ちなみに「不来方」は「こずかた」と読みます。ご存知でしたか。
さらにちなむと、不来方とは岩手県盛岡のことなのだそうで。なるほど、高知の建依別賞みたいなものなわけね。
ここで不来方についてくどくど説明してもしょうがないので、詳しく知りたい方はWikipediaなどをご覧ください。
いきなり文章を「ちなみに」ではじめるのもどうかと思うが、不来方賞というと、ときたま思い出すことがある。
遡ること10年か、もっと前。大井競馬の何かの重賞を見たあとに地方競馬好きの数名と寄った、新橋の某チェーン居酒屋でのこと。ぼくらのテーブルに何度か料理などを運んで来てくれた学生アルバイトとおぼしきお嬢さんの名札に「不来方」と書いてあり、それがとっても気になっていた。
けっこう飲んで酔いもまわったころ、
「こずかたさんて、もしかして岩手のほうの出身ですか?」
と聞いてみた。すると、
「えっ?この字、よく読めましたね!」
と、ちょっと驚いた様子だった。
むふふ。我々にこの字が読めないわけないでしょう、ってなもんである。
さて、その不来方賞であるが、レース名の由来とは裏腹に、初めて盛岡を離れ、今年は水沢での開催となった。
中央の芝で揉まれたボスアミーゴか、古馬に揉まれたセイントセーリングかという争いだが、ここはセイントセーリングを中心にとりたい。岩手ダービーダイヤモンドカップを勝ったあとは、古馬A1に入って2、4着。3歳馬同士なら、その経験が生きるはずだ。
ボスアミーゴは、中央の芝が中心のローテーション。岩手では2歳時のジュニアグランプリから負けなし。水沢のダートも、5月に七時雨賞を勝っているだけにマイナス材料とはならない。ただしダートはその七時雨賞以来約3カ月ぶりの上に、距離経験は1800メートルまで。
どちらも菅原勲騎手が主戦で、今回はセイントセーリングのほうを選んだことも気になるところだ。
そのほかでは、2歳チャンピオンのパラダイスフラワーを水沢で2度破っているマツリダワルツに、七時雨賞でボスアミーゴから差のない3着のあるネバーオブライトだが、上位2頭とはちょっと差があるような気はする。
◎セイントセーリング
○ボスアミーゴ
▲マツリダワルツ
△ネバーオブライト