先週18日は牝馬クラシック三冠目「OROオータムティアラ」(盛岡ダート2000m)が行われ、逃げの手に出たアップテンペストを徹底マークしたトーセンキャロルがゴール前で交わして快勝。ひまわり賞(オークス)に続いて牝馬二冠を獲得した。
山本聡哉騎手「優勝できてうれしいです。ひまわり賞では大きく減っていたが、今回はしっかり乗り込んでプラス体重。いい状態で臨めたと思います。アップテンペストは前回(やまびこ賞)強かったし、(ひまわり賞と)タイムも同じでしたから、アップテンペストをマークする形にした。勝負どころでは手応えがなくて、もしかすると負けるかもと思ったが、直線では前回同様、しっかり伸びてくれた。無事、本命に応えて勝ちましたからホッとしました」
佐藤浩一調教師「状態は間違いなく前回より良くなったと思う。体重も回復していましたからね。今日はペースが遅かったので、2番手につけたジョッキー判断がすばらしかった。ひまわり賞のように中団では絶対届かない。好騎乗だったと思います。二冠制覇が最大目標でしたから、次回以降のことはまったく考えていません。ただ、今日の内容を見れば2000mはちょっと長い感じ。1600mから1800mがベストだと思うので条件が合うレースをゆっくり選びます」
20日は2歳重賞「第42回若駒賞」。当初予定は芝1600mだったが、馬場状態の悪化によりダート1600mで行われた。優勝はケープライト。逃げたフユノソラの3番手インを追走し、直線抜け出しを決めて快勝。初の重賞制覇を果たした。
山本聡哉騎手「前回(若鮎賞)、出遅れたので砂を被らせる競馬をやってみたが、問題なかった。スタートが速ければ行っても良かったし、周りが行くなら控えてもいいと思った。3、4番手イン追走は想定内の位置。スローの流れだったので、脚を貯めることができたのも好走要因。直線で逃げている馬(フユノソラ)がフラフラしていましたし、今日は内が重い傾向なので外に出したかった。それも勝因だったと思います」
佐藤浩一調教師「前回の若鮎賞、今回の若駒賞と連続でダート変更になったが、芝を使ってみたかった―が本音。一度、芝で敗れているが、違う結果を見たかったというのが正直なところ。とはいっても重賞を勝ってくれましたらね。前々日(OROオータムティアラ)と同様、ジョッキーがうまく乗ってくれたし、これだけ仕上げてくれたスタッフのおかげ。今後はジュニアグランプリが最大目標と考えています」
28日メインはC1特別「姫神賞」(盛岡芝1600m)。盛岡芝の経験有無、降格馬、上がり馬などが入り混じり、非常に難解な一戦となった。
ホープホワイトは2歳新馬(福島芝1200m)を快勝し、小倉2歳Sに駒を進めて9着。その後も芝1400mで3着2回の成績を残して岩手入り。獲得賞金からA級へ編入したが、重賞・栗駒賞で4着に健闘した。
盛岡に替わって芝1本のローテーションを組んで7、4、2着。B1・浜木綿賞好走で盛岡芝にも慣れたことを証明した。今回は2ヵ月ぶりの実戦だが、前開催は芝レース全休。その間にB1からC1へ降格し、メンバーが大幅に弱化。好走条件がそろった。
ジェミニテソーロは中央芝2着1回3着3回。今年春に園田入りしたが、ダートが合わず4着最高。中央時代にも一度ダートを使ったが、大敗を喫し、明らかに芝向き。初戦のC1・芝1600mは8着に終わったが、置かれすぎたのも敗因。しかしメンバー最速の上がりを駆使し、盛岡芝2度目で反撃に転じる。
ホウショウエポックは中央芝1800m(新馬)2着、芝1600m2着。岩手転入後も堅実さを発揮し、芝でも5戦2着2回3着1回。3走前も休み明けをはねのけて2着を確保した。詰めが課題だが、適性上位。
チャオコーリーは中央芝で3着2回。岩手でもC1だったが、芝1700mで3着の実績。近走は精彩を欠いているが、芝で一変の可能性がある。
トーセンアレックスは園田代表で3歳芝交流・オパールカップへ参戦して3着。ほかに2着1回3着1回と盛岡芝が合うのは証明済み。
フィーユブランシェは盛岡芝2勝2着2回。マイペースの逃げに持ち込むと粘りを発揮する。大外が痛かったが、それでも強気に攻めて逃げ残りを狙う。
◎③ホープホワイト
〇②ジェミニテソーロ
▲⑨ホウショウエポック
△④チャオコーリー
△⑦トーセンアレックス
△⑫フィーユブランシェ
<お奨めの1頭>
1R トミケンエンデレア
A級からC2降格戦を圧勝。スピードの違いを見せつけた。1000m短縮でも追いかける手