14日(水)に行われる六甲盃は、アラブの時代は3歳三冠の最終戦として注目され、その最後の年となった99年はワシュウジョージが締めくくった。00年にはサラブレッド3歳馬の重賞として行われ、年が明けてからの開催となった01年度(施行は02年1月)からは4歳以上の重賞として行われている。
今年は2400メートルに距離延長された。
年が明けてからの開催となった過去5年のうち、なんと04年のホシオー(金沢・当時8歳)以外の4回はいずれも明け4歳馬が制している。
今の兵庫勢も勢いがあるのはやはり4歳馬だ。
と思って枠順を見てみると、どうしたことか、その4歳馬が1頭もいない。
なるほど。ジョイーレは3月21日の黒船賞GIII(高知)に、チャンストウライは28日(水)の名古屋大賞典GIII(名古屋)に出走予定となっている。おまけに5歳のベストタイザンも黒船賞に出走予定で、今回の六甲盃はトーコーアンタレス(牡5歳)以外はすべて6歳以上というメンバー構成となった。
ここは8歳馬タガノインディーが不動の中心となりそうだ。南関東ではA2やオープンの準重賞を5戦したが3着が最高という成績。しかし兵庫に移籍後は園田金盃、新春賞の2重賞を含む3連勝。前走は佐賀記念GIIIに遠征し、名古屋のキングスゾーン(3着)に3/4馬身差の4着と健闘した。園田の2400メートルは、すでに園田金盃で制しているのも心強い。
鞍上の木村健騎手は、10日(土)のJRA阪神最終レースで9番人気の馬を勝たせる活躍を見せたが、その日の第4レースでは降着となり、6日間の騎乗停止処分を受けている。騎乗停止前の大一番として、一層気合が入ることだろう。
相手筆頭は笠松から遠征のゲットゥザサミット。昨年10月には姫山菊花賞(園田1700メートル)でジョイーレの2着という実績があり、ここ3戦、南関東の強いメンバーに揉まれた経験は必ず生きるはずだ。
そのほかでは、北海道から兵庫に移籍しA級で5戦2勝、2着3回と安定した成績のマイネルゲベート。重賞初挑戦だが、兵庫に移籍してからの5戦でオープンクラス(S1)を2勝しているビッグインディ。園田金盃3着のタマモビクトリーまで。
おそらくタガノインディーからだと、高配当は望めないだろうから、ゲットゥザサミットとの組合わせを厚く。あとはオッズを見ながらマイナスにならないように流す。
◎タガノインディー
○ゲットゥザサミット
▲マイネルゲベート
△ビッグインディ
△タマモビクトリー
13日(火)には、荒尾競馬場でファン選抜の大阿蘇大賞典が行われる。
フジエスミリオーネとトウショウゼウスが栃木時代に、ツルギデンカが金沢時代に重賞を勝っているものの、荒尾で重賞を勝っている馬が1頭もいないというメンバー構成となった。しかし重賞2着はあるという馬が何頭かいて、力関係が悩ましい。
実績上位は1月17日の荒尾金盃で1〜4着だった、ツルギデンカ、フジエスミリオーネ、フジヤマロバリー、マルシゲサーパスと考えてよいだろう。その荒尾金盃は人気どおりの着順で、この4頭はそれぞれきっちり1馬身ずつの差だった。
その後は、ツルギデンカが佐賀に遠征してB1特別で4着。残りの3頭は、2月21日の大阿蘇賞に出走して、2着のフジエスミリオーネ以下、この3頭の比較では荒尾金盃と同じ順で入線した。
今回は山口勲騎手に乗り替ったこともあり、フジエスミリオーネを本命にする。05年3月に廃止となった宇都宮競馬最終日最終レースのとちぎ大賞典を勝ち、その後は川崎、高知、荒尾と転厩。その間、去年6月に荒尾で1400メートルのオープンを1勝したのみで、なかなか勝ち星には恵まれない。大晦日の肥後の国グランプリでは直線一旦は先頭に立ちながら、うしろから来た2頭に差されてしまった。ここは2年ぶりの重賞制覇のチャンスと見る。
相手にはツルギデンカ。
各上挑戦で食い込んできそうなのは、中央から荒尾に戻り、3走目の前走A2特別を勝ったケイウンヘイロー。昨年の7月以降、3着以内を外さず堅実にB級まで勝ち上がってきているテイエムタマガッタ。
マルシゲサーパスまではさすがに印がまわらない。
フジエスミリオーネとツルギデンカの組合せを厚く、あとはフジエスミリオーネから流す。
◎フジエスミリオーネ
○ツルギデンカ
▲ケイウンヘイロー
△フジヤマロバリー
△テイエムタマガッタ
先週の帯広記念だが、まいりましたというか恐れ入りまいたというか、フクイズミ。
末脚は抜群に切れるのだが、たまに障害で失敗するとどこにもないということがあり、初めての800キロではその障害でてこずるだろうと思って無印にしてしまった。
果たして、フクイズミとしてはやや早めに仕掛けた第2障害でヒザを折ったときは「やっぱり」と思った。ところが、すぐに立て直して3番手で障害をクリアしたときは、「ああ、こりゃもうフクイズミだ」と観念した。
本命にしたスーパークリントンはもうどこにもなく、馬券の予想としてはダメダメだったのだが、2着のトモエパワーだけは思ったとおりの結果だった。近走結果が出てなかったのは帯広記念を勝ったことで獲得賞金が増え、負担重量を課されてのもの。
あくまでも現段階ではあるが、これでばんえい記念の本命はトモエパワーでほぼ決まった。
雪が降ったりして超軽馬場になればミサイルテンリュウということもあるかもしれないが、3月下旬だとその確率も低い。
旧勢力のミサキスーパーは、スーパーペガサスがいなくなった今こそ、大一番を制することができるかどうか。
ばんえい記念4連覇の王者スーパーペガサスが引退し(登録上はまだ抹消にはなっていないが)、帯広だけの開催になるばんえい競馬は、オープンクラスの顔ぶれもまた新たな時代に突入する感じだ。
カネサブラック、スーパーロイヤル、スーパークリントン、ナリタボブサップなどの明け5歳世代は、来年から再来年あたり、さらに本格化したときが楽しみだ。
さて、前置きが長くなったが明け3歳世代のチャンピオン決定戦、イレネー記念。
昨シーズンはマルミシュンキという圧倒的な存在がいたのとは対照的に、今シーズンは上位拮抗で、勝ったり負けたりという混戦模様。今回牝馬の出走はなく、全馬680キロの定量だが、はっきりいって難しい。
ここはホクレン賞を勝ったカネサリュウから。その後3歳オープン戦を5戦して勝ち星はないが、いずれもトップハンデを課されてのもの。
ホクレン賞の結果と上位4頭は同じになってしまうが、対抗アローファイターで、シベチャタイガーにパンチテンリュウ。穴なら2連勝中のカイセゴールデン。
◎カネサリュウ
○アローファイター
▲シベチャタイガー
△パンチテンリュウ
×カイセゴールデン
何を今さらと言われるかもしれないが、サンデーサイレンスが日本の競馬に与えた影響というのはほんとうに大きいもので、日本の血統をすっかり塗り替えてしまったといってもいいくらいだ。
もちろん直仔は値段が高いので、新馬が地方競馬に直接入ってくるというケースはほとんどなかったが、サンデーサイレンス産駒の種牡馬が溢れてくると、父の父や、母の父の父にサンデーサイレンスを持つサラブレッドが地方競馬にもたくさん入ってくるようになった。
8日に名古屋で行われるスプリングカップにも、父エイシンサンディが3頭、父ロイヤルタッチが2頭、父ステイゴールドが1頭と、出走馬12頭中ちょうど半数の父がサンデーサイレンス種牡馬となっている。さらに母の父フジキセキも1頭いる。
中でも未出走のまま種牡馬となったエイシンサンディは、ミツアキサイレンスの活躍で一気にブレイクし、今では東海地区に完全に根づいた血統ともいえる。
エイシンサンディは、ミツアキサイレンスが3歳時に兵庫チャンピオンシップGIIIを勝った直後から種付希望が殺到。たしかその翌年には、あまりの人気ぶりに種付が抽選となったと記憶している。
「ウチが生産したミツアキサイレンスのおかげなのに、ウチですらなかなかエイシンサンディをつけらないんだから」と生産者の広川さんが嘆いていたのを思い出す。
その平取の広川牧場も、いまはダーレー・ジャパンの平取ヤードとなっていて、時の流れを感じさせる。
で、いきなり本題だが、スプリングカップの本命は、そのエイシンサンディ産駒のマルヨフェニックス。ここまで5戦4勝、2着1回で、前走初遠征となった園田ユースカップは、4コーナー4番手から直線並ぶ間もなく豪快に差し切った。余裕を持ったレースぶりは将来性を感じさせる。
ただ一度の敗戦は、地元笠松のゴールドジュニアで、金沢のマツノショウマにクビ差及ばなかったもの。ちなみにマツノショウマの父はアドマイヤボスで、これもサンデーサイレンス産駒だ。
相手には、これまたエイシンサンディ産駒で、新春ペガサスカップを制したニシキコンコルド。
この2頭の組み合わせを厚く、マルヨフェニックスから、ワイティタッチ、タイガートルネード、ジーンジニーに流す。
印をつけた5頭はいずれも父の父がサンデーサイレンスだ。サンデーサイレンスのネタを書いたのでこういう印をつけたわけではない。印をつけた馬をよく見たら、ぜんぶサンデーサイレンス系だったのにちょっと驚いて、こういうネタを書いてみた。
◎マルヨフェニックス
○ニシキコンコルド
▲ワイティタッチ
△タイガートルネード
△ジーンジニー
ばんえい競馬が現在の体制で行われるのもあと4週となった。新年度からは地方競馬では初となる民間企業がかかわることなり、オッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社の主導のもと、4月27日からスタートする。
さて、チャンピオンカップというと、いよいよシーズンも終わりに近づいたという気になる。今シーズン中に重賞を勝った馬のみが出走できるという重賞だ。
ここは5歳馬のスーパークリントンから。
5歳馬はメンバー中最多の4頭が出走しているが、条件クラスのニシキシャープは別として、今年行われた銀河賞、ポプラ賞の結果から、今回のカネサブラック820kg、スーパーロイヤルとスーパークリントンが810kgという重量を考えると、スーパークリントンで勝負になりそうだ。
もう1頭、狙いたいのはトモエパワー。ここ4戦はまったく勝負にならずの敗戦だが、これは帯広記念を勝った賞金で重量を課されてのもの。今回もトップハンデではあるが、この重量差なら実力でカバーできる範囲。
連下では、ここ2戦連勝中のミサイルテンリュウに、5歳馬ながらオープンクラスで堅実な走りを続けているカネサブラック。ニシキシャープもこの重量差なら可能性はある。
◎スーパークリントン
○トモエパワー
▲ミサイルテンリュウ
△カネサブラック
△ニシキシャープ
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福山の重賞は3歳牡・セン馬による重賞のキングカップ。ここは土曜日のクイーンカップで本命にしたミスジョージと勝ったり負けたりのエイケイボーイが中心。
前走「佐々木正剛貴美子結婚記念杯」という3歳戦に出走した馬が9頭中7頭で、そのときも今回も斤量は全馬54キロ。どうも力関係はそのときの着順のままでよさそうだ。2着のアトムホワイト、3着のケイコウウンナンらと、エイケイボーイの過去の成績を比較してみても、福山サンシャインカップでケイコウウンナンが惨敗しているのを除けば、前々走の若駒賞、2歳時のヤングチャンピオンなどから序列は変わっていない。
競馬だから何があるかわからないし、展開のアヤでレースが壊れればたいへんな高配当になることもあるかもしれないが、過去の成績だけから予想するならこういう予想にならざるをえない。ただ、馬連2点買ったらほとんどプラスにはならないかもしれないが。
◎エイケイボーイ
○アトムホワイト
△ケイコウウンナン