★重賞 やまびこ賞/グレートアラカーが前走の雪辱果たす
5月4日に行われた3歳馬の重賞『やまびこ賞』は1番人気グレートアラカーと2番人気パンプキンズの、下馬評通りの一騎討ちに。2週目の3コーナーまで続いた接戦は、最後は楽に抜け出したグレートアラカーがパンプキンズを7馬身突き放して優勝。前走のスプリングカップで敗れた雪辱を果たしました。
3着はこれもゴール寸前まで接戦が続き、南関東から転入初戦リュウノボサノバが、同じく南関東から転入して4戦目のトーセンロブロイを抑えきって確保。これによりグレートアラカー、パンプキンズ、そしてリュウノボサノバの3頭が東北優駿の優先出走権を得ました。
さて5月5日のメインレースは古馬マイルの『シアンモア記念』です。昨年までは地方競馬全国交流として行われていましたが今年は岩手限定の条件に変わりました。そのために、という事では無いでしょうが、6頭立ての少頭数になってしまったのはちょっと寂しい気がします。
昨年のこのレースの覇者・ベンテンコゾウはその後南関東に移籍、そのベンテンコゾウを青藍賞で破っているエンパイアペガサスは、先日の笠松・オグリキャップ記念への遠征を選んだためここには不在。そしてそのエンパイアペガサスとの対戦に注目されていたチャイヤプーンも南関東に移籍。地元有力馬も次開催。1800mのあすなろ賞へ向かう馬が多く、マイルのここは"この距離でこそ"と狙ってきた馬が少なくなってしまった印象。出走6頭がどんなレースを見せてくれるのでしょうか?
しかし少頭数ながらも楽しみが無いわけではありません。本命はその期待の一頭(4)サンエイキャピタルとしました。
一昨年の7月に新馬戦を勝ったものの直後に体調を崩した事から休養にはいったサンエイキャピタル。しかし復帰初戦となった昨年6月のウイナーカップを11ヶ月の休養明けで完勝。さらには10月の3歳伝統の一戦・不来方賞ではチャイヤプーンとの大激戦を制してみせ周囲を驚かせました。その後軽度の骨折で再び休養に入ってこのシアンモア記念が再度の復帰戦という事になります。
つまり休養明けであり対古馬初戦、それがこのシアンモア記念なわけで、普通に考えたら楽な戦いではないと考えるべきでしょう。
ですが、これまでも何度も想像以上の走りを見せて周囲をあっと言わせてきた馬。それはデビュー当時「間違いなくこの世代のNo1」と言われた素質があってこそでもあります。今回もまた不安や心配を吹き飛ばす走りを期待したいもの。
実際の状態面も、昨年の不来方賞時ほどではないでしょうが、帰厩前から乗り込んで来たうえで態勢整ったという事での出走ですからひとまず不安なしと考えて良いでしょう。ここでどんな走りを見せてくれるのか、期待と注目の意味で◎。
対抗は(2)ロジストーム。昨年の今頃とは別の馬のような好成績が続くのは馬体重が550kg前後で安定してきたため。前走時の565kgはやや太めだったのかもしれませんが、あくまでも前哨戦、それを太め残りで完勝できた事はむしろ本番に向けた好材料だったとも言えます。
今や水沢マイルは最も得意とする条件にも。ベテラン古馬の貫禄と意地で4歳馬には負けられないところ。
三番手は(6)パーフェクトデイでどうでしょうか。直近の南関での成績は同じ時期に南関にいたロジストームと遜色ないものです。二度目の水沢戦なら前走よりも前進あって良いはず。
(1)イーグルカザンは赤松杯でしぶとい末脚を繰り出して2着。直前の笠松で勝っていたように11歳にしての状態の良さを活かした戦いを演じました。その前走が結果2着ながら非常に良い走りだっただけに同じ走りができるかどうか?になるのですが、それができればここでも再現まであり得るでしょう。そして(5)シークロム。2016年の青藍賞、同じ水沢マイルの重賞を勝っており地力はある馬。前走は1800m戦を逃げ切りましたが本来はマイルでも少し長いというタイプの快速馬でしょう。先行同型が多い事が逆にしぶとさを引き出してくれたなら、でしょうか。
●12Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)→(6)、(4)→(1)、(4)→(5)
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4月29日、水沢1600mを舞台に3歳牝馬交流「第19回留守杯日高賞」(水沢1600m)が行われ、川崎代表・グローリアスライブが圧勝した。
1枠に入り、村上忍騎手は逃げを主張。2番手ボルドーシエル、3番手につけたボルドープラージュも早めに動いたが、直線を向いてグローリアスライブが後続を突き放す一方。2着ボルドープラージュに9馬身差をつけて逃げ切った。
村上忍騎手「逃げ馬ではないけど、調教師の指示が内枠を生かしてほしい―でしたからハナを取る形になった。道中フワフワするタイプなので、遊ばせないように心がけたが、ここまで離して勝つとは思っていませんでした」
高月賢一調教師「いつも3~4コーナーで気を抜いたりするので、そこに気を付けてほしいと伝えたが、期待どおりに騎乗してくれた。
この馬はグランダムジャパンのポイントを持っていませんから、次戦は時間をかけて考えようと思っています」
返す返す残念だったのは岩手の切り札エムワンピーコの出走見送り。追い切りも消化したが、飼い葉食いが細く本来の体にないと判断。確かに休み明けで優勝したトライアル・あやめ賞もマイナス10キロだった。
ここで無理をすれば将来に大きく影響するのは明らか。苦渋の決断だったと思うが、5連勝中が能力の証。エムワンピーコを温かく見守ってほしい。
4日メインは新設重賞・東北優駿トライアル「第32回やまびこ賞」(M3)。距離が1900mならグレートアラカーが本命。スプリングカップ2着の雪辱を果たす。
デビュー戦の芝1000m3着から重賞・ビギナーズカップへ挑戦。キャリア不足が懸念され9頭立て5番人気に甘んじたが、4角先頭から完勝。スケールの大きさに周囲は驚いた。
続く若駒賞は内に包まれて伸び切れず3着。以降は休養に入り、スプリングカップで復帰。成長分もあったと思うが、プラス23キロ。加えて出遅れも響いて敗れたが、パンプキンズとの差は0秒1。今後に期待をつなげる内容だった。
これから始まる岩手クラシックロードはグレートアラカーが中心になるのは確実。トライアル・やまびこ賞をすっきり勝って弾みをつけたい。
パンプキンズは昨年終盤に本格化。重賞・寒菊賞を逃げ切り、初タイトルを獲得。今季2戦目のスプリングカップではグレートアラカーの追撃を封じ、重賞2勝目を手にした。
今回の最大ネックは当然だが、1900mの距離。スピードを身上とし、マイルまでが守備範囲の可能性が高いが、1周1200mの小回り水沢なら道中のペース次第。全馬が1900m未経験でスローの流れが確実。マイペースに持ち込んで逃げ粘る。
リュウノボサノバはデビュー2戦目から連続2着を確保し、4戦目で初勝利。勢いに乗って重賞・平和賞へ挑戦して6着に善戦した。
評価に迷うのは準重賞・ブルーバードカップ大敗だが、内に包まれて何度も首を上げ、戦意を喪失したと解釈。今回は8頭立てゆえ、揉まれる競馬にはなることはまずないはず。地区レベルを考えれば単までの可能性がある。
バイクミリオンは昨年、北海道未勝利から転入して2連勝。素質の片りんをのぞかせた。その後は足踏みだが、恵まれた馬体からはじけるのは時間の問題。タイプ的に1900mの長丁場が合い、ロングスパートを決めるか。
ポエムロビンは詰めが課題だが、大崩れしないのがセールスポイント。うまく立ち回れば馬券対象になれる。
◎②グレートアラカー
〇③パンプキンズ
▲⑤リュウノボサノバ
△⑧バイクミリオン
△①ポエムロビン
<お奨めの1頭>
10R ワンダーアビルマン
今季2戦目から圧巻の3連勝。前走も2着に1秒1差をつけて圧勝した。B1でも勝った実績があり、連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
3月23日から始まった水沢競馬も5月6日でひとまず終了。次週から新緑の盛岡に舞台が替わるが、ゴールデンウィーク後半は3日から6日までの4日間連続開催。
正直なところ馬場状態の激変に翻弄されたが、この4日間で何とか挽回したいところ。
改めておさらいするが、第1R、2Rは軽く流したい。まずは馬場状態の把握が先決。時計はかかっているか、高速決着か。
逃げ有利の馬場か、差しが届くか。これはメンバーにもよるが、どこを通ってきた馬が伸びるか。
先週は道中でインで我慢した馬が直線外に持ち出した馬が好走傾向にあった。直線の伸びもチェックしたい。大外が伸びれば差しも届くし、内を突いた馬が伸びてくれば基本は先行有利。
具体例で言うと5月3日第1Rは⑨セントオブウーマン。できれば逃げたいところだが、大外9番枠。⑥ポワンセティ、そして③アイルグレイスが先手を主張すれば3番手外からの競馬になる。
地力は明らかに上位だが、強引にハナに立つか、それとも無理をせず3番手外につけるのか。前残りなら⑥ポワンセティ、⑨セントオブウーマンのラインで決着するが、果たして結果はどうなるか。
3日メインはB1特別「石桜杯」(水沢1400m)。カギを握るのは距離適性と展開。
ハナを主張しそうなのは外枠でも⑧アルタモーダ。③ウインルーカスは無理をしないで2番手に控えるか。いずれにせよペースは落ち着きそうで、本命はウインルーカスとした。
ウインルーカスは昨年9月、中央未勝利から転入。初戦を圧勝し、続く3歳重賞・不来方賞5着。一戦置いて2勝目をマークし、最終戦の3歳準重賞・師走スプリントでミスティカルのタイム差なし2着に惜敗した。
今季はA級へジャンプアップしたが、2着を確保。古馬重賞・赤松杯はさすがに一線級相手で8着に終わったが、直後にB1へ降格。
今回はメンバー有利、水沢1400mの持ち時計上位。好枠にも入り、シーズン初勝利のチャンスと見た。
サクセスストーリーは北海道B2から岩手入り。C1編入にも恵まれ、連戦連勝。豪快なまくりで5連勝を飾った。
今季2戦は伸びを欠いて7、4着だったが、1600mが長かった。それを裏付けるように1400m短縮の前走2着。本来の切れを披露した。
本質的にはコース広い盛岡向きだが、短距離なら水沢もこなせるタイプ。折り合いさえうまくつけば一気突き抜けるシーンまで。
ユアザスターは門別1000m・2歳新馬勝ち。2勝後、重賞・サッポロクラシックカップ2着から中央入り。残念ながら未勝利に終わったが、ダート1200mで2着2回3着1回。近走タイムも上々だった。
切れ勝負型で小回り水沢対応がネックだが、実力は引け取らず。初戦から勝ち負けになりそうだ。
センティグレードは昨年11月、転入初戦のA級戦を完勝。今季2戦5、3着だったが、置かれたのが致命傷。脚を余して負けたが、前走・駒形賞を快勝。地力の高さをアピールした。距離短縮が不安だが、弾みついたのは間違いない。
ブラックリバイバルは南関東B2から転入。初戦は久々の影響で8着だったが、以降2、3着。岩手の水にも慣れてきた。
カリスマサンスカイは強烈な末脚がセールスポイント。追い込み脚質のため届かないケースも多いが、ハイペースなら直線台頭。
◎③ウインルーカス
〇⑦サクセスストーリー
▲①ユアザスター
△⑤センティグレード
△⑨ブラックリバイバル
△④カリスマサンスカイ
<お奨めの1頭>
8R コパノジョージ
ハイレベルのメンバーがそろった大屋梅賞で2着確保。今回はB2昇級だが、B1でも勝ち負けの実力馬なら問題にしない