8日メインは南部杯トライアル「第27回青藍賞」(盛岡ダート1600m)。
まずは創設に至った経緯をお伝えしたい。3歳馬が古馬編入する時期は各馬が違っていた。一つの例で言うと3歳獲得賞金が800万円を越した場合、古馬B2へ編入するシステム。逆に達しない場合はシーズン最後まで3歳のカテゴリーで走ることができた。
3歳の最大目標はダービーグランプリ。今も同様だが、ダービーグランプリまで古馬へ挑戦するケースはほんの少し。桐花賞で上位3歳馬が挑戦する形が本流だった。
青藍賞は1993年に創設され、開催時期も8月15日。翌年から9月から10月に移行したが、3歳馬の早期、古馬挑戦をうながした。青藍賞は"青は藍より出でて藍より青し"の命名されたのは以上の意味から。強い古馬と戦って地力強化してほしいの願いが込められていた。
現在は南部杯トライアルに位置付けられ、年齢のヴァリエーションが大きいが、4歳馬優勝7頭、3歳優勝1頭(マヨノエンゼル)と若駒の活躍が目につくのは設立目的から合致している。
昨年の南部杯はダート王ゴールドドリームに3歳馬ルヴァンスレーブが果敢に挑戦して完勝。強い3歳世代のトップを突っ走った。いつの日か青藍賞を制し、南部杯でも上位を争える3歳馬誕生を期待している。
ロジストームは父がアンブライドルズソング、母父ストームキャット。芦毛の遺伝子、550キロを越す大型馬は父から受け継いだに違いない。そして母父がストームキャット。祖母はGI3勝を含めて7勝。カルティエ賞最優秀3歳牝馬にも選ばれ、期待のほどが十分うかがえる。
福島芝2000m・2歳新馬戦を勝ったが、4戦目の後に骨折が判明。1年8ヵ月の長期休養を経て南関東で復帰。3戦目から4連勝を飾り、素質の片りんをうかがわせた。
昨年4月、岩手入りして初戦の赤松杯でベンテンコゾウの2着を確保し、上々の滑り出しだったが、脚部不安のためにリタイア。8月に復帰を果たして12月の白嶺賞を逃げ切り勝ち。初重賞を獲得した。
その後、南関東で2戦を使って再転入。赤松杯、シアンモア記念と重賞2連勝を飾り、3ヵ月半の休養から復帰戦を完勝。完全本格化を迎えたと解釈して間違いない。
一度叩いて青藍賞は陣営の青写真どおり。盛岡ダート1600mでメンバー最速の1分37秒0も強気にさせる。
ハドソンホーネットは今年5月、3度目の岩手入り。あすなろ賞、一條記念みちのく大賞典を制した。特にみちのく大賞典では2010年、マルヨフェニックスが樹立した2000mレコード2分5秒3を大幅更新。2分4秒7をマークした。
マイルはロジストームの庭ともいえる条件だが、過去にマイル6勝と適性は問題なし。放牧先でしっかり乗り込まれ、ぶっつけでも勝利するシーンまで十分。
ダイチラディウスはこれまで順調に使えなかったが、今季は5戦3勝2着1回3着1回。トライアル・すずらん賞を6馬身差で圧勝した。同じ盛岡ダート1600mで再現をもくろむ。
エンパイアペガサスは昨年の覇者。マイラー・ベンテンコゾウをパワーでねじ伏せ、地力上位をアピールした。今季は1勝のみと精彩を欠いているが、ここ一番では格がモノを言う。
キングジャガーは4戦連続2着。すずらん賞はダイチラディウスに1秒差、前走はロジストームに0秒7差と完敗だが、先行粘りは健在。有力馬がけん制しあえば侮れない。
◎⑩ロジストーム
〇⑥ハドソンホーネット
▲⑤ダイチラディウス
△②エンパイアペガサス
△⑧キングジャガー
△①グランユニヴェール
<お奨めの1頭>
3R ロマン
2戦連続2着は相手が強かった。メンバーに恵まれた今度こそ首位を奪取する
村上忍騎手がやってくれました。9月4日(水)、園田競馬場で行われた通算2000勝以上のジョッキーに権利が与えられる「第28回ゴールデンジョッキーカップ」へ、岩手から村上忍騎手が出場。
選ばれた12名の勝利数を計算してみてビックリ。47266勝!もちろんレジェンド・的場文雄騎手が大きく貢献したと思うが、一人平均3938勝。村上忍騎手は出場時点で3265勝(JRA1勝を含む)だから、いかに凄いジョッキーが出場したかが一目瞭然だった。
その中で村上忍騎手は第1戦10着(3ポイント)、第2戦5着(10ポイント)。全3戦中第2戦まで9位タイ(13ポイント)だったが、最終第3戦で鮮やかな逃げ切りを決めて20ポイントを獲得。合計33ポイントとし、2位・的場文雄騎手(大井)に2ポイント差をつけ見事、逆転優勝を果たした。
村上忍騎手「第2戦終了時でトップとのポイント差はあまりないと聞いていました。第3戦はいい馬に当たっていたので、優勝はともかく、上位を狙えるだろうなとひそかに期待して臨みましたが、こんなにうまくいくとは思ってもいませんでした。今回の優勝は自分にとっても非常に大きい。今後の自信につながりますし、明るい話題を提供できてとてもうれしい」
現在、岩手リーディングジョッキー首位を突っ走る村上忍騎手の今後の活躍にも注目してほしい。
7日メインはC1「夏油賞」(盛岡ダート1400m)。前走マイルを使った組、850mを使った組、水沢1400mから臨んできた組が入り混じり、比較が難しい一戦となった。
アポロノホウリンは昨年A級から今シーズンはC2へ一気に降格。2戦目から破竹の5連勝をマークしたが、以降は7、2、4着。リズムを崩した印象だが、前走・田瀬湖賞は内枠が災い。砂を被って後方からの競馬を強いられたのが痛かった。
今度は8頭立て6番枠なら内にいる馬の動向を見ながらレースを進めることができ、本来の実力発揮。過去6勝とベストの1400mで首位を奪回する。
アナザフォーは前走8着でシーズン連対が7でストップしたが、気配落ちなし。距離も長かったか。今度は実績高い1400m戦。いい脚を長く使えるのが最大持ち味。ペースも速くなりそうで展開も後押しする。
マジョリティーは水沢850m戦に臨んだが6着。最内からトゥルームーン、外からサンエイイーグルがハナを主張し、間に入ったマジョリティーには厳しい流れになってしまったのが敗因。今回はコースロスはあっても揉まれない外7番枠。自分の競馬ができれば巻き返し必至。
ヒロノカチドキは笠松から転入。スーパースプリント・850m戦だったが、直線でジワジワ伸びて3着。まずは上々の発進を決めた。今度は適距離に替わって追走も楽。左回りさえこなせれば上位進出。
サンエイスターダムは差しに転じて安定感。破壊力は薄れたが、直線で堅実に台頭しマーク欠かせない。
◎⑥アポロノホウリン
〇⑧アナザフォー
▲⑦マジョリティー
△④ヒロノカチドキ
△⑤サンエイスターダム
<お奨めの1頭>
4R リバイバルソウル
前走がデビュー戦。実戦を使った馬たちが相手だったが、天性のスピードを駆使して2着。大型馬が叩かれて今度は首位を奪取する
★重賞 ビギナーズカップ/転入初戦コパノキャリーが優勝
今シーズンの最初のダートの2歳重賞となったビギナーズカップ。久しぶりに盛岡競馬場で行われた今回は、門別競馬から転入初戦のコパノキャリーが先行押し切る競馬で優勝しました。
初コース・初左回り・初距離といういわゆる"初物づくし"で戦う事になったコパノキャリーでしたが、サンエイシャトルがかけ続けたプレッシャーにも屈する事無く最後までスピードを緩めません。最後はサンエイシャトルを2馬身振り切ってゴール。転入初戦V、そして門別時代からの自身初勝利を挙げました。なお2着にはサンエイシャトル、3着には最後追い上げたラブロックが入り、ここまでの3頭が若駒賞の優先出走権を獲得しています。
9月に入って2日月曜。今日のメインレースは10Rです。B2級ダート1200mの特別戦「セプテンバーカップ」。ここでの本命は(6)オリエンタルポリスに期待します。
各地を転々としながら7月に岩手に転入してきた本馬はクラスの関係もあってマイル戦のみ4戦。前走の水沢戦では初勝利を挙げており、ここでまず現級通用の力を見せました。そして距離に関してもJRA時代や以前の園田競馬時代には短距離線で好成績を残しており、1200mはもしかしたらやや短いかもしれませんが決して合わないとは思えない距離です。マイルで勝ったという事でこの距離での盲点になるのなら狙い目というべきでしょうし、1200mでどんな競馬を見せるのか?にも注目してみたい馬です。
相手は(4)コンバットパンチ。この馬もいろいろな距離を走ってきていますが、3走前になる騎手交流戦で6番人気ながら2着に食い込んだのが今回と同じ盛岡1200m。それで分かるとおり短距離適性は高いですし、混戦向きの意外性も兼ね備えているのでしょう。ここでも見せ場を作ってくるはず。
(8)メルトポイントも現級通用、いや上位の力を見せていますし距離経験も豊富。ただ門別での1200m実績は当地の距離体系によるもので、本来は1400mくらいが戦いやすい様な印象があります。ただここではスピード上位という見方もできるでしょう。外枠からすんなり流れを作れれば。
ヒモはまず(5)エイシンセレニティ。短距離線でスピードを活かす競馬を続けて勢いに乗ってきた感があります。これなら1200m戦再チャレンジも前のような事はなさそう。(1)ハルズハッピーはひと息後になる9歳馬という事でまずは当日の気配に注意。それに問題が無ければ、距離経験豊富なベテランの力を発揮してくれるでしょう。
●10Rの買い目
馬単(6)=(4)、(6)=(8)、(6)→(5)、(6)→(1)
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