★重賞 せきれい賞/サンエイゴールドが連覇達成
29日に行われた芝2400mの地方競馬全国交流競走『せきれい賞』は1番人気のサンエイゴールドが優勝。昨年に続き連覇を達成しました。
序盤はこの距離のレースらしくスローの流れ。しかし2周目の向こう正面に入ってロキが展開を動かしに行ったところから流れが大きく変わりました。スローから急激にペースが上がる"ヨーイドン"の形。上位集団の顔ぶれが二転三転する中、大外を回ったサンエイゴールドが最後はきっちり抜け出して決着。昨年の覇者の貫禄を見せつけました。
2着にはこれが久々の芝戦だった船橋のキャッスルクラウンが食い込み3着にはエイシンエルヴィン。2番人気スタークニナガは5着でした。
今週も引き続き猛暑の盛岡。数日前はクーラーを使わなくても良いくらいの暑さでずいぶん楽だと思ったのですが、台風が南の空気を運んできたのか暑いだけで無く湿度も高い日々に逆戻り。この暑さの影響が出ている馬も増えてきたそうです。早く秋が来ないかなあ・・・。
月曜のメインレースは第12Rになります芝マイルの『南昌山賞』。本命は(3)シーザーバローズです。
JRA時代から期待が高かったディープインパクト産駒のシーザーバローズ。一昨年の転入時はちょうどこの南昌山賞も含めて芝マイルでポンポンと3連勝を飾り。その先の芝路線での活躍が見込まれました。しかしその直後に脚部不安で1年近い休養。復帰後は未だ勝ち星がなくという状況です。
その成績を冷静に見れば、確かに転入時ほどの勢いは無いという事になるのでしょうが、しかし元々芝馬なのでダートでの不振は度外視可能・1700mは微妙に長い・1600mでも外枠だったり雨馬場だったりだと脚が使い切れない。そんなふうに見ていくと最近の芝での成績もそれぞれは委員がはっきりしているとも感じます。
今回は芝マイルで内目の枠。馬場も恐らく近走で一番の好状態でしょう。そしてもう一つ、主戦を務めた齋藤雄一騎手はこのレースが騎手としてのラストラン。"もう一度"を期待するのは当然というものです。
対抗は(6)シシャルディン。もしかしたらもう少し距離があった方がより良いのかもしれませんが、近走を見る限り芝に問題なし。3番手(1)ラディアンスウェイも同様な印象。いずれも内目の枠に入った事がプラス材料にもなるのでは。
(9)ゴットフリートはJRA時代にGI3着があり芝での実績は一番。ただ盛岡の芝では意外に苦戦しており洋芝適性がひと息なのかも。今年はずっと好状態が続いておりその勢いでどこまでカバーできるか。(5)ゲラーデは前走は5着に終わったものの2走前・3走前の芝でのしぶとい走りはやはり軽視できないもの。流れひとつで逆転までを警戒。
●12Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(1)、(3)=(9)、(3)=(5)
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★オッズパークLOTO 5重勝/7月30日(対象8R~12R)
8R/評価A: 9番 評価B: 1番、 4番 穴:8
9R/評価A: 9番 評価B: 3番 穴:4番、5番
10R/評価A:10番 評価B: 2番 穴:3番、9番
11R/評価A: 4番 評価B: 2番、 3番
12R/評価A: 3番 評価B: 6番、 1番 穴:5番
29日メインは盛岡芝2400m・地方交流「第40回せきれい賞」(M2)。
せきれい賞は当初、アラブ重賞で実施されていたが、2000年からサラブレッドへカテゴリーを移行。当初5年間は芝1600mが舞台だったが、芝2400mへ距離延長され、現在に至っている。
特徴的なのはリピーターが多いこと。サイレントグリーンは2連覇を含めて3度優勝。またコスモヴァシュランも連覇を果たしている。
なぜ、そのような結果となるのか。理由はコースを1周半する芝2400m戦は総じてスローペースとなり、残り800mからの上がり勝負だから。
差しタイプでも追走に手こずらず、なおかつロングスパートができるタイプが好走する。それゆえ前半で力む馬は折り合いを欠いて失速するケースが多々。貯めがきくのが好走する最大要因となる。
サンエイゴールドはそのデータにズバリ当てはまる。1700mまでだと速い流れになる傾向があり、ジリ脚のサンエイゴールドはちょくちょく取りこぼす。
しかし芝2400mだと5戦4勝3着1回。唯一の敗戦は3歳から挑戦した一昨年のせきれい賞のみ。この時勝ったパーティメーカーも同様、追走に手こずらなかったのが勝因だった。
前走・巴賞は芝1800m。相手も強かったが、距離が短すぎた。それでも0秒9差ならサンエイゴールドとしては上々の内容。せきれい賞連覇の可能性は非常に高いと見る。
エイシンエルヴィンはタフな芝が合う。それを証明したのがフランスの直線芝1600mで行われたモントルトゥー賞を快勝だった。
転入初戦の芝1700mを0秒6差で圧勝。サンエイゴールドがいかに休み明けだったとは言え。強さが際立っていた。
続く芝2400m・かきつばた賞7着は距離が敗因とも言えるだろうが、逃げの手に出たものの次から次と後続が襲いかかり、2400mでは滅多にないハイペース。あれでは直線失速も仕方なしだった。
自分のペースをしっかりと守れば、時計かかる盛岡芝で重賞制覇も十分あり得る。
スタークニナガは3歳芝交流・オパールカップを4馬身差で圧勝。折りからの降雨で水をかなり含んだ芝で多くの馬がとまどっていたが、1頭だけスイスイとレースを進めた。
レース後、瀧川騎手はこう語った。「今日の感じですと距離が延びても問題なさそうですし、ゲートをちゃんと切ってくれれば中央でもソコソコの競馬ができると思います」
オパールカップは芝1700mだったが、今度は芝2400mが舞台。しかも古馬が相手だが、瀧川騎手の感触は十分やれそうな雰囲気。スタークニナガは2歳時に知床賞も制し、盛岡との相性抜群。一発逆転あるとすればこの馬。
レオニーズは芝ダート兼用のタイプだが、500万下・芝2400m1勝。また1000万下・芝2400mでも2着の実績。園田移籍後は3戦2着1回だが、芝で一変の可能性を秘める。
ブラックロードは南関東から再転入後は5着最高だが、3歳芝2400m・サファイア賞、交流・オパールカップを優勝し、芝適性を証明済み。調子も徐々に上がり、軽視できない。
ロキはかきつばた賞6着だったが、残り1000mでエイシンエルヴィンを負かしに行って末をなくした一戦。貯める競馬に徹すれば馬券対象まで。
◎②サンエイゴールド
〇⑪エイシンエルヴィン
▲①スタークニナガ
△⑤レオニーズ
△⑦ブラックロード
△⑩ロキ
<お奨めの1頭>
10R オールドラゴン
前走はB2からC1降格にも恵まれて待望の白星をゲット。同条件のマイル戦なら連勝に疑いなし
メイセイオペラを母父に持つステージアート(父ダンシングカラー 母ジュリア)が引退した。
5月7日、1着馬から14秒4の大差8着に敗れたのは鼻出血のため。その後、再起を図って放牧に出て2ヵ月半ぶりに復帰。7月21日のC2戦に出走したが、2度目の鼻出血を発症。現役続行が困難だと分かった。
メイセイオペラ産駒ジュリアは61戦18勝をマークし、牝馬重賞・ビューチフルドリーマーカップも勝って繁殖入り。ステージアートが初年度産駒だった。
ステージアートは母ジュリアと同様、2歳前までは非常に小さい馬だったが、デビュー時には450キロまで成長。通算90戦16勝した。
残念なのは、岩手では偉大なるメイセイオペラの血を受け継ぐ馬がいなくなったこと。何とか残したかった―が本音だ。
ただ、嬉しかったのは南関東所属のヤスノフェアリー(父サウスヴィグラス、母シェアオペラ 母父メイセイオペラ)が6月27日、2連勝を飾ったこと。岩手の地から応援し続けたい。
28日メインは準重賞「第41回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)。南部杯への道がこのレースから始まる。
チェリーピッカーは一昨年、中央未勝利から転入後、破竹の12連勝。一度2着に敗れたが、重賞・青藍賞を制した。
続いて南部杯にも挑戦して8着善戦したが、以降はスランプ。冬期間にテンコートレセンで鍛え直したが、開幕2戦6、5着。そのまましぼんでしまうかと思ったが、あすなろ賞2着で復調の兆し。前走・みちのく大賞典でもエンパイアペガサスの2着を確保し、ようやく本来の動きを取り戻した。
貴重なカフェオリンポス産駒。盛岡ダート1600mに一抹の不安があるが、今ならこのメンバーでも克服十分。久々の美酒を味わいたいところ。
タイセイファントムは昨年、絆カップ、トウケイニセイ記念を優勝。中央オープンの底力を披露した。
冬場もBTCで乗り込み、赤松杯から始動3着。シアンモア記念は2着だったが、盛岡1200m戦を快勝。距離が短すぎた早池峰賞は7着に終わったが、栗駒賞でラブバレットにクビ差まで肉薄した。
前走・岩鷲賞が後方のまま6着に敗れ、評価に迷うところだが、盛岡1600mは2戦1勝2着1回。絆カップでラブバレットを破ったことを考えれば反撃必至。正念場を迎えた。
コスモジョイジョイは裏街道を歩んで4戦2勝2着1回3着1回。持ち味の反応の良さを堅持している。
満を持して表舞台に登場だが、昨年のすずらん賞でイーグルカザンのクビ差2着。格負けはなく、ベストの盛岡マイルなら悲願のタイトル獲得まで。
イーグルカザンは今季2着が最高。一連の重賞でも入着一杯だったが、内枠にも泣いた印象。しかし岩鷲賞で大外を引き当て反撃なるかと思ったが、5着止まり。年齢的なものか、マイルで巻き返すか。昨年覇者の意地が見たい。
オースミチャドは前走逃げて3着。マイル克服のメドが立ったのが収穫。ここも単騎逃げ明白。マイペースなら軽視できない。
ファイトウィンは牝馬・フェアリーカップ3着。馬体重がマイナス15キロでも好走した。馬体回復なら牡馬相手でも一発秘める。
◎②チェリーピッカー
〇⑧タイセイファントム
▲③コスモジョイジョイ
△⑩イーグルカザン
△⑪オースミチャド
△⑨ファイトウィン
<お奨めの1頭>
4R メイショウムロト
転入初戦をアッサリ逃げ切り、笠松A級の底力を誇示。タイムも抜けており、2連勝濃厚
★重賞 ハヤテスプリント/アヴァレソーが優勝
今年から地方競馬全国交流のレースになった3歳のスプリント戦『ハヤテスプリント』は遠征馬が上位を占める形に。勝ったのは浦和のアヴァレソーでした。
アヴァレソーはハナを守ろうとするコスモウーノと終始馬体を併せる形での先行争い。ペースはかなり速く、直線に向く頃にはコスモウーノは振り切ったものの自らも脚が上がり気味に。
そこに襲いかかってきたのがダモンデ。2頭の先行争いを少し離れた位置で様子をうかがっていた同馬はここがチャンスと見たか一気に攻め上がります。ゴール前は今度はアヴァレソーとダモンデが馬体を併せた接戦。並んだまま駆け抜けたゴールは、僅かにアヴァレソーが先着。遠征での戦いで待望の重賞タイトルを手にしました。
西日本ほどの猛暑ではないものの盛岡もここのところ暑い日が続きました。しかしこの月曜日は曇りがちの空模様でいくらか涼しい日になりそうです。
さて月曜のメインレースはJRA条件交流の『フレンドリートロフィーエメラルド賞』、芝1700m。JRAは3歳未勝利の条件で行われる交流戦で、JRA勢6頭・岩手勢6頭の12頭が争います。
本命は(6)モートゥスとしました。前走は大井ダートの条件交流戦に出走して9着と奮わなかったものの、キャリアを見る限りやはり良さは芝で出て来るタイプでしょうから、その敗戦はいったん度外視していいのでは。芝中距離で先行競馬ができる力は今回の条件にピッタリ合うでしょう。心配があるとすれば出遅れだけ。
対抗は(2)マイネルアンドゥミを。前走・前々走は5ヶ月の休養を挟んだ分の影響があったと判断。着順はともかくタイム差はむしろ休養前より縮まっていましたから、今の未勝利クラスの力関係の中でならそう見劣らないはずです。内目の枠からある程度良い位置を取っていけるなら粘り込みもあるのでは。
3番手は地元(9)テルキーネスでどうでしょうか。元々JRA未勝利から転入してきた馬ですから今回の遠征勢とはある意味同じような立場ですし、例えば東京芝1400mの持ちタイムでは○と同じだから実際の差も無い。ならばコース実績がある分で上回る可能性もあっていいはず。
(12)フロリダロスは叩かれて良くなっていくタイプでしょう。芝に苦手感は無いですからひと叩きされて挑む今回は上昇必至。(10)コスモキリュウも岩手のダートでの活躍が目につきますがJRA時代の中山芝2000mでのタイムは◎よりも上。距離が伸びて良さが増しているし、穴ならこれではないでしょうか。
●10Rの買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(9)、(2)=(9)、(6)=(12)、(6)=(10)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/7月23日(対象8R~12R)
8R/評価A: 3番 評価B: 5番 穴:2番、4番
9R/評価A: 4番 評価B: 1番、 3番 穴:2番
10R/評価A: 6番 評価B: 2番、 9番 穴:12番、10番
11R/評価A: 3番 評価B: 6番、 1番 穴:2番
12R/評価A: 6番 評価B: 7番 穴:1番、2番
個人的な話で恐縮だが、全国の主要競馬場に置かれているフリーペーパー「馬レター」8月号で8月15日に行われるJpnIII「第23回クラスターカップ」の原稿を書かせてもらった。
詳細は本編をお読みになってほしいが、クラスターカップはミスプロ(ミスタープロスペクター)系の歴史でもあった。
第1回トキオクラフティー(父・クラフティプロスペクター→ミスプロ)が幕開け。第2回はトシヴォイスが優勝したが、これはザミンストレル→ノーザンダンサーのサイヤーだが、第3回ファーストアロー(父・エブロス→ミスプロ)。
第4回アブクマレディーはホスピタリティ産駒だが、ほぼ優勝馬の父系か母系にミスプロの血が入っていた。
日本の競馬を変えた大種牡馬サンデーサイレンスが出現しても―だった。もちろんSS産駒は芝が主流。ダート短距離は視界の外かもしれないが、ゴールドアリュール産駒がクラスターカップを制してもおかしくなかったが、SS系の優勝馬は1頭も出なかった。
しかし昨年の覇者ブルドッグボスはダイワメジャー産駒。初めてSS系が歴代優勝馬に名前を連ねた。果たして今年はSS系が制するのか、非SS系が制するのか。改めてお伝えしたい。本編をご覧になってほしい。
22日メインは今年から地方競馬全国交流へ昇格した「第6回ハヤテスプリント」。距離も盛岡ダート1000mから1200mへ延長。奇しくもクラスターカップと同じ距離で行われ、おもしろいことにミスプロ系vsSS系の戦いとなった。
◎③コスモウーノ(父カネヒキリ→SS系)
〇⑧アヴァレソー(父プリサイスエンド→ミスプロ系)
▲⑥ダモンデ(父プリサイスエンド→ミスプロ系)
△④スターギア(父サウスヴィグラス→ミスプロ系)
△①ラヴバインド(父ショウナンカンプ→プリンスリーギフト系)
△⑦ダンストンラソ(父ロードアルティマ→ミスプロ系)
血統を調べて正直、驚いた。おそらく以上の馬から勝ち馬が出ると思うが、まさにSS系とミスプロ系がずらりそろった。
コスモウーノは先週のマーキュリーカップ2連覇を飾ったミツバと同じカネヒキリ産駒。さらに母父マッチョウノは2015年、2016年と連覇を果たしたダノンレジェンドの父でもある。
成績も優勝の資格十分。門別1200mで2勝し、エーデルワイス賞で逃げて1秒差5着。南関東移籍当初はひと息だったが、ここ3戦を2着2回3着1回にまとめ、上昇ムードは明らか。
アヴァレソーは通算3勝はすべて900m以下だが、1500mで2着2回3着1回、1400mで3着1回なら問題ない。前走・優駿スプリントはメンバー強化もあったが、右回り(大井)が敗因と解釈。左回り盛岡なら反撃必至。
ダモンデは昨年、水沢1600mで行われた交流・南部駒賞を快勝。南関東では振るわなかったが、北海道帰郷3戦目の1200mを快勝。これで1200m3勝2着2回。短距離に活路を開いた。
スターギアは今季初戦の牝馬・あやめ賞を完勝し、牝馬交流・留守杯日高賞2着。牡馬相手にも互角以上の戦いを繰り広げている。ここ2戦4、3着に終わったが、前走はプラス16キロの体重増もこたえたか。体絞れれば上位争いに参加。
ラヴバインドはダート界で一世を風靡したラヴァリーフリッグ産駒。札幌ダート1000m1勝から南関東へ移籍したが、今のところ7着最高。しかし、血統背景を武器に大駆けがあるかも。
ダンストンラソはメンバー強化だが、盛岡1200m、1000mで2連勝。距離は合うはず。
<お奨めの1頭>
7R ダズンフラワー
水沢開催をスキップし、盛岡芝を待って予定どおり前回圧勝。1600m延長も過去2勝とまったく問題ない