先週3日の「第40回北上川大賞典」はダイワエクシードが見事な逃げ切りを決め、3歳・不来方賞に続いて2つ目の重賞を手にした。
鞍上・村上忍騎手は一昨年のライズラインに続いて同レース5勝目。小林俊彦元騎手4勝を抜いて史上2位、現役ではもちろん1位を堅持した。
史上1位はもちろん菅原勲元騎手。グレートホープ、トウケイニセイで5連覇を含めて何と通算11勝。長距離戦は騎手の腕が勝敗を左右すると良く言われるが、まさにそれを証明する結果。
村上忍騎手「この馬の持ち味は先行粘り。同じ逃げタイプがいましたが、思ったより楽に先手を取ることができました。
前半は掛かり気味だったがが、ある程度は行かせないとダメ。無理に抑えようとケンカすると走る気をなくしますからね。自分のペースを守って、イメージどおりの競馬ができたと思います。
3歳のときに不来方賞を勝ったように、スタミナ勝負に自信を持っていたが、古馬になってさらに力強さが加わった感じです」
関係者は異口同音にダイワエクシードのことを"とにかくタフ"と評するが、まさにバテない先行力は長距離向き。今後、どのような路線を歩むのか興味深い。
もう一つの収穫はコミュニティの復活。スローに落とされたため2着に終わったが、これで桐花賞のメドが十分たった。3年前、帝王ナムラタイタンを破って優勝は今でも鮮やかな記憶に残っている。桐花賞の楽しみがさらに増えた。
9日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛による「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1二組 水沢1600m)。好調馬がそろって白熱戦が期待できる。
主軸はワイルドソング。中央ダートで2着1回3着1回から転入初戦を完勝。当初の予定どおり3歳重賞・不来方賞へ挑戦。逃げた大本命キングジャガーの直後につけ、徹底マークの戦法。直線で一杯となったが、ウニオミュスティカの追撃を封じて2着を死守した。
ダービーグランプリは相手が大幅に強化されて6着に終わったが、これは仕方なし。直線バテたにせよ、ベンテンコゾウに1馬身差まで詰め寄った。
今回は地元同士ならメンバー有利。馬格にも恵まれ、伸びしろも十分。ここはキッチリと勝って今後につなげたい。
グエンザップは再転入後、1勝2着2回。1900mが不安視された特別・ひいらぎ賞でも2着を確保した。今度は5戦4勝の水沢マイル戦。距離を味方に逆転をもくろむ。
モルフェワインの末脚は脅威の的。グエンザップと同様、北海道から再転入して2勝3着1回。加速ついてからの伸びがすばらしい。先行激化なら一気台頭まで。
ヤマニンボアソルチは3連勝中と絶好調。昨年もこの時期に好走したが、寒い季節を得意とする。外枠と同型そろったため評価は下がったが、好調度でアッサリ十分。
ヒデノホープは堅実さが身上。半面、道中でもたつくところがあって勝ち切れないのがネック。前崩れの展開がベスト。
ミスユーは中央500万下から転入初戦、グエンザップの0秒1差3着。コース2度目を考えればさらに上位を狙える。
◎②ワイルドソング
〇⑦グエンザップ
▲⑤モルフェワイン
△⑧ヤマニンボアソルチ
△④ヒデノホープ
△⑨ミスユー
<お奨めの1頭>
4R タイセイラブリー
3戦連続2着は巡り合わせが悪かった。今回はメンバーが緩和され、絶好の勝機を迎えた。
★重賞・北上川大賞典/ダイワエクシードが久々の重賞V
12月3日に行われた岩手最長2500mの距離での重賞『北上川大賞典』はダイワエクシードが優勝。2年前の不来方賞以来の重賞タイトルを手にしました。
この距離のレースらしくスローペースの展開をうまく作りだしたダイワエクシードは、懸念された同型の追撃もほとんど無いままに淡々と先頭を進みます。結局、最後まで脅かされること無く2着以下に4馬身の差を付けてのゴール。自身2年ぶりの重賞制覇となりました。
2着は5番人気コミュニティ、3着は2番人気のプリンスダムで馬番3連単は万馬券。1番人気ルファルシオンは大きく離された11着に終わりました。
12月4日のメインレースはA級1600mの『師走特別』。日曜メインに比べてもむしろこちらの方が粒ぞろいではという好メンバー。
本命は(10)チェリーピッカーとしました。前走の絆カップは7着。青藍賞を制したとはいえ一線級のメンバーを相手に安定して戦うにはまだ少し時間が必要か・・・という結果だったのですが、しかし南部杯まで続いた激戦の影響もあったのではないでしょうか。仕切り直しの今回はそんな前走よりずっと戦いやすい相手関係。ここから再度の進撃開始。
対抗は(9)スパンコールでどうでしょうか?この夏以降の安定感は特筆できる内容ですし遠征でも地方馬の中ではそれほど極端に負けているわけではない。遠征戦のふたケタ着順が盲点になるようならむしろ狙い目では。
三番手は(7)アークマイニング。前走の2着は絆カップ3着馬を相手に最後まで互角に戦ったもの。やはり地力はあるし、水沢に変わって一変した点も見落とせません。
(5)イーグルカザンは白△の一番手としました。やはり展開次第の所がありますし、日曜日がやや差し届かない感じの馬場傾向になっていた点もこの馬にはマイナス要因。底力でどこまで。もう一頭は(4)プリムラブルガリス。涼しくなって立ち直ってきているのは確か。メンバーが厳しかった近走くらい走れればそんなに差は無い計算。
●10Rの買い目
馬単(10)=(9)、(10)→(7)、(10)→(5)、(10)→(4)
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★オッズパークLOTO 5重勝/12月4日(対象7R~11R)
7R/評価A: 5番 評価B:11番 穴:6番
8R/評価A:11番 評価B: 2番 穴:8番
9R/評価A: 5番 評価B: 4番 穴:3番、6番
10R/評価A:10番 評価B: 9番、 7番 穴:5番
11R/評価A: 2番、 5番 評価B: 8番 穴:1番
1年が過ぎるのは本当に早い。3月の特別開催を含めて9ヵ月近くが経ち、残すところ1ヵ月あまり。今週3日間が終わると、あとは3開催のみ。1年の終わり師走12月を迎えた。
ただ、これからが正念場。レースだけではなく、天候との戦いとなる。
馬場を管理する裏方の仕事も大変だ。この季節になると馬場凍結防止のため融雪剤がまかれるだけではなく、同時に夜を徹してトラクター数台が水沢盛岡の両競馬場でハロー掛けを行っている。
なぜ夜を徹して行われているかというと、雪が降って積もったままでは掻き混ぜると雪が砂の中に入ってそこから凍結するから。それゆえ大雪のときは最初に雪かきをやってからハロー掛けをする。
小生のメイン仕事場は盛岡競馬場で、だいたい9時ぐらいまで記者席にいるが、トラクターがずっと動いている。
翌日の調教が始まるのがおよそ2時。従事員の方はそれまで毎日、徹夜作業となる。もちろん水沢も同じ作業を行っている。黙々と仕事をする姿に頭が下がるばかりだ。
3日メインは岩手競馬のLONGEST RACE(ロンゲストレース=最長距離戦)「第40回北上川大賞典」(水沢2500m)。
今シーズンの古馬戦線は勝ち馬が次々と変わり、主役不在のままで終盤に突入。北上川大賞典も混戦必至となった。
主軸にプリンスダムを推す。中央1000万下止まりだったが、同条件で東京ダート2100m・是政特別1着が光る。
岩手転入2連勝を飾り、幸先のいいスタートを切ったが、絆カップ9着。間に台風のため開催中止によるローテーションの狂いが影響した。
当初から北上川大賞典がターゲット。いわゆるジリ脚タイプで2500mはベスト条件。反撃必至と見る。
ハイパーチャージは中央3勝、南関東でも2勝をマークしてB1格付け。実績申し分なく、みちのく大賞典で3着を確保したが、以降は鳴かず飛ばず。もまれ弱さを出すケースが多かった。
しかし3走前1着で吹っ切れ、前走で2勝目。鞍上、陣営ともようやく手に内に入れた感じだ。スローの流れも関係なし。自分の競馬ができれば一気マクリを決める。
コミュニティはナムラタイタン時代に一時代を築き、桐花賞、みちのく大賞典を優勝。水沢2000mに絶対の自信を持っていた。
ただ今シーズン未勝利。かつての迫力が影を潜めたが、前走0秒1差4着後は回復に専念。満を持して戦列に戻ってきた。過去、北上川大賞典は2着1回3着2回。上がりの競馬に持ち込まれるため勝ち切れないが、水沢コースが活躍の舞台。復活ののろしをあげるか。
ルファルシオンは中央準オープンから障害を経て転入。ダート2100mを逃げた際の粘りには2度経験して長丁場は基本歓迎。
ダイワエクシードは門別から再転入3戦2着2回。マイペースで逃げた際の粘りに定評がある。2500m戦は例外なくスローの流れ。スンナリなら軽視できない。
◎⑥プリンスダム
〇⑦ハイパーチャージ
▲⑧コミュニティ
△①ルファルシオン
△③ダイワエクシード
△⑪エイヴィアンボス
<お奨めの1頭>
6R ソードヴァルキリー
転入後、4戦連続で連対を確保と安定度抜群。タイム以上に成績を重視するのがセオリー
先週11月26日、『GRANDAME-JAPAN2017』2歳シーズン・セミファイナル「第34回プリンセスカップ」はエグジビッツが完勝。直線で馬体を併せたマサノスマイルを突き放し、金沢シンデレラカップに続いて重賞2勝目。
また遠征優勝で15ポイントを獲得。合計44ポイントで暫定首位の座を盤石のモノにし、2位ストロングハートに17ポイントと差をさらに広げた。
岩橋勇二騎手「今日の馬場を考えると逃げたかったが、ハナを主張されたので無理せず折り合いをつけることを優先させました。思ったより早めに交わしましたが、抑え過ぎずリズムを大事にしました。
直線で馬体を併せられましたが、競られて気持ちが入るのがいいところ。思った以上の反応でした」
気になったのが冬毛。北海道が寒いのは当然だが、思った以上に冬毛が伸びていた。その点について田中淳司調教師は語った。「暖かいところと寒いところを何度も行き来したので毛が伸びていますが、体調そのものはまったく問題なかった」
今回の強さは交流戦で培った経験も大きかったと思う。どんな競馬場、どんな競馬にも対応できる逞しさ。エグジビッツの強さを見て改めて思った。
ファイナル・東京2歳優駿牝馬はほかの馬の動向を見て決めると田中淳司調教師。仮にエグジビッツが優勝すると2015年、モダンウーマンに続いて姉妹制覇の快挙。結果が楽しみだ。
2日メインはC1「錦秋湖賞」(水沢1800m)。好調馬がそろって実力伯仲。距離対応が勝敗の分かれ目になるかもしれない。
ティアップポケットは中央4戦0勝から転入。初戦はエルミニョンヌの2着だったが、以降は連戦連勝。圧巻の5連勝をマークし、C1昇級もあっさり克服した。
最大の魅力はレースセンスの良さ。ダート界で一世を風靡したホクトベガが近親で、秘めた素質が開花したと見ていい。
ダート1800mは未経験だが、芝1800mを一度経験なら距離は問題なさそう。5連勝の勢いに託す手。
アサクサキンボシは南関東C1から再転入。夏に調子を崩した時期もあったが、2連勝で復活。前走も余裕の逃げ切りを決めた。
水沢1800mはコーナースタートで内枠有利が明白。特に先行馬が内枠に入れば迷わず『買い』だが、最高の1枠を引き当てれば鬼に金棒。好スタートを決めて逆転単まで。
ビービージンガは父ディープインパクト、兄がビービーガルダン。期待の大きさは半端ではなかったが、デビュー戦14着後、2年4ヵ月の長期休養を余儀なくされた。
復帰は昨年9月。復帰戦を白星で飾り、北海道7戦2勝から転入。スタートに課題を抱えながら3戦2勝2着1回。馬格的にもまだまだ伸びしろは十分。
門別1700mで2、3着の実績があり、距離延長は望むところ。岩手で素質を開花させるか、注目の一戦。
ネオヴァモスは中央未勝利から転入後、3勝2着5回3着1回とすべて3着以上にまとめていたが、気性難のために去勢を施した。
その影響で復帰後は精彩を欠いていたが、徐々に状態アップ。前回快勝でようやく吹っ切れた。好調サイクルをキープし、有力馬にひと泡ふかすか。
プラウドワンダーは夏2ヵ月休養から前走3着で復調のメド。本質的には盛岡向きだが、いい脚を長く使えるタイプで距離延長歓迎。
ゴールドフィルドは追い込み脚質だが、ツボにはまれば前走の再現まで。
◎⑦ティアップポケット
〇①アサクサキンボシ
▲⑤ビービージンガ
△⑧ネオヴァモス
△⑥プラウドワンダー
△②ゴールドフィルド
<お奨めの1頭>
6R ブリッジオーヴァー
転入初戦を2秒の大差で圧勝。久々の実戦をモノともしなかった。叩かれてさらに本領を発揮する