先週は注目レースの3連発。7月30日(日)は地方競馬全国交流「第45回せきれい賞」(盛岡芝2400m)。1番人気はトライアル・かきつばた賞を快勝ゴールドギアだったが、4番人気ヴィゴーレが快勝。大井4度目の優勝を果たした。
矢野貴之騎手「今回で騎乗2度目だから、前半はリズムを優先。難しいことは考えず馬の行く気にまかせた。ロードクエストが早めに動くだろうと思っていたが、内から来られたのは想定外。ですが、目標とする馬がいたので、いい位置で競馬ができた。直線入り口まで手ごたえが良かったので、大事に追い出せば勝てると思った。せかしていいタイプではないし、跳びが軽いので芝2400mも合いましたね。暑い中、このレースへ向けてスタッフがしっかり仕上げてくれたので自信を持って乗ることができました」
高野毅調教師「2ヵ月ぶりの実戦を叩いて、このレースを使うのは予定どおりのステップ。2歳時にGI・ホープフルステークスに挑戦するぐらいですからね。芝適性があると確信していた。元々、スタートがあまり良くないタイプなので、芝2400mも合ったと思います。まだ勝ったばかりですから、今後については白紙。馬の状態と相談しながら、じっくり考えたい」
ヴィゴーレのオーナーは前田幸治さんで中央3勝クラスから南関東へ移籍したキズナ産駒。おそらく愛着が強いのだろうと思う。地方芝だったとは言え、重賞初制覇はとてもうれしかったに違いない。
翌31日(月)はビューチフルドリーマーCトライアル「第24回フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。ゴールデンヒーラー、まさかのエントリーだったが、シアンモア記念6着、みちのく大賞典8着に凡走。陣営は背水の陣で臨んだが、復活劇を演じてくれた。
山本聡哉騎手「負けられない一戦だったが、不安材料がない訳ではなかった。今回は半信半疑で臨んだ。返し馬の感触がもう一つでしたし、スタートで出遅れて内に包まれる競馬になったが、逆にやる気が出た感じ。闘志に火がついて最近にはない強いレースをしてくれた。次につながる内容だったと思います」
佐藤祐司調教師「横を向いたときにゲートが開いたので出遅れた。久々に包まれて嫌気が差さないか心配でしたが、力強く抜け出してくれた。(ゴールデンヒーラーのレースで)こんなにハラハラしたのは初めて。圧勝してくれてホッとした。今後については昨年と同様、青藍賞から南部杯を考えている。あくまでも予定だが、盛岡1600mがベストの舞台ですからね」
岩手競馬リリースにもあったように山本聡哉騎手は翌日からリタイア。右手中指の手術をする。一日も早い復帰を待ちたい。
8月1日(火)は今シーズン第一弾の2歳重賞「第24回若鮎賞」(盛岡芝1600m)。盛岡芝を経験したのはセイバイラック1頭のみ。人気はデビュー2連勝リトルカリッジに集中したが、8頭立て(1頭取り消し)8番人気のユウユウププリエが快勝。単勝1万2600円、3連単58万1560円の特大万馬券が飛び出した。
菅原辰徳騎手「先生(佐藤祐司調教師)ときゅう務員さんが芝が合うと挑戦を決めたのがベストな選択。そのおかげで勝つことができました。実際、ダートの時よりも前に行きましたから、道中は脚を貯めてレースを進めた。直線に入っても手ごたえが良く、思い切って外に出したら伸びてくれた。自分も昨年のイーハトーブマイル(フジクラウン)以来の重賞でしたから、とてもうれしいです」
佐藤祐司調教師「大好きな形の馬だが、全然、走らなくてタイムオーバーのレベル。何でかなと思って芝を使ってみようと決めたが、動きが一変した。こういうことってあるんですね。芝が合うことが分かったのでレース間隔は開くが、ジュニアグランプリを目指したいと思います」
競馬は実際に走ってみないとわからない。それを端的に表すレースとなった。
今週の岩手競馬
8月6日(日)「第36回やまびこ賞」(3歳 盛岡ダート1800m)
8月7日(月)「夢・希望・未来へ前進」(B1級三組 盛岡ダート1600m)
8月8日(火) 「マルカブ賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)
暦は8月に入って1日の盛岡競馬は、今季最初の2歳重賞『若鮎賞』をメインレースとして、若手騎手の戦い『ヤングジョッキーズシリーズTR盛岡』も行われます。
いやしかし毎日暑いですね。盛岡も毎日30度を超える気温と厳しい日差し。西日本ほどではないのでしょうけども、まだ8月にもなっていないのにこの暑さ、そして残暑も長いだろうな・・・と思うと気が重くなりますね・・・。
とはいえこれで冬になったらなったで夏の暑さが恋しくもなるでしょうし、今は真夏らしさを楽しんでおくのが正解なのかもしれません。くれぐれも熱中症はじめ身体には気をつけて・・・
さて、ということで今回は予想を3レースいきたいと思います。まず『ヤングジョッキーズシリーズTR盛岡第1戦』、ダート1200mの14頭立て・10Rで発走は17時ちょうど。このレースの本命は(9)イキザマを採りました。
岩手転入後は水沢850m戦~盛岡1000m戦と短距離を転戦。いったんマイルに挑みましたがまた短距離路線に戻って前走の1200m戦で今季初白星・・・というのがここのところのローテーション。1400mあたりも十分にこなしていますが短距離の方がより好成績と言える戦績でもあり、直近二戦の好走にも不思議なものは感じません。
前走は"止まらないコース"をうまく掴んで逃げ切ったという面は確かにあるでしょうが、先行争いを凌いでそのポジションを取りきるだけの力があったからこそ勝利に繋がったはず。同型も少なくない今回ですがそれでも、の狙いで。
対抗は、先行勢が競り合ってくれればやりやすくなる(8)タニマサベーカ、3番手も同様の理由から(12)ポワンテュを。
以下もペースが速くなってくれた方が戦いやすい(13)チスジ、短い距離の方がひと息で押し通せる(14)アントウェルペン。騎手対抗戦はえてして先行激化・ハイペースになりがちで、今の盛岡の馬場はそれでも良い位置を取った逃げ馬が有利だとは感じますが、ペースが激化すればこの辺が穴にもなるでしょう。先行-差しの組み立てで。
●10Rの買い目
馬単(9)=(8)、(9)=(12)、(8)=(12)、(9)=(13)、(9)=(14)
『ヤングジョッキーズシリーズTR盛岡第2戦』はダート1600mに変わります。11R、発走は17時35分。本命は(7)ラヴベローナとしました。
6月に転入して勝ち星こそまだひとつですが水沢から盛岡へ、距離も1400mから1600mへと条件を変えつつ連続好走しているあたりに地力の高さを感じます。勝ったのは水沢1400m、盛岡に来てからの2戦は2着ですが、久しぶりの左回りに勘を取り戻していた段階だと思えば・・・ですし前走などは高速決着すぎた感も。むしろ前走くらいやれるのなら、今回のライバルたちは意外と盛岡マイル実績が薄めですから、前走の走りで強気になれるでしょう。
対抗は(2)ローガンマウンテン。こちらは岩手に来てからが初めての左回り実戦。今の時点では勝ち馬との差が大きめですが、コースが手の内に入りつつあるのなら距離に関しては実績豊富な馬。そろそろ大きく前進も。3番手は(8)ガマン。以前の在籍時には盛岡マイルで2勝の実績あり。この辺なら力が上といっていいキャリアを持つ馬ですからこちらもそろそろ大きく前進していい頃合いでしょう。
以下は穴っぽく、(13)ホープホワイトは距離はちょっと長いかもしれませんがC1なら地力上位のはず。芝の連敗で盲点になるなら押さえておきたい一頭。(14)ビクトリーカノンも直近の苦戦はB2級でのもの。時計での差は無いだけに展開向けば穴。
●11Rの買い目
馬単(7)=(2)、(7)=(8)、(2)=(8)、(7)→(13)、(7)→(14)
さてメインレースの12R、2歳重賞『若鮎賞』です。岩手での今季最初の2歳重賞は芝1600mの戦い。昨年のこのレースはダート変更になってしまいましたが、今年は、突然のゲリラ豪雨でもない限り芝で行うことができるでしょう。発走は18時15分です。
このレースの本命は(2)セイバイラックを採りました。
前走のデビュー戦は盛岡芝1000mで2着でしたが、勝ち馬の快速ぶりにしっかり対応して最後も差を詰めていたのですから内容は上々と言っていいでしょう。血統からすればもちろん距離が伸びてこそ。1000m→1600mの延長は確かに楽ではない課題になるでしょうけどもこの距離で本来の力を発揮できる馬と判断しました。
(7)リトルカリッジが対抗。デビュー戦、2戦目と強さを増すばかりの走りで前走など大差勝ち。現時点での2歳Top3の一角と言っていい存在です。父アジアエクスプレスということから対抗にしましたが、この時期の2歳戦は血統的な芝適性より地力の方が優るパターンが多い。芝はイマイチな血統だからと軽く見過ぎてしまうのは避けたいですね。
3番手はデビュー戦好内容の(9)リュウノダンマーム。あとは現状印上位馬とは差がある感じですが、軽い走りで芝で変わっていいと感じる(4)クルトゥルン、芝でこその血統の(3)ユウユウププリエ。3着以下は混戦の前提がベター。
●12Rの買い目
馬単(2)=(7)、(2)=(9)、(7)=(9)、(2)→(4)、(2)→(3)
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