9日(日)メインは3歳牝馬の頂点を決める「第29回ひまわり賞(オークス)」。牝馬には過酷な盛岡ダート2000mが舞台。同距離を経験しているのは岩手ダービー・ダイヤモンドカップ4着ゼンテイバンリ1頭のみ。
距離対応が最大ネックとなりそうだが、盛岡に舞台が替わって過去6年は1番人気<2.2.0.2>、2番人気<3.1.1.1>と活躍。
波乱だったのは昨年、7番人気で快勝したフラッシュモブのみ。それでも1番人気ダンスママが2着を確保し、人気サイドで決着すると見ていいかもしれない。
もう一つ大事なデータは芝ダートを問わず1700m以上を使っているのが好走パターン。そうなると有力馬はある程度、絞ることができる。
主軸にヴァイキングを指名。岩手デビュー2戦は3、7着に終わったが、北海道移籍戦で初勝利。以降も3、2着にまとめ南関東へ転籍。いきなり大井で2連勝を飾った。
続く笠松・新緑賞は4着に敗れ、3ヵ月近くの休養を経て岩手へ里返り。ウイナーカップで強豪スペクトルの2着。そして古牝馬重賞・フェアリーカップでもハイペースをしのいで2着を死守した。
すでに牝馬オープンでも通用の能力を持ち、1800mを経験したのが強み。レース内容を振り返れば1ハロン延長も問題にしないはず。待望の重賞タイトルを手にする。
ツリーハウスは東海ダービー(1900m)2着。牝馬No.1ミトノレオに先着したのが光る。北海道1勝から笠松へ移籍後、地力アップ明白で6勝を荒稼ぎした。
生涯初めての左回りとなるが、コース広い盛岡なら大丈夫。逆転首位まで。
ラブディーバは昨年の2歳新馬勝ち第一号。2戦目も快勝し、重賞・ビギナーズカップ、若駒賞で3着を確保した。
プリンセスカップ5着後、南関東へ移り、なかなか壁を突破できなかったが、2着2回。前走は最低人気ながら積極的なレース運びから0秒1差2着に粘った。
ハイレベル地区で揉まれてきたキャリアは貴重。最長1600mまでしか経験ないが、3歳の2000m戦は総じてスローペース。自分の競馬ができればこなせる距離と見る。
グッドギアーは気性難が出世を妨げていたが、岩手で大成長。6勝2着3回、あやめ賞優勝など牝馬でもトップクラスの成績を残してきた。
こちらもマイルまで。未知の距離に一抹の不安を抱えているが、勝負根性が最大の武器。競り合いに持ち込めば2000mも我慢できる。
キーマスコットは小柄な牝馬ながら岩手3勝2着4回。芝2400m重賞・サファイア賞でも2着に健闘し、交流・オパールカップでも5着を確保した。母系に流れるのはバリバリのステイヤー血統。軽視すると痛い目に遭う。
マックスキュアは前走お見事だった。内に入って砂を被ってもひるむことなく直線一気に突き抜け、グッドギアーに6馬身差をつけた。OROカップを制した母クルセイズの血が騒ぐか。
◎(11)ヴァイキング
〇(6)ツリーハウス
▲(1)ラブディーバ
△(4)グッドギアー
△(2)キーマスコット
△(5)マックスキュア
<お奨めの1頭>
5R オーバーチュア
目下3連勝と波に乗る。走破タイムもここでは抜けており、確実に白星をゲットする
今週の岩手競馬は8日(土)、9日(日)、12日(水)の変則開催。他場との調整、お盆との絡みなどによって12日単独開催となった。
記憶に間違いなければ岩手競馬のワンデー開催は初めて。降雪の影響か何かで代替開催があったかもしれないが、自分の記憶にはない。史上初の試みとなる。
競馬興業はある意味でファンの条件反射的な行動に依存するところが大きい。毎週、土、日、月の3日間開催が完全に体に染みついているから、変則開催になるとリズムが狂い、体調もちょっとおかしくなる。
特に年末年始開催の時に顕著に現れる。ゴール(冬休み)が見えているから頭(理性)で順応させているが、体の方はなかなかついていけない。これが30年以上、岩手競馬にかかわってきた性(さが)なのだろうと思う。
だからといって今回のワンデー開催を否定している訳ではない。30年前と現在を比べれば競馬スタイルも大きく変わり、ファンの嗜好も変わっているのは当然のこと。
ワンデー開催がどんな結果をもたらすのか。関係者の一人として興味深く関心を持っている。
ということで今週の岩手は土、日の2日間開催ですのでお間違いのないように。8日メインはB2級馬による芝1000m「姫神賞」、11頭立て。
盛岡芝1000mは岩手競馬で最も特殊なレース。短距離、芝適性の両方が求められる一戦となる。
主軸にツキミチャンを指名。今季3勝2着3回と成長一目。特に芝に替わって2勝2着1回と大活躍。前走もB1・レインボーカップにB2から強気の挑戦。1番人気キャンディキーにクビ差2着まで肉薄した。
すでにB1通用を証明し、走破タイム1分37秒8(盛岡芝1600m)も非常に優秀だ。
最大ネックは過去最短距離が1300m。未知の1000m戦に対応できるかどうかだが、今回に限って言えば揉まれない外枠はラッキー。自在脚質で距離も克服する。
ダイワマックワンは中央芝1200m5勝のスペシャリスト。盛岡芝1000m1勝2着3回と連対パーフェクトを誇っている。
調子も次第にあげて2戦連続2着。前走はハナ差の惜しい2着だったが、芝1000m適性を存分に発揮した。
前回惜敗したコスモケリアとは枠順が逆転。大外が敗因と解釈すれば4枠はダイワマックワンの望むところ。シーズン初勝利まで。
コスモケリアは芝で一変した。今季3勝2着1回はすべて芝が舞台。前走も出遅れながらもきっちり差し切った。連闘で疲れが若干気になるが、芝1000m適性は1、2を争う存在。
テンプトミーノットも芝1000m1勝2着2回とベストの条件。レインボーカップは後方のままに終わったが、適条件で反撃をもくろむ。
エスカーダは前走取消し。6月7日以来、2ヵ月ぶりの実戦だが、オープンでも勝ち負けの格上馬。地力でアッサリまで。
ジャーフライトは典型的な短距離馬。中央1勝をダート1200mでマークし、芝もこなせるタイプ。軽視できない。
◎(11)ツキミチャン
〇(4)ダイワマックワン
▲(6)コスモケリア
△(5)テンプトミーノット
△(7)エスカーダ
△(8)ジャーフライト
<お奨めの1頭>
9R マイネルサフィルス
中央未勝利から転入後、圧巻の6連勝。距離延長も問題にせず、ここを勝って重賞へ殴り込みをかける
★すずらん賞はヴェリイブライト
8月1日に行われた『第38回すずらん賞』は3番人気のヴェリイブライト(水沢・菅原勲厩舎)が優勝しました。
同馬は南関→岩手→南関→岩手と岩手には一昨年以来の再転入。その際も不来方賞2着・桐花賞4着など好成績を残していましたが、5歳となっての再転入初戦の今回、ランドオウジ以下を問題なく破って力量と成長ぶりを示しました。
★せきれい賞は3歳レジェンドロックがV
8月2日に行われた『第37回せきれい賞』。遠征馬はハテンコウ一頭、それも当初騎乗予定だった内田利雄騎手が東北新幹線の遅れのため来盛できず大坪慎騎手に乗り替わる・・・というスタートに。
そしてレースでも、1番人気モズが2周目に入る頃には早くも失速・後退気味に。そんなもつれる展開を慌てず騒がず乗り切った山本聡哉騎手騎乗レジェンドロック(水沢・瀬戸幸一厩舎)が3馬身差で優勝。このレース初の3歳馬による優勝を果たしました。
●10Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(5)、(4)→(1)、(4)→(8)
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2日メインは盛岡芝2400m「第37回せきれい賞」。トライアル・かきつばた賞を快勝したモズが出走する。
生来の性分(しょうぶん)だと思うが、優等生より個性派に感情移入する傾向が強い。いわゆる規格外がお気に入り。競馬でも例に漏れない。
モズは一昨年12月、転入初戦で北上川大賞典を逃げ切り、桐花賞2着。翌年春のA級戦も2着にまとめ、マズマズの滑り出しだったが、左回り(盛岡回り)の調教がまったくできなかった。
さすがに調教ができなければレースで好走するのは至難。それで北海道へ移籍して初戦を快勝したが、ステイヤーズカップ、瑞穂賞と大敗。再び岩手へ戻ってきた。
陣営も半信半疑で実戦を迎えたが、アッサリ逃げ切り快勝。連覇を狙った北上川大賞典ではナムラタイタンの2着に粘って一安心させたが、桐花賞で早々と失速6着。気性難にスタッフは頭を悩ませっぱなしだった。
しかし今季はA級戦2着から赤松杯でもナムラタイタンの2着にまとめ、右回り専門でローテーションを組むことが決定。笠松・オグリキャップ記念に参戦したが、ずっと物見をし続け、レースに集中できないまま6着に終わった。
陣営は腹を括った。左回りの調教ができなくても盛岡を使おう、と。結果、あすなろ賞で直線で一度下がりながらも内から差し返してコミュニティにタイム差なし2着。
それでもモズはかきつばた賞でやらかした。盛岡芝2400mは馬場を1周半するが、1周目ゴールで走るのをやめてしまった。鞍上・高橋悠里騎手は折り込み済み。気合いをつけ直し、4コーナーで一旦交わされながら強じんな粘りで快勝。陣営の喜びもひとしおだった。
続くみちのく大賞典は2着だったが、コミュニティが強すぎたもので仕方なし。むしろ早めに交わされても2着に粘った点が収穫だった。
実はモズ、非常に賢い馬だった。失速するのは淡白な性格からだし、走るのをやめるのはゴール板を分かっているから。自分が納得しなければダメだった。
それにしても、だ。ほとんどまともな調教できないのに結果を出すのだから、心臓の強さは相当なもの。担当の熊谷淳也厩務員も半端じゃなく手をかけて午後の運動量もすごいが、モズの体力があってこそ。果たしてせきれい賞でどんな走りをするのか。
本命はヒラボクビクトリー。ここまで書いてモズを主軸視しないのか...と思うかもしれないが、個人的な感情と予想は別モノ。ヒラボクビクトリーが最も軸としてふさわしい。
中央芝4勝・準オープンから船橋を経て転入。ダートはからっきしだったが、芝に替わって一変。芝1700m戦を圧勝し、かきつばた賞2着。モズの粘りに屈したが、最後は再び差を詰めていた。モズの弱点を突いて待望の重賞制覇を狙う。
▲レジェンドロックははまなす賞、サファイア賞と3歳重賞を連勝。交流・オパールカップは南関東の壁に阻まれて3着だったが、これが貴重な経験となったはず。負担重量差2キロを活かし、古馬を一蹴するか。
オールマイウェイは勝ち星7勝すべて盛岡芝でマーク。昨年、せきれい賞へ満を持して登場したが、レース中に骨折していたのが後に判明。あれから1年が過ぎ、ここに照準を合わせて雪辱に燃えている。
ユウキソルジャーは3年前の菊花賞でゴールドシップの3着。ここ一番の底力が不気味。
◎(5)ヒラボクビクトリー
〇(4)モズ
▲(3)レジェンドロック
△(8)オールマイウェイ
△(12)ユウキソルジャー
<お奨めの1頭>
11R アフリカンブルー
転入後、すべてワンサイド決着で5戦5勝。今度からC1昇級、1600m延長など克服する課題は多いが、絶対能力でカバーする