24日メインは地方競馬全国交流「第10回OROターフスプリント」(盛岡芝1000m)。今年は遠征馬4頭、地元7頭で覇を競う。
前身はオープン特別・きんもくせい賞。同レースは芝2400m重賞で行われていたが、オープン馬の芝1000m戦が好評を博し、2009年にきんもくせい賞を芝1000mで実施したのが始まり。
OROターフスプリントは2011年に創設。2014年に地方競馬全国交流へ格上げされ、今や岩手の名物レースの一つに数えられるようになった。
昨年はエイシンテキサス(名古屋代表)が山林堂信彦騎手(川崎所属)とのコンビで臨み、見事な逃げ切りを決めて快勝。同騎手に初重賞をプレゼントした。
きんもくせい賞時代もそうだったが、優勝ポジションは3番手以内。先行力が勝敗を分けているが、唯一の例外が2018年、シャドウパーティー。14頭立ての9番手を追走し、直線一気を決めて2着コスモロングソードに半馬身差。上がりが何と34秒0。まさに芝並みの末脚で勝利をもぎ取った。
果たして今年はセオリーどおり先行有利となるか、それともシャドウパーティーの再現なるか心躍っている。
コスモペリドットは祖父がスピニングワールド、父がジミーシュー。ニュージーランド生まれの持ち込み馬。南半球生まれなのでデビューが3歳1月。4戦目の東京芝1400mを勝ち、3戦置いて中京芝1200mで2勝目をマーク。結果的に1勝クラスにとどまったが、2着7回。芝1400m以下で堅実に走り続けてきた。
転入初戦は1000mのスペシャリストがそろい、同条件未経験もあって5番人気に甘んじたが、中団追走から3コーナーでスパート。手前を変えることができなかったと思うが、4コーナーで大外へふくれてしまったが、直線で盛り返して0秒2差2着。負けて強しの一戦となった。
先に記したように中央芝2勝はいずれも左回り。今度は二のテツを踏まないだろうし、何よりも直線でも伸び一目。重賞制覇に王手をかけた。
ウインオスカーは阪神芝1600m戦の2歳新馬戦を快勝。3歳夏からダートへ路線を変更して通算6勝。オープンへ在籍した。
母グローリサンディは岩手でも活躍して通算14勝の強豪牝馬で芝・桂樹杯も快勝。また兄トラストは札幌2歳ステークスを優勝。
さらに管理する河津調教師はコスモヴァシュランで盛岡芝の特性を知り尽くしており、5ヵ月ぶりの実戦でも勝ち負けに持ち込める。
ツーエムマイスターは中央5勝から南関東、金沢を経て転入。初戦は芝からダート変更があったが、まったく問題にせずダート1000mレコードタイで完勝。仕切り直しの前走・ハーベストカップ(芝1000m)も逃げ切りを決めた。
気難しい面があるため、ひと息で決着する1000mがベスト。前走同様、内枠を引き当てあっさり3連勝。一気に重賞までステップアップする。
ケンガイアは3歳ダート重賞・ハヤテスプリントへ参戦して快勝。OROターフスプリントでも0秒2差3着を確保した。ほかにOROカップ4着の実績もあり、盛岡と相性抜群。ここは狙った一戦。好枠を生かして首位を狙う。
ナリタスターワンは中央5勝、重賞でも上位を確保した格上馬。昨年のハーベストカップでシャドウパーティーの2着。再転入後は2、10、5着とひと息だが、地力で反撃に転じる。
ガーシュウィンはハーベストC7着だったが、函館、新潟芝1000mでそれぞれ1勝。適性は間違いなくある。
◎⑤コスモペリドット
〇⑩ウインオスカー
▲④ツーエムマイスター
△①ケンガイア
△⑧ナリタスターワン
△②ガーシュウィン
<お奨めの1頭>
5R ロワルゼル
スケール大きく転入2連勝。今度はマイルが舞台だが、中央時代はダート1600m~1800m戦を使われ、むしろ望むところ
10月18日に行われた2歳ダート重賞・南部駒賞トライアルの『若駒賞』は1番人気リュウノシンゲンが完勝。2歳世代トップクラスの力を見せつけました。
ハナ争いはリュウセイオジョウに譲ったリュウノシンゲンでしたが終始きっちりとマークして実質的なレースの主導権は譲りません。最後も後続の動きを見ながら追い出して楽々4馬身差ゴールの完勝。次戦は南部駒賞の予定、遠征勢を迎え撃ちます。
10月19日は盛岡競馬場で『2020地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ』が行われます。例年ならJRAで行われるワールドオールスタージョッキーズの地方競馬トライアル的な役目を担う戦いなのですが、ご存知のように今年はWASJが取りやめとなったために、地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップは"地方競馬の騎手No.1決定戦"として単体で行われる事になりました。
システムも例年と異なり盛岡競馬場での2戦のみの短期決戦。一方で今年は遠征騎乗の機会が少なかったせいか、例年はワイルドカード戦に回ることが多かった各場のベテラン騎手が代表として登場します。
こうしたトップクラスのベテラン騎手による招待レースは、1月の佐々木竹見カップ以来になりますね。日本中の競馬場で見慣れたはずのベテラン騎手たちですが今年はすごく新鮮な感じがします。
まず『2020地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ第1戦』、ダート1200m、発走は17時ちょうど。
このレースの本命は(7)インペリアルエアです。
クラスが上がって長めの距離を走るようになって、転入当初のような連勝とはいかなくなったとはいえ、前走は1800mでも最後までよく粘っておりやはり地力は高い馬だと感じさせます。ここまでの走りを見てもやはり距離は短いほうが戦いやすそうな印象。マイルや千八でも健闘できるくらい調子がいいのなら距離短縮はより力を出せる条件と見ていいはず。
対抗は(6)ロックオン。岩手ではダートの1400m以下を使ったことはありませんが、JRA時代は芝の短距離を主戦場としていました。こちらもマイルでなかなか勝ち切れず前走が久しぶりの勝利ではありましたがこの間も状態は悪くなかった。この馬も距離短縮で連勝まで。
(3)セイヴァーベナが三番手。千二でも少し長い印象がある馬ですし前走も大敗を喫しておりここで強気にはなりづらいのですが、8月以降使われつつ良化を感じさせていました。勢い重視で狙うならこの馬。
ヒモはまず(1)シゲルシチフクジン。現級では展開が味方してくれないと勝ち切れない印象もハマった時のキレはここでも上位。千八で崩れた前走は度外視でOK。(4)ブライトエンジェルもハマれば面白いタイプです。騎手対抗戦で起こりがちな乱ペースになれば見せ場も。
●10Rの買い目
馬単(7)=(6)、(7)=(3)、(7)=(1)、(7)=(4)
続いて『2020地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ第2戦』はダート1600m、発走は17時35分です。
本命は(4)カフジリブラを採りました。3歳重賞では一線級に阻まれたとは言うものの3歳世代の中では上位の力を持っているのは明白です。対古馬になって3歳戦より流れが速くなっているのもこの馬には好都合。ここでも主力視が妥当でしょう。
対抗は(7)ララチャン。着順は一進一退ですがここのところ力をつけてきている印象で、C2でも勝ち切れず燻っていた昨年の今頃のイメージはもうありません。勝っても負けても僅差、という面は残っているかもですが最近の走りはここで上位評価できるものです。
三番手は(5)レッドダニエルを狙います。しんがり負け→快勝→ブービー負けと上下が激しい近走ですが力負けと言うよりは展開が合わなかったから・・・でしょう。マイルあたりでの手堅さは健在。
以下、差し馬台頭の展開になった場合を考慮してヒモは(3)ブライトンテソーロ、(11)スマートレジェンド。千八や千四では持ち味を活かしきれない馬で、それぞれの末脚はマイルでこそ。波乱なら出番あり。
●11Rの買い目
馬単(4)=(7)、(4)=(5)、(7)=(5)、(4)=(3)、(4)=(11)
昨日に続き、「第33回マイルチャンピオンシップ南部杯」の話です。
アルクトスは父アドマイヤオーラ、母父シンボリクリスエス。これは父母が逆だが、2018年の南部杯を完勝したルヴァンスレーヴに近い血統構成。
デビュー2戦目の東京ダート1600mを勝ち上がり、4戦目から鞍上が田邊裕信騎手。以降は一貫して同騎手とコンビを組み、昨年2着から1着。ついにG(Jpn)Iを手にした。
勝利騎手インタビューで田邊騎手はこう答えた。「早い時期からコンビを組ませてもらい、先生(栗田徹調教師)と試行錯誤をしながら大きいタイトルを獲りたいと思っていましたので、すごくうれしいです。昨年2着でしたが、今年はさらに濃いメンバー。よく勝ってくれました。一段ずつ階段をあがって、ついに上り詰めましたから感慨深いものがあります」
栗田徹調教師も同様のコメント。「昨年の雪辱を果たしましたが、うれしい気持ちより馬に感謝、かかわった方々に感謝の方が大きいです。昨年まで体質が弱くピンポイントでしかレースを使えませんでしたが、今年は体質強化。レースを使いながらローテーションを組めるようになりました。昨年2着後は歯がゆいレースが続き、力の足りなさをどう克服するか。調教メニューを変えたりした結果、それでワンランク上がることができたと思います」
アルクトスは昨年、プロキオンS優勝直後に南部杯へ参戦。これで今後のメドが立ったかと思ったが、フェブラリーステークス9着はともかく、かしわ記念4着、エルムステークス6着。自身の壁に突き当たった感じだったが、今回の南部杯でついに超越した。
レース前は次走に武蔵野ステークスを考えていたそうだが、今回の勝利で59キロを背負うのは確実。540キロを超す大型馬でもさすがに酷量。チャンピオンズカップへ向かう可能性が高い。あせらず次走決定を待ちたい。
18日メインは岩手2歳・三冠の一冠目「第40回若駒賞」(盛岡ダート1600m)。出走馬が相次いで回避し、6頭立て。順当戦と見ていいだろう。
リュウノシンゲンはサマーセール出身馬。デビュー戦、2戦目を完勝し、芝重賞・若鮎賞へエントリー。同僚マツリダスティールへ戦いを挑んだが、初芝がこたえて3着。その後、マツリダスティールは2歳交流・ジュニアグランプリも完勝し、敗戦も仕方なしだった。
続くビギナーズカップではそのマツリダスティールに雪辱。前走も順当に勝ち、ダート4戦4勝。ダート戦では敵なしをアピールした。
菅原勲調教師「まだ弱いところがあるので完成は先だが、それで勝つのだから能力は相当レベル」とビギナーズC優勝コメント。今後も熱い視線で追いかけたい。
シラカミロードはシビルウォー産駒。デビュー戦は850mが忙しすぎて5着に終わったが、2戦目を6馬身差で圧勝。以降も2、3着にまとめ、前々走6着から前走3着。直線で鋭く伸びて見せ場を作った。
スロースターターのためエンジンのかかりが遅いが、なおさら1600m延長は大歓迎。まだムラなところはあるが、仮にリュウノシンゲンに土をつけるとしたら切れ勝負に持ち込んだとき。
リュウセイオジョウはデビュー戦を逃げ切り勝ち。父がエスポワールシチー、母はエイシンサンディ産駒で北海道1勝、南関東5勝。ダートを走る素地が十分あった。いきなり1600mは厳しい条件だが、少頭数なら自分の競馬に徹することができるはず。
スラストリバーサーはデビュー3戦目の門別1200mを快勝。岩手2戦とも着外は意外だったが、今回で左回りも3度目。巻き返しに転じて不思議はない。
グランフェデリーゴは2着2回が最高。尻すぼみ気味の成績が気になるが、タイムはスラストリバーサーと互角。押さえは必要だろう。
◎③リュウノシンゲン
○①シラカミロード
▲②リュウセイオジョウ
△④スラストリバーサー
△⑥グランフェデリーゴ
<お奨めの1頭>
2R リョウランハート
転入2戦目を1秒3差で圧勝。走破タイムも文句なしだった。相手強化感もなく、2連勝もらった
先週12日、盛岡ダート1600mを舞台に行われたJpnI「第33回マイルチャンピオンシップ南部杯」はアルクトスが快勝。4角先頭に立ったモズアスコットとの叩き合いを制し、1分32秒7の驚異的レコードを樹立した。
当日4Rあたりから雨が降り始め、レース直前には大粒の雨。これで一気に馬場が締まり、高速決着が確実となったが、それにしても1分30秒を切ったことには驚いた。
過去のダート1600m日本レコードは2001年、武蔵野ステークス(GIII)でクロフネがマークした1分33秒3。ただ、このレコードは東京競馬場の改修前。現行の競馬場では2016年、コパノリッキーが南部杯=盛岡競馬場でマークした1分33秒5が最高だった。
伏線は激しい雨にあった。過去、重馬場、不良馬場で行われた南部杯は過去3度。1998年、メイセイオペラ(1分35秒1)。2003年、アドマイヤドン(1分35秒4)2007年、ブルーコンコルド(1分36秒4)。
今回の発表は稍重だったが、パドック頃から大粒の雨。発走時はほぼ重馬場だったと思うが、メンバーもG(Jpn)Iホースが6頭。アルクトスはGIホースではなかったが、レースレベルが高かったことも日本レコード更新を後押しした。
興味を持って調べたら世界レコードは1996年、アルゼンチン・ブエノスアイレスにあるパレルモ競馬場でリンコンアメリカーノがマークした1分32秒2。もしかだが、条件がそろえば盛岡競馬場で1600mの世界レコードが出るかもしれない。
17日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「復興祈念 夢あふれる未来へ」(B2一組 盛岡ダート1800m)。距離対応が最大ネックとなる。
フィールドシャルムは中央芝1勝・1000万下に在籍し、園田B1から転入。C2編入にも恵まれて3連勝を飾ったが、その後は足踏み。直線で差を詰めたレースが続いたが、前々走3着で再び上昇。1800mに替わった前走を快勝。出遅れながらも鮮やかな直線抜け出しを決めた。
全馬が1800m戦で3着すらない中、フィールドシャルムは前走を含めて2勝、そして3着2回。今回は距離実績が最大強みとなる。
ゼットオラシオンは強烈な末脚が武器。前半で置かれるため届かないケースも多いが、前走はフィールドシャルムに先着2着。1800m実績はないが、盛岡で初連対を果たして上昇ムード。
デルマロンシャンはいい脚を長く使えるのが持ち味。勝ち味の遅さがネックだが、近3走2着。直線でしっかり台頭し、連対を確保した。決して1800m歓迎とは言えないが、じり脚タイプなら克服十分。
シャイニーキャットは昨年未勝利に対し、今季4勝。前々走は差しに転じて快勝し、前走は先行策から4着。夏を越して本調子を取り戻してきた。1800mは長いが、差しタイプが多く展開有利は明らか。マイペースに持ち込んで粘りを発揮する。
ティーアウリイは前回快勝。出遅れながらも好位追走から抜け出しを決めた。こちらも先行できるのが強み。加えて関本玲花騎手が騎乗し、50キロの軽ハンデも魅力。2連勝まで考えられる。
トーセンワンピースは前回快勝。手薄なメンバーだったが、これで弾みついたのは確実。ノーマークにできない。
◎⑦フィールドシャルム
〇⑤ゼットオラシオン
▲③デルマロンシャン
△⑥シャイニーキャット
△⑧ティーアウリイ
△②トーセンワンピース
<お奨めの1頭>
5R マツリダスティール
北海道勢を完封してジュニアグランプリを完勝。地元同士なら57キロを背負っても実力断然。順当に勝利を飾る
10月10日に行われた芝1000mの準重賞『ハーベストカップ』はこれが転入2戦目のツーエムマイスターが優勝。岩手転入後2連勝となりました。
スタート直後のハナ争いを制したツーエムマイスターは2番人気ナリタスターワンらを従えたまま直線へ。最後は外からコスモペリドットが追い上げてきましたがツーエムマイスターもまだ余力を残しており、1馬身差を守ったまま逃げ切りのゴール。前走のダート1000m戦に続いての転入後2連勝を準重賞勝ちで飾りました。次走はOROターフスプリントに向かう予定です。
10月12日のメインレースは第11R、ダートグレードJpnI『マイルチャンピオンシップ南部杯』。例年だと体育の日、祝日に行われている南部杯ですが今年は本来夏に行われている予定だった東京オリンピックに伴うカレンダーの変更で平日になりました。お仕事があってネットでも観戦しづらい・・・という方も多いでしょうが、ぜひお忘れなく、お見逃しなく楽しんでいただければ幸いです。発走は17時30分です。
さて南部杯、本命は(9)ワンダーリーデルとしました。重賞戦線に挑むようになったのは6歳になってから、勝ち星はG3までと今回のメンバーに入ると実績で見劣るのは否めませんが、しかしフェブラリーS4着などこの辺のメンバーでも通用していい力は見せてきてもいます。昨年の武蔵野Sの勝ち馬。9番人気という人気薄ではありましたが府中ダートマイルの重賞で勝ちきったという実績なら南部杯の勝ち馬候補になる資格はあるでしょう。
対抗は(11)サンライズノヴァ。ちょうど今年のワンダーリーデルもそうなのですが、昨年の南部杯参戦時のサンライズノヴァは重賞で勝ち負けをしているもののG1では勝ち切れず・・・という実績の段階でした。そこから南部杯を勝って、その後の勝ち星こそプロキオンSの一つに留まっていますがいまやダートグレード界で押しも押されもせぬ実績馬の一頭に。そしてそのプロキオンSも南部杯との関連性が近年高まっている重要な一戦であり、それを勝って挑む今年は昨年以上の臨戦過程と言っていいでしょう。
三番手は(14)アルクトス。昨年野このレースで2着になって以降は3戦しかしておらず連勝で挑んできた昨年ほどの勢いは無いというしかありませんが一線級と戦える地力は付けてきている印象。相性が良いコースで変化に期待。
(16)ゴールドドリームはこれが4度目の南部杯挑戦。過去の成績は5着・2着・3着と常に上位を争ってきています。そこで勝ち切れない所が相性の悪さという印象もありますが過去実績は侮れず。(5)モズアスコットは根岸S・フェブラリーSと連勝した頃の勢いが戻っていれば。あとは調子を上げてきた(13)ヒガシウィルウィンを。
●11Rの買い目
馬単(9)=(11)、(9)=(14)、(9)=(16)、(11)=(14)、(9)=(5)、(9)→(13)
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