今年の佐賀記念は現地で観戦する。佐賀競馬場に行くのは、昨年のダービーウイーク初日、栄城賞以来。で、今回はレース以外にとっても楽しみにしていることがある。
佐賀競馬場では人が集まるような開催では「からつバーガー」のワゴン車が来ていて、さらにダービーウイークでは関口房朗会長とのコラボレーションで「ゴールデンダービーバーガー」が売られていた。もちろん食べた。
で、その後、佐賀競馬場では8月から「佐賀牛バーガー」なるものが売られていると聞いた。「からつバーガー」とは違って常設の売店というだけに、気合が入っているのだろう。
今回は、その「佐賀牛バーガー」を食べるのだ。
さて、佐賀記念。
01、02年に笠松のミツアキサイレンスが連覇し、04年には地元佐賀のオペラキッスが2着に入ったものの、過去に地方勢同士の決着は一度もなく、中央勢が優勢。その傾向は今年も変わらない感じだ。
中心はクーリンガー。すでに8歳だが、昨年末の東京大賞典では2着に食い込み、衰えのないことを示した。なんといってもこの佐賀記念は3回出走して1勝、2着2回という相性のよさだ。
相手には連覇を狙うマイネルボウノット。
この2頭の馬連複はいくらつくだろう。あまり人気が集中するようなら中央の人気薄を狙ってみたい気もする。ただ、馬連複が導入されて以降の過去7年では、馬連複が4桁配当になったのは1度しかないので、あまり無理な穴狙いはしないほうがいいのかもしれない。
地方勢では、やはり名古屋のキングスゾーン。名古屋グランプリ、報知オールスターカップは案外だったが、浦和記念2着のときのように展開が向けば、このメンバーなら勝ち負けできる力はある。
中島記念を含め4連勝中、地元期待のナムラハンニバルは、たしかに荒尾から佐賀に移っても安定した成績を残しているが、中央のダートグレード常連メンバーに入っては苦しいだろう。
兵庫のタガノインディーも南関東から移籍後3連勝中だが、南関東で走っていたころの相手関係からすると、このメンバーでは厳しいと考えざるをえない。
◎クーリンガー
○マイネルボウノット
▲サイレントディール
△キングスゾーン
△バンブーエール
福山のサラブレッドによる椿賞だが、昨年の第1回は特別として行われ、今年から重賞格上げとなった。
メンバーを見渡して「おっ」と思ったのは、ウェイザストロングの山口竜一騎手だ。これで4戦連続の騎乗だが、これまでとは立場が少々異なる。期間限定で福山に所属していたのは1月31日までで、今回は本来の北海道所属騎手としての参戦。
これは地方競馬騎手の騎乗機会拡大にともなうルール変更の一環で、重賞競走なら騎乗以来があれば他地区での騎乗が可能となったため。
こういう機会はこれからどんどん増えていってほしい。中堅以下の騎手にとっては騎乗機会が減ることになって厳しいかもしれないが、見ているファンからすれば、やはり重賞などはよりレベルの高い争いを見たいもの。馬主さんなどにとっても、所属にかかわらずトップジョッキーを乗せたいと思うことも少なくないだろう。
ただ山口騎手にとっては、レースのほうは厳しそうだ。ウェイザストロングは、ここ2戦ともアブソルートウインに完敗している。
このメンバーでは、やはりそのアブソルートウインが抜けた存在。前2戦ともに危なげないレースぶりでA1特別を2連勝。
唯一食い下がれそうなのは、前走でアブソルートウインの3着だったチアズボニートだが、その前走との比較では斤量的にアブソルートウインのほうが有利になってしまっているだけに、これも逆転は難しそうだ。
そのほかもほとんどが勝負づけの済んでいるメンバーばかりで、唯一、未知の魅力ということで可能性があるとすればB1特別連勝中のタガノオウジくらい。
穴を狙うとしても、せいぜい3連単の3着くらいかもしれない。
◎アブソルートウイン
○チアズボニート
▲タガノオウジ
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ばんえいの重賞は、明け4・5歳馬によるポプラ賞。
1月3日の銀河賞に、昨年のばんえいダービー馬で唯一の明け4歳、ナカゼンスピードが加わったというメンバー構成。
オープンでの実績からカネサブラックが人気になりそうだが、重量差50キロもあるトップハンデではちょっと狙いにくい。銀河賞のときと同様にここも軽視。というか今回は思い切って無印とする。
ここは帯広コース得意のナリタボブサップの出番と見る。銀河賞は第2障害で詰まって勝負にならなかったが、障害がヘタというわけではない。前々走ニューイヤーカップのように差のない位置どりで越えられれば、ゴール前の脚は確かだ。
相手には銀河賞を勝ったスーパークリントン。銀河賞ではナリタボブサップより10キロ軽かったが、今回は同重量だけにナリタのほうに分がある。
それから重量的に有利になったウィナーサマー。ダービー馬・ナカゼンスピードは、初の古馬オープンクラスとの対戦だが、今シーズンの帯広コースは5戦4勝2着1回と好調で、一発の可能性もある。
最軽量のコマヨシニセイまで押さえる。
銀河賞2着のスーパーロイヤルだが、カネサブラックも含めた上位馬との比較で重量が厳しくなっているので今回は見送る。
◎ナリタボブサップ
○スーパークリントン
▲ウィナーサマー
△ナカゼンスピード
△コマヨシニセイ
7日に園田競馬場で行われる兵庫牝馬特別。聞きなれない重賞だなあと思ったら、昨年特別として第1回が行われ、今年から重賞に格上げになったと。東海・北陸・近畿・中国地区のJRAヴィクトリアマイル・ステップ競走代表馬選定レースにもなっていて、笠松から3頭、名古屋から2頭、金沢から1頭が遠征してきた。
実績が抜けているのは笠松のニッシングリンだ。今回と同じ舞台で行われた昨年11月の兵庫クイーンカップでは2番手追走から3コーナー手前で先頭に立つと、直線では後続を突き放し4馬身差圧勝。その後船橋の総の国オープンは8着だったが、地元に戻って大晦日の東海ゴールドカップは、牡馬勢を相手に堂々1番人気での勝利となった。条件馬が多い今回のメンバーではこの馬が中心でいいだろう。
兵庫クイーンカップで2着だった金沢のチヨノドラゴンが相手。4歳になった年明け緒戦、笠松の白銀争覇を3馬身差で制し、確実に力をつけている。逆転できる可能性があるとすればこの馬だろう。
地元勢で食い込む余地があるとすれば、唯一のオープン馬、ナムラサンカだろうか。兵庫クイーンカップは6着だったが、2着のチヨノドラゴンからは3馬身半ほどしか離されていない。ただ1700メートル以上では7戦して5着が最高という成績。この距離はちょっと長いのかもしれない。
あとは兵庫クイーンカップ5着だったラストステージまで。
◎ニッシングリン
○チヨノドラゴン
△ナムラサンカ
△ラストステージ
ところで来週14日(水)、園田第9レースはロードバクシンのラストランとなる。そして最終レース終了後には引退式も行われる。
ロードバクシンといえば、3歳時の兵庫チャンピオンシップGIIIの勝利で、兵庫にサラブレッドが導入された2世代目からダートグレードを勝つ馬が現れ、当時はたいへん驚かされた。ダートグレードこそ、その1勝のみだったが、8歳になった昨年11月の楠賞まで重賞12勝を挙げた。
この日は通算2000勝以上の騎手によるゴールデンジョッキーズシリーズも行われるため、中央に移籍するまで主戦をつとめていた小牧太騎手がラストランに騎乗して引退式に臨むというのも粋なはからいだ。
九州産馬による交流として行われるたんぽぽ賞。前哨戦のノカイドウ特別、ミヤマキリシマ特別ともに人気どおりの決着にはならず、さらに今回JRAからあらたに未勝利馬の参戦もあり、力の比較がしにくくきわめて難解な一戦。
さすがに自信はあまりないが、中心はガトリン。新潟の新馬戦で勝ち馬から0.8秒差の7着。2戦目は8頭立ての7着だが、スタート後2番手につけたものの逃げ馬に進路を妨害され、最後方まで下がる不利があってのもの(加害馬は降着)で参考外。休み明けと初ダートという不安はあるものの、未知の魅力でこの馬の素質に期待したい。
未知の魅力ということでは6月のデビュー戦4着以来、これが2戦目となるカシノカスケードも。
ノカイドウ特別組では早めに先頭に立って2着だったエルエルボーイと、それを差し切ったテイエムヨカアンベ、ミヤマキリシマ特別組では、迫ってきたカツイチビークァイを振り切ったテイエムノゾミに可能性がありそう。
本命にしたガトリンの父エックスコンコルドは、サンデーサイレンス産駒で中央に登録されたが未出走のまま引退し、種牡馬となった。98年から03年まで九州で供用され、中央・地方に競走馬として登録された産駒は31頭。3歳のガトリンは最後の世代で、現在中央に所属している唯一の産駒となっている。
サンデーサイレンス産駒で未出走のまま種牡馬入りして活躍した馬としては、ミツアキサイレンスなどを出したエイシンサンディが有名。エックスコンコルドはすでに04年に用途変更となっているが、ガトリンには重賞勝ち馬の父となれるかどうかがかかっている。
◎ガトリン
○カシノカスケード
▲エルエルボーイ
△テイエムヨカアンベ
△テイエムノゾミ
黒ユリ賞といえば忘れられない馬がいる。3年前にこのレースを制したフクイズミだ。
現地にいたわけではなくスカパー!で見ていたのだが、先に障害を越えた何頭かがゴール前の接戦を演じていたところ、画面にまったく映っていないところから飛んできて、あっという間に差し切ったのがフクイズミだった。平地の競馬とは違い、ばんえい競馬で「飛んできた」という表現はどうかと思うが、あのときのフクイズミはまさにそんな感じだった。
その後もフクイズミの強烈な末脚は健在で、今シーズン秋からオープン入りして本格化。いや、05年6月の220万クラスのあたりから連戦連勝だったから本格化ということではずっと前からなのかもしれない。
そして今年1月のヒロインズカップで3年ぶりの重賞制覇を果たした。
ただ極端な脚質だけに、人気になりながら惨敗というケースもある。11月のレディースカップでは1番人気に推されながら、障害がまったく掛からずにしんがり負けとなった。
以前にも書いたかもしれないが、実力馬であっても障害での仕掛けのタイミングひとつで大敗の可能性もあるのがばんえい競馬の怖いところでもあり、それがおもしろさでもあるのだが。
さて、今回の黒ユリ賞だが、ここは2歳(明け3歳)のオープンクラスで実績のある馬が4頭、ニシキガール、ヤマトナデシコ、プリンセスモモ、ダイヤローズの争いだろう。
ニシキガールのみが620キロで、ほかは610キロ。そのニシキガール以外の実績馬が揃いも揃って帯広では有利と言われる外枠に入った。ますますニシキガールにとっては苦戦を強いられそうだ。ジャニュアリー特別、重賞・ホクレン賞では、いずれも同重量でプリンセスモモに先着されているにもかかわらず、ここで10キロ重くなってしまったのはいかにも不利。
ここはプリンセスモモが中心。ホクレン賞は7着だったが、出走した牝馬3頭では最先着を果たした。
北見では2歳オープンクラスで入着していたダイヤローズだが、帯広に来てからは苦戦を強いられている。大外枠は魅力だが、当日の気配次第では馬券から除外してしまってもいいかもしれない。
◎プリンセスモモ
○ヤマトナデシコ
▲ニシキガール
△ダイヤローズ