今週22日(土)から水沢競馬場が舞台。開催替わりは毎回のことだが、手探り状態。先行有利か差しが有利か。内が有利か、それとも外が有利か。特に実力が拮抗している条件戦は位置取りひとつで大勢が決まる。
ジョッキーたちもレースに騎乗しながら対策を練っている。基本は手探りゆえ、先行有利の傾向が強い。それを念頭に馬券検討をしてほしい。
加えて今開催から3歳馬がすべて古馬へ編入する。これが難解さに輪をかけているが、昨年の同時期の3歳馬の活躍を以下に記してみたい。
C2・1300mは頭数も多いが、3歳馬が圧倒的優位に立っている。3歳馬<7.7.7>に対し、古馬<1.1.1>(以上は馬券絡みの回数)。
続いて1400m。C2は3歳馬<15.17.7>に対し、古馬<2.8.10>と狙いの中心は3歳馬。
しかしC1条件になると3歳馬<2.0.1>、古馬<2.4.3>。古馬が若干優位に立つ。
そして1600m戦。C1は3歳馬<1.1.0>、古馬<2.2.3>と逆転。さらにB2では3歳馬<3.0.0>、古馬<3.6.6>。1着馬は五分だが、2、3着は古馬が独占した。
B1、A級は3歳馬<0.0.0>、古馬<1.1.1>。3歳馬は全馬が馬券対象から外れてしまった。
つまり下級条件では3歳馬が圧倒的有利だが、クラスが上がるにつれて逆転。B1以上になると、よほど強い3歳馬でない限り、苦戦を強いられる。
もちろん成長し続ける3歳馬だから、いずれ古馬のペースに慣れて活躍し始めるが、古馬編入時は3歳馬の編入条件をチェックする必要がある。馬券検討の参考になれば幸いだ。
22日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛による「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1 水沢1300m)。
主軸にドナエテルニテを推す。中央芝1200m1勝2着1回。その1勝が逃げ切りと天性のスピードを身上とするタイプ。
ダートはデビュー戦の京都1400mで0秒4差5着なら、ひとまずこなせると見ていいだろう。あとは時計のかかる水沢の馬場に対応できるかどうか。それだけが不安材料となる。
マンセイグレネードは大井から今年再転入。初戦の水沢1400mを豪快なまくりを決めて快勝。パワーアップ歴然をアピールした。
その後は毎回上位を争いながら、最後の詰めが甘く、2着1回3着5回。あとひと伸びがほしい。
本質的に短距離の追い込み馬。ペースがカギを握るが、前が競り合えば一気突き抜けるシーンまで十分。
リアリティーは中央芝1000m1勝、芝1200m1勝。その適性を見込んで短距離をメインに使われてきたが、気性難が災いして失速の連続。
それでも地力あるのは誰もが認めるところ。転入後、5着1回は水沢1400m戦。コース替わりで反撃に転じるか注目。
ジャリーヴは3歳1000m重賞・ハヤテスプリントを優勝。福島ダート1150mで1着の実績はダテではなかった。
距離適性はここでもトップ評価を与えることができるが、1年1ヵ月の長期休養を経て復帰初戦。能力検査を叩かれたとは言え、実戦から離れているのが気がかり。△評価が妥当か。
スキャットマンは芝に替わって反応の良さが目につく。1300mは未経験だが、芝の印象から案外合うかもしれない。あとは京都ダート1400m・2歳新馬を勝ったゼンノジェネラルを押さえたい。
◎(2)ドナエテルニテ
〇(6)マンセイグレネード
▲(1)リアリティー
△(5)ジャリーヴ
△(7)スキャットマン
△(4)ゼンノジェネラル
<お奨めの1頭>
5R デルマウンライマツ
転入2戦2着のうっ憤を晴らし、前走を0秒8差で圧勝。走破タイムも文句なく、コース替わりでも信頼度は高い
8月15日に行われた2歳の芝重賞『第16回若鮎賞』。当初1番人気に推されていたメーターがゲート内で転倒、負傷のため競走除外となるという波乱の幕開けとなりました。
仕切り直しの再スタート、1番人気となったメジャーリーガーが2番人気サプライズハッピーの猛烈な追い上げを凌いで優勝。デビューから3連勝で重賞制覇を果たしました。
翌8月16日行われた、古馬の芝マイル重賞『第38回桂樹杯』は大波乱となりました。
ハナを切ったのは大方の予想通りモズ。しかし、そのモズに徹底的に競りかける形になったのが1番人気のライズライン。強豪二騎がハイペースで競り合ってしまってはゴールまで保つはずもなく、まずモズが失速し、ライズラインも直線で伸びを欠いた所で後続に飲み込まれます。
その乱戦を制したのは9番人気ボストンリョウマ。岩手での初勝利が重賞という華々しい結果を手に。2着は6番人気オールマイウェイ、3着は11番人気イグゼキュティヴ。馬番3連単はなんと205万6420円となりました。
●10Rの買い目
馬単(4)=(1)、(3)=(4)、(3)→(5)、(1)→(4)
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昨日に続いてクラスターカップの話。岩手代表・ラブバレットが3着に健闘した。先行4頭の外をキープして内で粘るサマリーズをゴール前でとらえて3着確保。
岩手勢がグレードレースで馬券対象となったのは2007年、クラスターカップでテンショウボスが3着確保して以来、8年ぶりの快挙となった。
南郷家全騎手「ゲートのタイミングが良くていいポジションを取れた。道中もいい感じでついていったが、最後は力の差。ですが、このメンバーで3着なら頑張ったと思います」
まったく同感だ。今回、久々の1200m戦にも対応できたのが最大の収穫。ベストは1400mだが、今回の結果によって選択肢が大きく増えたのは確実。
翌日、菅原勲調教師に話を聞いたところ、チャンスがあればまた遠征してみたいとのこと。先取り情報でお伝えするが、9月23日、浦和競馬場で行われる「オーバルスプリント」(JpnIII 1400m)を目指すという。正式な決定を待ちたい。
16日メインはOROカップへの道「第38回桂樹杯」(盛岡芝1600m)。ライズラインが芝路線に名乗りを上げた。
2歳時に二歳2冠、3歳時も二冠を制し、ほかに重賞3勝。着実に力をつけ、今年はシアンモア記念を優勝。敗戦を糧にたくましく成長を続けている。
早池峰賞、岩鷲賞は2、4着に終わったが、短距離向きでなかっただけ。上位を確保しながら自分の競馬をできずに終わった。
しかし今回は最も得意とするマイル戦。舞台はダートから芝に替わったが、3歳時に交流・オパールカップを勝っているので問題なし。ここ2戦のうっ憤を晴らす格好の舞台となった。
ただ久々の芝がネック。芝ダート兼用のタイプとは言え、つけ入る余地はある。逆転筆頭はヒラボクビクトリー。
ダートでは追走一杯だが、芝に替わって反応が一変。芝1700m・オープンでマクリ一気を決め、かきつばた賞、せきれい賞連続2着。
2戦の敗戦を見ると脚を貯める競馬より早めにスパートをかけた方が切れを増す印象。1600mはむしろ歓迎と見ていいかもしれない。
エーシンシャラクは名古屋から転入して初戦の水沢1300mでイン強襲を決め、2戦目の芝1000mでコースレコードに0秒4まで迫るハイタイムで完勝した。
マイル延長が最大ネックだが、1周1400mも盛岡ならこなせる距離。最も怖い存在となった。
オールマイウェイはせきれい賞で早めにまくって3コーナー手前で先頭。最後は一杯となったが、復調気配は明らか。後輩の台頭に押され気味だが、勝ち星7勝すべてが芝と鬼的存在。復活を賭ける。
シェイプリーはせきれい賞4着。2コーナー過ぎからロングスパートをかけ、直線でも粘っていた。自慢の切れはここでも通用。
モズはせきれい賞しんがり負けを喫したが、これで見限るのは早計。自分のスタイルに持ち込めば格でアッサリまで。
◎(9)ライズライン
〇(12)ヒラボクビクトリー
▲(11)エーシンシャラク
△(10)オールマイウェイ
△(7)シェイプリー
△(5)モズ
<お奨めの1頭>
1R エクセレントガール
転入初戦で鮮やかなまくりを決めて完勝。タイム以上に強さが際立っていた。ここもアッサリ突き抜ける
12日、真夏のスプリント決戦「第20回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)は、ダノンレジェンドが単勝1・4倍の圧倒的1番人気に応えて6馬身差で圧勝。北海道スプリントカップ3着の雪辱を晴らし、重賞4勝目を手にした。
鞍上は盛岡初見参のミルコ・デムーロ騎手。競馬場の印象について質問され、このように答えた。
「レースリプレイを何度か観て、きれいな競馬場だなと思っていたが、実際に乗ってみてもすばらしかった。砂が少し重いけど、コースも広く非常に乗りやすい。サンタアニタ競馬場(ロサンゼルス)に似ていますね。今度は芝で乗ってみたい」と絶賛した。
ウィナーズサークルで行われた表彰式後、多くのファンの要望に応えて気軽にサインしてくれたのも印象的だった。これから何度でも岩手へ訪れてほしい。心から熱烈歓迎したい。
15日メインは2歳重賞第一弾「第16回若鮎賞」(盛岡芝1600m)。今シーズンの2歳戦線を占う意味でも重要な一戦となった。
主軸にメーターを指名する。デビュー戦の盛岡芝1000m戦を4馬身差で圧勝。2番手キープから直線で一気に突き抜けた。
走破タイム59秒1は今季2歳・芝1000m戦の一番時計。本質的にはダート向きかもしれないが、絶対能力が違った。
父プリサイスエンド、母父サクラバクシンオー。マイル延長が最大ネックとなりそうだが、折り合いもつくし追い出してからの反応が抜群。若鮎賞を期待に応えて勝ち上がり、次走・テシオ杯ジュニアグランプリに向けて好内容を期待する。
逆転筆頭はサプライズハッピー。今季2歳新馬の勝ち馬第一号。芝1000m59秒5はメーターに次ぐタイムだった。
2戦目の水沢1300mは2着に敗れたが、初コースでレースに集中できなかったため。直線でもフラフラして実力を発揮できずに終わった。
その後は若鮎賞に照準を絞って調整。追い切り内容も文句なく、主役奪回に燃えている。
メジャーリーガーはデビュー2戦2勝。レースセンスの良さがセールスポイント。盛岡芝未経験が不安だが、兄ブロンドレーン、姉レディージャスミン、ダイヤフェアリーは芝ダート兼用のタイプ。2頭の割って入るシーンまで十分。
サンエイゴールドは2戦連続で3着。ステイゴールド産駒の期待馬だが、尾っぽに力が入りすぎてロス多い走法が伸びを欠いている理由だと思う。とは言え、いずれ頭角を現すであろう逸材。距離延長を味方に上位を狙う。
グレーストスカーナはメーターに完敗2着だったが、スピードは一目置ける。有力馬がけん制し合い、気分良く逃げれれば残り目あるかも。あとはハイレベル北海道から転入ソラトブヒャクを押さえ少々。
◎(3)メーター
〇(1)サプライズハッピー
▲(7)メジャーリーガー
△(9)サンエイゴールド
△(2)グレーストスカーナ
△(5)ソラトブヒャク
<お奨めの1頭>
5R ナイスサンフラワー
レース間隔が開きながら、持ち前のスピードで逃げ切り完勝。メンバー強化感もなく、ここも期待に応える
★ひまわり賞/再転入初戦ラブディーバが圧勝
9日(日)に行われた3歳牝馬の重賞「ひまわり賞(オークス)」は、再転入初戦、3番人気のラブディーバが2着ヴァイキングに8馬身差をつける圧勝で重賞初制覇を飾りました。
同馬は昨年岩手でデビューして3勝を挙げた後、南関東に移籍。そこでは未勝利ながらも遠征した名古屋・若草賞では5着に入るなどしばしば能力の高さをかいま見せていました。
1番人気ヴァイキングが2着を確保したものの3着は11番人気クインオブザナイトが飛び込み、馬番3連単は11万4580円。このレース3年連続の波乱となりました。
●10Rの買い目
馬単(4)=(10)、(4)=(1)、(4)→(7)、(4)→(12)、(4)→(13)
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