先週から舞台は水沢競馬場に替わった。コース替わりのときは頭数減少の傾向があるが、特に先週は顕著だった。理由は暑さ。ニュース、天気情報などでご存じの方も多いと思うが、今年の北日本、岩手は異常な猛暑。24日(木)、岩手県県北・岩泉町で36・4度を記録したが、県内6か所で35度を超す猛暑日。
岩手ではお盆が過ぎると朝晩の気温が下がり、最高気温も徐々に下がっていくのだが、今年は明らかに異常気象。競馬にも影響しないわけがなかった。ただでさえ暑さに弱いのがサラブレッド。全身を毛で覆われているため、人間以上に暑さがこたえる。
ただ今週はフルゲートとは言えないが、頭数増加にホッとした次第。もちろん油断はできない。自分のも言い聞かせているが、何とか猛暑を無事に乗り越えてほしい。
先週は2歳重賞「第41回ビギナーズカップ」(水沢1400m)が行われ、単勝100円元返し、圧倒的1番人気にこたえてフジユージーンが2馬身半差で完勝。デビュー後、無敗3連勝を飾った。
レースはリトルカリッジが逃げ、2番手にシングルモルト、3番手外にコンバットスプーン。フジユージーンは初めて控える競馬を試みたが、陣営の予定どおり。あとは3コーナーから徐々に進出に入れ、4コーナーでリトルカリッジに馬体を併せる。ダート2連勝リトルカリッジも渋太く粘ったが、直線で力強く抜け出して2馬身半差。世代ダートでトップを確定させた。
村上忍騎手「元々、スタートダッシュがいいタイプではない。こういう(控える)競馬にもいい感じで対応できた。新馬戦で水沢850mを圧勝したが、1周する今回の水沢1400mを乗ってみると、広い盛岡コースの方が合うと思う。距離が伸びても問題ないので、今後も非常に楽しみです」
瀬戸幸一調教師「デビュー戦で能力の高さを確信していたので、予定どおりの勝利。控える競馬にも対応して、うまく勝ってくれた。去年、フジラプンツェルが使い詰めでしたからね。フジユージーンはレース間隔を開けて行こうと決めていた。次走はネクストスター盛岡へ直行します」
今年のビギナーズカップは5年ぶりの水沢1400m戦。過去4回は盛岡ダート1400mが舞台だったので単純なタイム比較はできないが、1分28秒6は優秀。水沢1400m戦のレースレコードは2013年、ラブバレットの1分27秒3だが、同馬は後に短距離ダートグレードで大活躍した。
加えて前走比プラス9キロの体重増も影響した印象がない訳ではなく、まずは順当に重賞獲得を喜びたい。新設の1000万レース・ネクストスター盛岡は盛岡ダート1400mが舞台。村上忍騎手のコメントどおりでもあるし、跳びが大きくコース広い盛岡向きは明らか。次走・ネクストスター盛岡に注目してほしい。
最後に山本聡哉騎手の近況報告。ご安心ください。無事手術は成功。除去部分に他箇所から細胞を取り、補充した。あとは回復を待つのみだそうです。
今週の岩手競馬
8月27日(日) 「第49回ビューチフルドリーマーカップ」(牝馬地方競馬前項交流 水沢2000m)
8月28日(月) 「スプリント特別」(オープン 水沢850m)
8月29日(火) 「第46回すずらん賞」(準重賞 水沢1600m)