★重賞・サファイア賞/7番人気ブラックロードが逃げ切る
芝2400mで行われた3歳馬の重賞『サファイア賞』。1番人気はサンエイジャック、2番人気はミスターシーバス、3番人気はメドゥシアナとこれまでの重賞で実績ある馬たちが上位人気を占めましたが、勝ったのは7番人気のブラックロード。逃げていったんは捉えられたものの差し返すという力強い戦いでタイトルを手にしました。
ブラックロードは当初ホッカイドウ競馬でデビューを目指しましたが果たせずに南関東に移籍、5戦2勝の成績でこの4月に岩手に転入していました。これまでの2戦は6着・8着に終わっていたものの3度目の挑戦で見事Vとなりました。
5月29日のメインレースは第10R、JRA条件交流の『フレンドリーカップ カシオペア賞』です。岩手はB1級、JRAは500万下との交流戦ですが、前回の5月15日に行われた同条件のレースではJRA勢が上位6着まで独占して終わっています。ここも、ざっと見た感じではJRA勢優勢という印象でしょうか。
本命は(5)クイックモーションを採りました。デビュー年は1戦、昨年は5戦、今年もまだ1戦のみと4歳馬ながらまだ7戦しかしていないキャリアが少ない馬。しかしその全てで一ケタ着順、直近の2戦も500万下特別でさほど差の無い競馬をしているのですから、素質面はやはり上位という見立てでいいのではないでしょうか。左回りも問題なし。
対抗は(2)ラスイエットロスでいきましょう。こちらもこれまでのキャリアで大きく崩れたことはほとんど無い堅実派。左回りの経験が少ないのが割り引き要素かもしれませんが、そこは先行力でカバー。
三番手は、ここは岩手の(4)ロケットボールを狙ってみます。昨年は芝の重賞でも健闘しており、その相手には元JRAオープンクラスの馬もいたのですからここでの力量に不足はないはず。休み明け二戦目の上積み分も魅力と言いたい所。
ヒモはまず(3)ユニゾンデライト。休養が長く計算しづらいですが、3歳時に戦った相手は結果的にハイレベルでした。本来の力が出せるならここでも差は無いはず。(1)フィールザオーロラも前走の雨で状態の悪い芝で大外枠という不利な条件での結果は度外視してみたいですね。
●10Rの買い目
馬単(5)=(2)、(5)=(4)、(5)=(3)、(2)→(4)、(5)→(1)
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★オッズパークLOTO 5重勝/5月29日(対象8R~12R)
買い目:3,6→1,4,6→5→1,4,6→2
8R/評価A: 6番、 3番 評価B: 1番
9R/評価A: 6番、 1番 評価B: 4番 穴:5番
10R/評価A: 5番 評価B: 2番 穴:4番
11R/評価A: 1番 評価B: 6番、 4番 穴:8番
12R/評価A: 2番 評価B: 8番、 9番 穴:3番
5月22日、第11R・OROターフスプリントにダイワマッジョーレが出走。1枠から好スタートを決め快調に飛ばしたが、残り100mで故障。競走中止した。
ダイワマッジョーレは鳴り物入りで岩手転入。当時、各方面から問い合わせが殺到した。盛岡に芝があればこそのビッグトレードだった。
ダート戦は未経験だったが、仮にこなせれば選択肢も増えるのでは...と陣営は踏んだ。ところが追い切りで力の要る馬場に手こずり、当初予定だったダート戦を見送り。かきつばた賞(芝2400m)まで待ったが、態勢が整っていないと判断。出走取消を選択した。
結果、岩手初戦は8月1日、盛岡ダート1600m戦。中団のまま5着に終わり、以降は芝を4戦使って入着止まりを繰り返したが、11月5日、盛岡ダート1200mで2着。思い切った待機策から最速タイの上がりを披露し、シーズンを終了。翌年に期待をつなげた。
その後は休養に入り、今年4月9日から始動。初の水沢戦で6着だったが、2戦目の1600mを逃げ切って完勝。直後に「長くかかったけど、ようやくメドが立った。ホッとしました」と瀬戸幸一調教師が語ってくれた。大物を預かった身として心から安堵したに違いない。立て直しに全力を尽くしたのだから......。
28日メインは3歳芝2400m重賞「第11回サファイア賞」。過去5年、このレースの優勝馬3頭が古馬の芝2400m交流・せきれい賞へ挑戦。レジェンドロックが優勝し、オールマイウェイ、サンエイゴールド3着。トライアルではないが、せきれい賞へ直結するレースと見ていいだろう。
主軸はサンエイジャック。ダート戦はすべて着外に対し、芝2勝2着1回と典型的なターフホース。はまなす賞はソーディスイズラヴの大外強襲に屈したが、2着確保で面目躍如。予定どおりサファイア賞へ駒を進めてきた。
芝2400mは父ジャングルポケット、母父ダンスインザダークならむしろ歓迎。サンエイジャックが優勝すれば管理する瀬戸幸一調教師は3年連続でサファイア賞を制することになる。
逆転筆頭はミスターシーバス。はまなす賞はサンエイジャックの後塵を拝して3着だったが、先行馬が総崩れの中で粘ったのは評価材料。超スロー必至の2400m戦で展開有利は明らか。
メドゥシアナはデビュー2戦目に芝1600m重賞・若鮎賞を優勝。今季初戦・あやめ賞は1番人気ニードアフレンドの逃げを早めに捕えにかかって2着。続く留守杯日高賞は先行有利の馬場に泣いて3着。運がなかったとしか言いようがない。実績ある芝で反撃首位を狙う。
ルークは間違いなく芝2400m向き。ピリッとした脚はないが、ロングスパートがきく。父がブラックタイド。一発ならこの馬。
ブラックロードは初芝・はまなす賞8着。入れ込みタイプで距離が不安だが、芝2度目はプラス材料となるはず。
12R
◎⑤サンエイジャック
〇③ミスターシーバス
▲①メドゥシアナ
△⑥ルーク
△⑨ブラックロード
<お奨めの1頭>
11R チェリーピッカー
岩手11戦11勝。すべてワンサイドで決め、オープン入り目前。貴重なカフェオリンポス産駒に注目してほしい
岩手出身ウマノジョーが大井記念を優勝した。鞍上は山本聡哉騎手。前半3ハロン36秒5、上がり38秒5の速い流れ。4コーナーで入れ替わりが激しかったことも味方し、直線鮮やかに抜け出して完勝。山本聡哉騎手には待望の南関東重賞、自身も初重賞を手にした。
岩手在籍時は10戦3勝。担当厩務員の福島保和くんがよく話をしたものだった。「まだ体質が弱いのでなかなか勝てないけど、体はできてくれば必ず走るよ」
そうしたらダイオライト記念(JpnII)で3着に入ってビックリ。思わず祝福のメールを送ったら「走ると思ってはいたけど、まさかダイオライトで3着にきて驚きました」と返事が返ってきた。
そして今度は大井記念を優勝。帝王賞にも駒を進めそうなムードだから嬉しさも二倍。そんなウマノジョーに期待しているのはマーキュリーカップ参戦。逞しく成長した姿を岩手のファンに見せてほしい―と願っている。
27日メインはB1・盛岡ダート1200m戦「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」。どの馬が勝っても不思議なし。激戦必至のメンバー構成となった。
主軸は迷った末、コパノチャールズにした。中央ダート1000m1勝のほか、ダート1200mなどで2着3回3着1回。A3以下で3着、南関東では入着こそなかったが、B3で1秒差の競馬を見せていた。
岩手編入はC1だが、以上のことから格負けはなく、適距離の1200m戦ならばB1でも通用するはずと踏んだ。
逆転筆頭はフジノピューマ。昨年10月、北海道から転入後3勝2着5回。今季は2、10、1、7着と成績が安定しないが、10着は距離と2走ボケ。前走・石桜杯はチェリーピッカーが相手と敗因がはっきり。過去6勝2着7回の1200m戦なら巻き返し必至と見るべき。
オレノカッチーは転入初戦の水沢1600m戦を圧勝したが、続く田沢湖賞、前走・B2戦6着。気性難が災いしている感じだが、馬格は間違いなく一級品。門別1200m2勝2着2回の実績があり、距離短縮なら真価発揮できるか。
ビッグステラのメイカップ7着をどう解釈するかだが、出遅れと距離に泣いた印象。1200mの方が向くかもしれない。
サカジロビューティは前走12着だが、芝が合わなかった。それ以前はソコソコにまとめているし、先行激化は確実。末脚が脅威の的となる。
ゼンザイは前走9着だったが、先行馬に苦しい馬場が影響。1200mなら控える競馬も可能で軽視できない。
◎⑩コパノチャールズ
〇⑤フジノピューマ
▲⑨オレノカッチー
△⑦ビッグステラ
△③サカジロビューティ
△②ゼンザイ
<お奨めの1頭>
5R マストワン
前走は勝った相手が強すぎた。メンバーが大幅に緩和され、首位奪回に燃える
★重賞・あすなろ賞/再転入初戦のエンパイアペガサスが貫禄勝ち
20日の土曜日に行われた古馬オープン・ダート1800mの重賞『あすなろ賞』。岩手に復帰しての初戦となったエンパイアペガサス対前走圧勝のスズカセクレターボの対決が注目を集めましたが、結果はエンパイアペガサスが僅差ながらも勝利を収めました。
逃げたアントニオピサが作ったペースはかなり遅めのスロー。楽な逃げになった状態にエンパイアペガサスも捉えるまでは苦戦しましたが、最後はしっかりと脚色の差を見せてクビ差先着。自身7つめの重賞タイトルを手にしました。
2着は5番人気アントニオピサが確保。2番人気スズカセクレターボは終盤伸びを欠いて10馬身差の3着に終わりました。以下イーグルカザン、コミュニティと入線。3着までの3頭にみちのく大賞典の優先出走権が与えられます。
相手は4歳初戦となる(11)サンエイゴールドを。3歳だった昨年でもせきれい賞で0.1秒差の3着、OROカップでは0.7秒差8着などと芝では対古馬でも好走していましたし、昨秋~冬のJRA挑戦も内容の濃い結果を残しています。これならここでも力不足は無いはずです。カギは休み明けよりは1700mという距離、これが少し短くないか?でしょうか。
三番手は(4)ゴットフリートでどうでしょうか。この馬もJRA時代は芝のみで戦っていました。そんなキャリアにもかかわらず岩手のダートでもそこそこの走りを見せていたのだから、ならば芝ならもっと・・・となるのが自然。大幅な変身も十分に有り得るでしょう。
以下どう選ぶか悩みましたが、少し穴っぽい所で(12)ナンヨーケンゴー。左回りの芝の経験が豊富ですしローカルの小回りコースも問題ない。狙いはもっと距離が伸びてからなのかもしれませんがここでも注目してみる価値はありそう。(5)ブレイズアトレイルは直近の結果がもうひとつゆえ控えめにしてみましたが、昨年のこのレースを勝っているように適性は十分。当日の気配次第では強く狙ってみてもいいのでは。
●11Rの買い目
馬単(1)=(11)、(1)=(4)、(11)=(4)、(1)→(12)、(1)→(5)
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★オッズパークLOTO 5重勝/5月22日(対象7R~11R)
買い目:8→1→1,6,8→5,9→1,4,11
7R/評価A: 8番 評価B: 6番 穴:5番
8R/評価A: 1番 評価B: 5番 穴:9番
9R/評価A: 6番 評価B: 1番、 8番 穴:2番
10R/評価A: 9番 評価B: 5番 穴:7番
11R/評価A: 1番、11番 評価B: 4番 穴:12番
先週15日、JRA所属ジョッキー・藤田菜七子騎手が1年ぶりに盛岡へ参戦。あいにくの雨だったが、2勝マーク。昨年は未勝利だったが、成長の証を白星で証明した。
当日は第1Rから騎乗可能とのことで依頼が殺到。計8鞍に騎乗した。
第1R4着、第2R2着、第3R7着を受けて第4Rはホホエムオンナに騎乗。逃げの手に出たセラグリーン=川又賢治騎手の2番手をキープし、直線の叩き合いを制して快勝。待望の岩手初勝利を飾った。
藤田騎手50キロ、川又騎手51キロの軽ハンデにも恵まれたが、ホホエムオンナがJRA時代に6度騎乗。その経験も生かした勝利だった。
圧巻はメイン11R、フレンドリーカップ・アンタレス賞(芝1700m)。2番人気に支持されたウインティアラで積極的に先手を奪い、そのまま押し切って4馬身差。見事な逃げ切りを決めた。
個人的な感想だが、1年でこれほど上達したのにはビックリ。本人も「1年ぶりの盛岡競馬場ですが、前回より気持ちに余裕ができましたし、回りを見る余裕ができるようになりました」とコメントしたが、アタリがすごく柔らかくて馬が気分良く走っていたし、上半身がまったくぶれない。
師匠の根本康弘調教師も時に厳しく、時にやさしく指導しているに違いない。藤田菜七子騎手はこれからさらに成長していくのだろうと確信した。
21日メインはC1「新緑賞」(盛岡芝1000m)。この一戦を皮切りに、8月7日・姫神賞(B2)、9月18日・FM岩手杯(B1)、10月8日・ハーベストカップ(オープン)。そして全国交流・OROターフスプリント(10月21日)と芝1000mロードが続く。
主軸はスティルプリンス。B1からC2へ降格した今シーズンは徹底的に短距離のみを使って水沢850m3連勝。盛岡に替わってダート1000m戦も逃げ切りを決めて4連勝。抜群の適性を誇っている。
最大ネックは芝に替わること。父ショウナンカンプはともかく、母父サウスヴィグラスがどう影響するかだが、距離適性を重視。勢いで克服すると判断した。
逆転筆頭はコパノチャールズ。中央1勝はダート1000m。2戦目の岩手初勝利も同じダート1000mだが、中央500万下で芝も3度経験。スティルプリンスより芝適性はありそうなムード。
インプレスウィナーは中央芝1400m6勝。重賞の常連でもあった。年齢的に久々の1000m戦が若干不安だが、実績断トツ。絶対能力でアッサリ。
デジタルデータは前々走10着に沈んだが、前走ダート1000mで3着に反撃。芝短距離は血統的にも望むところ。
ユナイテッドボスは盛岡芝1000m1勝3着1回。前走度外視で狙う手も十分。
ダイワスペシャルは出遅れグセが気になるが、3年前のOROターフスプリントを含めて盛岡芝1000m2着6回。不気味な存在だ。
◎⑤スティルプリンス
〇⑧コパノチャールズ
▲③インプレスウィナー
△⑦デジタルデータ
△⑪ユナイテッドボス
△⑩ダイワスペシャル
<お奨めの1頭>
11R ブラックサンダー
転入初戦は落馬のアクシデントがあったが、シアンモア記念で0秒1差3着。A級二組は相手では実力の違いが明らか