3日、川崎競馬場で行われた「第16回JBC」は入場人員2万8717人にも驚いたが、売り上げ48億7402万2850円にさらに驚いた。
昨年暮12月29日、東京大賞典48億5144万4950円の地方競馬売り上げレコードを塗り替えるとは。これぞJpnI3連発の威力だと改めて思った。
今年は画面越しだったが、3レースとも興奮した。ホワイトフーガの2連覇、ダノンレジェンド悲願のG(Jpn)I制覇。クラスターカップでも逃げ切りを決めたとき、村山明調教師はこう語った。「アメリカのトレーニングセール出身馬なので左回りが合う。昨年は大井で2着だったが、今年のJBCは川崎。自信を持って臨める」と。
前走(東京盃)比マイナス11キロ、445キロはデビュー最低の馬体重。究極の仕上げだったに違いない。
そしてダートの頂上決戦・JBCクラシックではアウォーディーがコパノリッキーを徹底マークから競り落とし、前を走っていたホッコータルマエを交わして完勝。ダート転向後、無敗6連勝で頂点を極めた。
武豊騎手の騎乗もさすがだった。コパノリッキーの強さと弱点を知り尽くしていた。田辺騎手が仕掛けると離れず追走。常にプレッシャーをかけ続け、息が入れられないコパノリッキーは直線一杯となってしまった。
この戦法はもろ刃。共倒れの可能性も十分あるが、アウォーディーなら大丈夫だという確信があったに違いない。どうやら先頭に立つとソラを使うタイプ。逆に前に馬がいると気を抜かず走り、理想的な展開に持ち込んだ。感服した。
6日メインは「第6回絆カップ」(盛岡ダート1600m)。ナムラタイタンが半年ぶりに復帰する。
当初、青藍賞の登録もあったが、絆カップまでずれ込んだが、大型馬でも久々を苦にしないのが強み。テッポー駆け7勝は地力の違いでもある。陣営は坂口裕一騎手の復帰に合わせた感。
あとは馬体重、馬体もしっかりチェックしたい。加えてパドックの雰囲気昨年の南部杯で13着大敗したとき、珍しく入れ込んでいた。その場合は割り引きが必要だ。
相手はライズライン、ナリタポセイドン。ライズラインは赤松杯で大きく体重を減らしたが、徐々に回復。すずらん賞を制し、重賞二けた10勝目をマークした。
南部杯でも地方最先着7着。盛岡マイルの自己タイムも更新した。スクリーンヒーローの初年度産駒が打倒ナムラタイタンに燃えている。
ナリタポセイドンの衝撃の岩手デビューを飾った。前半は最後方でじっくり待機して3コーナーからスパート。流れはスローだったが、まったく関係なし。豪快なまくりで中央オープンの底力を見せつけた。本質的にはステイヤーだろうが、マイルでもナムラタイタンを敗れる可能性がある。
ロンギングエースは初戦3着だったが、出遅れながらもメンバー最速の上がりを披露した。しかも2ヵ月半ぶりを叩かれて気配アップ。前がやり合えば台頭十分。
タイセイメテオは岩手の水が合って芝ダートを問わず活躍。ここでも軽視できない。あとは差し脚堅実ミトノレオが3着押さえ。
◎⑩ナムラタイタン
〇③ライズライン
▲⑤ナリタポセイドン
△⑨ロンギングエース
△⑥タイセイメテオ
△④ミトノレオ
<お奨めの1頭>
5R ヤマニンレガリーノ
転入初戦は出遅れて6着だったが、以降は2勝2着1回。前走も余裕の逃げ切りを決めた。距離延長も問題にせず、信頼の主役
盛岡競馬場の紅葉がようやく始まった。今年は夏が長く、なかなか秋が来なかったが、ここ1、2週間で一気に気温が下降。
11月2日は最低がマイナス1度、3日がプラス1度だったが、盛岡競馬場は山の上にあるため下界(市内)とは3度ほど寒い。よって紅葉も市内より結構早いが、今年はかなり遅い。
しかも正直、きれいな紅葉ではない。いきなり秋を飛び越して冬が到来して木々もとまどっている感じだ。
とは言っても変わりゆく木々を眺めていると癒されるのは自分だけだろうか。黄色は弱いが、ポイントポイントで観ることができる紅(あか)は陽にあたると本当に鮮やか。今週は画面超しで盛岡競馬場の紅葉を楽しんでほしい。
5日メインはオープン馬による盛岡ダート1200m戦「スプリント特別」。帯に短し襷(たすき)に長し。どの馬にもチャンスがあり、馬券的にも面白い一戦となった。
主軸はニーマルキング。中央芝1勝、盛岡芝1勝・1000万下から今年9月に転入。ダート対応がネックだったが、初戦を完勝。2戦目は濃霧のアクシデントでレース取り止めとなり、3戦目2着。
ただ、この時の勝ち馬ユッコはJBCレディスクラシックでも8着に健闘。結果からさかのぼればユッコが強かった。
もう一つの敗因はプラス11キロ。レース取り止めでローテーションに狂いが生じ、太目だったのは否めなかった。それを考えれば連対確保したことを誉めるべき。
不安は1200m。過去にデビュー3戦目の中山で一度経験したが、このとき10着。以降は芝へ路線変更した経緯があり、決してプラス材料ではない。
それでも各馬が死角を抱え、順調度が何よりもニーマルキングの武器。先行力がマズマズだし、終いもしっかり。このメンバーなら距離も克服できると判断した。
ブラックバイキングは南関東C2から転入。一戦ごとに着順を上げ、距離1200m短縮の前回快勝。南関東で3勝をマークした1200m適性を存分に発揮した。今回はオープン馬が相手だが、破壊力はここでも見劣りはない。
エゴイストはアッサリ逃げ切りまで十分。芝1000m・ハーベストカップを逃げ切り、OROターフスプリント2連覇を狙ったが、ケイアイユニコーンの差し脚に屈して3着。これは展開のファクターを考えれば仕方なし。1200mは気持ち長いが、中央時2着4回。好枠も後押しする。
エーシンシャラクはすずらん賞以来、3ヵ月ぶりの実戦だが、テッポーがきくタイプ。馬場が軽かったにせよ岩鷲賞1分10秒7のタイムが不気味。
ゼンザイは前走5着だったが、流れも合わなかった。自分の競馬ができれば巻き返す余地はあるはず。
ダイワマッジョーレは芝タイトルを手にできなかったが、次第に調子を上げているのは確か。ダートでも押さえたい。
◎③ニーマルキング
〇⑨ブラックバイキング
▲①エゴイスト
△⑦エーシンシャラク
△⑤ゼンザイ
△⑧ダイワマッジョーレ
<お奨めの1頭>
6R グルーヴィー
転入初戦は7ヵ月ぶりの実戦だったが、地力の違いを見せつけて圧勝。叩かれてさらに気配アップは歴然