地区重賞になってしまったのは、なんとも残念。
不来方賞を勝って岩手三冠馬となったセイントセーリングにしても、勝負付けの済んだメンバーとではなく地方他地区勢や中央勢とレースをしてみたかったのではないだろうか。中央へは認定新馬戦を勝ったあと、2歳時の7月に新潟のマリーゴールド賞に挑戦したことがあるだけ(8着)。南部駒賞あたりではパラダイスフラワー相手に勝負にならなかったが、今シーズンの幕開けスプリングカップからは快進撃が続いた。ただ、今シーズンは中央どころか一度も他地区の馬たちとは走っていないので、全国的にどのくらいのレベルにあるかが気になるところ。岩手ではすでに古馬A1クラスで好走しているので、同世代が相手では抜けた存在。
相手はマツリダワルツ。ダイヤモンドカップはクビ差の2着、不来方賞では1 1/4馬身差2着。逆転できる可能性があるとすればこの馬だけだろう。今シーズン、古馬に格付けされてレースをしているのもこの2頭だけなので、それ以外の馬たちとはやはり力差がある。
3連単の3着とか、アクシデントや不利などでどちらかが凡走したときの相手としては、阿久利黒賞2着、ダイヤモンドカップ3着があるハルサンヒコに、南関東から戻ってこれが2戦目となるアンダーボナンザ。
おそらく2頭が人気になるだろうから、馬券はあまり手を広げるわけにもいかないと思う。
◎セイントセーリング
○マツリダワルツ
△ハルサンヒコ
△アンダーボナンザ
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ばんえい3歳牝馬三冠の二冠目、ばんえいプリンセス賞。
実績ではニシキガール、エリザベスライデン、プリンセスモモの重賞勝ちがある3頭だが、それゆえに格付けが高く、クラス別定のここは重量を課されている。その重量差を克服できるほどは力が抜けているとは思えず、軽量組から狙う。
本命はペガサスプリティー。6月の黒ユリ賞6着のあとはここまで7戦5勝。前走は200万未満の混合戦を勝ったが、格付けはギリギリ150万未満のまま。トップハンデの2頭より20キロ軽い630キロで出走できるのは有利。
相手には、やはりここ3戦で2、2、1着と好調のダイヤローズ。6月の黒ユリ賞2着で、ここは最軽量の620キロで出走するヒカルアサヒも争覇圏。
重賞勝ち組ではニシキガールを押さえる。ここ3走は今ひとつだが、150万未満のクラスでは着順ほどは負けていないアグリタカラまで。
土曜から日曜の朝までは雨が降っていてかなり馬場が軽くなっているようだが、月曜日は晴れの予報で、どこまで馬場が回復するかもポイントになりそう。
◎ペガサスプリティー
○ダイヤローズ
▲ヒカルアサヒ
△ニシキガール
△アグリタカラ
どうやら岩手でも他地区からの出走が解禁される見通しが立った。
30日のOROカップからということらしい。
そのOROカップには、オールカマー(中山)とかには出させてもらえないコスモバルクが、天皇賞・秋のひと叩きとして出走してくるようだ。盛岡でコスモバルクが走るなんて機会もそうそうないだろうからこれは見たい。外国馬の来ないスプリンターズS(中山)なら、ますます盛岡に行こうかという気がする。ダービーグランプリがグレードではなくなったために取材に行くのをやめたので、そのぶんで行こうかという気もしてくる。
コスモバルクが久々に旭川で出走した瑞穂賞の日は、この時期の旭川ナイターとしてはかなりのお客さんが入っていたようだ。コスモバルクが走る盛岡にはどれくらいのファンが来るのだろう。
そういうことを想像するだけでも楽しい。
交流解禁バンザイ。
さて、2歳芝のジュニアグランプリ。
どうやらここは若鮎賞を勝ったリザルトと、ビギナーズカップを勝ったジェベルロバーツの争いになりそうだ。
ここまでの直接対決では、芝ならリザルト、ダートならジェベルロバーツという結果になっている。
やはりここは普通に考えれば、芝で好成績のリザルトだろう。
リザルトは、昨年エーデルワイス賞を勝ったパラダースフラワーの下。さらに遡れば京都牝馬特別を勝ったシスティーナが半姉にいる。システィーナといえば、個人的には京都牝馬特別よりも関屋記念2着のほうが思い出深い。あのときは確か新潟競馬場にいた(ような気がする)。勝ったのはまったく人気がないマイスーパーマン。もちろん馬券はハズれた。それでも、馬券だけ買ってレースは見ずに帰途についた友人が4万いくらだかという馬連複をとったということをあとから聞いたので、なおのこと覚えている。当時、馬券は馬連複までしかなかったが、3連単があったらどれほどついていただろう。
ジェベルロバーツは若鮎賞でリザルトとアタマ差の2着だが、勝ち星は2つとも水沢でのもの。これはいずれも完勝だが、盛岡の芝ではどうだろう。
ジェベルロバーツの母ジェベルネバーは上山の活躍馬だ。ひとつ上の全兄ネバーオブライトは、水沢850メートル戦で2着に3秒差をつける驚異のレコードで鮮烈なデビューを飾り、話題になった。2戦目の若松賞も勝って期待されたが、重賞ではイマイチの成績が続いている。どうもジェベルロバーツは、ネバーオブライトのようなタイプになるような気がしてならない。
ビギナーズカップでジェベルロバーツとリザルトの間に割って入ったテンショウベストにもチャンスはある。
どの馬にとっても、ここが試金石というレースになりそうだ。
ここらあたりを勝った馬は中央に挑戦したいだろうから、中央のほうでもそろそろ地方馬の出走が解禁されないものかと願うばかりだ。
◎リザルト
○ジェベルロバーツ
▲テンショウベスト
他地区からの遠征はともかく、名古屋所属馬も出られないとなると、やはりメンバーが薄い。ほとんどがA2かA3の格付けだけに、実績よりも、ここに来て調子を上げてきている馬から狙ってみたい。
中心はマルヨスポット。1月の白銀争覇では地元最先着の2着と健闘。途中4カ月近くの休養があるものの、近5走はA3〜A2クラスで4勝3着1回と安定した成績を残している。尾島徹騎手は、昨年あたりからの活躍が目覚ましい若手の注目株で、東海地区のリーディングでは7位だが、笠松所属騎手だけを見れば東川公則騎手に続いて堂々の2位だ。
2番手はティアマット。くろゆり賞はやや離された4着だが、笠松勢としては最先着。岐阜金賞を制すなど、昨年の3歳戦線ではトップを争う1頭で、本来の力が戻れば古馬オープンでも活躍できるはず。
近走の調子でいえば、近2走のA2特別で2、1着のセイウンドリームも争覇権。今回のメンバーならあっさり勝ってもおかしくない。
あとはやや離れるが、春は重賞の常連だったニッシングリンに、くろゆり賞では離された6着のシャンハイチキータ。
馬券は絞って狙うよりも、トリガミ覚悟で馬単とか3連単のボックスで高配当を狙ってみたい。
◎マルヨスポット
○ティアマット
▲セイウンドリーム
△ニッシングリン
△シャンハイチキータ
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ところで日曜日に行われた盛岡・青藍賞なのだが……。
勝ったサイレントエクセルは牡馬相手の重賞で初勝利。素直にテンショウボス、サイレントエクセルという予想ではつまらないので、前走ビューチフル・ドリーマーカップは楽勝だったもののそろそろ疲れが出てくるころかと思い軽視してしまった。
断然人気のテンショウボスは、スタートで出遅れたのか、タイミングが合わなかったのか最後方。外に出して立て直し、ようやく好位にとりつくというロスがあったので、このあたりで勝ち負けは難しいかというレースぶりではあった。それでも直線で単独2着に抜けてきたのは、このメンバーでは力が抜けている証拠。サイレントエクセルにとってはラッキーだったが、テンショウボスが五分に出ていたらどうだっただろう。