まずは先週の重賞回顧から。12日、盛岡ダート1600mを舞台に行われた南部杯トライアル「第29回青藍賞」はヒガシウィルウィンが快勝。堂々の2連覇を飾った。
ただ、決して本調子ではなかった。久々だったが、マイナス10キロ。菅原勲調教師も「休み明けで気が入っていなかった。南部杯の権利を取ったが、現時点では白紙。まずは悪かったところを直すのが先決。状態を見て次走を決めたい」とコメント。
昨年もそうだったが、昨年8月、休養から岩手入り。初戦の準重賞・すずらん賞は追ってからの反応がひと息。勝つには勝ったが、陣営の表情が渋かったことを思い出す。また今年春の赤松杯も粘りを欠いて5着だった。ヒガシウィルウィンは元々が叩き良化型。まずは次走決断を心待ちにしたい。
14日はOROカップ・トライアル「第1回いしがきマイラーズ」(盛岡芝1600m)。主役不在で混戦ムードが漂っていたが、ナイトオブナイツが直線の叩き合いを制して2着リンシャンカイホウにアタマ差で優勝した。
ナイトオブナイツは中央芝6勝、南関東A1級を経て転入。芝1本でローテーションを組み、交流・せきれい賞2着、前走・桂樹杯2着。常に勝ち負けを演じてきた実力が最後はモノを言った。
高橋悠里騎手「3走とも乗せてもらったが、仕掛けどころが難しいタイプ。せきれい賞は3コーナーからスパートをかけたが、決め手の差が出て2着。桂樹杯はロワアブソリューをマークして、しのぎあいには勝ったが、後ろから(マスターコード)に差されてしまった。追い出してからの反応はいいが、じり脚タイプ。今回はその反省を踏まえて結果を出すことができました」。
次走はもちろんOROカップ。三野宮通調教師「今回の1600mは正直、短い。100mでも延長されるのはこの馬には好材料のはず」。健闘を祈りたい。
19日メインは3歳馬による準重賞「第7回はまぎく賞」(盛岡芝1700m)。今年、3歳重賞へ再格上げされたサファイア賞(芝2400m)トライアルだが、好メンバーがそろって楽しみな一戦となった。
キーチャンスは中央4戦0勝から転入。初戦を1秒差で圧勝し好発進を決めましたが、その後は3戦は足踏み。しかし前々走の盛岡ダート戦で首位を奪い返し、JRA未勝利との条件交流戦へ挑戦。中団キープから直線鋭く抜け出して4馬身差。周囲をアッと言わせました。元々、小柄な牝馬で陣営は芝向きと踏んでいたが、それにしても強さが際立つ一戦。走破タイム1分45秒1も非常に優秀で準重賞制覇に王手をかけた。
トーセンアレックスは中央芝2、3着1回から園田へ移籍。2戦目を快勝したが、続く2戦は着外に終わり、3歳交流重賞・オパールカップへ参戦。先行馬2頭で決着したが、中団からインを突いて進出。3着に健闘した。帰郷戦は2着に終わり、岩手入り。盛岡芝を狙ってはまぎく賞、サファイア賞の路線を歩む。ここでは実績上位は明らか。こちらを主軸視する手も十分。
エムワンハルコも芝で反応が一変。はまなす賞で圧倒的1番人気に支持されたマツリダスティールを交わして優勝。続くJRA交流2戦でも3着を確保した。たっぷり休養を取ってここに照準をピタリと合わせた。
ラインプリンスは中央芝2着3回から転入。初戦の芝で1番人気に支持されたが、伸びを欠いて3着。初コースに酌量の余地があり、コース2度目で反撃に転じる。
フェイトリッパーは転入前2戦こそ凡走したが、それ以前は安定した取り口を披露。先行力もあり、軽視できない。
ラズベリーラバーは中央1勝クラスでもソコソコの結果。岩手1勝を芝1600mでマークなら警戒必要。
◎③キーチャンス
〇⑨トーセンアレックス
▲④エムワンハルコ
△⑩ラインプリンス
△①フェイトリッパー
△⑧ラズベリーラバー
<お奨めの1頭>
3R リリーホワイト
転入戦は2着に敗れたが、走破タイム優秀。メンバーが緩和され、今度は首位を譲れない