早いもので11月もラストの30日。今日のメインレースは2歳牝馬の重賞『プリンセスカップ』。岩手では唯一の2歳牝馬限定の重賞(以前は白菊賞という2歳牝馬重賞がありました)ですが、GRANDAME-JAPANの2歳シリーズ"第5戦"という位置づけにもなっています。
全6戦の中の5戦目なので終盤戦ということになりますよね。ここまでのポイントでは、17日の川崎・ローレル賞を勝ちエーデルワイス賞2着だったモダンウーマンが30Pで1位、続いてエーデルワイス賞優勝のタイニーダンサーが20Pで2位、ラブミーチャン記念を勝ったミスミランダーが17Pで3位。以下、ランランラン15P、マックスガーデン14P、シャイニーネーム13Pまでが10ポイント以上を持っている上位馬です。
このうち、タイニーダンサーはJRA移籍&年内は出走しない事が濃厚。モダンウーマンとマックスガーデンは南関移籍のうえ東京2歳優駿牝馬に出走することになりそうです。
とすると、このプリンセスカップにも出走するミスミランダーやシャイニーネームがシリーズ上位を狙うなら、できれば勝って15P、少なくとも3着以内に入ってある程度のポイントを獲得しておきたいところでしょう。
GRANDAME-JAPANのポイント争いは年々激しさを増し、ポイントも慎重かつ大胆に狙っていかないと上位がおぼつかなくなってきています。そんな視点でもレースを楽しんでいただけたらと思います。
●10Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(7)、(4)=(2)、(4)→(8)、(4)→(6)
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昨日に続いてラブバレットの話。笠松グランプリに至るまで紆余曲折が多々あった。8ヵ月の休養を経て復帰して2連勝。
特に2戦目の水沢1300m戦でレコードに肉薄する好タイムで圧勝し、さきたま杯に挑戦。メンバーが一気に強化されたが、4着に善戦。
岩鷲賞でナムラタイタンの2着からクラスターカップでも3着。着実に成果を上げ、再び浦和遠征・オーバルスプリントを予定していた。舞台はさきたま杯と同じ1400m戦。
ラブバレットにはベストの条件だったが、洗い場で脚をケガし、すべて白紙に戻し治療に専念した。
ケガの回復に思った以上に時間がかかったが、絆カップで戦列復帰。1600mが微妙だったが、内で砂をかぶってもひるまずに4着。収穫の多い一戦となった。
さきたま杯で遠征を経験済み。環境の変化に全く動じないラブバレットなら、浦和より倍の距離がある笠松でも大丈夫だろうと判断し、笠松グランプリに駒を進めた。
その読みはズバリ。絆カップよりマイナス3キロで出走できたのが最大の勝因。精神的なたくましさがラブバレットの強みだったと思う。
次走・兵庫ゴールドトロフィーはJRAも含めた強豪相手。正直、ハードルは相当高いが、今回の笠松1400m1分25秒1は馬場を考慮しても非常に優秀だったという。12月24日、次のステージが待ち遠しい。
29日メインはB1級「ひいらぎ賞」(水沢1900m)。オープン入りを目前に控えた好メンバーが顔をそろえた。
主軸にゴッドバローズを指名する。中央芝1800m1勝から転入。当初は地方ダート対応が不安視する面もあったが、初戦の盛岡ダート1800m戦を圧勝。
芝・オクトーバーカップ2着、不来方賞8着、秋嶺賞6着と足踏みしたが、水沢に替わった前走を10馬身差で圧勝。自分の型に持ち込むと他の追随を許さない。
それゆえ距離延長は二の次。逃げの手に出ることができるか―どうかが最大ネックだったが、幸運にも絶好の2番枠。強引にでも逃げて直線突き放すシーンが浮かぶ。
レディアントデイズは春に活躍したが、その後は調子を落としていた。しかし秋を迎えて次第に本来の動きを取り戻して再び上昇気配。1900mも1勝も強気にさせる。
コスモイフリートはマイルもこなせるようになったが、元々が器用なタイプではなく1800m以上のゆったりペースがベスト。前走はヴァイキングに差し返されたが、これは距離を意識して早めに動いたから。今回は雪辱を期す格好の条件で走る。
マツリダアンバターの岩手初戦は見事だった。向う正面から外に出すと一気に進出。4角で手前を替えれずに大外にふくれながらも完勝した。本命まであり得るが、あまりの反応の良かったゆえ距離対応に一抹の不安がある。それで△評価とした。
あとは長距離歓迎トーホクアロー、前回快勝で弾みついたヴァイキングも軽視できないだろう。
◎(2)ゴッドバローズ
〇(5)レディアントデイズ
▲(1)コスモイフリート
△(11)マツリダアンバター
△(7)トーホクアロー
△(4)ヴァイキング
<お奨めの1頭>
9R アフリカンブルー
転入後、一度出遅れて2着に敗れた以外はオール白星。早くも二けた10勝をマークした。ここも単なる通過点にしか過ぎない
26日(木)、笠松競馬場で1000万レース「笠松グランプリ」(1400m)が行われ、岩手からラブバレット(牡4歳 菅原勲きゅう舎)が挑戦。圧倒的1番人気に支持されたサトノタイガーを相手に完勝。悲願の交流重賞を手に入れた。
山本聡哉騎手
「前回(絆カップ)に続いて2度目の騎乗ですが、比べ物にならないぐらい状態が良くなっていました。
スタートで若干後手を踏みましたが、サトノタイガーを見る形で進めるのは予定どおり。早めに動いたのは笠松は直線が短いから。3コーナーでちょっともたつきましたが、直線は最後までしっかり伸びてくれた。
ラブバレットもそうですが、自分自身も遠征での交流重賞制覇は初めて。馬と関係者のみなさんのおかげです。ありがとうございました」
菅原勲調教師
「輸送は浦和で経験していましたから大丈夫だろうとは思っていました。あえて不安があるとすれば浦和と倍の距離がありますから輸送疲れがないか―ぐらいでした。
ですが、今回もまったく問題なかった。多少、体重が減っていましたが、これも想定内。いい感じでレースに臨めたのが最大の勝因だったと思います。
オーバルスプリントの直前に脚をケガして絆カップまで時間がかかりましたが、久々のマイル、内に包まれても4着を確保。これなら交流へ遠征しても大丈夫だろうと笠松グランプリ挑戦を決めました。
レース運びもスムーズでしたし、今回は最後で甘くなることもなかった。ラブバレットのたくましさ、成長力には本当に頭が下がる。
次走予定は園田の兵庫ゴールドトロフィーを考えています。JRA相手なので厳しいと思いますが、今回と同様に1400mがベストの条件。応援をよろしくお願いします」
遠征重賞での勝利は、おそらく2006年、エーデルワイス賞(GIII 旭川)のパラダイスフラワー以来のはず。これだけでもラブバレットの価値は推して知るべしだろう。
28日メインはB1級四組・B2一組による混合戦「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(水沢1600m)。主軸にアクティブボスを指名する。
中央未勝利から転入して不来方賞と前後して2勝。いずれも完勝と言っていい内容だった。
実はアクティブボスはデビュー前、岩手で乗り込んでいたが、JRA入り。当時も今も攻め馬に乗っている担当者が「この馬は背中がいいので間違いなく走るを確信していた。戻って来た時は馬体が寂しかったが、叩かれながらどんどん良くなっている」
確かに2歳時は凡走の連続だったが、3歳になって2着1回3着2回。まだまだ伸びしろがあったから2勝を飾ったに違いない。
今回はB1級馬との混合戦だが、むしろ将来をためす格好の一戦。ここで足踏みをしてはいられない。
ターフデザイナーは東京ダート2100m1勝。その後、北海道へトレードされて2、1、3着。北海道競馬終了とともに岩手入りした。
距離は長いほどいいタイプだけに1600m対応が最大ネックだが、先行力があれば問題ないはず。こちらも伸びしろは十分。
モルフェワインは夏場に2ヵ月の休養を余儀なくされたが、休み明け2戦目から1、2着。本来の軽快さを取り戻した。特に前走は苦しい展開をはねのけて2着。マイル短縮なら首位奪取のシーンまで。
イマジンジョンはここ2戦のもたつきが気になるが、それでも入着確保。持ち前の安定感は健在。加えて水沢マイルは4勝3着4回とすべて馬券対象。やはり軽視はできない。
カスミチャンはノベンバーカップで果敢に逃げて0秒3差4着。マイル延長も問題なく、好枠を引き当てたのが不気味。
ロケットボールは最後の甘さが気になるが、それでも大崩れしていない点は強調材料となる。
◎(9)アクティブボス
〇(8)ターフデザイナー
▲(10)モルフェワイン
△(6)イマジンジョン
△(4)カスミチャン
△(7)ロケットボール
<お奨めの1頭>
6R オンファロス
中央未勝利ながら5着1回。C2下級条件は恵まれた。ディープインパクト産駒が素質を開花させる
★栗駒賞/10番人気スフィンクスが優勝
22日に行われた重賞『栗駒賞』は10番人気、出走馬中最低人気だったスフィンクスが優勝。3連単11万超えの大波乱となりました。
JRA時代には1000万下まで進んだ同馬ですが直近は大敗が続いたこともあって単勝111.6倍の低評価。しかし直線の脚は他の馬を明らかに上回る素晴らしいキレを見せ、1番人気ワットロンクンを並ぶ間もなく交わしたうえに突き放してゴール。自身約2年ぶりの勝利を重賞制覇で飾ってみせました。
●10Rの買い目
馬単(9)=(11)、(9)=(3)、(9)→(4)、(9)→(6)
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23日、地方競馬全国交流「第28回ダービーグランプリ」は岩手競馬そのものを象徴するレースといっても過言ではない。
地方競馬の優等生と言われていた時代の1986年、全国に先駆けてダービー馬によるダービーを夢見て創設。当時、岩手競馬では破格の1着賞金2000万円を拠出した。
第1回から第3回まで地区レベルまざまざに南関東馬が3連覇。はるか高い壁に打ちひしがれたが、第4回で地元の雄スイフトセイダイが優勝。この時期を境に、岩手競馬のレベルは一気に登っていった。
その後、トミシノポルンガ、ミスタールドルフなど強豪が優勝馬に名を連ね、第7回以降は1着賞金が5000万円まで跳ね上がった。
第11回(1996年)から新盛岡競馬場(OROパーク)へ舞台を移し、JRAにも門戸を開放。皐月賞馬イシノサンデーが制し、新時代突入を高らかにアピールした。
以降もゴールドアリュール、ユートピア、パーソナルラッシュ、カネヒキリなどダート界を席巻した強豪が優勝。自他ともに認めるダート3歳で唯一のGIとして定着した。
しかし岩手競馬の売り上げが年々下がり、同時に新競馬場の借金が雪だるま式に増え、市民県民を巻き込んで岩手競馬の存廃問題に揺れ続けた。
それに追い打ちをかけるように2007年、馬インフルエンザが全国にまん延。ダービーグランプリは地元開催を余儀なくされ、翌年休止。
まさに首の皮一枚、綱渡りギリギリで競馬が存続した。前後してダービーグランプリ休止を惜しむ声、復活を願う声が高まり、2010年に復活。原点に立ち返って地方競馬交流で再スタートした。
以上がダービーグランプリをかいつまんだ歴史だが、今年は復活して最高のメンバーがそろった。ラッキープリンス、ストゥディウム、オウマタイム、ヴェスヴィオ、北海道三冠すべてに出走タイムビヨンド。そして不来方賞馬ダイワエクシード......。今からゲートが開く瞬間が待ち遠しい。
22日メインは「第27回栗駒賞」(水沢1400m)、11頭立て。ワットロンクンに初重賞のチャンスが巡った。
ワットロンクンは昨年12月に南関東から再転入。初戦を快勝し、桐花賞3着に善戦。いい形でシーズンを終えた。
今季始動は5月。久々を苦にせず逃げ切り、みちのく大賞典4着。その後、2ヵ月の休養に入り、復帰2戦目を圧勝。南部杯は12着だったが、前走再び1秒差で逃げ切り圧勝。ようやく本来のシャープさを取り戻して栗駒賞へ駒を進めた。
過去9勝はすべて1300mから1600mの距離。ベストの1400mで待望の重賞制覇に王手をかけた。
エーシンシャラクは名古屋から転入後、芝ダートを問わず短距離路線を歩んで2勝。また重賞でも毎回勝ち負けを演じてきた。最後の詰めに課題を残すが、通算7勝の1400mで逆転を狙う。
エゴイストは岩手の水が合い、ハーベストカップ、OROターフスプリントと芝1000m重賞2連勝。
今回は距離1400mに延長されたが、1周1200mの水沢ならコーナーで息が入ることができ守備範囲。自慢のスピードで押し切るか。
アカリロンドンは近走成績からは強気になれないが、右回りがベスト。素質比較では引けを取らず、相手強化は承知の上で印をつけた。
ミラクルフラワーは北海道2歳時に知床賞、プリンセスカップを優勝。格の見方では劣るが、岩手との相性抜群。
ランドオウジは年齢的な衰えを隠せないが、前走1800mで果敢に攻めて2着死守。ベストは盛岡だが、1400mなら軽視できない。
◎(10)ワットロンクン
〇(4)エーシンシャラク
▲(8)エゴイスト
△(7)アカリロンドン
△(1)ミラクルフラワー
△(6)ランドオウジ
<お奨めの1頭>
9R ウインペンタゴン
南関東A2から転入2戦目を圧勝。格上馬が弾みついたのは間違いない。相手強化感もなく、もう一丁いける