5月3日、『岩手ダービー・ダイヤモンドカップ』トライアル「第28回やまびこ賞」が行われ、単勝1・2倍の圧倒的1番人気に支持されたスペクトルが圧勝。2着トーホクライデンに1秒9差をつけ、貫禄の違いを見せつけた。
山本政聡騎手がレースを振り返る。「担当者から状態がすごくいいと聞いていたので自信を持って臨めた。
馬場が逃げ有利だったので最初から行く気。スタートもうまいので逃げの手に出た。シーキングザライトが外から被せて来るのも想定内。
今後のことを考えて折り合いを重視して乗ったが、最後までしっかりと伸びてくれた。昨年よりさらに成長を実感。最後の瞬発力も威力を増した。
次(岩手ダービー・ダイヤモンドカップ)はロールボヌールも出てくるでしょうから、対決が楽しみです」
ロールボヌールは当初、3歳平場戦に登録があったが、無理をせず自重。ダイヤモンドカップへ直行するか、一度叩いて臨むかは状態次第だという。
過去2度の対決はロールボヌールの圧勝に終わったが、年を越して差が詰まるのか。それともスペクトルが主役の座を奪い取るか。今から楽しみな一戦となった。
5日メインはオープン・ダート1000m戦「スプリント特別」。未経験の舞台だが、盛岡コースならランドオウジを主軸視するのが妥当だろう
。
ランドオウジは一昨年、中央1勝から転入。7歳馬でわずか12戦のキャリアは長期休養が何度かあったから。4度の骨折を経て岩手へ新天地を求めてきた。
当初はなかなかレース勘を取り戻せなかったが、叩かれながら良化一途。ついには昨年、重賞3勝するまで復活した。
水沢もソコソコこなすが、輸送がある盛岡で本領発揮。おそらくスイッチが入ると思うが、別馬のようにシャープな反応を見せる。
ダート1000m戦は一度も経験していないが、盛岡ダート1200m重賞2勝ならこなせるはず。今季初勝利を飾り、弾みをつけたいところ。
デュアルスウォードは中央ダート5勝・オープンから南関東3戦を経て転入。注目の初戦は2ヵ月ぶりの実戦で前走比プラス9キロ。若干太目もあったが、それ以上に勝ったラブバレットが強すぎた。
当日は時計がかかる馬場。全体タイムが平均より1秒近く遅かったが、その中でラブバレットは水沢1300mを1分20秒6で圧勝。これはコースレコードに0秒4まで迫る破格タイムだった。
以上のことを考えると2着確保なら上々の滑り出し。叩かれた変わり身を加味すればダート短距離実績からも逆転首位まで十分。
ダブルスパークは昨年、芝1000m重賞・ハーベストカップ、全国交流・OROターフスプリントを優勝。秘めた才能が全面開花した。
力の要るダートに手こずっていたが、南関東から帰郷初戦の水沢1400m4着で克服のメドが立った。
元々、中央時代にダート1000mで1勝2着1回。適性がない訳ではなく、ベストの条件で首位争い参加する。
アフリカンハンターは中央ダート1200m4勝。初戦は4ヵ月半ぶりの実戦でプラス23キロと大幅増。3コーナーで早々と失速したが、大型馬が叩かれれば良化必至。こちらもダート短距離適性は勝るとも劣らない。
コスモフィナンシェは名古屋から再転入。赤松杯は9着だったが、前走4着。徐々に立ち直りムードは間違いない。
◎(6)ランドオウジ
〇(9)デュアルスウォード
▲(2)ダブルスパーク
△(1)アフリカンハンター
△(4)コスモフィナンシェ
<お奨めの1頭>
8R ピースワントゥルー
今季2戦の破壊力がすばらしい。年を重ねるごとに進化をし続け、B1卒業も時間の問題だろう
★盛岡開催スタート
5月の大型連休突入初日となった5月2日、岩手競馬でもOROパーク盛岡競馬場での開催がスタートしました。昨年11月10日以来半年ぶりの盛岡競馬。今開催は芝レースは予定されていませんが、5月16日からの次開催からは芝レースも始まります。
★開幕イベントで賑わいました
そんなORO開幕当日はたくさんのイベントが行われました。ご当地アイドルグループ『チャーマンズ』やフォークデュオ『秋風センチメンタル』のミニライブ、『美人時計』モデルさん達によるラウンドガールなど、競馬場は一日賑わいを見せていました。
●9Rの買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(1)、(6)→(11)、(6)→(3)
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いよいよ盛岡競馬がスタートした。幸い天候にも恵まれ、ゴールデンウィークを競馬で楽しんでいるファンが詰めかけた。ファミリー、カップルも多く見かけ、OROパークならではの華やかさがある。
まずは盛岡開幕初日の傾向を報告したい。絶好の天気で良馬場。開催前から言われていたとおり時計が結構かかっていた。1200mの平均タイムを考えると1秒から2秒近く走破タイムが遅く、パワーを要求される馬場。
あとはジョッキーも手探り状態のようで先行決着の傾向が強く、基本は先に行った馬を狙うのが得策。
ただ毎年のことだが、ジョッキーも先行有利を黙って指を咥えている訳にはいかない。いきなりハイペースで差し台頭も考えられるが、ひとまず先行馬は"買い"だと思う。
3日メインは3歳重賞「第28回やまびこ賞」(盛岡ダート1800m)。相次いで回避馬が続出して7頭立て。スペクトルには勝つ条件がほぼそろった。
スペクトルはデビューから一度もハナを譲ったことがないスピードが身上。若駒賞、南部駒賞はロールボヌールに完敗を喫したが、これは相手が強すぎた。
それでも2着を死守して面目躍如。そのロールボヌール不在の寒菊賞、金杯を順当勝ちし、能力の高さを誇示した。
冬期間は山元トレセンで乗り込み、開幕週のスプリングカップに出走。ぴったり2番手を追走したシークロムに交わされて2着に敗れたが、これはレースから離れていたのが敗因。
続く3歳A級戦では59キロの酷量を背負いながら、7馬身差で圧勝。ひと叩きされて一変の動きを披露した。
今回は強豪不在で重賞3勝目のチャンス。あえて死角を探せば未知の1800mだが、このメンバーなら総合力の違いでカバーするに違いない。
トーホクライデンは堅実な差し脚が武器。デビュー当初の出遅れグセは完全に解消。安定感を増した。
いまだ1勝のみながら2着6回3着2回と抜群の安定感。スプリングカップは4着だったが、先行2頭の決着では仕方なし。直線長い盛岡で反撃を狙う。
シーキングザライトはJRA函館・2歳新馬(芝1000m)5着。今年3月に岩手入りし、2戦とも圧勝。特に前走は2着に1秒5もつけ、良化一途。いきなり一線級相手でも成長度に注目。
ラッシュボールは昨年、岩手2戦目から連勝。直後に骨折が判明したのが痛かったが、4月に復帰。治療明けでマイナス21キロと大きく体重を減らし、伸びを欠いたが、叩かれて変わり身必至。
カミングオブエイジはスプリングカップ5着、前走3着。堅実な反面、ジリ脚タイプの印象があるが、それならば距離が長ければ長いほどいいだろう。
◎(5)スペクトル
〇(3)トーホクライデン
▲(7)シーキングザライト
△(2)ラッシュボール
△(1)カミングオブエイジ
<お奨めの1頭>
11R コスモドガ
前走は勝ったレオナビゲートが強すぎた。今回はメンバーが大幅に甘くなり首位奪取は当然
今週から戦いの舞台は水沢から盛岡競馬場=OROパークへ。先週まで向こう正面に植えられた桜の花が咲いていたが、ここ数日の猛暑のため一気に散ってしまった。これは残念だったが、まだ山の高いところにある野桜はギリギリ咲いている。2日の盛岡開幕までなんとか持ってほしいと切に願っている。
3月の特別開催前からずっと盛岡競馬場記者席で仕事をやっているが、季節の移り変わりは本当にすごいと思う。3月ごろは春と冬が交互に行き来し、本当に春が来るのか心配になったものだった。
ご存知の方も多いだろうが、盛岡競馬場は山の中腹にあり、ほぼ山の気候。平地より2、3度は平均気温が低く、下界が雨でも盛岡競馬場は雪だったことも少なくない。
必然的に盛岡自慢の芝も成長が遅かったが、ここにきて緑一色。2日からでもレースができるまで芝が成長している。芝スタートは次開催まで待たなければならないが、今年も芝を目指して多くの馬たちが転入してくるに違いない。まずは1周1600mのアメリカンスタイルのダート競馬をお楽しみください。
5月2日メインは「メイカップ」(B2・盛岡ダート1800m)、10頭立て。軸はタフガイで迷いがなかったが、次位候補に悩んだ。
タフガイはデビュー戦の水沢850mを50秒9の破格タイムで勝ち上がった逸材。ただ体質が弱かったため、時に非凡な才能を見せながら自問自答の日々を送っていた。一昨年夏、2連勝を飾り、ようやく本格化かと思った矢先、骨折に見舞われたのも不運だった。
昨年は1勝2着4回。これでも不満が残ったものの、まずまずの成果を出したが、11月にリタイア。素質開花には至らなかった。
そのような中、今シーズンは水沢開幕初日に戦列復帰。特別開催を使った馬も多かったが、5ヵ月ぶりのハンデをモノともせず完勝。これ以上ないスタートを切った。
今度の舞台は5戦1勝2着2回3着1回と好成績を残してきた盛岡ダート1800mが舞台。どんな流れにも対応できるのが最大の強みとなる。2連勝を飾り、さらに飛躍を期待したい。
ステージアートは今シーズン3戦連続3着。最後の詰めに課題を抱えているが、強豪メンバー相手に善戦を繰り広げている。
もまれ弱い面があり、1枠と1800mが微妙だが、好調度でカバー。隊列が落ち着けば連対も十分可能と見る。
ランドグローリーは昨年中央未勝利から転入し、10戦8勝2着1回と抜群の勝率。今季はC2からB2へジャンプアップだったが、2着にまとめ上々の滑り出し。
エイプリルカップは伸びを欠いて4着だったが、勝負どころで流れが一気に速くなったのも敗因。それならばゆったりペースの1800mで巻き返しに転じれるはず。今後も含め、真価が問われる一戦となった。
コスモグランツは休み明けの特別開催2着。インから鋭く伸びて連対を確保した。続く2戦は着外だったが、元々がムラなタイプ。3勝マークの盛岡に替わって反撃必至。
サンファーゴもランドグローリーと同様、C2からB2へ昇格。当初はB2のペースに戸惑ったが、手薄なメンバーとなった前回逃げ切り勝ち。気分良く逃げれば強じんな粘りを発揮する。
コスモナダルの評価に迷った。B1から降格して1、2着。駒形賞でも好勝負を期待したが、後方のまま7着。スローも痛かったが、まったく動けなかった。
それでも重賞・絆カップで3着の格上馬。一戦のみで見限るのは早計だろう。
◎(6)タフガイ
〇(1)ステージアート
▲(9)ランドグローリー
△(8)コスモグランツ
△(3)サンファーゴ
△(5)コスモナダル
<お奨めの1頭>
8R ディアアゲイン
中央ダート1200m2勝。園田でも1400m4勝をマークした格上馬。10歳馬だが、C2では地力が違いすぎる